ストーン磐座

ストーン磐座

磐座、褌、天然石笛(磐笛、岩笛、いわぶえ)販売、海上タクシー

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旧暦518日、今日もよく潮が引いてるのでおそらく今年最後の干潟観察、今回は個体数カウントがメイン。

今年より「花さかじじい」作戦に方針を変えたので、作戦の趣旨からすれば花の数だけカウントすれば良いのだが、アマモの生育状態などを把握するにはアバウトでも数を把握しておくことはそれなりに意味がある。

昨日はアマモ巻き蒔きに追われかなりタイトなスケジュールだったが、今日はゆっくり干潟観察も兼ねる。

あちこちにワタリガニの抜け殻が目につく、カニの天敵はタコなので両者の数は反比例の関係にある。

ってことは今年はタコが少ないのか?

一昨年がこのパターンで延縄にもワタリが掛かってきたり、縄を繰ってる最中に海面で交尾中のカップルをダブルGetなんてことも数回あった。

その2年くらい前は逆にタコが豊漁で、イイダコを釣りに行ったら大ダコしか食わなかったなんて冗談みたいなこともあった。

瀬戸内海の帝王大ダコに天敵はいない、同類のイイダコすら捕食してしまうのだ。

今年の干潟はホソジュズモにゴミがくっついたのがやたら多い、たしかこのホソジュズモの浄化作用に目をつけ数億円の水質浄化プラントをプロデュースしていた大学の先生が居たけど、詐欺師以外の何者でもないと思う。

さてアマモちゃんはというと、梅雨の雨で盛んに分けつして増えている。

この時期アオサが漂着するので陸に近いところの個体はアオサをかき分けながらカウントしなければならない。

今回は例年避けていたCDブロックをローラー作戦で観察、思わぬところに生えていたり、前回気がつかなかったところに生えていたりでかなり総数が増えた。

個体数推移

CDブロックのアマモはかなり状態が良い、なぜ今までこのシンプルな事実が目に入らなかったのかと悔やまれるが、失敗は成功の元であり人間は失敗からしか学べないものである。

状態が良いアマモは花枝が生える可能性が高いのか、ぽつぽつ散見される。

この花をいっぱい咲かせたいんだよなあ。

しかし昨年まで種無しだったアマモに少ないながらも花がついた事実は大きい、「花さかじじい」大作戦への妄想は膨らむばかりだ。

最後にコアマモをもう2本ほど植えて来年の楽しみとした。

コアマモは地下茎で越年してくれるので、一旦根付けばあれよあれよと増える。

土器川河口のアマモ場では陸よりの浅いところにコアマモ、その沖にアマモが生えるという生態系が形成されている。

北浦干潟ではどういう訳かコアマモはやたら元気が良いが、これもどこにでも生えるというものでないだろうしアマモとセットで観察する必要があるかもしれない。

今年は干潟の干出率が悪く干潟観察自体は面白味が無かったが、播種実験ではある程度の手応えがあった。

来年はまたどういう結果となるか?

いずれにせよ人が係われるのはここまで、後はお天道様と海と干潟に委ねて春を待つしかない。




渡りガニの抜けガラが例年になく多い、てことは今年もタコ少ないのか?



今年はこのホソジュズモにゴミがくっ付いたみたいなのがやたら多い



アオサをかき分けながらカウントする



更に分けつして増えてる



思わぬ所に生えていた



この花をもっと咲かせたいんだな



ついでにコアマモの移植も、こいつは地下茎で越年してくれるのでさっと埋めるだけ。






旧暦517日、どういう加減か夏前になると15夜から23日過ぎてからの方が潮が引くので今日が干潟観察月和(つきより)。

新月と満月でも潮の引き具合は微妙に違うし時差もある、この辺の原理を分かりやすく説明してくれてるページが無いものかと思うのだが未だによく分からない。

昨夜のうちに粗方種の部分だけに仕分けした種枝、ガーゼ、マーキング用の鉄筋が播種の三点セットだ。

まず広げたガーゼに砂を敷いて、アマモの種枝を乗せ、両端を織り込んで巻き寿司のようにくるくる丸めてゴムで縛る。

個人的にアマモ巻きと名付けたこのメソッド、はっきり言って水産試験場のパクリです。

通常試験場のアマモ場再生事業では、花枝から種を取りだしいくつかの工程を経て沈殿する完熟した種だけを使用するらしい。

当初は同じ方法をと考えたのだが、ものすごく手間がかかるし寒い冬の夜中に播種作業をしなければならず、考えただけでも気がめいる。

それに試験場のように資金があるわけではないので余分な経費はかけられない、出来る限り楽しく安くが長続きする絶対条件なので間の面倒な工程をすっ飛ばして花枝を直接ガーゼ巻きにして埋設あるいは放置することにした。

ここいらが趣味の範囲でやってるお気楽さ、誰に頼まれたわけでもないので忙しかったり面倒くさかったら「やーめた~」という禁じ手さえも自在に繰り出せるのである。

とはいっても一応この方法に至るまでに最初は流れアマモから始まって5年くらい様々な定植実験を行っていて、この方法でいけるのではないかというある程度の確信があっての中抜き飛ばしメソッドだ。

試験場では砂じゃなくて腐葉土でガーゼ巻きを作ったりしてるが、過去の実験結果から発芽条件は問題ないので砂は単にアマモ巻きが浮かない為のウエイト代わり。

今回の播種計画は当初迷いに迷った、昨年植えたアマモ巻きの発芽率がかなり悪く、方向性を見失ったのだ。

しかし観察を続けるうちに、予想外の結果が出ているのがわかった。

今年5/17 のアマモ分布図 をごらんいただきたい。

注目すべきポイントは沖合いに埋めたアマモ巻きの発芽結果と、CDブロックの防波堤沿いに自然発生した個体数の多さだ。

干上がる場所に植えたアマモは水温が上がると葉先が痛んで花をつけにくいのでかなり沖合いの干上がらないところへ植えたところ発芽率がかなり低下した。

更に手抜きしようとアマモ巻きを放置しただけのところにいたってはほとんど発芽していない。

ところが意図せぬ結果で、どうやら放置したアマモの種は波に打ち寄せられてCDブロックの波打ち際で自然発芽しているみたいなのだ。

干潟の全体図 をご覧いただきたい。

南側Aブロックの右端に下水溝があるのだが、この上流にはノリ加工場があって汚水が流れ込んでくる。

汚水といってもほとんどが海水と真水だが、最盛期の真冬には排水溝近くの海面が赤く染まるくらいノリの処理水が流れ出てくる。

赤色はノリのカスだが一緒に加工時に使われている酸が流れ込んでくる。

その他生活排水も流れ込んで来て、排水溝周辺の下場は磯焼けしているのか海草類はあまり生えていない。

因果関係ははっきりしないのだが、これが干潟減少の大きな要因の一つではないかと思っている。

まあそれやこれやで、今年の播種は排水溝を避けて北側のCDブロックをメインにと思っていた矢先、意図せぬ結果としてCDブロックに自然発生のアマモが大量に現れた。

元々このCDブロック(特にCブロック)のあたりはなぜかほかのエリアよりえぐれていて干上がらない。

海藻類も多く水没しないため観察条件としては悪いので、今までなんとなく忌避していたエリアだった。

しかし今回の結果を見てよくよく考えてみると、これら観察にとっての悪条件は逆にアマモの発芽にとっては好条件だったと思えるのだ。

更にこのエリアのえぐれている原因を推測するに、防波堤で直接は見えないが実は山頂近くからある谷筋の出口付近で台風ともなれば大量の雨水が流れ込むはずのエリアである。

過去の巨石調査で山の地形は知り尽くしているし、事実すぐ上の谷筋に大水で出来たと思われるかなりのえぐれを確認している。

表層以外にも、地下水脈もコンコンと流入していて干潟一番の水脈ではないかと思われる。

なんか蟲師みたいな世界になってきたが、アマモの発芽に雨水が重要な役割を果たすのは周知の事実、いままでブラックボックスだったCDブロックはこの干潟で一番条件の良い場所である可能性が出てきた。

事実今年生えたアマモの中ではこのエリアが一番良い状態で、花枝も出てきてる。

逆に沖合いのエリアの発芽率が悪かったのは雨水がら遠いことに原因があるとすれば辻褄が合う。

それと気になるのは発芽後の葉の状態が良くないのである。

葉先がちぎれたり変な藻類がこびりついて、盛んに分けつはするが30センチほどの薄汚れた葉ばかりで花株が出ない。

原因としては、おそらく干潟のエッジ部分であり駆け上がり地形となっているので、波が立つポイントとなっていて葉先が波に揉まれて欠損しているのではないかと思われる。

 これも一回だけでは確定出来ないので、昨年と同じ場所の1mほど沖合いにアマモ巻きを植え、発芽率と地下茎による越年が見られるかの比較検証を行う。

あくまで推測につぐ推測の推論だが、こんな小さい干潟でもわずかばかりの高低差や山の地形水脈等でかなりの変化があることが見て取れる。

底の浅い干潟なれど、改めて里海の奥深さを思い知らされた思いだ。

ともあれ今年でデーター取りと実験段階を終え、来年は実践段階へ移行することになりそうだ。

この辺は漁師的感覚というか潮時が来たなみたいな感覚なのでうまく説明できないが、とにかく来年は一発勝負をかけてみたい気分が高まってきた。

と、ふつふつと沸いてくる妄想にふけりながら55個のアマモ巻きを植え終わった。

植えたところには必ず先を丸めた鉄筋でマーキングをして今年の播種作業を終了、来年の春どんな結果が待ち受けているのか楽しみである。

おまけ偏

Aブロックには生えてるコアマモが他のブロックにはまったく生えないので、Dブロックに3本の地下茎を移植してみた。

2010年の猛暑で一度は消失したコアマモだが、2011年ほんの10株ほどを島内の別の場所から移植したところ、驚くほどの勢いで復活し以前の倍ほどの群生になっている。

こちらもどうなるか楽しみだ。


今回の経費

ガーゼ   802円

D10鉄筋  536円

計      1338円 也



アマモの播種三点セット、種とガーゼと鉄筋



ガーゼに砂を敷いてアマモの種を巻き巻きアマモ巻き



今年は55個植えてみる



おうおう、花が咲いている。花枝は単独で出てくるのが多い



良い枝ぶり



植えた後は鉄筋でマーキング



お~、ここにも花が、、、




良い感じに生えてる、このあたりのが一番元気だな





今回の経費1338円也

旧暦516日、今日は5年に一度の営業許可証の書き換え講習で400まで中讃保健所に缶詰だった。

ちょうど帰りの時間と干潮が重なるので、ついでにすぐ近くの土器川河口でアマモの種採集を行う。

ここ数年毎年この時期に種取りしているが、今年はアマモ場がかなり減少している。

だいたい3月の潮干狩りシーズンになると干潟一面が掘り返されて、干上がっているところに生えたアマモは引っこ抜かれる。

それでも干上がらないところにはアマモがわんさか生えていたのだが今年はちょろちょろ程度、いつもはそこら中に見かけるコアマモの群生も異常に少なかった。

細かく観察しているわけではないので何が原因かは分からないが、今年は北浦海岸に定植したアマモも思いの外発芽が悪かったので全体的にそういう条件だったのかもしれない。

このあたりは偶に延縄もやったりするところだが、沖合いまで浅瀬が広がっているので逆に船でアプローチする時はかなり気を使う場所。

例年は行かない沖合いまで出ると、条件が良いのかふさふさしたアマモ場が広がっていた。

たぶんこの辺りのは地下茎で越年してる固体だろうな、背丈もかなりある。

ペール缶一杯の種を取ってミッション終了、いよいよ明日は播種作業だ。




講習が終わってからではアマモの種採集、今年はアマモ場がずいぶん少ない。



それでもかなり沖合いに出ればこの通り、北浦海岸もこんな風にしたいんだが、、、。



干潟のすぐ側にある廃墟?いつも思うけどこのセンスすごいな、ほんでもって海からでないとほとんど見えない位置にあるんだな。

今年の干潟は潮が引かない、潮が引かない時の干潟観察は楽しみも半減、アマモの観察条件も悪い。
そうは言いながら定点観察は続けることに意味があるので、わずかばかりの干潟を観察してみる。
今年はタマキシゴカイのうんちがやたら目につくが、いかんせん色が無い。
例年ならウミウシとかタコとかカラフルなイソギンチャクが目を楽しませてくれるのに、、、。
コアマモの群生はしっかり根を張って全体的に盛り上がっている、これがアマモ場独特の理想的な土壌なんだけど何故かアマモは根を張ってくれないこの干潟。
わずかに生えたアマモには毎年律儀に姫イカが卵塊を生みつけにきてくれる、この一点だけでも干潟の生態系に寄与しているわけで嬉しくなる。
干潟だけではあっという間に見終わる、昨年から種植えを主軸に置いたこともあって、自然発生の固体はあまり眼中に無かったが、今日は多少時間があったので自然発生の固体を北側の水没してるあたりをローラー作戦で観察することにした。
日没近くで光が弱く多少波にもまれて濁りがあり透明度も悪い、しかし目が慣れてくると濁りの中でもアマモくらいはかすかに識別出きるようになった。
昨年の定植実験で全体に発芽率が低かったこと、アマモガーゼ巻きの放置プレーパターンの結果が悪かったことで、今年度の方針をどうしたもんかと迷っていた。
ところが意外や意外、ローラー作戦を展開したところ、北側エリアに多数のアマモが生えていたのである。
透明度が悪く水面に葉が揺れてるアマモしかカウントは出来ないが、およそ120本ほどがC,Dブロック の陸寄りのエリアに集中して自生していた。(PDFは全体表示でご覧下さいへんな枠線が出ます)
思わぬ発見で今までブルーだった干潟観察はハッピーモードにチェンジ。
昨年の播種結果がまんざらでもない可能性が出てきたのである。
まず干潟全体の航空写真 をご覧いただきたい。
干潟は赤丸で囲ったエリアで潮はほぼ南北に流れている。
干潟の北側エリアは丁度大石の鼻から回り込んだ位置にあって潮流の影響を受けにくいポイントである。
今までの観察結果からすると、波打ち効果で種は比較的陸側に打ち寄せられる傾向にある。
今回大量に自生していた固体は、過去の観察結果からすると異常に多いので、幾分かは打ち寄せられた流れアマモもあるが、昨年の放置アマモ巻きの種が打ち寄せられ自生した可能性が高くなってきたのである。
一回目の観察では昨年放置プレーしたアマモ巻きの発芽が確認できなかったのだが、今回A7にわずか3本だが発芽が確認できた。
以上の結果からなんとなくだが、今年度の播種に一筋の光明が見えてきた。
まだちょっと整理は出来ていないが、6月の播種時期までに方針をまとめたいと思う。




今年も律儀に産み付けられた姫イカの卵塊、これを見るだけで嬉しくなる。



タマキシゴカイのうんち山が目立つ、ていうか干上がっているのはこのあたりだけなので寂しい。



一面うんち山。



コアマモの群生、しっかりと根を張っているのでこんもりと盛り上がってきた。



透明度が悪く識別しにくい。



他に生えてないのかとローラー作戦を展開していたら、生えてるじゃないか!



なんとそこら中にボコボコ生えてるじゃないか!やっと一筋の光明を見た思いだ、今日は良い酒飲めそうだな。

2014.05.01
今年最初の干潟観察を行なう、やっと観察日記が追いついてきた。
以前はブログをこまめに書いていたのだが、延縄漁に主軸が移り縄繰り作業に手を取られるのと、ツイッターとFBの影響かテキストが全く書けない状態になった。
今後もそう長いテキストは書けそうにないので、ツイッターのつぶやきと写真をベースに若干の考察を付加して観察日記にリレーションすることにした。

第一印象、今年の干潟は海水面が例年になく高い。
ここ8年くらい毎年5月のGWの新月に干潟観察をしているのだが、最初の年は干潟一面が見事に干上がっていて干潟観察を始める動機となった。
気のせいか年々潮水位が上がってきて今年は干潟の2/3以上が水没している。
まさかこんな急激に海面上昇するはずはないので、潮汐にも年毎のバラつきはあるのかもしれない。
いずれにしろ今年最高のコンディションでこの潮位なので、干潟観察の楽しみが半減してしまった。
とは言うものの、昨年のアマモ巻きの結果を楽しみに干潟を散策。
昨年復活したコアマモは驚くべき勢いで増えていた、おそらく過去最高の群生だろう。
コアマモは放置プレーで増えるのに対してアマモはこれだけ植えても増えない、この辺の相関関係も気になるところだ。
昨年植えたアマモ巻きは、思ったより結果が悪かった。
まず直接放置したところは波にさらわれたのかほとんど生えていない、埋めたところは個体差があって発芽も一様ではなかった。
前回よりはかなり沖合いの場所に埋めたので単純比較は出来ないが、一昨年陸寄りに直植えしたのは90%くらい発芽していたのでちょっとイメージ違った。
気になるのは去年陸よりに直植えしたものも同様に今年発芽が悪かったことで、今年は全般的に発芽条件が悪かったのか謎は深まるばかり。
今年アナゴ漁が不調という事から海全体がなんかいつもと違うのかとかエルニーニョのせいなのかとか妄想は膨らむが、謎を解明できるのは実験結果しかないだろうということで、疑問点の洗い出しをして更に細かく比較検証を試みることにした。



2014,5,1今年の干潟、あんまり引いてないな。



例年5月頭の新月の大潮に最初の干潟観察をしているのだがこんなに潮が引いてないのは初めてだ。気のせいか年々上がってきているような?このあたりも例年は干上がっていた所、例年より30cmくらいは海面が高い。



コアマモの元気が良い。



3年前の猛暑で絶滅し、一昨年一部移植したコアマモは大群生になっていた。すげえな。



種をそのまま埋めたところ、どういう加減か今年は発芽率が良くない。



昨年アマモ巻きを植えたところ、生えてるところは生えてるけどかなり差がある。場所、気候、種?要因は幾通りもあるので要経過観察。



こんな感じにまばら生えてる、葉先が傷んでいるのも気になるな。




分布図
個体数推移
を参照ください。


ということで今年(2013年)以降のアマモを植える男一人プロジェクトはアマモの越年を目的とする播種作業がメインとなった。

1 今までの観察結果から干上がった場所での播種は徒花となるので、最大干潮でも干あがらない場所に種を植える。
2 北から南に筋状に植えて発芽状況を確認する。
3 アマモ巻き埋設作業は結構しんどいのでアマモ巻きを埋めずにそのまま放置するパターンを試してみる。

以上が今年の計画だが、今までの観察結果では干上がらない場所で発芽したアマモにも越年は見られなかったため、上記以外にも越年できない要因があると考えられる。
観察結果から推測するに、夏場の高温障害による死滅、あるいは海苔加工場からの汚染排水などが考えられる。
しかしこの2点は変更不可能な外因なので、出来る作業としてはクリキンディみたいにせっせか種を植え続けるしか方法が思いつかない。
伊勢湾などの例を見ると、高温障害で死滅はしても花が咲いて種をつければ、流れ着いた種が発芽してアマモ場が形成されるらしいので、とにかく花を咲かすことに眼目を置いた「はなさかじじい」作戦を展開することにした。

2013/6/24

ドリームで買ってきた今日の必須アイテムのガーゼ生地、ついでに褌用に麻生地を探したがもう置いてないらしい。思うに褌需要が多すぎて品薄になってるんじゃなかろうか?



さあいよいよアマモの播種、用意するのは30Cm角に切ったガーゼと昨日切り分けたアマモの種と花株とスコップ。



こんな風に海砂にアマモを挟んでガ-ゼで巻く。




あまり美しくはないがゴムで縛って出来上がり、種団子ならぬアマモ巻き。この場合の海砂はウエイト代わり、アマモの種はゴマをちょっと大きくしたくらいなのでそのままでは定着しない。




ミッションコンプリ-ト、今年は沖合いの干上がらないポイントに穴を掘って植えるのとそのまま放置の2パターンを試してみた。花株のものは沖合いと条件の良さそうなポイントに埋めた。これで来年の春まで放置プレー、さあどうなるかな?写真は一昨年植えた小アマモ。




一昨年前年が猛暑で絶滅した所に移植した小アマモは見事に繁殖していた。




流れ着いた天草をかき分けると小アマモの大群生、約4平米ほどに広がっていたのには感激。



あっ、こんなところに自生のアマモが?しかも5割の確認で花が咲いてるではあ~りませんか?これだから干潟観察はやめられない。こんな発見が来年の種植えのヒントになるんだな。






昨年は何かと忙しく干潟観察日記を付け忘れていた。
既に今年の干潟観察も始まったので間が抜けると意味がわからない。
ということで確認作業もかねて日記を書きます。

昨年(2012年)のアマモ播種実験が予想外の結果だったので、長らく続けてきた干潟観察&アマモを植える男一人プロジェクトは新しい段階に入ることにした。
この間の観察結果をまとめると
1 この干潟では自然発生のアマモは極端に少ない
2 この干潟ではアマモは越年しない
3 アマモの播種はかなり成功率が高い
4 播種によってアマモの株は増えるが、開花率はあまり高くない。
5 干上がった干潟に播種した場合、アマモも干上がってしまうので葉がいたみやすく花穂をつけるに至らない。

以上の結果から、いくらアマモを植えても翌年には何も残らない徒花に過ぎず、アマモ場再生のためには抜本的な見直しが必要という結論に達した。
従って今年以降はアマモを越年させる実験に重きを置いて作業を進めることにした。

2013/6/23
スーパームーンということは満月の大潮、今年は漁で忙しかったのと故あって放置プレーだった干潟観察。ピンポイントのタイミングでアマモの採種にやって来た。前回のスーパーム-ンはさほど潮が引いてなかったが今日はよう引いとる。

higata

ところが時期を逸したのか?花の付いた株が見当たらない。






がしかしピンポイントのタイミングなのでここで引き下がる訳にもいかず、ずっと沖合いの方まで行ってみると、ようやく花穂の付いた株があってミッションコ ンプリ-ト。このプロセスも明日の播種予定のヒントになる。しかし早春の干潟と違って色んなもんの腐った匂いがしてあまり楽しい作業ではないな。





さて辛気臭いアマモの種取り仕事。



これがアマモの種。




こいつは完熟してる、どっちが発芽率良いんだろう?



ひたすら種の部分だけを切り分けます、今夜中に終わるんかいな?



や~めた、予定変更。誰に頼まれてる訳でもなく、納期が決まっている訳でもなく、公的補助をもらってる訳でもないので、お気楽モード。試験用のサンプルは取れたので、後は直植えという荒業に出ることにした。一応一昨年試しているので問題無し、海水に浸けて明日を待とう。






5/8
今日もあまり潮が引いてなかったが、今季はこれが最低潮位の予定なので、アマモ田植え(移植)試験を行うことにした。
比較検証の為に植える下地を2つの極端な場所に選んだ。
Bラインより移植した25本をノリ加工場から流れてきたヘドロが溜まった下地(D地点)に、Aラインより移植した30本を少し沖合のきれいな砂地(E地点)に植えた。
予定では沖合のE地点くらいまで潮が引いて、田植え感覚で移植出来るはずだったのだが、何故か今年は潮が引かないので、海中に両手を突っ込んで植えこんでいった。
とりあえず今年の試験はここまでにして、後は定点観察をしながら個体数をカウントして推移を見る。
以前にも書いたが、結果が出ないうちに欲張ってあれこれいっぺんに試験すると、因果関係が混乱して正確なデーターが得られなくなってしまうのだ。
今季の試験でじっくり観察して得た確実なデーターを元に、来季の予定を立てることが結果として早道となる。
新たに発見した自然定着のアマモを入れると個体数は今の段階で1000本を超えてしまった。
昨年の同時期が80~90本だったのに比べると一挙に10倍になっている、これからアマモは梅雨の雨で流れこんでくる養分を吸収して3倍ほどに増えるはずなので、梅雨明け頃には3000本ほどのアマモ場が出現するということになる。
http://www10.ocn.ne.jp/~veeten//slo/amamo/kansatu.htm (個体数推移参照)
話は変わるが、ここ数年二枚貝の天敵であるツメタ貝を大量に駆除した。
http://ameblo.jp/veeten/entry-10102988346.html
初年度の2008年には手のひらほどの舌を出した巨大ツメタ貝が干潟を席巻していたのだが、毎年コツコツと生体や卵の砂茶碗を駆除した結果巨大ツメタ貝は姿を消し、小さい個体が散見される程度になった。
ツメタ貝の個体数減少に反比例して二枚貝が干潟に出現してきた、特に増えたのはキヌタアゲマキ、その他オオノガイ、ハボウキ貝、タイラギ貝、レッドデーターのムラサキガイなどである。
ところが皮肉なことにこれがアマモを脅かす原因となってしまった。
干潟で遊ぶ地元の子供達には説明してあるのでアマモには触れないが、噂を聞きつけた大人達が干潟を掘り返すようになったのだ。
貝だけが目当ての彼らにアマモの重要性などわかろうはずもなく、ついに昨日アマモが無残にも掘り返されてしまった。
見かけた場合はアマモは掘らないでねとお願いするのだが、付きっきりで監視するわけにもいかず、今の時期土器川の河口に行けば大勢の潮干狩り客が一心不乱にアマモ場を掘り返している。
公共の場である干潟であくまでも趣味で行なっているので、悲しい現状として受け入れるしかないが、その日のうちに埋め戻せばある程度定着するので、最悪のケースは免れることができた。
帰り際干潟観察のご褒美にタイラギ貝を二枚GETして、今晩の酒の肴にすることにした。


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ヘドロ状のところへ25本移植

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沖合のきれいな砂地に30本

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掘り返されたアマモ

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タイラギ貝

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左はオオノガイ、右はムラサキガイ、ムラサキガイは後で調べたところレッドデーターマターだった(反省)


5/5,6
スーパームーンの影響なのか潮が今一引いていない。(通常より20cmほど高くなるみたいだ)
http://macroanomaly.blogspot.jp/2012/05/2.html
連日の大風で海草が打ち上げられていたり、雨でにごりが入っていたりと観察条件としてはあまり良くない。
本来ならアマモ田植えテストをするつもりだったのだが、田植え予定地は出現していないのでとりあえず個体数のカウントをメインに行った。
種から発芽したアマモは約一月で順調に生長分けつ(こう表記してもいいのだろうか?)し、最長で40cmほどになっていた。(地下茎で発芽した場合はもう1mほどに生長しているはずなのだが)
個体数は昨年と比べて10倍ほどに増えたのと密集しているので正確にはカウント出来ないがアバウトな感じでも順調に増えている。(個体数推移参照)
http://www10.ocn.ne.jp/~veeten//slo/amamo/kansatu.htm
ただ今年のポイントは種なので、このうち何本花が咲いて種になるかがこれからの楽しみだ。
そうはいうものの、やや不自然な配置ながら群生しているアマモの現物を見ると嬉しくなる。
アマモの回りではちっぽけながら一つの生態系が繰り広げられている。
アマモが生えていることによって、アマモの影に巻貝がひそんでいたり、ウミウシの卵塊が巻き付いていたり、アマモより陸がわに波を避けるようにタマキシゴカイの卵塊が産み付けられていたり、ミズヒキゴカイが棲みついている。
群生した一体はしっかりと根が張っていて、明らかに他の砂地とは砂の状態が違っている。
そして定番、ヒメイカの卵塊がアマモの葉の上に産み付けられていた。
ヒメイカは体長20mmほどの日本で見かけられる最も小さいイカで、アマモ等の海草に身を潜め卵を産み付ける。
http://blog.goo.ne.jp/ryu-oumi/e/7c8103d4ac8936117fa33a8acaf9928d
アマモと非常に相性の良い生物で、その証拠に初年度数十本しかないアマモに卵を産み付けて以来毎年どれかに産み付けてくれる律儀なパートナーだ。
http://ameblo.jp/veeten/entry-10082894566.html
アララトの干潟観察の様々な苦労(でもないかな?)はこの卵塊を見ただけで十分満たされる、もっと言えばこのヒメイカの為にアマモの繁殖をしてるといっていいくらいだ。
造成したアマモ場の他ににもポツポツと自然定着したアマモが生えていた、今年は種メインに方針転換しているのでざっと一回りしただけだが、それでも16本ほど生えていた。
コアマモは、今まで安定して繁茂していたのが一昨年の猛暑で昨年消失しかかった、本来アマモより希少種なので、今年からアバウトながら個体数をカウントすることにした。
ちなみにコアマモは汽水域を好むみたいで、地下水の流れのある狭いエリアにしか生息しない。
この干潟は山からの栄養が地下水で流れこんでいたり、漁師街なので不要になったチェーンやらの金物がそここに散らばったりしていてコアマモやアマモの生育に必要な鉄分は十分あるようだ。
今日出来なかったアマモ田植えテストの趣旨は、種を植えられない沖合いに生長株を定植して、そこで開花し自然播種されて波のよって陸がわに打ち寄せられてくる偶発的ケースを想定している。
かなり難易度は高いが、一応トライする価値はあると思うので、明日明後日の低潮位に期待するとしよう。
実は今日島の反対側にあるアマモ場を観察していてまた一つアイデアがひらめいた、来年の展開に生かせるようにもう少し考察してみたいと思う。
観察を終え、帰り際にもう一度アマモ場を見ると、潮干狩りに来た誰かがアマモ場を掘り返していた。
幸いかろうじでアマモから外れていて一安心、そりゃまあ普通の人にはこんな海草なんか邪魔になるだけでしょうから。
でも、干潟はみんなのものなので責めることは出来ません、もし掘られても埋め戻すしかありませんね。



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スーパームーンのせいか潮の引きが今一

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成長したアマモ、最長40cmくらい

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ウミウシの卵塊

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タマキシゴカイの卵塊

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巻貝がひっそりと

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きゃっほ~、ヒメイカの卵塊

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自然定着したアマモ

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コアマモも生えてきた

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危うく掘り返されそうになったアマモ

4/9
今年初めての観察潮位となったので、恒例の干潟観察を行った。
昨年と同じくまだ海水温が低く、干潟が賑やかになるのはもうしばらく先のようだ。
前日酔っ払ってプチ観察を行った際、想定外の結果が出ていて思わず悦にいってしまった。
今年の話をする前に、昨年最後の時点での状況を振り返ってみたい。
http://ameblo.jp/veeten/day-20110702.html
昨年末の観察記録からわかるように、今年は播種の結果を判断するという段階に入った。
一昨年の播種はあくまで部分的で、表面5cmほどのところに埋めてみたが、その最終結果が下記の図である。(11.07.03付けのタグ)
http://www10.ocn.ne.jp/~veeten//slo/amamo/kansatu11.htm
図中にあるグリーン点線内の播種地点からすると東南方向に分布が集中したが、初めての播種だったのでそんなにうまく種が流れつくものなのかについては昨年の時点では判断が出来なかった。
そこで昨年は本格的に三種の深さで直線上に播種して発芽状況を確認することにした。
そして一冬を越してこの春、想像以上の結果が出てきたという状況から今年の干潟観察が始まったわけだ。
各地で取り組まれているアマモ場再生事業は、賛否両論あって方法論的にはまだ確立していない。
その中で、例えば香川県の水産試験場の例を取ってみるとこのような方法が行われている。
http://www.pref.kagawa.jp/umidukuri/repo-to_amamo/repo-to_amamo.htm
昨年このHPを見ながら色々と作業工程をイメージしてみたのだが、おおよそ個人で行うには工程が複雑過ぎて、設備や経費がかかりすぎる。
趣味の範囲で持続可能な方法を目指すという方針からすると、ハイコストハイリターンは却下、趣味の世界では結果はともかくローコストでないと続かない。
昨年の春、干潟王子の岡田君と一緒に干潟観察してから種へのシフトに思い至り、ダメもとで一昨年水産試験場で行われているような採種選別工程をすっ飛ばして、直播きという荒業に打って出た。
今年はまだ始まりの段階なのだが、予想をくつがえしかなりの高確率で発芽してしまった。
まあこの密集した生え具合をご覧あれ、ほとんどスプラウト状態だ。
今年これだけ生えたということで、一昨年の播種効果は埋めた深さに原因があったのではないかと思われる。
つまり、種を蒔く深さが足りず表土が波や台風や大雨の流水によって流され種が流出し海底を漂ったが、意外と流動性は低く、冬場の北西風の波で陸側に寄せられた種が南東方向に分布して定着し発芽したのではないだろうか?
昨年、10cm、15cm、20cmの三段階の深さに分けて播種した結果に、今のところさほどの差異が認められないことから深さ的には10cm超あれば問題ないようだ。
ただこれは今年偶々うまくいっただけという可能性はあるので、今年の生長具合の経過観察と、少なくとも数年に渡る比較検証を経てでないと結論は出せないと思う。
ということですでに頭の中では来年の春を妄想してる訳だけど、来年の作業方針の判断材料として、テストパターンを試みることにした。
このアマモ、見ての通りイネ科と同じ単子葉類の草本で根は苗とほとんど同じヒゲ根である、そしてアマモが植わっている干潟は潮が引いた時には丁度田んぼに水を張ったような状態になる。
ということで、田植えというキーワードが自然に出てきた。
田植え感覚でアマモの定植作業が出来たら楽しいし、好きなところに植えられて試験パターンのバリエーションが増えてこれまた結構と思った次第。
とりあえず試験的に今回発芽したABC三列のラインの側にAラインより間引いた45本のアマモ苗を田植えパターンで植えてみた。(Sライン、12.04.09日付けのタグ)
http://www10.ocn.ne.jp/~veeten//slo/amamo/kansatu.htm

昨年末の観察記録でも述べてるように、この干潟のアマモは夏場の高温障害によって地下茎を保持出来ない一年生の脆弱な条件下にある。
今は毎年人為的に植えることによってある程度の個体数を維持しているが、もちろん持続可能な方法ではない。
この干潟で一年生のアマモが継続的に存在するには、種がこの干潟に留まることが必要条件、花が咲き種を残し、その種が自然定着するという本来自然なサイクルでありながら、現状では難易度の高い状況が必要ということになる。
まあ妄想は膨らむばかりですが、とりあえず今回田植えパターンを試してみて、定着するようであれば、次回連休明けの最大潮位の時に少し沖合に更にアマモ田植え試験をすることにしようと思う。
しかし性急に結果を求めてはいけない、欲張って一度にあれこれし過ぎると、いったい何がどのように作用したのかがわからなくなってしまう。
アマモの場合最低でも1年サイクルで結果が出るので、一つ一つのプロセスをじっくりと丁寧に行なって、試験結果の正確な評価を得ることが結果的に早道となる。

最後に今までに何度も述べてることですが、ヤポネシ屋亭主のアマモ観察は自然保護活動ではありません。
あくまで個人的趣味で、動機は単なるノスタルジーです。
幼い頃に遊んだアマモ場の光景を、今は失われた同じこの干潟でもう一度見てみたい、ただそれだけです。



ストーン磐座-120409_172010

見事に発芽したアマモ、スプラウト状に密生してる。

ストーン磐座-120409_172109

今のところ太さはこの程度、これからぐんぐんと大きくなります

ストーン磐座-120409_172024

きれいにライン状に発芽している

ストーン磐座-120409_172618

稲のようなひげ根、よく見ると若い芽が出てきている

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田植え感覚で移植してみた