今回はゴールデンウィークで、読書家として興味のある場所を散策レポートその1です

裸の大将やひめゆりの塔の脚本で有名な水木洋子邸

 

本八幡と言えば、横溝正史や江戸川乱歩好きなら一度は見たことがあるはず『八幡の藪知らず』という表現

ホラースポットとかパワースポットとか色々取り上げられることは多いのですが、実際は……

え。こんな大きさしかないの??と思う、「迷ったら出られない迷路のような藪」のイメージからは程遠いこじんまりスポット。

 

現代の土地価値すごいもんね、…これだけ残ってるだけでもたいしたもんだし

と思って調べたら、なんと江戸時代には今と同じ程度の広さだったとかいう情報も

禁則地になっていて足を入れられるのは、祠が立ってる少しのスペースなんですが、禁則地になっている理由は様々

 

怨念説的なものは除いて、現実的にありそうで面白いと思ったのは

1、現代でも中央にくぼみがあるらしいのですが(入れないので伝聞系)そこが沼で、動物が入り込んでは死んでしまっているので人間も本能的に避けてきた

2、実はその地だけ行徳の飛び地であって地元民は足を踏み入れてはいけなかったので、気づいたらなんか恐れ多い場所扱いになってた

 

現代と違って、情報を調べるのは一大事 行徳もこの場所を持っていても巨大な迷路みたいな土地で、かつ怪談めいたものがあっては開拓するうまみもないし、放置してたら有名スポットになってしまったと思えば楽しいです

 

その後目の前の市川市役所に

ここは永井荷風の私室を再現した展示があると聞いたのですが…平日のみしか見れないそうで、残念見れませんでした

 

京成八幡駅から見える大黒堂 ここは長いスポットがかつ丼とお酒を愛し、ずっと通っていた場所として有名でしたが近年残念ながら閉鎖

新しく管理している業者が、看板と雰囲気だけ残してくれていますが、もう食堂ではありません

 

その後こちらも公開日が限定されている水木洋子邸へ

…多分初見の方には少々わかりにくい入り組んだ場所にあります 千本イチョウで有名スポット本八幡葛飾八幡宮の弓道場側の裏口っぽい方から出て徒歩10分はかからない場所です

 

写真OKとのこと 有名な女性脚本家さんですが、和風で素敵ですがこじんまりとした小さいお家で、部屋は台所+二間程度しかない感じでした

窓の前に少し映ってるエアロバイクが随分現代的だと驚いたのですが、脚本家でテレビ関係のやり取りもあったとかで、テレビの景品だったとの事というエピソードは聞けて面白かったです

 

すごく有名名所!という場所はないかもしれませんが、文学好きには楽しめるお散歩コースだと思うので皆さまもお近く向かう事がありましたら、挑戦してみてください

 

 


そこそこ本を読んでいると思っていたので、漢字には強いと思っていたのですが奔る=はしるはルビがないと読めませんでした

えーっと毎回言ってるんだけど何シリーズでしたっけこれ
ずっと読んでるんだけど遠野屋シリーズじゃなくて……弥勒だっけ?
このシリーズは毎回名前を忘れて、京極堂先生の百鬼夜行シリーズはつい京極堂シリーズと呼んでしまう

今回は主人公の家業に利用する高価な紅餅(口紅の原料になる紅花を固めたもの)を積んだ船が不明になったことから事件がはじまる
そしてかつて金持ち商家の出だけどひっそり下働きしている女の子は、無理やり従兄の元に連れて行かれそうに

そしてお約束(?)死体発見と同時進行で進みます

ただ今回も、主人公は自分の道をみつけながらも「暗殺者の自分」に迷い、人のいい同心の手伝いの岡っ引きおじさんは振り回され、追いかける同心は主人公にチクチクという部分は変わらず

 

各物語は緊張感あって、ミステリ要素もあり面白いのですが、どこを目指しているストーリーなのかなーと思う事が増えて来てます でもまた次の巻も見かければ読んでしまう…そういや最近は主人公の娘の存在がほぼ物語に出てないような?

ハードな世界観に平和な娘は、そういった展開の象徴として出てきてるから、しょうがないか

 

 

 

居酒屋ぜんやシリーズがひとまず完結し、その娘(といっても養女)が主人公になったシリーズ

前回その娘を捨てた実の母が外道だったと判明し、前作主人公夫婦に本当の意味で心を開き始めた娘が成長していく姿……と書くとなんかつまらないお話みたいですね

まあ健気な少女が前向きに頑張るよシリーズはいつだって、受け入れられる層が厚いということで

 

個人的には前作シリーズの方が波乱万丈で面白かったかな。

どうしても不幸な娘は、ずっとうだうだ悩みがちで、前向きになっても悩んで悩んでという展開なので、読んでいて停滞してしまうのですが、今回はそこを断ち切る前作主人公だった、養女の父(読んだことない方向けに説明しようとすると、余計分かりにくくなってしまった)の姪っ子が物語に復帰

姪っ子はばりばり武家娘で、大奥いって出世してくる!となったのに、将軍の御手がつきそうになったからそれが嫌で実家に帰ろう…と思ったけれど実家も息苦しいと、ぜんやにやってきたという展開

 

自分の生まれに悩んでた主人公は、同い年の姪っ子が才気煥発で機転も利いて、能力値も高いとまたうじうじ

前作シリーズは結構テンポよく進んでくれたので、こちらもそうなってくれないかなーと続編ではそうなってくれることを期待待機

 

 


表紙ののへーっとしてるあざらしとウォンバットの頭の上のカカポが可愛いです

最初にある子供向け漫画はいらないかなあ いや子供向けの本に大人が口を挟むなという話ですが、自分が子供の頃も動物の本とかに人間の存在いらないとか思ってたので(やな子供である)
ヒラムシのペニスフェンシングはテレビで話題になった時しばらく色々言われてましたね
…まあ強烈な印象だし…しかし小学生向けの本にいいのか 小学生はペニスでなくちんち〇だとおもうので、お母さん聞かれたら困りそうです

プレーリードッグの口の中に毛が生えてるのも初めて知りました。
他にも口の中に毛が生える動物っているの!?

読書とは言えない本来はお子様年齢向け本ですが、世界の動物を知れる機会の少ない現代ではいい一冊なのではないでしょうか

……日本の動物テレビ好きなんですが、もう〇〇さん家の保護猫とかかわいい初めての子犬とかじゃなくて、スぺクタル感じる大自然の掟とか、大嫌いだけど知った時は驚いたピパピパ(※画像検索、特に産卵期はしないように)とかを取り上げるテレビ見たいなあ

 

 


新本格推理が好きな人なら一度は読んだことがある、いやむしろ全員好きだというアンソロジー
嬉しい事に全部初めて読みました…と思ったけれど「名探偵」期待してたらちょっと違うな……?
現代的な試みは歓迎ですが、現状況でAIを使ったみたいなのはほぼ超能力的な扱いになってるようで、残念

麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い ─大鏡家殺人事件─」

山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」

我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック 」

有栖川有栖「船長が死んだ夜」

法月綸太郎「あべこべの遺書」

歌野晶午「天才少年の見た夢は」

綾辻行人「仮題・ぬえの密室」

 

全部書き下ろしなのかな?と調べたら書き下ろしでした

それは嬉しいのだけど名探偵らしさのこれぞというのが読みたかったなあ…そして改めて、綾辻先生館シリーズはあるけれどそれ以外名探偵物がないとあって……あれ??そうだっけ??とびっくりでした


 

 

 

毎度毎度、愚痴混じりでありながら読み続けているシリーズ、純粋なファンの方にはすみません

展開が気になるので最後まで読み続けていたのですが、後半になるにしたがって主人公姉の発言が現代の聖女ですというノリにどうしても違和感を覚え、さらにそれを持ち上げる周囲がどうもなあ…

 

素晴らしい主人公!と称えるのはいいとして、やはり夜の飲み屋商売を女で二人でやってる=金持ち一家の息子の結婚相手として親が逡巡するのも解るといった感想が強かったので、この外伝シリーズはメインが聖女主人公でなく、それぞれのサブキャラ的な人たちなので、原点的な心情で読みやすかったです

 

ただ第一話は、まあなんのかんのいっても親元離れ、別転地で働くことを悩む青年視点

悩んでるけど「この商店街最高!やっぱりオレ戻るよ」になるんだろうなあと冒頭から思っていたらまあそうなったのでお約束

ここまで来たら、この商店街最高は水戸黄門的展開で破られることはありません、と思っていればストレスはないかも

(たまにはブラック的に働かざるえない状況の病院なんてごめんだ!という展開にしてくれればもっと好きだったかも やりがい搾取になってしまったのを美談で終わらせるのはどうかなあと)

 

 


貴志先生の新作だ!…でもちょっと見た目表紙が日常的アンティーク小道具だし、タイトルも地味(すみません 作品の今までの並びと比べて的な意味で、サゲる目的ではありません)だらひょっとしてエッセイ…?と楽しみ半分ドキドキ半分ページを開き…

やったー!短編3つだ!これは小説とワクワクで読み始めてます

最初の話は、昔の教え子が尋ねてきた認知症になりかけている元教師の男と、双子の兄が自殺したという妹のお話
自殺前の兄が自費出版で出した俳句集
このそれぞれの句に曰くがあるらしいのですが、…まったくわからん えー俳句をこう解釈できるって読み解き=謎解きだけどそれはもう読み手の感覚でしかなくない?という状況でほぼ会話で進んでいきます

 

そして読み進めるうちになんだかおかしいぞとなってくれるのが、貴志先生トリック!

そうきたかーというオチは読めつつも面白いのがすごい

 

ただ短編三つ目のくさびら=茸と知ってたのでタイトルは何を示しているのか解りましたが、お話は…うーんドグラマグラ的

ちゃんともう一度読めばきっと面白いはず、だって貴志先生だから!ということでよろしくお願いいたします

 

 


前回更新したやっぱり死体がありましたの感想が、昔話のベースで色々面白いアレンジだなというのだったのにたいし、今回はアレンジ通り越して推理小説とするなら反則では…という話の連続で、次の話は積極的には手にしないかな…となりました

こぶとり爺さんの鬼は生きものの一部を他の一部に付け替えることが出来るというのは原作基準とはいえ、ちょっとミステリでその能力を使うのはどうかなーとなり、耳なし芳一で女陰陽師が出て幽霊に話を聞いたり、オウムが出てきたりで…何でもありなのではというのと、つい先日「女陰陽師はありえない」という記事を見掛けてそうなんだと思った両方が重なって、これはどうかなあとなってしまいました。
※陰陽師は単なる呪い師ではなく、公の役職だから武士に女はいないと同じように、陰陽師に女はいない(呪い師はいるとしても)とのことで、なるほどと納得

 

幽霊、エスパー、タイムリープがありとしてもフルコンプリートでただ意表を突くだけがメインになってしまっているようで、題材がいいだけに勿体なかったです
 

 

 


日本昔話をベースに起きた謎の事件を解決していく短編ミステリの二冊目
今回はおむすびころりんにかぐや姫、わらしべ長者にかちかち山、猿蟹合戦など

うーん不思議なのは前作も西洋のおとぎ話ベースのミステリも、登場人物そんなに多くないしキャラクターは性格がそれぞれ個性があるのに、何故か読んでて混乱してきます

一部ミステリの筈なのにタイムリープがあったり形式は自由
人間が主人公でないものもあり、面白かったのは「猿蟹合戦 柿は普通に投げられて蟹を殺す小道具でしかないのになぜ栗は仕返しのメンバーに入っているのか」
…確かに!この解釈については面白かったですが、一部物語は色々ぼかして推理させるという形式なので、2回読み直さないと解りにくいかも

いや自分がわからんかっただけだろと思った方するどいですね

はい、その通りです

一日一冊読書量とかいう表題ブログでもう最近は全然一日一冊挙げられていない状況ですがすみません

大人になるとね…通勤遠くに命じられたりざんぎょーという責任が増えたりね…

昔は一日一冊以上読めていたんですよ本当に!!

(難しい本読んで疲れる→気休めの少し軽めの本を併読で読むけどそれも疲れる→何も考えなくて済むライトノベル系を並行して進めておくと一週間で8冊以上読めてた)

 

社会人になると本は読んでも関数スキルとかはじめてのパワークエリとか……読書ではあるけれど、感想書けないとかいうのがふえてしまったのも一因かなあ

 

4月には復活したいので、また今後もよろしくお願いいたします