VOZlog(ボズログ)

VOZlog(ボズログ)

VOZ Records(ボズレコード)の主宰者堀克巳がふと思ったことなど。

 Amebaブログでブログを書くときにまず管理画面で<ブログを書く>をクリックするわけですけど、ふとその時に、なんで自分はブログを書いているんだろうと思ってしまったんです。何でかわからないんですけど

 実は僕はかれこれ15年くらいいろんなブログを書いてきました。
 
*令和元年から毎日1000日1日1曲取り上げたポップス・ブログ

「まいにちポップス」

*十代の時の僕の最大のアイドル、ブルース・スプリングスティーンと彼の影響を受けたアーティスト(佐野元春、浜省、尾崎豊など)の関係を考察したブログ

「ストリート・ロックの時代」

*1980年代のR&B(昔風に言えばブラコン!)の主要アーティスト、プロデューサーについて”掘った”ブログ

「さよならアーバン〜都会型R&Bの世界」

 ブログを書きつづけたのはやっぱり読んでくださった方から何かいいリアクションがあるとすごいうれしいからですね。
 あとブログをきっかけに知り合いができたのもすごく不思議な経験です。
 大好きだったフランク・ウェーバー、あと小山卓治さん、田中ミツルさんといった素晴らしいアーティストにもつながりました。読者の方でも今では直接やりとりして音楽談義をする方も何人かいらっしゃいます。

 今まで書いてきたブログに加えてこの”ボズログ”も全部音楽ものなんです。
 僕は音楽業界人だから音楽について書かなきゃ、と自分で決めてきたわけですけど、音楽以外に好きなこともあるしなあ、考えていることもあるよなあ、と思ったので、そういうシバリは外して、少し前に日記系ブログを始めました。ブログで日記って、ものすごく”今さら”感がありますけど、、、w。

 もしよかったら、のぞいてみて下さい。

 ボズの日記
 

 レコード・レーベルのレーベルって、もともとレコードの真ん中の曲名やアーティスト名とかが書いてある丸い部分のことです。
 そこにデザインを加えたりして、そのレコードを作った会社の存在を示していたんですね。うちの会社がこのレコードを作りましたって。
 昔はレコードは一般人には作れないモノでしたから。

 ちなみに、ボズレコードのマークも、レコードのレーベルをイメージしたデザインになっています。



 それがCDになっても、レーベルというのは受け継がれましたが、いよいよ配信ともなるともはやレーベル自体なくなっちゃいました。
 ってことは、レコード・レーベルもなくなってもいいようにも思えます。

 音源を作って聴き手に届けるという仕組み的には、もはやアーティストとリスナーの間にレコード会社がいなくても問題ないわけですから。

 ただ、僕がいろいろ見てきて、アーティスト一人でダイレクトにリスナーに音源を届けていくだけでは、なかなか広がらないのが現実です。

 アーティストの楽曲やイメージを客観的にジャッジできて外部に伝えることのできる”スタッフ”と、そのアーティストや曲を気に入って他の人に聴いてほしい、と能動的なアクションを起こしてくれる”コアなファン”はどうしても必要なんですね。


 今、音楽業界は、資金力があるメジャーや大手事務所が手掛ける<エンタテイメント>方向のものと、SNSと配信とライヴでコツコツ展開するアーティストと、大きく二つに分かれています。

 たとえどんなに音楽的な才能があっても、ゆくゆくは大きな会場でエンタテイメント性のあるライヴ・ショーをやれる可能性のないアーティストはメジャーでやるのはもはや難しいように僕には思えます。
 ただ、逆に、本来の音楽的に魅力的なものは後者、日々地道に活動しているアーティストのシーンから生まれます。

 ただ、後者の場合は今は、資金的な面でも継続していくのは困難になっています。

 そこでは、アーティスト、スタッフ、ファンが一体化した<ファンベース>を実践したコミュニティを作ることは不可欠な条件のように思います。
 そして、他のアーティストのファン・コミュニティとも交流し助け合いながら、活動の規模を広げてゆく。
 そういうちょっと”アメーバ”的な動き、というのが僕のイメージにはあります。

 ただ、完全に自主的なグループというのは、継続が難しいということも考えられます。
<会社>みたいにはっきりした枠組みがないと、動かなくなるのも人間だという気もします。


 そんなことを考えていくと、これからの”レーベル”は、アーティストとファンとスタッフのコミュニティ、一つのグループ、チームの<看板>、ワンピース的に言えば<海賊船の旗>みたいなものにする、という考え方は一つのあり方としてはいいんじゃないかなと思います。

 BTSがファンを<アーミー>と呼び結束させることで、SNSなどでの大きな宣伝効果をあげたことは有名で、そのやり方を追従するアーティストは出てきていますが、アーティストとファンが結束して一体化していくことは、かえって、まだ小規模な展開をしているアーティストこそが真剣に取り組むべきことだと思います。

 僕が直接知っている中では、以前このブログで取り上げましたが、Neighbors Complainのファンの方々が<ネイバーズ馬鹿野郎>と自称しながら結束している動きには感動しましたし、スタッフ・ワークという点では、僕の古くからの知り合いのM-Swiftくんが手掛け、クラウド・ファンディングを実にうまく使いながらファンを増やしていった"XinU(シンユー)”の展開は見事だと感心させられました。

 気をつけなければいけないのは、アーティストとファンの交流といっても、馴れ合いや、ズブズブ(?)になってしまうのはやっぱり良くないので、その辺のバランスを考えて舵を取れるスタッフの存在意義というのは今後どんどん大きくなるんじゃないかなあと僕は思います。