映画まみれR

ごあいさつ



  多くの人々の生活に触れ、時にはやさしく、時には恐ろしい人間の内面を感じることができる。

  映画の中の出来事は真実では決してない。

  だけど年を重ねるにつれ、まったく違った印象を与えてくれる映画は

  真実の「今の僕ら」の内面を映しているのかもしれない。


  「 映画とは真実を追い求めるのに有益となる、1秒間に24回つかれる嘘なのだ
                                        -ミヒャエル・ハネケ


※基本的にネタバレを自粛していませんのであしからず。

  




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映画検定

前から受けようとは思ってるんだけど、いつも機会を逃す「映画検定 」。

来月に試験があるんだけど、ボケッとしてるうちにまた申し込み〆日を過ぎてしまいましたよ・・・


公式HPで模試があったので受けてみた。3級まではまぁいけるかなって感じだけど、漢(オトコ)なら玉砕覚悟でいきなり2級を受けたいところです。ていうか、申し込みすらできない時点でアレですがw まぁ、次回は必ず!って次回はいつなんだ??



そんな火照ってカラダを抑える為に、「ゾンビ映画検定」なるものをネットで見つけたので受けてみた。受かった・・・


あなたは『ゾンビマスター』です。

素晴らしいです。まさにゾンビマスターの名に相応しい。
ただ、他言はいけません、引かれること請け合いです(笑。


だそうです。思いっきり他言してやりますよ(泣。

認定証らしきものが発行されたんで、一応ブログのサイドバーに貼ってみました。うーん、微妙w

興味を持たれた方は、サイドバーにリンクされてるんでそちらからどうぞ。




隣の家の少女 ※小説


映画まみれR-The Girl Next Door  



皆さんはジャック・ケッチャムという作家をご存知でしょうか。
アメリカはもとより日本でも知る人ぞ知る、あのスティーブン・キングも大絶賛しているホラー作家で今まで数冊を発表していますが、そのどれもが劇薬指定されそうな稀に見る鬼畜作家なんです。


そのS・キングが「この20年で最も恐ろしい作品」と彼なりに賛辞を送っているJ・ケッチャムの『隣の家の少女』という小説が映画化されていてようやく日本でも公開されるということを知って自分も興味を持ったわけなんですが・・・
公式サイト


ページを開く。1ページ目。

一番最初に目に飛び込んでくる「苦痛とは何かを、知ったつもりになってないだろうか?」という一節。
ここでケッチャムは読者に選択を迫ります。読み始める覚悟は本当にあるのか?と読者に問うように。

この『隣の家の少女』で描かれる登場人物の誰一人にも幸せな結末は与えられません。もし最初のこの一節で言い知れぬ不安感と恐怖を少しでも感じたなら、読み進める前に本棚の奥へ仕舞い込んだ方が懸命です。それは決して恥ずかしいことではないし、世の中には知らなくてもいいこと、体験しなくてもいいことって確かにあるものですから。



<ストーリー>

1958年の夏。当時、12歳のわたし(デイヴィッド)は、隣の家に引っ越して来た美しい少女メグと出会い、一瞬にして、心を奪われる。メグと妹のスーザンは両親を交通事故で亡くし、隣のルース・チャンドラーに引き取られて来たのだった。隣家の少女に心躍らせるわたしはある日、ルースが姉妹を折檻している場面に出会いショックを受けるが、ただ傍観しているだけだった。ルースの虐待は日に日にひどくなり、やがてメグは地下室に監禁されさらに残酷な暴行を―。

(Amazonより)



原題は『THE GIRL NEXT DOOR』。そういえば、何年か前に『24 -TWENTY FOUR-』のトラブルメーカーことキム役のエリシャ・カスバート主演で同名の映画がありました。日本にもGIRL NEXT DOORなんていうAvex所属の小便臭い連中がいますが、この小説はそんな口当たりのいいものでは全くないです。例えれば、水かと思って勢いよく飲んだら日本酒だったって感じ。思わず吐き出すような。


この作品、キングも書評で述べてるように、一言でいうと裏スタンドバイミーといった雰囲気。前半はまさにスタンドバイミーと同じように50年代の片田舎の子供たちの何気ない日常を描いてる。しかし、このまま何事もなく話が進んでいけばどれほど幸せだろう、そう願う読者の希望をことごとく裏切りながら、少しずつ不協和音が聞こえてくるように話が傾き始めていくわけです。


それにしても、世の中、興味本位で知ったり観たり行ったりしてはいけないことって確かにあります。例えば、退屈でつまらない小説なんかを読んだ後は、読まなきゃよかったと後悔することってあると思います。だけど、この小説は違います。自分も数10年生きてきて、こんなに読後感が最悪な小説って初めてでした。そういう意味で読まなきゃよかったと心底感じる小説です。このブログを読んでいただいてる方はご承知のとおり、陰惨で目を背けたくなるような映画、というのはそれなりに観てきてますので、そういうものに対して自分なりに免疫も耐性もあるものと思ってましたけど、どうやら間違いだったみたいです。完全にやられました。それも映像ではなくて文章で。


他サイトである方がこの作品を一言で表すなら「読むレイプ」と表現していましたが、まったくその通りで、暴力による苦痛、精神的に追いつめられる恐怖を、読むことによって、おそらく全ての読者が疑似体験するはずです。普通の感性を持っている方なら、数日間あるいは人によっては数ヶ月間も心に取り憑いて離れないかもしれません。


だけど、これほど陰惨で壮絶で涙が出るほど辛い話なんだけど、不思議と読み進ませる何かがあるのも確か。J・ケッチャムが類まれなストーリーテラーであることは間違いないし、これほど衝撃的なストーリーなのに、目を逸らさせない、読み進めたくないけど読むことを止めることができない。というより止めさせてくれない悪意にも似た展開の巧みさと表現力で読む者にこの残酷な話を見せ付けます。まるで目の前で起こっている残酷な事柄から目を背けようとしている私たちに無理やり直視するよう強制されているよう。まさに読むレイプです。


  
もし興味を持ってこれから読んでみようと思った方にひとつだけアドバイスを。夜一人っきりの部屋で読むなんてことはせずに、例えば通勤や通学の電車内など、できるだけ人気の多いところで読まれることを強くおススメします。これほど恐ろしく悲しい人間の話を読んでいると、とても人恋しくなるというか、喧騒の中で安心感を得たくなるような感覚に自分は襲われましたから。


因みにこの小説は実話を元に書かれています。


映画版は3/13から公開ですがどうかな。映画館というある意味拘束されているような場所で、この話を観続けられるかどうか、あまり自信がありません。



隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)/ジャック ケッチャム
¥720
Amazon.co.jp

明日、君がいない

『明日、君がいない』 ('06 オーストラリア)
監督:ムラーリ・K・タルリ



映画まみれR-明日、君がいない



原題は『2:37』。この映画の舞台はオーストラリアのある高校。タイトルが示す2時37分に校内で起こるある出来事を終着点として、何気ない学校生活の1日を切り取ったかように描いた作品だ。こう書くと、多くの方がガス・バン・サントの『エレファント』を思い出すかもしれない。実際この映画は『エレファント』 に映像や作品全体の雰囲気などがもの凄く近い。また岩井俊二の『リリィ・シュシュのすべて』 にも共通する空気を感じた。


この作品で語られる「ある出来事」とは自殺。作品全体を通してとても重い。重くて痛い。



インタビュー形式で物語はスタートする。次々にインタビューに現れる数人の若者。ただ、何に対してのインタビューかはわからない。学校のことや家族のことについて感情を吐露するかのように答える彼ら。そのインタビューの合間、カットインしてくるのは校内での自殺直後の映像。だけど誰が自殺したのかは映らない。このインタビューに答えている誰かなのか?それともそれ以外の他の学生なのか?そんなミステリー仕立てな謎を残しつつ、自殺のあったその日2:37までのある高校の風景を数人の若者の視点で描いていく。


といっても謎解きが主なわけではなくて、誰にでもその可能性はある、ということを描きたかったように思う。


例えば、家族や友人、恋人などとの人間関係。そしてイジメ。

特に10代の様な多感な時期は、とても些細なことがコンプレックスになることも多い。ルックスや、ちょっとしたカラダのこと。大人の社会ではタブーになっていることまで子供は平気で持ち出してくる。それはモラルがどうとかではなくて、単に素直で純粋無垢そして大人が思う以上に繊細だから。


人間関係の悩みやコンプレックスなどは、恐らく誰にとっても一生付きまとうもの。年を重ねるにつれてそれらを消化し飲み込む処世術を身に着けていくのかもしれないが、例えば10代の若者にとっては社会はとても狭くて、大人が気に留めないような些細なことが大きな悩みに繋がる。特に学校みたいな囲いはとても閉塞的だし、そんななかでの数年間というものはある人にとってはとても息苦しい。息苦しくて生き苦しい場所かもしれない。


この映画に登場する若者たちも、みな悩み傷ついている。でも誰にも胸の内を打ち明けられない。なぜか?学校で最も大事なのは自分のポジションと周りとの同調だから。本当は誰かにすべてを伝えたい。でもプライドがそうさせない。そして1人で思い悩む内に自分が恐ろしく孤独なんじゃないかと思うようになる。


実際なによりも怖いのは孤独を感じることなのかもしれない。全てを伝えられる相手がいない。誰からも感心をもたれない。誰からも必要とされない。そんなネガティブな想いが、個々が持ってる心のキャパシティーから溢れてしまった時、もしかしたら一線を越えることがあるのかもしれない。だからこの映画に登場する誰もがその可能性を秘めているんじゃないか。


監督であるムラーリ・K・タルリは19歳でこの映画の脚本を書き上げ、2年の歳月をかけて完成させた。彼の友人が自殺したことで自分も自殺未遂をし、一命を取り留めた後に構想し製作したものだそうだ。

しかし自殺を題材にしているけど、決して自殺を肯定しているものではない。むしろこうした作品を通して1人でも多くの人に自殺を思い留まって欲しいと願っている映画だと感じた。とても重い話ではあるけど、「あなたは決して1人じゃない」、そんなポジティブなメッセージが込められているようだ。

アカデミー賞 結果

さて今年もアカデミー賞の結果が出揃いました。終わってみれば、やっぱりというか、特にどんでん返しもなく順当な結果だったんじゃないでしょうか。


それでは、前回の予想も踏まえて主要部門の結果を見てみたいと思います。




☆作品賞:『ハート・ロッカー』
☆監督賞:キャスリン・ビグロー 『ハート・ロッカー』


映画まみれR-Kathryn Bigelow  ←とても60歳間近とは思えません・・・

予想的中ですね。というか、大方の予想通りですが。今回の注目点だった元夫婦同士のオスカー合戦は奥さんに軍配が上がりました。正直言って『アバター』が獲らなくてよかったと思います。役者不在でテクノロジーの進歩を賛辞するみたいな印象を受けますし。純粋にエンターテインメントとしてみればアリだろうけど、この手の作品はテーマパークのアトラクションでいいんじゃないかと。それこそディズニーランドの『キャプテンEO』や『ミクロアドベンチャー!』みたいな。


監督賞で女性が受賞したのは史上初だそう。『ハート・ロッカー』はその他でもノミネート9部門中6部門ゲット。キャメロン完敗ですね。まぁ興行的には文句なしのヒットなので賞自体はそれほど意識してなかったかもしれないけど。そもそも、『ハート・ロッカー』と『アバター』ってまったく毛色が違う映画なんで争う土俵が違いますし。それにしても、アメリカ人ってホントアメリカ大好きですよね、アメリカ賛歌というか。そう感じる結果でした。

余談ですが、キャメロンはこのビグローといい、前妻のリンダ・ハミルトンや『アバター』出演のミシェル・ロドリゲスといい、なんかこう戦う女性というか強い女性が好きなんですかね。女性の好みにブレを感じませんよ。




つづいて主演賞です。


☆主演男優賞:ジェフ・ブリッジス 『Crazy Heart』
☆主演女優賞:サンドラ・ブロック 『しあわせの隠れ場所』



映画まみれR-jeff  映画まみれR-sandra-bullock


モーガン・フリーマン残念でした。過小評価されている俳優ナンバーワンと呼ばれていたジェフ・ブリッジスが受賞しましたね。今までジャンルも様々な映画に出てるけど、個人的にカート・ラッセルともの凄く被るんですよね。単にルックスですけど。彼もキャリアはとても長いけど受賞は初。この映画も日本での公開は未定だったけどこれを気に公開の目処が立ったら嬉しいですね。


そしてサンドラ・ブロック!よかった。もう40過ぎですがやっぱり綺麗です。サンドラってアメリカではとても興行力のある女優だそうで、出演する映画はどれもヒットするみたいですね。正直この女優がオスカーを取るような女優になるとは『スピード』当時はまったく思ってなかったです。


それにしてもラジー賞とアカデミー賞という最低と最高の賞を同時受賞した初めての女優という、ネタ的にとても面白い快挙を成し遂げたというのは驚きです。かっこよすぎですよ。ラジー賞の授賞式ではその映画のDVDを配ったそうです。余裕すら感じます。ともあれ、ますますアメリカに愛される女優になりました。今後は『クラッシュ』や今作のようなシリアスな映画にも多くでるでしょうね。若さを武器にする女優から真の意味での演技力を武器にこれからもいい映画に出て欲しいです。




つづいて助演賞です。


☆助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ 『イングロリアス・バスターズ』
☆助演女優賞:モニーク 『プレシャス』




映画まみれR-Christoph Waltz  映画まみれR-MoNique


ウディ・ハレルソンはやっぱりないですね。こちらも下馬評どおりの結果でした。タランティーノ、また1人いい役者を引っ張りあげましたね。それにしても芸達者な人をよく見つけてきますよね。タランティーノ作品で初めて観た役者でその後たくさんの映画で活躍してる人って本当に多いし。モニークも予想どおり。2人とも名バイプレイヤーとして今後もいろんな映画で目にするでしょうね。


その他で注目の賞としては、やっぱり例の長編ドキュメンタリー映画賞ですか。日本のイルカ漁を告発した『ザ・コーヴ』が受賞したことでかなり物議を醸してますよね。とてもデリケートな話題なのでコメントは避けますが、新たな火種になったのは間違いないし、事態の収束はなかなか難しいかもしれませんね。



というわけで、前回の予想のことはすっかり忘れた感じになりましたが、今回は女性初の監督賞と、オスカー主演女優&ラジー賞のW受賞というそれぞれ快挙を成し遂げたということで、女性陣がとても注目を集めた年のように感じました。オスカーを獲った映画や役者が手放しですばらしいという訳ではないと思うけど、なんだかんだで世界的に権威あるものだし、「なに観ようかな~」って時の一つの材料にもなりますからね。洋画離れが進んでる日本ですが、ホンモノに触れるいいきっかけになったら嬉しいですよね。また来年を楽しみに待ちたいと思います。



アカデミー賞予想 その2

さて、前半に引き続き後半です。
今回は主演男優・女優、助演男優・女優の各部門の予想をしてみます。


まずは主演男優賞。ノミネートは以下の通り。


◆主演男優賞◆
ジェフ・ブリッジス(Crazy Heart)
ジョージ・クルーニー(マイレージ、マイライフ)
コリン・ファース(A Single Man)
モーガン・フリーマン(インビクタス 負けざる者たち)
ジェレミー・レナー(ハート・ロッカー)


今やすっかりアカデミー賞の常連になりつつあるジョージ・クルーニーとモーガン・フリーマンのお2人。すでに受賞歴はあるんだけど、主演での受賞はまだないんだよね。また、ただ1人のイギリス人のコリン・ファースは『ブリジット・ジョーンズの日記』や『ラブ・アクチュアリー』なんかでおなじみの人。今回彼が演じるのはゲイの大学教授というアカデミー好みのマイノリティな役柄。「アカデミー賞はマイノリティに理解があります!」というアピールかどうかはわからないが、『フィラデルフィア』のトム・ハンクスや『ミルク』のショーン・ペンなどこの手の役はオスカー率が高い気もするね。



では予想です。ずばり、


☆モーガン・フリーマン


映画まみれR-Morgan Freeman  ←『インビクタス 負けざる者たち』より


大好きな俳優。どんな映画でも彼が出演しているとなぜか名作に見えてしまうという、類まれな存在感と演技力を持つ重厚な役者だと思うんですよね。また候補者の中でも最高齢ということを加味してぜひ受賞して欲しいところです。最近では、ハル・ベリー以降、フォレスト・ウィッテカーなどアフリカ系アメリカ人が主演賞を受賞する流れも続いてるし、オバマ大統領の誕生などもあってその辺ももしかしたら追い風になるかな、と期待してます。




つづいて主演女優賞です。ノミネートは以下の通り。


◆主演女優賞◆
サンドラ・ブロック(しあわせの隠れ場所)
ヘレン・ミレン(The Last Station)
キャリー・マリガン(17歳の肖像)
ガボーレイ・シディベ(プレシャス)
メリル・ストリープ(ジュリー&ジュリア)


うーん。メリル・ストリープはもちろんすばらしい女優だとは思うんだけど、正直もういいかなって感じ。まるで日本アカデミー賞の吉永小百合のようだよ。ヘレン・ミレンもエリザベス女王を演じた『クイーン』で受賞歴もあるので今回はお預けかな。最年少のキャリー・マリガンはまだまだこれからだと思うんで今後に期待。この若さとキャリアの浅さで主演賞獲っちゃったらなんか性格悪い女性に成長しちゃいそうだしね。といっても、『ドリームガールズ』のジェニファー・ハドソンのように文字通り一気に夢を手にするケースもあるから新人のガボーレイ・シディベも含めダークホースとしては可能性は十分あるかも。


では予想です。ずばり、


☆サンドラ・ブロック



映画まみれR-sandra bullock  ←『しあわせの隠れ場所』より


彼女といえば誰もが思い浮かべるのが『スピード』。それ以降もいかにもハリウッド的な大味で可もなく不可もない作品に多く出てたので、今までは全くといっていいほど賞レースには縁がなかった。はっきりいって出演作に恵まれてなかったと思う。そんな彼女が初のオスカーノミネート、しかも主演女優賞というのが嬉しい。すでにゴールデン・グローブ賞は受賞してるけど、更にオスカーゲットで箔を付けて、新たに演技派として若い頃とは違ったキャリアを積んで欲しいところです。




つづいて助演男優賞です。ノミネートは以下の通り。


◆助演男優賞◆
マット・デイモン(インビクタス 負けざる者たち)
ウディ・ハレルソン(The Messenger)
クリストファー・プラマー(The Last Station)
スタンリー・トゥッチ(ラブリーボーン)
クリストフ・ヴァルツ(イングロリアス・バスターズ)


ファンの方には申し訳ないけど、いまだに理解できないのが、どうしてマット・デイモンがこれほどまでにスターダムにのし上がったのかってこと。相方のベン・アフレックとどうしてこんなに開きがでちゃったのかね。もの凄く過大評価されすぎな気がしてならないよ。だってさ、ルックスだって大して(・・・以下自粛)。本命は、アカデミー賞以外のほかの映画賞で数多く受賞しているクリストフ・ヴァルツなのかな。それにしても、タランティーノはマニアックだったり低迷気味だった役者を引っ張り出して第一線に乗っけるのが上手だよね。トラヴォルタやティム・ロス、サミュエル・L・ジャクソンなどなど。


では予想です。ずばり、


☆ウディ・ハレルソン


映画まみれR-woody harrelson  ←『The Messenger』より


数々の逮捕歴もさることながら、今までで唯一の受賞歴がラジー賞のみというツワモノ。『ナチュラル・ボーン・キラーズ』がもの凄く印象に残ってるけど、その後の『ラリー・フリント』以降はあまりパッとした映画には出演してなかったよね。ただ、出番は少ないながらもメジャー作にチラッと出てきては、けっこうな印象を植え付けることのできるアクの強い役者だと思う。今回は助演でのノミネートではあるけど、ぜひ『ラリー・フリント』の雪辱を果たしてもらいたいところです。


最後に助演女優賞です。ノミネートは以下の通り。


◆助演女優賞◆
ペネロペ・クルス(NINE)
ヴェラ・ファーミガ(マイレージ、マイライフ)
マギー・ギレンホール(Crazy Heart)
アナ・ケンドリック(マイレージ、マイライフ)
モニーク(プレシャス)


賞レースは抜きにして、今年楽しみな映画の一つがロブ・マーシャルの『NINE』。穴の開くほど観た『シカゴ』の影響でまたミュージカル熱が再燃してるんで、あの興奮をまた味わえるんじゃないかと指折り数えてる今日この頃なんです。しかし、ペネロペ・クルスは勢いに乗ってますね。もし今回受賞すれば、前回の『それでも恋するバルセロナ』に引き続き2度目の、しかも連続受賞。そんな快挙を見てみたいけどどうでしょうか。マギー・ギレンホールは傑作『ダークナイト』の-役柄的には非常に微妙だった-ヒロイン役でおなじみ。日の目を浴びるというよりは、細々とだけど長く活躍していきそうな女優の印象。今回はノミネートされただけでも十分じゃないかな。


では予想です。ずばり、


モニーク


映画まみれR-Mo'Nique  ←『プレシャス』より


はっきりいって、この女優知りませんでした。なんかクイーン・ラティファを更にデカくしたようなルックスはさておき、候補者の中では最もシビアで陰のある役のよう。『愛を乞う人』の原田美枝子みたいな感じでしょうか。この手の役ってもうそれだけで突出して目立つからね。だけど意外にこういう役を演じられる女優って少ない気がする。イメージを重視した女優なんてのはまずオファー自体引き受けないだろうし。そういう意味では希有な女優だと思いますね。


というわけで、ダラダラと2回に分けて予想をしてみました。改めて見直すと、他の映画賞の結果とかぶるところもありますがそこはご理解を。まぁオスカーの行方ももちろん注目ですけど、賞だけではなく純粋にショーとして楽しみたいですね。


また授賞式後に結果と今回の予想を合わせてレビューしたいと思います。


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