富山で思ったことのうち、一つはチェーン店が見当たらないこと。これは結構、よかった。

 

吉野家、マクドナルド、サイゼリヤ、ケンタッキー、などなど、神戸でも至る所にあるこれらのチェーン店を見なかった。

 

コンパクトシティの模範として世界で注目を集めるアメリカ・ポートランドも町のオリジナリティがしぼむのでそういったチェーン出店は認めていないと聞いた。これは、富山市の戦略なのだろうか?

 

スタバやコンビニは結構、あったが、上記の飲食チェーンがなかったのは新鮮だった。

 

次の日、富山を出て、金沢へ。

 

富山とは人口もそれほど変わらず、45万人程度。しかし、駅の充実ぶりは雲泥の差があった。駅を降りてすぐに吉野家があり、駅ビルには飲食店が充実。もちろん、観光地なので、お土産コーナーも多く、外国人も多い。

 

北陸新幹線で一番恩恵を受けている都市、金沢。観光ブームはまだまだ健在だった。LCCも飛んでおらず、外国からのアクセスもそれほど良いわけではないなかで、香港人、中国人、欧米人の数が半端なく多かった。

 

兼六園、金沢城、東茶屋町など金沢でMUST SEEなところへ行ったが、どこも外国人であふれかえっていた。地方にも確実に外国人観光客効果が及んでいる。それだけのコンテンツが金沢にはあるのだろう。確かに、金沢城、兼六園は一見に値する。

 

ただ、市内の交通はバスやタクシーに限られ、移動は結構、不便だと感じた。地方都市の例にもれず、車社会であり、観光客にとっては複雑なバスの路線はわかりずらく、かといって、金沢周遊バスなどの観光バスは夕方6時で運行をやめてしまうので、夜の風情が美しい東茶屋町などへはタクシー移動に限られてしまう。タクシーでは駅から1000円ほどと高くはなかったが、これだけの観光都市なのだから、もう少し、なにか交通手段の選択肢を増やすべきではないか。

 

金沢の町は人が多く、活気づいていた。町の規模感も神戸と変わらない印象。観光客数だけなら神戸よりも圧倒的に多い感じ。

 

ただ、住むなら富山かなとも思った。市内は交通が便利だし、坂も少なく、自転車で市内主要箇所には15分くらいでどこからでもアクセスできそう。実際、朝に自転車通勤、通学をしているサラリーマン、学生数の多さが新鮮だった。市内にある小学校2校を見に行ったが、有名建築家の設計で相当おしゃれで設備も充実。とくに、隈研吾設計の図書館は興奮した。

 

 

次は立山アルペン、黒部ダムなど郊外に足を延ばし、富山の魅力を堪能したい。

富山と金沢に行ってきた。

 

特急サンダーバードで金沢まで2時間半、金沢から富山までは北陸新幹線で約20分。

 

富山にまず到着した時の印象は「人すくな!」。日曜日のターミナル駅というのに人すくな!車もすくな!とても閑散とした印象。

 

ただ、町は日本で先駆けてコンパクトシティの実現を目指しているため、セントラムというかわいらしい路面電車が市内の主要箇所を網羅しており、交通の便は良い。そして、公園が多く、緑も多い。

 

先日できた、隈健吾氏設計のガラス美術館と市営図書館。図書館には中国語の絵本が目立つところに展示されており「中国人なんているの?」と思いつつ、神戸にも探せばあるだろうな、次男に読み聞かせようか、などとも考えた。

 

環水公園のなかには「世界一美しいスタバ」があるというので夜に行ってみた。環水公園の河にライトアップされた橋が映し出されて美しかった。スタバの周りの芝生に夜空を見上げながらカップルたちがスタバの紙コップを片手に時を過ごしていた。昼来てもきっと、このスタバは美しいのだろう。

 

外食などは駅前でも充実しておらず、神戸に比べて食のレベルは総じて低いと感じた。富山湾でしか取れない白エビの軍艦巻きは2貫で800円ほど。味はまずまず、甘えびのほうが自分は好きだ。

 

富山の評価は高い。人が少なく、町は静かでひさしぶりのリラックスを感じた。脳が休まった感じだ。都会ではないが、田舎すぎず、普段の生活に不便はないだろう。住みやすい街だと思った。

 

夏休み、地方移住を少し考えてみた。

鳥取、島根、富山、金沢など。

自分は、神戸も東京に比べたら地方だが、もっと田舎の地方に少し、憧れをもっていて、一度、住んでみたいとずーっと思っていた。

富山や金沢などは地方といっても人口も50万弱で、インフラもそこそこ整備されているので地方初心者としては良いかと。

ただ、ネックに感じているのは地元神戸に帰りたいときのアクセス。

東京までは北陸新幹線が通り、2時間ちょっとで行けるようになった。これはすごく大きい。しかし、神戸までは特急と新幹線を乗り継いで3時間半から4時間ほどかかる。香港に行きたい場合は羽田空港まで行かなければいけない。これはちょっと足が遠のく。

先日、内閣官房参与をされている藤井聡氏の「スーパー新幹線が日本を救う」という著書を読んだ。日本に新幹線網を網羅させることで日本をデフレ克服、地方活性化につなげるという内容の本だが、時代遅れや昭和の発想などと批判も多い。しかし、実際、都市に人間、が地方に行く際にネックとなっているのは地元へのアクセスの悪さだと実感している。都市の過密人口を地方に移動させるにはやはり、新幹線整備は喫緊の課題だろう。大阪と金沢を新幹線で結べば1時間程度で結ばれるはずだ。大阪の環境よりも金沢、富山のほうが生活面でいいことは明らかなので、人口移動が促される可能性は大きい。

アベノミクスの成長戦略として、ぜひ、財政を優先的に新幹線インフラ整備に回してほしいと思う。