に、
行ってきました。
彼の絵が日本に来るのは
今回で2度目だそうですね。
たったの、2度目。

会場に行くまで
彼の事も、絵も、文章も、
なんにも知らないし
興味もありませんでした。
全くね。


彼の絵を観て思った事は
ムラサキとキイロ。
やくしまるえつこさんも
あとがきに残してらしたけれど、
彼と目が合う隙間は無かった。
僕は
その事に、興奮したんだと思う。
自分の満足の為だけに描かれた線は
強いですね。
だって、
カッコつけたところで
マスターベーションなんだから。
気持ちがよかったです、とても。




帰りに出口で
ポストカードを2枚買った。
食用の妖精の
ポストカード。
って
聞いてくる声の方が
元気が無かった。
最近あった
体調不良を話すと
すごく驚いていたけど
ちっとも興味なさそうだった。

それでね、
と続いた相手の話題は
案の定予想通りで
相手の望む返事を返す。

や、
あなたも忙しいでしょう?
つらいでしょう?
トレーシングペーパーみたいな
言葉にはもう慣れっこだったけど
少しだけ苛々した。







あなたしか
話す人がいないの。
唯一信じれるこの言葉のために
僕は喜んで
汚れましょう。
荒れた人差し指は
熱を持っていた。
僕は左手の親指で
傷口を強く押さえつけた。

足りない。




腰の辺りから
青白い冷たいものが
お腹を通って
胸の辺り
肩へと抜けていった。


軽くなる。

掻きむしられた人差し指は、
血がにじんで
赤い肉が見えた。
強い熱が残った。
僕は
右手の人差し指に
なったんじゃないかって
気がした。