1000円以内!東京とんかつ食べ歩き

1000円以内!東京とんかつ食べ歩き

とんかつは安くなけりゃあ、とんかつじゃない!!
東京都内の旨くて千円以内で食べられるとんかつ屋の食べ歩きルポ。
名店といわれる店から、街角に埋もれた庶民派の店までくまなく食べ歩きます。
とんかつを愛するが故、時には容赦無く斬り捨てゴメン!VIVAとんかつ!

暑い日がつづきますねぇ‥‥。

こんな暑い日は、やっぱり精を付けるために「とんかつ」ですよ!

 

ということで、本日は渋谷の奥地にあるお店を発見したので、ご報告です。

渋谷駅西口から、恵比寿駅方面に線路沿いを徒歩10分。かなりの奥地ゆえに、なかなか話題にのぼらなかったのでしょう。

 

店名は「風流とんかつ 奥三河」。看板の上には「みそかつ」の文字もある通り、お店のウリは都内では珍しいみそかつです。

ちなみに「風流」とありますが、店の目の前には有名なプリクラ筐体メーカー「フリュー」の本社があるのですが、関連があるかどうかは分かりません(ないだろ)

 

 

 

そして、ご覧ください!久しぶりのアンダーセン(1000円以下)とんかつ!

「当店自慢 みそかつ定食1000円」をむしして、「とんかつ定食950円」を注文したいと思います。

 

店内の写真は撮っていませんが、とにかく広い!近隣に食堂は少ないのですが、それでも入れないという事はなさそうです。

漂う昭和感に期待が高まります。

 

 

そして出てきたのがこちら!「とんかつ定食」950円!

 

 

量も十分ありますね!

 

 

衣がちょっと割れてるのはご愛敬!ほどよく焦げた食欲をそそるゴールドクロス!(聖闘士星矢)

 

 

 

頃は比較厚め、タマゴたっぷり!手作り感が伝わってきますね。

 

 

ほのかに広がるラードの香り。

さっそくなにもかけずに、まずは一口いただきます。

 

うん、美味しい。豚肉も柔らかく、ジューシーさも十分。

衣も厚めのおかげで、サクサクさが出ています。肉のジューシーさとののバランスが良い。

950円のとんかつとは思えないほど(失礼!)、バランスの取れた揚げ具合です。

これは美味しいなぁ。これはいい店を発見しましたよ。

 

 

ちなみにご飯もデフォルトで大盛。これ以上はちょっと食べられません(笑)

お味噌汁はしじみです。さっぱりしますね。

 

 

渋谷の奥地(代官山駅からも恵比寿駅からもおなじような距離感)なのでちょっと生きづらいですが、

近隣に勤務している方はぜひご利用ください、美味しいですよぉ!

 

 

■コストパフォーマンス   ★★★★☆
■味         ★★★★☆

■庶民度      ★★★★★
■豚数         95豚

■一言コメント 「おしぼりサービスもありたい」
※とんかつ定食950円、みそかつ定食1000円
◆ 場所:東京都渋谷区鶯谷町1-3 外山ビル 1F

 

 

 

 

 

 

最近はとんかつ屋の高級志向がつづき、新規店舗は繁華街ばかりに出店してる印象ですが、昔はどこの町にも地域に根差したとんかつ屋があった気がします。

 

番地は目黒本町、駅で言えば西小山が最寄り(とはいえ徒歩10分)の「とんかつ とん吉」も、地域に根差したとんかつ屋。住宅街のど真ん中にあります。

西小山といえば、人気店・波止場さんが大井町に移転し、ちょっととんかつブームがさった印象ですが、もともとは住宅街、流行りすたりに関係ない店も多い場所。いろいろなメニューが張り出してあります。

 

 

ロースかつランチが800円!庶民にはありがたい価格設定。自家製カレーライスも気になるところ。

ごはん大盛サービスは嬉しいですね。

 

 

店内は町の食堂の雰囲気。変にピリついた感じもなく、おばさんたちが忙しそうに働いています。

 

注文して10分ほど‥‥‥‥出てきたのがこちら!ボリュームおおいっ!(ごはんフツーにしたのに)

小鉢もついてありがたいですね。

 

 

キャベツ、ポテサラ、そして日の丸のように置かれたミニトマト。構成がいい。画がキレイ。

 

 

ドーンと盛られたごはん。ちゃんと残さずいただきますよ。

 

 

トンカツ本体はこちら。ボリューミーですね。程よく揚がっているのが分かります。

 

 

断面はこちら。ちょっと薄いかもだけど、800円ですよ? え、薄い? じゃあ、1600円でとんかつでこの倍以上の厚さになりますか?と問いたい。ごはんも、小鉢もあるんだから十分ですよ。ソースを多めにかけていただきます。

 

肉がとにかく分厚いとんかつも魅力ですが、それはステーキとかソテーで食べればいいじゃん、とも思ったりもします。適度な厚みだからこそ、髪切ったときや、帆奪った時の衣と肉のバランスがちょうどいいこともある。「厚み絶対正義」みたいな風潮には反対です。いろんなタイプのとんかつを楽しめてこそ、とんかつファンなのかと!(机ドーン!)
 

 

 

ということで、いまどき目黒区という一等地で800円という良心的価格でいただけるとんかつ屋さんの紹介でした。

長くつづけてくださいね。

 

■コストパフォーマンス ★★★★☆
■味      ★★★★☆

■庶民度    ★★★★☆
■豚数         85豚
■一言コメント 「令昭の和スタイル」
ロースかつ800円

■東京都目黒区目黒本町6-18-23

 

 

 

大森といえば、ボートレース場が近く、飲み屋街も多い、なんとなく「鎌田」のような雰囲気がを漂わせていますが、大森駅西側の小高い丘になっている地域は、「大森山王」として都内有数の高級住宅地として有名です。歴史は古く、田園調布よりも以前、1900年前後には住宅地として分譲されはじめ、多くの作家や政治家が住むようになったそうです。

 

五反田の池田山みたいなものでしょう。ちょっとした土地が一億円を超えるみたいで、我々庶民には縁がない土地であることは間違いないでしょう!

 

さて、そんな“山王”の名を冠したとんかつやがこちら。きっと高級マダムがフォークとナイフで、ワイン味わいながら召し上がってるんだろうなぁ‥‥と妄想したくなる店なのですが、

 

店に構えはこんな感じです!ドーン!

 

 

 

とんかつとラーメンを出す店なんです。僕はいろいろなとんかつやを見てきましたが、ラーメンととんかつの二刀流は初めてです。しかもカレーラーメンという名物もあるそうなんですが、趣旨がずれるのでいったん置いておいて。

 

ロースかつ定食は1000円!

すごい、高級住宅街なのに、1000円!

 

今回はちょっと奮発して、厚切りロースかつ定食1400円を注文しちゃいました。

そして出てきたのがこちら!すごいボリューム。200グラムくらいあるんじゃなかろうか。

 

 

断面から、すぐに良い部位ということが分かりますね。ロースの中でも肩ロースに近い箇所です。

 

 

衣が蒸れないように網にのせて‥‥とかそんなことなしない!とんかつ on the キャベツ! 

 

 

一切れが大きい!しっかり挙げ!ワイの好みです。

 

 

 

 
 
噛み応えある肉!SPF豚だそうですが、軟弱なレア気味とか一切無視!男らしくガッツリ揚げてくれています。
そもそもが柔らかい肉質なので、この厚さでしっかり揚げても、パサパサにはなりません。
肩ロースに近いので脂身が多く、一口食べただけで一気に脂が口の中で暴れます。
 
衣もサクサクしています。比較的強めなので、食べてる途中でも柔くなりません。
 
駅からちょっと遠いとんかつ屋ですが、大森に来た際にはぜひ立ち寄ってください。
 

■コストパフォーマンス ★★★★☆
■味      ★★★★☆

■庶民度    ★★★★☆
■豚数         85豚
■一言コメント 「ラーメン好きと一緒にこれるな」
ロースかつ定食1000円、厚切りロースかつ定食1400円

■東京都大田区山王1-31-15

 
 
 
 

 

駒沢オリンピック公園から徒歩10分ほど。

腹ペコのスポーツマン御用達、栄養満点の店「とんかつ ふらい亭」のご紹介です!

 

まずは豚のコックさんがお出迎え。

 

 

「わたしが、揚げられてこのとんかつになります」なるほど、ビフォア→アフターなのですね(違う)

 

 

そして、なにより衝撃的なのはそのお値段。定食ランチが800円台で、ロースかつはもちろん、揚げ物てんこ盛りです!原ぺっこのスポーツマン、運動部の皆さんはすぐ行くべき!

 

 
 
店内は、意外ととんかつ屋さんっぽくはありません。
80年代のカフェというか、スナックというか……すごく清潔感はあるのですが、どことなくバブル感を感じます(笑)
揚げ物の他にも刺身セットやハンバーグ、シーフード系などメニューが豊富にあり、たんなる定食屋さんじゃない雰囲気がビンビン伝わってきます。夜の飲み会にもお邪魔できそうです。地元の人が羨ましい。
 
そして注文したのは、もちろんCランチのロースかつ定食850円です!

 

 

一見してボリューミーなのが分かりますね!

 

 

いい揚げ具合!

 

 

 

 

さっそく頂きますと、肉肉しい感じがします。

お肉は国産ロースを使用。揚げ油はラードだそうです。パンチが効いた所感なのはラードのおかげもあります。

 

こちらは、また違う部位。脂身もたっぷり。

 

 

ごはんも十分ですね。

 

 

端の方になると、脂身メイン。これに多めのソースをついけて頬張ったときの、口の中で脂とソースが混ざった触感がたまらないですよねぇ…。

 

 

最寄りが駒澤大学駅(徒歩15分…)なので、なかなか機会がないからもしれませんが、ぜひお近くに立ち寄った際には、訪れる価値があるお店です。

 

■コストパフォーマンス ★★★★☆
■味      ★★★★☆

■庶民度    ★★★★☆
■豚数         85豚
■一言コメント 「夜に飲みながらトンカツ食べたい」
ロースかつランチ 850円

■東京都世田谷区野沢2-5-20

 

 

 
 
 

 

大田区長原にある「とんかつ 鉄」。鉄と書いて、“くろがね”と読むそうです。

本店は、おなじ大田区大森にあります。

 

長原というと、ちょっと伝わりにくいですが、近くには洗足池がありますね。環七と中原街道がクロスする近くに、「とんかつ 鉄」(長原店)はあります。

 

“くろがね”をモチーフにしているのか、黒い外観。

 

 

平日ランチ限定で、ロースかつ定食が1000円です!

 

 

本店同様、豚肉は林SPFを使用しているそうです。

 

 

店内はカウンター5席。二階席もあります。12時前にはカウンターは満席でした。お目当てのロースかつ定食1000円を注文して、待ちます。

 

ごはん少な目、普通、大盛を尋ねられますが、もちろん大盛です。

 

そして出てきたのがこちら!

 

美しい衣ですねぇ。ロースの形が若干悪いのは、お値打ちランチだから仕方ないですね。味がよければOK!

 

 

剣立ちもしっかりしてる。あ、そぎ切りなんですね(斜め切り、のこと)

 

 

厚みも十分。林SPFというと、すこーしレア気味にするとんかつ屋さんが多いですが、こちらは比較的スタンダードな揚げ具合(僕はこれが丁度いいです)

 

 

まずは何もつけないでいただくと、歯ごたえ十分、ジューシーさが伝わってきます。下処理をしてるのか、肉も柔らかいですね。この量と味わいで1000円はありがたい。

 

ご飯は大盛。マンガみたいです。

 

 

1000円でいただけるとんかつとしては、非常にクオリティ高いとんかつと思います。つまり、Quality of tonkatsu=QOTが高い(言いたいだけ)
この近辺にはとんかつ屋をはじめ、そもそも飲食店が少ないので貴重なお店だと思います。
 
帰り際におかみさんに伺いましたが、もう一店舗を出すそうです。繁盛してて何よりです!
これからも頑張ってください!
 
■一言コメント 「林SPFでアンダーセン(1000円以下)は神!」
■ (平日限定ランチ)ロースかつ定食1000円(税込)
■東京都大田区上池台1-21-2
 

 

こんな暑い日はとんかつに限る!

 

ということで、今日は自由が丘のとんかつ屋を探究します。まぁ、イメージ的にとんかつが似合わない街ですよね。お金持ちのマダムが「コルドン・ブルー(洋食におけるカツレツ)」とか呼びそうです。

 

マリクレール通りとか、やたら小洒落た通りがある一方、改札を出てすぐ横にあるのが、昭和感漂う「自由が丘デパート」。どうやら戦後の闇市がルーツらしく、商店をあつめて商業施設にしたそうで、当時は最先端だったそう。新橋駅前ビルと成り立ちが似ていますね。

 

 

 

自由が丘デパートに一歩入ると、そこは小さい商店の集まり。おばちゃんマダム向けの洋品店が並んでいます。

 

 

二階は外廊下になっていて、飲食店が並びます。

 

 

その一角に「すきやき」と書かれた大きな看板。

 

 

そう、ここが本日のお目当ての「すきやき とんかつ 味の一番」です。

「すきやき」と「とんかつ」の両方をやる店って、非常に珍しい。串揚げとや天ぷらもやるという店はしってますが、なかなか目にすることはありません。

洋食にルーツをもち、日本人の口に合うように改良された食べ物で、戦前から大衆に愛されたグルメという点で似ていて、親和性ありますよね。

 

 

 

ランチタイムはロースかつランチが950円!久しぶりのアンダーセンとんかつです!

 

とはいえ、実は税抜き価格なので、税込みだと1000円を超えるのです。

 

当ブログは「1000円以下のとんかつ」を取り上げることを主目的としているため、これ悩ましいところなんです。というのは、当ブログを始めた2005年当時、消費税は5%。2014年に8%、2019年に10%と税率が上がっています。ということは、2005年当時は1000円以内だったとしても、現在は消費税のせいでオーバー1000円になってしまう。これは店の責任ではないし、それなのに税込み1000円以内にこだわっては、安い価格で頑張っている店の方に失礼だと思っています。ついては、今後は税抜き1000円以下(税込み1100円以下)にします。

 

さておき。

 

店内に入ると、最初に香るのは、しょうゆとみりんのいい香り。すき焼きです。いやー、そそりますねぇ。おっと、小豚(小生のこと)はとんかつを食べに来たんだった。

 

店内は広い! そもそもすき焼き屋でもありますからね。宴会などもやれる広さ。外観にまけないくらい、内装も昭和。ちゃんと清潔感もありますよ。落ち着くなぁ。

 

そしてお水を持ってきてくれた若い娘さんは、かわいい乳飲み子をおんぶしながら仕事しています。いまどき珍しい。おそらく昭和中期はこうした光景がいろんなところでことでしょう。

女性が働きやすい環境という意味でも、人手不足解消という意味でも、令和もこうして乳飲み子を背負っても働けるようになるといいと思います。

 

 

 

 

夜は並と上があります。

 

 

ごはん・キャベツはお代わり自由。ありがたい、ありがたい。自家製マヨネーズも気になります。

 

 

さて、さっそくロースかつ定食(950円)を注文。ほどなく出てきました。

 

 

昔ながらのとんかつというイメージ。

生パン粉×SPF豚×レア気味、という今時に洗練されたとんかつもいいんですが、こうゆう昭和のとんかつも遺伝子に刷り込まれてるんですよ。

 

衣は細かめ。クリスピー感があり、サクッとした触感を楽しめます。

 

 

断面もザ・とんかつ!って感じです。適度な歯ごたえと肉汁。

 

 

これは違う部位。

 

 

ひとことで言えば「昭和の懐かしいとんかつ」といえましょう。日本人が昔からたべてきたクラシックなとんかつ。大衆料理のとんかつ。これがいいんです。

 

あと、自家製マヨネーズも頂きました。酸っぱい感じはあまりせず、旨味ある塩マーガリンという感じ。とんかつにつけても、肉を邪魔しない味だと思います。

 

 

外には、昔ながらの食品サンプル。

 

 
そにてしても、「すきやき」と「とんかつ」というダブル業態はいいですね。
とんかつはどうしても客単価が低いので、その分をすき焼き(や宴会)で補う。一方すき焼きの敷居の高さを、とんかつがカバーする。いい形で補い合ってると思いました。
 
また来ます。

■一言コメント 「昭和にタイムスリップ!」
ロースかつランチ950円(税抜)、ヒレかつランチ(950円)
■東京都目黒区自由が丘1-28-8 自由が丘デパート 2F

 

とんかつ屋らしくない、黒い建屋。ある種の異様な雰囲気を醸しています。

 

薩摩は鹿児島といえば、「黒豚」が有名ですよね。その黒豚を専門的に使うとんかつ屋として「さつまや とんとん」がオープンしたの2021年。

「黒豚」は非常に高価な豚肉として知られてますが、黒豚専門のとんかつ屋は珍しいです。

 

 

入口にはかわいい豚のイラストがお出迎え(黒豚ちゃうんか!w)

 

 

ロースかつ定食のお値段が、なんと2400円!高級!

 

 

 

しっかし、「黒とん」「白とん」とはなんですかねぇ…気になりますねぇ。

期待して「黒とん ロース 2400円」と注文します。

 

 

そして出てきたのは…なんじゃこりゃー!!!!

 

 

 

 

 

こ、ころもが黒い!

 

 

まるで溶岩のようだ…

 

 

 

 

そして早速一口いただくと…

 

 

 

うーん、うまいひ!歯ごたえあって、余計な水分ながく、旨味が伝わてってきます。

僕の好きなタイプの豚肉です!

 

ネタ晴らしをすると、ここは竹炭入りの黒い衣でとんかつを揚げる、ちょっと話題の店なんです。(もちろん、食べても竹炭の味はしません)

黒豚をイメージして、黒い衣で揚げる…というのは、だいぶ思い切った作戦です。

(ちなにメニューの白とん、は通常の衣で揚げたものだそうです。フライヤー別にしないといけないからコストかけてるなー、と思いました)

 

ちなみに都内唯一のパン粉専門工場で、高級有名店で使われることも多い「中屋パン粉」でも、この店オープンとほぼ同時期に竹炭による黒パン粉を売り出してるので、もしかしたらこちらを使ってるのかもしれません。ちなみに商品名は「GOD SPEED YOU! BLACK PANKO」という名前だそうです。中屋パン粉さん狂ってますね(笑)

 

 

なお、「とんとん」さんでは、「六白黒豚」を使用。これはいわゆる「かごしま黒豚」の別名で、黒豚の四本脚、鼻、しっぽが白いことから、別名「六白黒豚」としても呼ばれています。

ネット情報では、“「六白黒豚」は鹿児島産の純粋黒豚の中でも流通量1%にも満たないため幻とも言われている最高クラスのブランド”と書かれているものあますが、かごしま黒豚=六白黒豚なので、これは要確認ですね。(万が一、私の事実誤認の場合はご指摘ください)

 

料理は見た目とはよく言われますが、とんかつにおいてもビジュアルも非常に大切です。とんかつの衣が、揚げると香ばしい黄金色になるのは、メイラード反応によるもの。一度でもサクサクの衣を食べてた人は、あの黄金色を見ただけで美味しさが脳内で甦るわけです。

それを捨てて、黒に振り切るのは大胆な作戦。ぼくみたいに年中とんかつを食べ歩いている人間からすると、見た目と脳内がマッチしないので混乱しますね(笑)

 

とんかつ業界に今必要なのは、「とんかつ本来のおいしさを失わないで多様性を出す」だと思っているので、その一例かなーとも思いました。

 

■東京都目黒区平町1-26-10 芝ビル 1F

 

 

学芸大学は不思議な街ですよね。

もともと東京学芸大学があるから「学芸大学駅」となったわけですが、その東京学芸大学自体は既にこの街にはなく、昭和39年に小金井市に移転しています。駅名のレンデートル(存在意義)がない状態で60年近く名乗ってるわけです。ごくまれに、東京学芸大学の受験生が間違えてこちらに来てしまうとか……。

だからといって、下北や阿佐ヶ谷のように、地元愛がすごくあるのかというと、そうでもなさそうな印象。街並みも、下北と中目黒と自由が丘を足して割ったような雰囲気です。

 

さて、そんな学芸大学にあるのが、こちらの「とんかつLab」さん。駅沿いの高架下なのでわかりやすいと思います。L字型のカウンターのみの小規模の店。店主は若い男性。スタッフは女性が一名。ちょっとオシャレな雰囲気です。

 

 

メニューはこちら。いわゆる高級志向で、特ロース定食(200g)2400円、上ロース定食(150g)2000円、ロース定食(100g)1600円のラインナップ。ほかにもリブロース(肩ロースに近い部分)、ランプ(尻に近い部分)、ヒレなども。とんかつ専門店では比較的部位が多いと思います。

今日はせっかくなので、一番人気という上ロース定食2000円をいただくことにします。

 

 

お店のおすすめは塩。右からイギリスの海塩、パキスタンの岩塩、日本の竹炭塩。あと定期的にいれかえる塩もあります。個人的には黒糖醤油というのが気になります。

 

 

 

 

豚は「アボガドサンライズポーク」という銘柄豚だそうです。

 

>イベリコ豚以上に美味しいブランド豚を生み出そうと、2012年6月からアボカドサンライズポーク(アボカドポーク)の生産を始めました。

上質な純血黒豚とSPF豚に良質なアボカドオイルを加えた特殊飼料を与え、新しい放牧スタイルで育てています。アボカドサンライズポークの特徴は、肉質の柔らかさ食味の良さがあげられます。

 

 

揚げ油はコーン油。書いてある通り、食感があっさりしたものを狙っているということですね。

 

 

そうこうしているうちに、やってきました上ロース定食が!盛り方は美しい。

 

 

上品な仕上がりですね。衣付けも美しい。

パン粉は白く仕上がる糖分の少ない生パン粉のようです。サクサク軽い仕上がりがビジュアルからも伝わってきます。

しかし、それ以上に主張したいのは、この横にしてある一切れ。こうしてお店はサーブしてくれました。一体感のある美しい衣の仕上がりよりも、一切れを横にして断面を見てほしい、という主張です。ほんのりピンクの断面がなんともそそりますね。

 

 

 

絶妙な揚げ具合。個人的には中までしっかり火が通ってるとんかつが好きですが、最近のブームである「SPF×レア気味」が好きな方には堪らないでしょう。

 

 

お肉の瑞々しさ、ジューシーさが伝わってきます。

 

 

お箸で持つと、お肉がプルプルします。

 

 

これは違う部位。肉と脂が交互に入り、いい部位であることがわかります。

 

 
食してみての感想ですが、まず肉の柔らかさに驚かされました。下処理したものではない、このアボカドサンライズポーク自体がすごく柔らかい肉質なのです。そしてかなりレアなので、水っぽさを警戒しましたが、十分に肉汁にあふれ、上品で洗練された味わい深いものでした。
それはこの豚肉のポテンシャルを引き出す、揚げ油、衣、そして揚げ技術があってのことだとは思います。
 
さらに驚かされたのは、最初の一切れから、端に向かって食べていくと、それぞれが違う触感・味わいを感じさせてくるのです。最初は柔らかく、繊細な赤身。そしてずれていくと、少し肩ロースのような、強いうまみを感じさせる肉。そしてまるでジュースをのんでるかのような、脂身メインの一片。いやー、ロース一枚からこんなにいろいろな印象を楽しめるのは良いですね。
 
僕は1000円以下の庶民的なとんかつが好きなのですが、これはまた違う世界線の食べ物な気がしました。ちょっと僕には高いですが、またぜひ訪れたいと思います。
 
最後に捕捉ですが、キャベツも絶品です。機械切りや作り置きしているものではなく、ちゃんと提供する前に千切りにしていて、細すぎず厚すぎず、ちょうどいい細かさで瑞々しいです。とんかつ用キャベツとしては満点だと思いました。
 
■特ロース定食(200g)2400円、上ロース定食(150g)2000円、ロース定食(100g)1600円 ※キャベツ、ごはんお代わり自由
■〒152-0004 東京都目黒区鷹番2丁目21−15 学大横丁 1F

 

目黒のとんかつといえば、老舗の「とんき」が有名ですね。本日は反対側、目黒駅東口にできたニューウェーブ系とんかつ、「こがね」さんでランチしました。

 

何がニューウェーブかというと、ここ数年流行りである、

 

・林SPF

・レア気味

・厚切り

・中屋パン粉

 

のスタイル。いわゆる鎌田「とんかつ檍」などでお馴染みのスタイルですね。

僕はしっかり揚げるタイプのとんかつが好きなのですが、たまには…ということでちょっとリッチなとんかつを頂きました。

 

目黒「こがね」は、目黒駅東口から徒歩三分くらい。

 

 

昼は林SPFを使った「ロースかつ定食1250円」もあります。

 

 
ランチ限定メニューの他、ディナーメニューも昼時に選べます。今回はかなり奮発して、「極み ロースかつ定食」(2400円)を頂きました。とんかつにこんな大金払っていいのか…?というドキドキしかありません
 
店内はカウンターのみ。比較的オープンなカウンターで、料理の一部始終がのぞけます。ここまで見られるのも中々少ないです。
 
注文を受けてから、きれいに整形されたピンク色のロース肉の塊から、切り出していきます。
中屋パン粉につけて、フライヤーでじゅわっと揚げます。揚場のお兄さんは若め。
 
そんなに待つことなく、「極み ロースかつ定食」が運ばれてきました。
 

 

それがこちら!2200円!うーん、贅沢…。

若干衣づけのムラが気になるところではあります。均一の色みになるように、衣をつけてあげて欲しい。もう少しちゃんと衣を纏って欲しいところです。

 

 

いつものルーティーンである、「下手から二番目のとんかつから食す」を実践。

ちょうどいい具合にあげてあり、ジューシーさがビジュアルからも伝わってきますね。

奥側の肉はすこし色が違いますが、これは肩ロースに近い部分を切り出してるからですね。要はおいしい部位なんです。

 

 

箸でもつと、肉のふんわりした感じが伝わってきます。

 

 

これは別の部位。脂と肉と交互に入っていますね。最高です。

 

 

まずは何もつけずに、頂きます。

 

下味は薄めですが、それでも肉のうまみは十分。水っぽい感じもしません。ちょうどいいジューシーさ。

 

あと、これは個人的な好みですが、ぼくには肉が柔らかすぎでした。もう少しに肉肉しい感じ、嚙み切るインパクトが欲しいですが、これは完全に好みですね。柔らかいとんかつが好きな方には、たまらないかもしれません。

 

補足としては、ごはん・キャベツはお代わり自由。とんじるは一杯目はおかわり無料だそうです。

 


ロースかつ定食1250円(ランチ時)、上ロースかつ定食1500円

■東京都品川区上大崎3-3-4 ヤマヒロビル 1F

 

 

 

 

 

 
悲しいニュースが飛び込んできました。
 
以前もご紹介した東工大生御用達の大岡山「あたりや」が22年7月で閉店するという話だ。居ても立ってもいられなくなり、大岡山に駆け付けました。
 
7月25日月曜日。
 
そこには、いつもと変わらない、街のとんかつ屋の佇まいのまま、「あたりや」はありました。
 
 
しかし、店先に悲しい知られが書かれた一枚。
 
60余年という長きにわたって「あたりや」をやってらして、体力の限界を感じられたということで、閉店するそうです。

 

 
60余年の重み。
 
一つの店をこんなにも長くやってらしたことに、改めて驚きと感謝、そして尊敬の念を感じざるを得ません。
 
60年前といえば、東京オリンピック(1964年)の開催が決まり、日本中に喜びと活気にあふれて時代。第二次世界大戦の傷跡も癒え、「もはや戦後ではない」が流行語になったのが1956年。そして坊主頭の中学を卒業したばかりのたくさんの若者が、不安と希望を胸に、集団就職で上野駅に降り立ったのもこのこの頃です。
腹を空かしたたくさんの若い青年たちが「あたりや」にやってきて、お腹いっぱいとんかつを食べてたことでしょう。

 

また、東工大のすぐ隣にあるという場所柄、長年ここの学生にも愛されてきた。とんかつの栄養が、日本の科学を支えてきたのかもしれません。

 

そんな歴史をかみしめながら、あたりやの「ロースかつライス(上)1200円」を頂きましょう。

 

 

 

「あたりや」にはラーメンもあり、付け合わせの汁ものは、中華スープだ。皿に書かれた「あたりや」の文字が、味わい深い。

 

 

 

ソースはあらかじめ皿にかけられている。洋食スタイルだ。少し甘めで濃厚。卓上にもソースはありますが、そちらはウスターソース。

 

 

衣は細かめ。いまとんかつ屋で主流のフワフワの生パン粉系でなく、クリスピー系でカリカリ。

 

 

断面は、極めてジューシーである。一口噛むと、じゅわーと肉汁が広がる。衣のカリカリ具合と相反し、肉はとっても柔らかい。このギャップが、たまらない!

 

ちなみに、「あたりや」のとんかつは、「とんかつライス」→「ロースかつライス(上)」→「ロースかつライス(特上)」とグレードがアップしていくが、違いは部位ではなく、基本的に肉の厚さがちがうということです。

 

しかしながら、このカリカリ感と、肉の柔らかさのギャップを楽しむなら「ロースかつライス(上)」以上がお勧めです。

 

 

……と書きたいころだが、本日(7月26日)で営業終了なんですよね…。誠に残念です。

 

 

会計を済ませ、おかみさんと主人に、大きい声で、「美味しかったです!いままでお疲れさまでした!」と精一杯声をかけさせていただきました。

 

ご主人は嬉しそうに会釈してくれました。60年やり続けた解放感か、あるいは60年通い続けた全員への感謝なのか、とても深い眼差しでした。

 

「あたりや」の女将、ご主人、本当にお疲れさまでした。