Q「バッハって何やってんですか?」

Q「コード感を出すってどういう意味ですか?」

 

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

おおらかに、悩み多き人生をエンジョイして下さい!

 

最近はリモートを使って海外の方ともレッスンをやっているのですが、合奏するのが困難なリモートは「How to practice」中心のレッスンになります。

 

ジャズ・インプロヴィゼーションの練習の大切な要素に「ハーモニー(和声)を利用して旋律を生み出す」という物があります。

 

バッハはどのようにして美しい旋律を生み出したのでしょうか?

 

本記事は以前に取り上げた記事をもとに加筆しております。

バッハっぽくコード・トーンやスケールの練習をする方法が記されております。

 

もちろんバッハはこんな単純な物ではなく、奥の深〜〜〜〜〜〜い音楽ですが、あくまでも入門編としまして。

 

 

私のおすすめ作品はこちら

 

 

 

 

右差しその1

「7−3の法則」


アドリブに限らず、音楽の音の動きには文法があります。

 

美しく聞こえるメロディには必ず何らかの法則が潜んでいるのです。

 

とくに、クラシック音楽は「美しい音の動き」に文法を見いだしそれに乗っ取って、あるいはそれを敢えて破壊する事によって無数の名曲?を生んできました。

 

たった12音しか無いのにすごいですよね!?

右差し
Ex.1 まずコード進行を流しながら適当にメロディを思い浮かべて歌ってみてください。


ミケランジェロが大理石の中にダビデ像を見出したように、コード進行の中からいいメロディを産み出すことができたでしょうか?
 

次は今度はコード・トーンの3度の音だけ歌って見ましょう。どこかで聞いた事のあるメロディに聞こえませんか?

Ex.2コードを弾きながら3度を歌う(練習)


Ex.2の様にコードの3度の音はとても「歌いやすい音」とされていて、世の中の歌には3度がいっぱいです!

 

上差しこれを利用して必ずコードの最初の音に3度を持ってくる様にします。

 

7thコードには4つの音(1、3、5、7)がありますので

 

3が頭にくる音形は


(3、1、5、7)
(3、1、7、5)
(3、5、1、7)
(3、5、7、1)
(3、7、1、5)
(3、7、5、1)

 

と、6種類の音型ができます。

 

どのように並べてもいいのですが推奨する音型が2つあります

 

それは(3、1、5、7)(3、5、1、7)です。

 

コードからコードへ移動するとき7度が3度に移動します

 

「7度で終わって3度にいく」

 

私はこれを「7-3の法則」と呼んでレッスンで時折やっています。

 

ただ無心で3157.3157.3157…とコード進行を見ながら弾いて行くだけです。

 

(ただし4度進行の上で…後述)

右差しコードが4度進行する場合、7度はかならず次の3度におりていく(解決する)様に動きます。要するに7−3はネイバートーンですね。

 

(音符上の数字はコードトーンの度数)小節の最後の音と次の音に注目してください。

 

Ex3)


一度ピアノでもなんでもいいですからゆっくり上の譜面を弾いてみてください。

 

コードがなくても進行が聞こえてくると思います。

 

どうですか?バッハに聞こえますか?

 

先生パー

 

ハイゲロー

 

これだとみんなおんなじになってしまいませんか?びっくり

 

大丈夫です酔っ払い

 

上差し7-3の法則は一つじゃない

 

上下を入れ替えればバリエーションは色々作れます。

 

7-3の法則バリエーション例

 

上差しここで重要ポイント!!!

 

7-3の法則は4度進行で機能する!

 

右差し次のEx4はスタンダード・ナンバー「枯葉」ですが、全て4度進行です。

 

上差し実際に「枯葉」エクササイズを作ってみましょう

 

Ex5)

 

注)7-3の法則は自動的にネイバートーンに行くのでそれ以外の音は上下自由に入れ替えても構いません。(その方がヴァリエーション豊かになります)

 

このように多数の曲で4度進行は使われますので殆どの曲でバッハ風アプローチが可能です。

4度進行の曲・・・

([All The Things You Are] [Autumn Leaves] [There Will Never Be Another You] [There Is No Greater Love] [Cherokee] [Satin Doll] [I’ll Close My Eyes] [I’ll Remember April] etc…

 

スタンダード進行に対して3517を当てはめていく(3157も要練習)

 

 

 

音符おまけ!

Ex5にリズミックヴァリエーションを加味しました。!

 

Ex6)

 

キョロキョロどうですか?アドリブっぽくなるでしょ?

 

All the things you are のコード進行に7-3の法則を当てはめてみました。

(コードネームの横の数字はコードトーンの順番。表記の無い部分は4度進行ではないので7−3が当てはまらない部分)

 

 

 

 

右差しその2

「スケールのオクターブ・シフト練習」

 

スケール練習というのはどの楽器でも面白くない物です(知らんけど・・・)

そんな時は?これをちょっと試して下さい。スケールの配置を覚えるためにも有効です。

 

スケールをアップ・ダウンする際にオクターブ・シフト(切り返し)を行なってメロディを作る手法で、バッハの作品の中によく見られます。

例3)

例4)

例3,4は、

ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド・・・・

ド、シ、ラ、ソ、ファ、ミ、レ、ド・・・・・

 

と延々スケールが上がったり下がってるだけなんですが、途中でオクターブ・シフト(アップorダウン)してメロディっぽくなっちゃてます。

 

是非自分の楽器で弾いてみて下さい。

例5)

 

例6)

 

 

通常弱拍(8分裏)でオクターブ移調することが多いので皆さんも参考にしてやってみてください。

 

例7)下記の譜例はバッハの無伴奏バイオリンソナタin Bmですが・・・

上の譜例が元です。

赤線で囲まれた部分はただのスケールの行ったり来たりなんですがオクターブ移調を施す事によって魅力的なメロディに変えています。

 

ハーモニックマイナースケールの練習をオクターブ・シフトしながらやるととってもバッハっぽくなります。

 

例8)C ハーモニックマイナーのオクターブ・シフト練習例

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽の旅



私が初めて見たディズニー映画はおそらく「ピノキオ」だったような…

クジラのお腹の中で金魚を飼う?という発想に度肝を抜かれてそれ以外の物語が吹っ飛んでしまったのは私の古い記憶として残っています。


さて私は只今ツアーの真っ最中です。

2022年に行われたディズニーワールドビートの日本公演第三弾!のメンバーとして、前回に引き続き参加させて頂いております。


今回の目玉(私的に)は4種類の弦楽器を操るジャズギター界のジニー?と言う事で、8曲間取っ替え引っ替え、ちぎっては投げ状態で文字通り「四苦八苦」の弾きまくる私を楽しんでいただけたら幸いと思っております。


ちなみに本日は長野県上田市

ツアー日程は…


神奈川桐蔭学園を皮切りに、川口・相模原・伊勢崎・上田・魚津・岡山・福岡・佐賀・横浜・名古屋・府中・広島・東大阪・高槻・神戸・清水


何よりもメンバーが素晴らしい👍👍👍


リズムセクション

ジョナサン・カッツ 

道下和彦 

楠井五月 

加納樹麻  

クリストファー・ハーディ


サックスセクション

スティーブ・サックス 

土井徳浩

浜崎航 

デイビッド・ネグレテ 

武田和大(ギターも)


トランペットセクション

ジョセフ・モッター(MCも) 

岡崎好朗 

高杉和正 

マイク・ザッチャーナック(キーボードも)


トロンボーンセクション

佐藤洋樹 

佐野聡 

山城純子


ボーカル

マンディ・ディクソン 

アネット・ムーア 

グレゴリー・フレッチャー 

サラ・マン


バンマス&トロンボーン&指揮

ブラッド・ケリー


日程等詳しくは


この記事ではせっかくなので?

私の使用楽器の紹介などいたします。


エレキギター

長年使用のPRS。私の雑な扱いにも耐えて未だに現役です。



エレアコ

ゴダンのやつ。




シタール

I Wanna Be Like You / "Jungle Book"で使用

パットメセニーが弾いてたやつのレプリカです。イカついルックスですが一種類の音しか出ません😭


バンジョー

When Weʼre Human / "The Princess and the Frog"で使用 頑張って掻き鳴らしてますが、ピックアップが駄目なのか?あんまり音量出ません😭


と、言う訳で、今日も明日も頑張りますのでよろしくお願いします。


このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。

履修学生の方に特化した内容ですので、御理解の上お楽しみください。




12月18日 は15回目、最後の授業です。

みんなの曲を聴きながら楽しくおわりましょう!

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

今回はこの授業で行った作曲法をダイジェストでご紹介致します。

 

なお、授業内では作曲家の楽譜等、資料を見ながらお話しいたします。

 

いきなりですが…

真顔今私達が勉強している西洋音楽は、14〜15世紀頃から楽譜によって記録されてきたものに基づいています。

 

結構長い間、楽譜を使ってきたのです。

プンプン「いやいや、その前の方が長いし!」

ウインクその通り!音楽はめちゃ太古からありました。

手振り身振り口振りで受け継がれた民族音楽はどの地域でも存在します。

 

ルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルン

 

この授業の最初に「主に楽譜に書ける曲についての解説をする授業」と言うお話しました。

何故か?

トランプスペードその方が説明しやすいから…

トランプダイヤ作曲法が、楽譜を使って発展してきたから…

トランプダイヤ先人の記録が残っているから…

 

トランプハート私がそうやって学んだから…


ニヤニヤ残ってきただけあって、楽譜はとても便利な道具です。

しかし、人間とは賢い生き物=ホモ・サピエンスと言うくらいですから、なんやかんやと発明いたします。

 

皆さんがお持ちのスマホ、又はパソコンがあれば楽譜が無くても音を記録して残せる。

 

そしてそれを伝える事が出来る今になりました。

何故楽譜を使って作曲するか?先程、からから言いながらお話ししましたが、一つ重要な事をいい忘れました。

 

先人達は何故楽譜を使ったか?

 

ヘビヘビヘビヘビ


「それ」しかなかったからです

 

モーツァルトはYouTubeを見るか?」と言う問題?があります・・・

 

みなさんはどう思いますか?

 

私はこう思います・・・

真顔もし18世紀にYouTube があればモーツァルトは狂ったようにフィガロの動画をあげまくるに違いありません。

ニヤニヤソクラテスはTwitter で無知無知〜と言って他人に絡みまくるでしょう。

酔っ払いエジソンは昨日発明した録音機をインスタにアップして「時代遅れ〜」と炎上してたに違いありません!

そうです、いつの時代も「それ」を使ってやるしかないのです。

えー「じゃあ今はもう楽譜要らんのと違う〜?」


チュー「なんで、めんどくさい楽典とか理論をやらなあかんの〜?」

えーん「そんなんで成績つけられて嫌なんですけど〜」

あい、すいません…

滝汗その通りです、私もそう思います。

 

もはや、楽譜音楽のツールとしては時代遅れです。

 

なので最終的にはあなたのツールを探してください。

 

 

はてなマークびっくりマークはてなマークびっくりマーク

 

最近は又カセットテープやレコードが流行ってる?とか・・・?

 

「楽譜ってかっこいい〜」と歩き楽譜なんていう時代も(絶対に来るわけないけど・・・)

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

ところでみなさんは猫あたま

 

民族音楽は、遅れた文化?理論的では無い、野蛮な音楽だと思いますか?

 

クラシックジャズは理論的に優れていて、正しい音楽だと思いますか?

私見ですが・・・

 

民族音楽、は楽譜では到底表現出来ない域に達しています。

何処かの誰かが歌った歌が、記憶だけで残ってきたパワーは、理屈では説明出来ないのです。

 

そう言った意味では、伝承音楽は、パワーのみで残されたホンマモンの芸術なのかもしれません・・・

楽譜や理論、はたまた学校なんて無くても地球には音楽が溢れていたのです拍手

 

もやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもや晴れ

現代の私達は音楽教育をすっ飛ばして作曲できるツールがいっぱいあります!

 

私達が手にしている数々の道具はパワー直結型のTool なんです。

 

音楽の原点回帰とも言えるのです。

 

音楽はパワーです!!!爆発だ!!!!

みなさんも一刻も早く曲を作りましょう〜そしてそれを皆に聞かせましょう。


キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

と、言う事で、最後の課題は、

「自由曲」

 
自由って何?って言う事ですが、
 
フォーム(形式)はなんでもいいよ〜と言う意味です。
AABA でも
ABAC でも
ABCD でも
ABCDEFGでも…
 
いままでお話しした2つの形式
 
AABA 
ABAC 
 
以外にも面白い形式の曲は沢山あります
 
あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと
 
「スルー・コンポーズ」
 
ここで超有名なスタンダードナンバーを紹介します。
 
譜例1)"Stella by Starlight" by Victor Young(勉強の為にわざとKey of Cで書いています)
 
この作品はABCDのスルー・コンポーズです。
 
同一の大楽節が2度と出てこない曲です。
 
非常にドラマチックな曲が多く、繰り返しが少なくて覚えにくい?にも関わらずみんなに愛され、スタンダードになって行ったのですから大した物です・・・
 
えー「え〜全部書かなくてはいけないの?めんどくさ〜い・・・」
 
ショボーン「そんな複雑な曲は書けましぇん〜」
 
滝汗ですよね・・・
 
でもね、スルー・コンポーズのスタンダードは以外と沢山あるんですよ〜
 
Witchcraft by Cy Coleman
Bye Bye Black Bird by Ray Henderson 
My Shining Hour  by Harold Arlen
Baubles, Bangles & Beads by Alexander Borodin
I'm Old Fashioned by Jerome Kern
I've Got You Under My Skin by Cole Porter
If You Never Come To Me by A.C.Jobim
How Incentive by A.C.Jobim
Lush Life by Billy Strayhorn
Perie's Scope by Bill Evans
Dolphin Dance  by Herbie Hancock
Along Came Betty by Benny Golson
Windows by Chick Corea
Memories of Tomorrow by Keith Jarrett 
 
みなさんも探してみてくださいね〜
 
あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと
 
それでは課題ですが・・・
 
構成も自由です。
 
メロディ、コードも自由です。
 
テンポ、フィール、キーも自由です。
 
楽譜又は音源で提出してください。
 
誰もが聴けるようにしてくださいませ。
 
その他「こんな事しても大丈夫ですか?」という心配があれば、直接私に聞いてくださいね。
 
Google classメールでお願いします…
 
「それでは、How to Compose まとめ」
 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

How to Compose 1 「授業概要 と モチーフ」

 

音楽形式を小紹介しました。

「動機 =(モチーフ)」2小節

「小楽節 =(フレーズ、モチーフの展開)」4小節

「大楽節 =(メロディ、バース、コーラス)」8小節

形式を使って作曲する、完成させる事を目的した作曲法のお話です。

 
 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

How To Compose 2 「モチーフ Part2」

 

モチーフの育て方を紹介しました。

モチーフを繰り返す事に寄って曲を成長させていく。
繰り返す際に変化を与えるための方法をいくつか紹介しました。

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

How To Compose 4「AABAの作り方」

 

AABA形式を使ってワルツを作りました。

形式→メロディ→コード進行と言う順で作りました。

コンスタント・ストラクチャーでコードを付ける方法を説明しました。

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

How To Compose 4「コード進行の付け方〜課題の説明」

 

AABA形式の曲の作り方を説明しました。

メロディに対してのコード付け方法の基本を説明しました。

メロディの卵の説明をしました。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

How To Compose 5「課題発表1回目」

 

本クラスの目的は『作曲の入り口の為の作曲法』というお話をしました。

作曲法とは「塗り絵」である、というお話をしました。

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

How To Compose 6「ABAC形式〜コード進行の話」

 

ABACという輪郭をコード進行で塗っていく、というお話をしました。

AABAとABACは違うんだなあ〜というお話をしました。
ジャズ・ハーモニーの基本3要素のお話をしました。(ダイアトニック、セカンダリー・ドミナント、モーダル・インターチェンジ)

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

コード進行は作る物ではなく、集める物である…というお話をしました。

音程を使ったマトリクスというお話をしました。

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

リレイティッド2マイナー(Related Ⅱm) とサブ5(SUBⅤ)のお話をしました。

コード進行に対してどのようにメロディをつけるか?というお話をしました。

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

ABAC形式を使って曲を書こう!というお話をしました。

チャーリーパーカーのパクリのテクニックというお話をしました。

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

古典のすすめ・・・というお話をしました。

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

メロディの素についてお話をしました。

コンテンポラリーのお話も少ししました。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

音楽は数学の仲間なんです・・・というお話をしました。

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

コンテンポラリー・ジャズの初期「ブルースの拡大解釈」というお話をしました。

 

ハートハートハートハート

 

と、いうわけで皆さん最後の課題を忘れない様に出してください。

期限は、12月18日(月曜日)です。

私のGoogle Classに楽譜または音源で提出してください。

 

AABA

ABAC

も出していない方は必ず提出してください。

 

3つの課題が提出されていれば(出席が悪くても)成績は必ず付けます。

 

それではみなさんお疲れさまでした〜〜〜
 

前回のHow To Composeで話せなかった、シンメトリック・オーギュメント・スケールの説明をします。

 

 音符音程が等しく並んでいるスケールをシンメトリック・スケールと言います。

 

音楽を聴く時、メロディに使われている音程なんて気にしていませんが、音程こそが音楽のキャラクターを作っていると言っても過言ではありません。

 

音程間隔がいびつに並んでるメロディと均等な物とは印象が違うのです。

 

それを作曲やアドリブや作編曲に利用して、この世の数多のサウンドは出来ています。

 

もし貴方が「あれ?」っと思うサウンドがあれば音程を調べて見れば「あれ?」の原因が見つかるかもしれません。

 

音符音程が等しく並んでいるメリット?

 

ディミニッシュやホールトーン等、音程が等しく並んでいるスケールはパターンが作りやすい(特にギター、ヴァイオリンなどの弦楽器)のですが、その理由として、ホリゾンタル(横方向)に移動するだけでシーケンス(繰り返し)が出来てしまうという楽器の特典?からなるものです。

 

ピアノやサックスは難しいフレーズでもキーを変えると弾きやすくなる事があります。その代わり簡単なフレーズのキーを変えると難しい運指になってしまう事もあります(移調が難しいという事)

 

それに対して、弦楽器は弾けない物はキーを変えても弾きにくいですが、弾けるフレーズはキーを変えて同じ運指で移動できてしまいます。

 

シンメトリック・スケールはそういう弦楽器の利点を生かす事が出来るスケールと言えるでしょう。

 

 

音符シンメトリック・スケールの構造

 

サイクルオブ5th(4th)の表を使うとシンメトリックの特徴がよくわかります。

 

12個の音を均等に割ると2.3.4.6.と言う数字になります。

 

 

オクターブを2で割る(+4)トライ・トーン

 

 

オクターブを3で割るオーギュメント・トライアド

 

オクターブを4で割るディミニッシュ7th

 

 

オクターブを6で割るホール・トーン・スケール

 

ルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルン

 

音符シンメトリック・オーギュメント・スケールを図でみるとこうなります。

 

 C+トライアドとB+トライアド

3+3=6音スケールです

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

音符シンメトリック・オーギュメントは次の様に見ると解り易くなります。

 

譜例1)Cシンメトリック・オーギュメントをBから並べてみる

B+がC+の為のアプローチノートになっています。

 

この要素を利用するとシークエンス・パターンを作りやすくなるのです。
 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

スケール内の音程は次の様になっています。

 

譜例2)音程が均一(-2,-3)

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

シンメトリック・オーギュメント・スケールはヘキサトニック・スケールでもあります。

 

ヘキサ(6音)トニック・スケールは2つのトライアド(3音)を並べる事によって作られます。

 

 

譜例3)C+とB+、2つのトライアドを足したヘキサトニック・スケール

 

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

シンメトリック・オーギュメント・スケールの中には3つのメジャー・トライアドがあります。

そしてこれは3トニックの関係にあります。

 

譜例4)

 

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

シンメトリック・オーギュメント・スケールの中には3つのマイナー・トライアドがあります。

そしてこれは3トニックの関係にあります。

 

譜例5)

 

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

音符Giant Steps(John Coltrane)は3つのトニックを持つマルチ・トニックの曲です。

C A♭E(原曲はB G E♭)のトライアドにドミナント7thコードを付けた循環コードに対してシンメトリック・オーギュメント・スケールをアプライする事が出来ます。

 

 

譜例6)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使った3トニックエキササイズ

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

音符その他スケール内のダイアトニック・コードを利用した様々なエキササイズを創る事が出来ます。

 

 

譜例7)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったダイアトニック・トライアド・エキササイズ

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

譜例8)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったダイアトニック・7thコード・エキササイズ

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

Cオーギュメント・スケールは次の様なコード進行の上で機能します。

 

||: C+ B+ :||

||: B+ C+ :||

 

||: C A♭E :||

||: C E A♭ :||

 

||: CM7 A♭M7 EM7 :||

||: CM7 EM7 A♭M7 :||

 

||: CM7(#5) A♭M7(#5) EM7(#5) :||

||: CM7(#5) EM7(#5) A♭M7(#5) :||

 

||: Cm A♭m Em :||

||: Cm Em A♭m :||

 

||: CmM7 A♭mM7 EmM7 :||

||: CmM7 EmM7 A♭mM7 :||

 

 

実際にいろんなシークエンス・パターンを創って、シンメトリック・オーギュメントのキャラクターを味わって見てください。(上記のコード進行を伴奏に使ってみてください)

 

 

譜例9)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン1

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

譜例10)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン2

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

譜例11)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン3

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

譜例12)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン4

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

譜例13)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン5

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

譜例14)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン6

 

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

譜例15)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン7

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

譜例16)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン8

 

 

 

 

 

すすこのブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容ですので、御理解の上お楽しみください。

 

 

おねがい「せんせ〜!」

 

真顔「ハイ、なんでしょう?」

 

えー「コンテンポラリーってなんか難しくって嫌なんですけど…」(実話)

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラ

 

このクラスはかれこれ20年以上やってますが、アドリブや作曲に対するハードルを下げて皆さんが楽しめるよう工夫してきました。

 

毎年

 

Thelonious Monk

John Coltrane

Wayne Shorter

Herbie Hancock

Chick Corea

Keith Jarrett

Pat Metheny

etc....

 

等の作曲家を取り上げて皆で楽しくセッションをやってきました。

 

アナライズ等をやるよりも実際に演奏するとその曲がわかります。

 

作曲のコツは演奏!と言う事です。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

音楽は共同作業です。

 

美術の様に作品自体が残るのではなく、

 

誰かの作品を、誰かが演じないと残らないのです。(YouTube がなかった時代)

 

その進化の過程を1人づつが体験して初めて音楽が生まれてきます。

 

最近の研究では、原始の歌声はポリフォニー(合唱)だったそうです

 

 

音楽はアンサンブルから始まった!んですね・・・

 

作曲家がいて演奏者がいる・・・

 

そうやって共同作業で残されて来た様々なサウンドが皆さんの周りに残っているのです。

 

ハートハートハートハート

 

昨今、いろんなToolsが出来て一人で制作が完結する・・・そんな時代になりました。

 

なのに、やっぱりローリング・ストーンズを聞いてホンキートンク・ウイメンが弾きたくなるのであります(いつも例が古くてごめんな)

 

ボブ・ディラン、ビートルズ、スティーヴィー・ワンダー等これからも風雪に耐えスタンダード化し、音楽は残っていくでしょう。

 

それらは全て人の手(耳)によって受け継がれていくのです。

 

それが文化と言うもの

 

最近の近未来映画に懐かしのロックアンドポップが挿入曲として採用されるのも何か、解る様な気がします…

 

すいませんノスタルジーに浸ってしまいました。

 

イエローハーツイエローハーツイエローハーツイエローハーツ

 

音楽を勉強する一番手っ取り早い方法!それは演奏、弾く(歌う)事です。

 

あなたが手に入れたいサウンドを弾く(歌う)のです。

 

プロコフィエフのサウンドが欲しかったらピアノ・コンチェルトを弾くのです。

 

ローリング・ストーンズのサウンドが欲しかったらギミー・シェルターを弾く(歌う)のです!

 

それより早い勉強方法は絶対にありません!(以上!)

 

となれば話は速いのですが、少しでも皆さんが払っている法外な授○料に1パーセントでも答えようと説明を進めます。

 

ルンルンルンルンルンルンルンルンルンルン

 

私がバークリーの頃教わったの「Duke Writing」というおもしろい授業があります。

 

ハーブ・ポメロイ先生です。

 

デューク・エリントンの作編曲を分析して、それを元に曲を書くと言う授業です。

 

ちゅー作曲の先生は曲そのものです。

 

アナライズの方法さえ学べばこの世に存在する無数の先生(曲)のレッスンを受ければいいのです。という当たり前の事をハーブ・ポメロイから教わりました。(アナライズ方法を統一すれば様々な曲を比較して学べます)

 

と、いうことで、今回はコンテンポラリーの元祖達の曲を少し分析してみましょう・・・

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

コンテンポラリー・ジャズという言葉は以前はありませんでした。

 

ビバップ、モダン・ジャズ、モード・ジャズ、ハード・バップ、クロス・オーバー、フュージョン・・・等も、

 

新しい宣伝文句の為に作られた言葉だと思います。

 

コンテンポラリーの意味は

 

「時代を共にする=現代的」という意味だそうですが、そう言う意味では、星野も米津も髭男もKing Gnu もミクもレンもリンもルカも、みんなコンテンポラリーです。

 

ジャズ界のコンテンポラリーの定義は割と狭くて「賢そうなサウンド?」という意味で使われているようです。

 

何をもって賢そうなのか?

 

今回はそれをお話いたします。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

ルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルン

 

コンテンポラリーの起源?なんて大袈裟ですが、マイルス、コルトレーン、ショーター、ハンコック、マッコイ、ヘンダーソン等、ブルーノートレーベルの60年代辺りから現在に通づる怪しげなサウンドの芽が吹き出し始めました。

 

 それが、

 

 ブルースの拡大(自由な)解釈です。

 

ブルースはクラシックと結婚してジャズになった?というのは以前お話ししましたが、

 

ブルースは浮気物・・・

 

いろんな人(音楽)と恋(フュージョン)をするのです。

 

ハートハートハートハートハートハート

 

マイルスのブルース

 

コンテンポラリー・サウンドはよく「コードが難しい」と言われるのですが、コード・ネームで考えるのでは無く、モードとインターバルで考えた方が腑に落ちる所もあります。

 

以下の譜例はp4thを使ってペンタ・トニック・スケールを3声にしたものです。

 

A Minor Penta Tonic Scale with p4th

 

ペンタ・トニック以外の音も含まれますが、トップ・ノートはペンタなのでキャラはペンタ・サウンドです。(絶対弾いてね)

 

ペンタトニックはメロディを作るために力を発揮するナイスな奴ですが、そのキャラを利用して、いろんなトリック?を作り出す事が出来ます。

 

A Minor Penta Tonicのトップ・ノートをキープしたまま下の2声を自由な解釈で弾いちゃいます(クラス内で視聴します)

上の譜例はマイルスがキーボードの伴奏時に使うコードです。

 

コード・ネームはありません。強いて言うならAマイナー・マイルス・コードというべきか・・・

 

マイルスはベタなサウンドが嫌いでした。

 

ハンコックに「Don’t Play Butter Note!」といって怒ったそうです。

 

マイルスの後期1981年『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』以降、このような独特のブルージー・アウト・サウンドを使っていろんな作品を残しています。

 

トップノートはインサイド、ヴォイシングはアウト・サイドのインターバル・ヴォイシングを使ってメロディを異様な緊張感で表現する手法を使います。

 

音の帰納と演繹

 

結局、「ああすればこうなる」という結論が得られている物は全て理に叶っていると言っていいのです。

 

特殊なサウンドを使う時に「これは理論的に正しいのであろうか?」というご心配は無用・・・

 

普遍的命題から特殊命題を導き出す、ハーモニー演繹法は5対5にしておくのがちょうどいい、・・・とマイルスは(かく語りき?)

 

参考作品

 

 

 

是非聞いてみてください。

 

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

ハンコックのブルース

 

Herbie Hancockの人気曲、

Tell Me A Bedtime Story から、リハモを学ぼう!

 

この曲はR&Bやネオ・ソウル等の

コード進行に影響を与えた(かもしれない?)

リハモ=(メロディに対してどうやってコードをつけるか?)を学べるGood Example!なんですよ~~

 

Tell Me A Bedtime Story by Herbie Hancock(楽譜はクラス内で提示)

この曲は以下のスケールで出来ています。

 

F#m Penta Tonic Scale(with blue note=♭5)

「ん?これってブルースで使う例のペンタトニックスケールだよね?」

 

そう、この曲はブルースなんです。

 

ブルースについては前期のHow To Improvise 「AAB Blues」でお話しましたので、詳しくはこちらへ。

 

ブルースは通常AABという形式で出来ています。

 

実はTell Me A Bedtime StoryもAABです。

 

え〜?でも全然ブルースっぽくないよね〜」

「ネオ・ソウルって感じかな〜」

 

そのとおり!

 

メロディはブルース、ハーモニーはジャズ!その名は「R&B!」

 

ペンタ・トニック・スケールは、メロディが作りやすいだけではなく「リハモしやすい」スケールなのです。

 

試しにTell Me A Bedtime Storyをブルース進行に戻してみましょう。

 

 

ね?べたべたでしょ?

 

ペンタトニックで作ったあなたのメロディにいろんなコードを付ける練習をして見てください。

 

STANLEY TURRENTINE “SUGAR” 等も同様の手法「ペンタのお洒落リハモ」で出来ています。

是非参考にしてください。

 

 

という感じでブルースをお洒落にリハモしてみよう〜のコーナー!

 

ブルース進行はⅠ Ⅳ Ⅴが基本ですが、別にメロディの邪魔さえしなければ何をつけても良いのです。

 

 

バグス・グルーブ風ブルース(Am penta tonic)基本進行

 

リハモ・ヴァージョン!(R&B風)

 

先ほどのTell Me A Bedtime Storyはどんなリハモをしてるのか?匠の技をアナライズしてみてください〜(楽譜はクラス内で提示)

 

Herbie Hancockはピアニストとしての特権をフルに活用した和声的なアウト・サウンドが魅力ですが、実にPopなセンスも持ち合わせているミュージシャンです。

 

ブルーノート時代には伴奏者としても大活躍でしたが、CTIレーベルでのポップ&変態サウンドは今聴いてもたまりませんよ。

 

サービスで乗っけておきますね〜

 

 

 

 

 

 

 

ショーターのブルース

 

Wayne Shorterは今回のコンテンポラリー入門のメインゲストです。

 

この人は変態を地で行くホンマモンのヤバい人です。(言い切ってしまいました)

 

彼のサウンドが後のフュージョン~コンテンポラリーに与えた影響は半端ないと思います。

 

彼がJoe Zawinulと共に結成したWether Reportが無かったら、この世に存在しなかった音楽はめちゃたくさんあります。

 

私も今頃・・・何をしてたかわからないです。

 

Wayne Shorter代表曲(いっぱいあるけど)を見てみよう!(楽譜はクラス内で提示)

 

Herbie Hancockとの共通点が見られます。

 

シンプルなダイアトニック・メロディに対して、ノン・ダイアトニック・コードを配してメロディの性格をよりアウトな(ハイブリッド)な物に変えています。

 

メロディの構成音はダイアトニックペンタトニックに9thを加えた物

 

Wayne Shorterのノン・ダイアトニック・コードのリハモ(なるべくメロディがテンションになる様に配置)

 

おもしろいコード付けるでしょ?

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

Wayne Shorterさんはとてつもなくユニークなミュージシャン(作曲家)で、彼のオリジナル作品はモダンジャズやコンテンポラリーという範疇を超えて、もはや「ウエインズ・ワールド」と言うべきでしょうか?

 

*難解なコード進行と覚え易いメロディ?

 

*モチーフがめちゃキャッチー

 

*和声の制約から解き放たれた自由なインプロビゼイション・・・

と思いきや、めちゃ理論的な裏付けと几帳面な音使い。

 

*絶対真似出来ないリズム感!?

 

*エレクトリックと何故か相性の良い音色・・・?

 

*書いてあるのか即興なのかわからないアレンジ

 

*コードネームが付けられないコード(マイルスコードとの共通点)

 

*良い曲だらけ

Infant Eyes

Virgo 

Witch Hunt 

Children of the Night 

E.S.P. 

Footprints 

Juju 

Mahjong 

Nefertiti 

Night Dreamer 

Speak No Evil 

Witch Hunt 

Yes and No

Miyako

Wild Flower

Adam's Apple 

Fee-Fi-Fo-Fum 

Night Dreamer 

Black Nile

Children of the Night 

This Is for Albert 

El Gaucho

・・・・・

 

(楽譜はクラス内で提示)

 

謎に包まれたWayne Shorterの参考作品はこちら・・・

 

 

 

 

 

 

と、いうわけで、今回はコンテンポラリー入門として

Miles Davis

Herbie Hancock

Wayne Shorter

 

レジェンド達の匠の技をのぞいてみました。

 

See You~

 

 

 

 

 

 

このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容ですので、御理解の上お楽しみください。

 

リベラル・アーツという言葉をご存知ですか?

 

リベラル・アーツとは・・・

「人が持つ必要がある技芸(実践的な知識・学問)の基本」と見なされた自由七科のことである。

 

だそうです。

 

ギリシャとか、ローマとか、プラトンとか?なんかその辺の頃から西洋の方々がやってた、お勉強だそうで7科目もあるそうです。

 

言語系3学トリウィウム(文法・論理・修辞)

数学系4学クワドリウィウム(算術・幾何・天文・音楽)

 

だ、そうです。

 

音楽は数学の仲間なんです。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

たしかに、作曲法は数学と似ているとこがあります。

 

対位法を勉強するときは、は鍵盤押さえてるよりゆびで数えてた時間の方が長かったかもしれません。

 

作者が数学を意識して作ろうが作ろまいが、数の支配を受けている音楽が、楽しくなったり悲しくなったり・・・人の感情を動かすのは不思議な事です。

 

ルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルン

 

以前にもお話しましたが、数を使って作曲するのは、そんなに珍しい話でもないし難しい事でもありません。

むしろ、ハードルを下げる為に、使っていただきたい手法の数々ですが・・・

今回は前期のHow To Improviseでお話ししました、シンメトリックの理屈を使ってできる、コード進行の作り方を、お話しします。

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ


ジャズ界の1のでかい足? John Coltraneさんの大好きだったマルチ・トニック・システム拍手

 

マルチ・トニック・システムとは、John Coltraneの有名曲「Giant Steps」のコード進行で使われている手法で、一つの曲の中に複数のトニックを使う作曲法です。

 

と、ここで先ほどのリベラル・アーツ=数学、が登場〜

 

西洋音楽は12の調・・・ですがほんとは、(調は全部で30あります)

 

それを表した物が下記の表です。

 

Cycle of 5th(4th)

 

#方向に5度ずつ、

♭方向に4度ずつ

調が変わっていく表です。

 

この表は楽典として皆さんは触れると思います、が、じつはこの表(システム)を利用して音楽を作っている方はたくさんいらっしゃいます。

 

Thelonious Monk

Bud Powell

Oliver Nelson

Oz Noy

等の楽曲を参考にして下さい。

 

 

Thelonious Monk(1917年10月10日 - 1982年2月17日)

ユニーク度合いが半端じゃない彼の作品は、ロジカルな部分が前面に出てこないのですが(そこがすごい)非常にストイックな理論派なんです。

 

解釈が曖昧な進行やメロディが全く無い、完全無血楽曲ばかりのモンクですが、彼の4度進行の使い方にはユニークな特徴があります。

 

このコード進行はリズムチェンジと呼ばれている進行です。アイ・ガット・リズムがネタもとですが、

 

モンクの手にかかるとこうなります(楽譜はクラス内で提示)

"Humph" by.Thelonious Monk

 

F#からスタートしてトニックまで4度進行で直滑降です。

 

アイ・ガット・リズムのサビも4度進行ですね・・・

 

その他4度進行利用した曲は(楽譜はクラス内で提示)

"Skippy" by.Thelonious Monk

"Bemsha Swing"by.Thelonious Monk

"Bright Mississippi"(Sweet Georgea Brown) by.Thelonious Monk

"Jordu" by.Duke Jordan

"Yesterdays"Jrome Kern

 

7thコードが4度進行でどんどんつながっていく進行はエクステンディッド・ドミナント(Extended Dominant)という言い方でジャズ・ハーモニーの中で登場します。

 

以後お見知り置きのほど・・・

 

サイクル4を使ってフレーズを作る練習は、

 

 

"patterns for jazz"等の本にもたくさんのExampleが載っていて楽しい?練習法ですので、自分でも作ってみてください。

 

ここまでは4度進行Cycle of 4thのお話でした。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

はい、ここからマルチ・トニックに突入〜


マルチ・トニックとは複数のトニックを使って
作曲(主にコード進行を作る)法です。

複数のトニックを使う時にはそのトニック通しがCycle of 4thの表の中で均等な音程関係にある物を選ぶのが、基本的なやり方です。

 

先ずは2トニック

対角線上のCとG♭は-5th(+4th)ですので、均等(シンメトリック)な関係です。

 

従って互いの持っている機能的なコード(Fanctional Chord)を使っていろんな進行を作る事が出来ます。

 

トニック同士

||: C G♭ :||

 

ドミナント導入

||: C D♭7 | G♭  G7 :||

 

リレイテッド2マイナー導入

||: C  | A♭m7 D♭7 | G♭  |Dm7G7 :||

 

セカンダリー・ドミナント、サブ5その他・・・

||: C  E♭7| A♭m7 D♭7 | G♭ A7 |Dm7G7 :||

||: C A7 | A♭m7 D♭7 | G♭ E♭7 |Dm7G7 :||

||: C F7 |Em7 A7 |A♭m7 D♭7 | G♭ B7 |B♭m7 E♭7 |Dm7G7 :||

||: C B7 |Em7 E♭7 |A♭m7 D♭7 | G♭ F7 |B♭m7 A7 |Dm7G7 :||

etc……

 

という具合に、Fanctional Chord達を駆使して+5thの関係にある互いのキーを行き来します。

 

例えば・・・

 

||: CMaj7   F#m7(♭5) B7 |Em7   Bbm7 E♭7 | Dm7  G7|A♭m7 D♭7 |

|G♭Maj7 Cm7(♭5) F7 |B♭m7  Em7 A7 | A♭m7 D♭7| Dm7 G7 :||

 

この進行を基にメロディを付けてみると・・・

 

ここまで、の説明でおそらく「ん?要するに転調してるんでしょ?」っと思われた方もいると思いますが、マルチ・トニックの旨味?は通常の転調(バラードのサビに違うキーに行く)とは違い、めまぐるしくキーを行き来するということと、どのキーも同等に扱うということが特徴です。

 

と、言う事は一定のサイクルでコードが戻って来る循環コード進行の作り方?とも言えるでしょう。

 

代表的なマルチトニック進行は、

2トニック

3トニック

4トニック

があります。

6トニックもシンメトリックな音程で調が並びますが、その様な曲はあまり見た事がありません。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

それではいよいよ

3トニックを紹介します。

 

C→A♭→EはそれぞれM3rdずつの均等な音程関係にあります。

3つのトニックそれぞれが持っている機能的なコード(Fanctional Chord)を使っていろんな進行を作る事が出来ます。

 

トニック同士

||: C | E  |A♭ :||

 

トニック同士

||: C | A♭ |E  :||

 

ドミナント導入

||: C B7 | E♭7 | A♭ G7:||

 

ドミナント導入

Coltrane change!(Giant Steps)

||: C E♭7 | A♭  B7 | E G7:||

 

リレイテッド2マイナー導入

||: C  |F#m7 B7 | |B♭m7 E♭7 | A♭ |Dm7 G7 :||

 

リレイテッド2マイナー導入

||: C  |B♭m7 E♭7 | A♭ | F#m7 B7 ||Dm7 G7 :||

 

サブ5&リレイテッド2マイナー導入

||: C  |Cm7 F7 | |Em7 A7 | A♭ |A♭m7 D♭7 :||

||: C F7 |Em7 A7 | A♭D♭7 |Cm7 F7 | E A7 |A♭m7 D♭7 :||

etc……

 

例えばこんな風に作曲出来ます・・・(弾いてみてください)

 

 

作曲はもちろん、アドリブにも応用できます。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

ここでコルトレーン・チェンジの説明を少し詳しく致します

 

上差しコルトレーン・チェンジとは3トニックを使ってできる様々なコード進行の中で、特にJohn Coltraneが好んで使用した、3小節で循環するコード進行の事です。

 

俗に言う循環コードというのは必ず元(のコード)に戻る進行です。

 

例えばC A7 Dm7 G7(1.6.2.5)は循環コード進行です。

 

John Coltraneはこの循環する進行を使用して「アウト」なサウンドを作り出す事に成功しました。

 

例えばCからスタートする3トニック進行は
必ずCに戻りますが、A♭,Eのコードを通過している間はCのキーから外れ(アウト)てしまいます。

アウトしている間は非常に不安定なサウンドになりますがまた Cに戻って来た時に「あぁ〜良かった〜」と、なって快感を得る・・・
という至って変態的な行為をジャズ・ミュージシャン達は夜な夜なやっているのであります。
(なんていやらしい〜)


更に・・・
John Coltraneという人物は
 

このアウトサウンドを、普通の、一般の、進行を持つ、スタンダードナンバーに適応し、美しいサウンドをあえて破壊する行為に及んでいたのでありま〜〜〜す!

下記の曲達は破壊行為の被害者達です・・・

()内はColtrane のタイトル

“Summertime”
“But Not For Me”
“Body And Soul”
“Fifth House”
“How High The Moon”(Satellite)
“Tune Up”(Countdown)
“Confirmation”(26-2)

“Giant Steps”(これはオリジナルですが…)

 

2-5-1に対するコルトレーン・チェンジのリハモは次の通りです

このサウンドは慣れない人が聞くと、相当な違和感があると思います、が、これにはまると抜け出せないのですね〜

 

この手法、そしてサウンドが多数のフォロワーを生み出し、この後のジャズのサウンドが圧倒的に変化していく事になります。

 

故にジャズはどんどんマニアの音楽になっていった・・・のであーる!

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

それでは最後に4トニックです

 

4トニックはm3rdの均等音程で出来ています。
隣同士と対角線で事実上2つの音程(m3rd & +4)を使用できますので、並べ方のヴァリエーションがたくさん出来ます。

 

並べ方色々・・・

 

トニック同士
||: C |E♭ | A | G♭ :||
||: C |E♭ | G♭ | A :||
||: C |A | G♭ | E♭ :||
||: C | A | E♭| G♭ :||
||: C | G♭ |A | E♭ :||
||: C | G♭ | E♭ |A :||

(同じ並びでスタートのコードを変える事ももちろん出来ます)


ドミナント導入
||: C B♭7|E♭E7 | A D♭7 | G♭G7 :||
||: C B♭7|E♭ D♭7 | G♭E7 | A G7:||
||: C E7|A D♭7 | G♭B♭7 | E♭G7 :||
||: C E7| A B♭7| E♭D♭7 |G♭G7  :||
||: C D♭7 |G♭E7 |A B♭7 | E♭G7 :||
||: C D♭7 |G♭B♭7 | E♭E7 |A G7 :||

 

その他諸々
||: C Fm7 B♭7|E♭Bm7 E7 | A A♭m7 D♭7 | G♭Dm7 G7 :||
||: C Fm7 B♭7|E♭ A♭m7 D♭7 | G♭Bm7 E7 | A Dm7 G7:||
||: C Bm7 E7|A A♭m7 D♭7 |G♭ Fm7 B♭7 |E♭ Dm7 G7 :||
||: C Bm7 E7|A Fm7 B♭7|E♭ A♭m7 D♭7 |G♭ Dm7 G7  :||
||: C A♭m7 D♭7 |G♭ Bm7 E7 |A Fm7 B♭7 |E♭ Dm7 G7 :||
||: C A♭m7 D♭7 |G♭ Fm7 B♭7 |E♭ Bm7 E7 |A Dm7 G7 :||

etc….

 

例えばこんな風に作曲出来ます・・・(弾いてみてください)

 

 

はい!

それでは

マルチトニックシステムを使っている曲を最後に紹介して終わりますね。(クラス内で視聴します)

 

2トニックといえばこれ〜

Ladies In Mercedes by Steve Swallow

 

3トニックといえばこれ〜

Giant Steps by John Coltrane

Satellite by John Coltrane

26-2 by John Coltrane

Fifth House by John Coltrane

 

と言う訳で、私の本の宣伝ですが、今年出た最新の無窮動トレーニング〜コンテンポラリー・アプローチ、には、3トニックシステムの練習曲が沢山載っています。

 

 

 

もし変態の道にはまりたい方は是非お求めくださいませ。

 

それではミュージシャンのみなさん、冷えは万病の基!腱鞘炎と風邪にはくれぐれも気をつけて、お過ごしくださいませ〜

 

 

ジャーニーおいで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容ですので、御理解の上お楽しみください。

 

 

今までこの授業は、
AABA
ABAC

と、形式を中心にお話をしました。

そして
メロディにコードを付ける
コードにメロディを付ける

というお話もしました。

それから
モチーフ、小楽節、大楽節というお話もしました・・・

どうでしょう?
なんとなく作曲について、
ぼんや〜〜りとでも見えてきましたか?

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

後半戦、残り4回は

自由曲の課題に向かって、コンテンポラリー・サウンドのお話も混ぜながら、

 

作曲のきっかけを掴む為のいろんなお話をしていきたいと思います。

 

今回は素晴らしいバラード曲「愚かなり我が心」My Foolish Heartを使って

 

「モチーフとは何か」について勉強してみましょう。

 

音符音符音符音符音符音符音符


作曲者のヴィクター・ヤング
(Victor Young, 1899年8月8日 - 1956年11月10日)は、Stella by Starlight の作曲者です。
 

その他、多数の名曲を生み出して、なんと、アカデミー賞に22回ノミネートされたのに、一回も受賞することはできず、死後に『八十日間世界一周』(1956年)でアカデミー作曲賞を受賞した、という経歴?をお持ちの方です・・・

 

 

 

下記の2つの音階パターンは
My Foolish Heartのメロディの素になったパターンです。

は?
なんのこっちゃ〜???

・・・ですよね?


メロディの素になった とは、どういう意味でしょうか?

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

もう一度詳しく見てみましょう

お分かりですか?


ダイアトニックのアルペジオ・パターン(赤線内)がこの曲のメロディの素になっています。
 

それ以外の音は装飾音符です。

 

後半(B)も見てみましょう。

 

Bセクションは音階パターンに装飾音符が多数含まれていますが、メロディの素のパターンを中心にメロディがつくられています。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

このように、メロディが持つリズムや装飾音符等の音楽的要素を排して、音程によるパターンを抽出した物が「メロディの素」です。

言い換えればメロディの中に存在する法則の事です。
 

作曲者が意図してそれを作曲してるかどうかケースバイケースですが、メロディの特徴を裏付ける物として、ある種の法則が存在している事は確かです。

 

 キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

余談ですが、私はこのメロディの素を学生の頃 ギターの運指を覚える為に利用 していました。

いろんな曲のメロディを覚える時にまずは音の場所をフレット(ギター指板)の上で確認するのですね。その時に弾き易い場所や覚え易い形を工夫するのですが、それをやっているうちに メロディが持つ音程の法則 のような物があるな…と。


ピアノと違い複数の場所に同じ音が点在するギターは、いい加減な運指でメロディを練習するとすぐに忘れてしまう、というジレンマがあったのです。

 

例えば、下記の音階パターンは「Autumn Leaves」のメロディの素です

 

 

ギターの運指みてみましょう〜〜〜

同一弦(123弦)で弾ける一定の法則が出来上がります。
 

そして、覚え易くなります

 

メロディを覚える為にフレット・ボード上に視覚的な法則を探しているうちにこれを使って作曲もやってみよう!という事で、メロディの素を探すようになりました。


ルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルン


例えばこの曲・・・

弾けばわかりますが、これは

 

・・・(Fly Me To The Moon)です。

 

なんじゃこの味気なさは・・・

 

しかし覚え易い・・・

 

ルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルン

 

例えばこの曲なにかわかりますか?


ちょっと考えてください。

 

 

(Blue Bossa)です。
スケールが順番に下がっているだけです。
 

これにリズムとコードが付いたら、あら不思議・・・

かっちょいい〜〜〜

 

ルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルンルン

 

そうです、メロディは以外とシンプルなメロディの素(法則)で出来ているのです。

 

Satin Dall

 

The Girl From Ipanema

 

Someday My Prince Will Come

 

All The Thigs You Are

 

Bewitched

 

But Beautifl

 

How High The Moon

 

ルンルンルンルンルンルンルンルン

 

Frank Loesserの有名なスタンダードナンバーであるこの曲は、明らかに作者の意図を感じます。


メロディの素(法則)を使って作曲しています。


I’ve Never Been In Love Before 

 

ここまでのお話を聞いて、お利口さんの皆さんは、「あ、なるほど、それじゃあメロディの素をパクって自分のオリジナルを作れるかもしれない!」

と思うでしょ?

それでいいのだ〜

 

キラキラキラキラキラキラキラキラ

 

と、言うわけで、

 

メロディの素をパクってオリジナルを創ってみよう〜〜〜

の、コーナ〜〜〜

使う曲はこちら・・・

“Litha”
by.Chick Corea

 

(リードシートはクラス内で提示)

 

びっくり「びっくらこいた〜!(方言)」
ガーン「いきなり曲のレベル上がってません?」

ウインクいやいや皆さん、今回は11回目の授業、もうぼちぼち、コンテンポラリーものぞきたくなる頃じゃありませんか?

 

フライミーなんとかや、オールオブなんとかはもう飽きたでしょう?(暴言すいません!)

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

コンテンポラリー・ジャズとは!

 

インターバル、モード、アッパー・ストラクチャー、ペンタトニックのユニークな使用法やシンメトリックなサウンド、その他、リディアン・クロマチックなんとか?やネガティブなんとか?等、聞くだけでちびまる子ちゃんの縦線ガーンが入るような言葉が入り乱れております。

が、そんなことはさておき、とりあえずやってみよう〜精神を持って、少し不思議なサウンドに首を突っ込んでみましょうよ・・・

 

キラキラキラキラキラキラキラキラ

 

チック・コリアという方はインターバルやスケールの特性を生かした曲作りでとてもロジック(理論的)な作品が多い方です。


もう一方では、ラテンのリズムと哀愁のメロディを取り入れたポップな感覚が素晴らしいジャズ界の大大ヒット・メーカーです。

チックの作品はとても勉強になる物が多く私もかつてはお勉強させていただきました。

チックコリアのLithaは1968年発表のアルバムTones for Joan's Bonesに収録された曲です。

参加ミュージシャンは
チック・コリア - ピアノ
ウディ・ショウ - トランペット
ジョー・ファレル - テナー・サクソフォーン、フルート
スティーヴ・スワロウ - ダブル・ベース
ジョー・チェンバース - ドラムス
です。

せっかくですからこの曲のメロディの素(法則)を使ってオリジナル曲を作ってみましょう。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラ

 

Lithaのメロディの素を探そう〜

 

このメロディの中に音階、音程、何らかの法則はあるでしょうか?
 

しばらくじーっと見つめてメロディの素を探してください

 

ルンルンルンルンルンルンルンルン

 

音程を書き出してみよう

 

ん?よく見たら、同じ音程の並びを持った6つの音の固まりになってるぞ!


ワトソン君・・・

 

ルンルンルンルンルンルンルンルン

 

lithaで使われている音程法則・・・

 

おねがい「ホームズ!メロディの素が見つかりました!これでモチーフを作りましょう〜」

ポーン「よし!わかった!作るズら〜〜〜」

 

ルンルンルンルンルンルンルンルン

 

6つの音(メロディの素)を使ってモチーフを作り、小楽節(4小節)を作ってみた…

 

 

これを素に大楽節(8小節)を作りましょう。

 

ルンルンルンルンルンルンルンルン

AもBも同じ音程を持った6つの音です。
 

メロディの素の音程が保持されていますね。
 

ルンルンルンルンルンルンルンルン

 

続いて別のセクションサビを作ってみましょう

サビは5拍子にしてみました。

 

と、言う具合にリズムでモチーフを展開していきます。使う音はメロディの素をそのまま使っていますので、リズミック・ヴァリエーションを考えるだけでいいのです。

 

ルンルンルンルンルンルンルンルン

 

メロディ出来ました〜メロディの素は完璧に保持しています。


音程をチェックしてみてください
 

 

音符音符音符音符

 

コードを付けて完成です。(タイトルもつけてみました)弾いてみましょう〜

 

はい!
ここまでのお話はいかがですか?
ちょいとばかり難しい?

いやいや、やっている事は今までと同じ・・・

モチーフを作って発展させるだけです。

違いはモチーフに使う音が最初から決まっていると言う事です。


チック・コリア等のコンテンポラリーな作家だけではなく、リチャード・ロジャースやジェロームカーン等のスタンダードな作家さん達もメロディの素と言える音程法則が存在する曲があります。


音符音符音符音符音符音符音符


今回のメロディの素のお話は、シェーン・ベルクの12音技法と呼ばれる作曲法のヴァリエーションとも言える物です。

 

セリエル音楽またはセリー音楽と言われています。

12音全部使ってメロディの素を作ったらあとはその音を順番に好きな方法(リズムを加える、和音にする、対位法にする等・・・)で作曲するのです。

聞いてる人には関係のない事ですが、一貫した法則が曲の裏に密かに流れているのが(作者的には)味噌なのです。

特にビル・エバンス(ピアノ)は法則大好き人間で、彼の作品の殆ど?は曲の中に隠しコマンドの様に法則が存在します。

みなさんも自分で探してみてくださいね。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

ここからは、発展形


メロディの素も自分で作っちゃえば?のコーナ〜

要するにスケールや音程コードトーン等のパターンを自分で作って、それを使って曲書いチャオ〜
と、いう事です。


パターンなんていくつでも作れますよね!
 

 

こんなのも作れます(ノンダイアトニック)

M3-m2

p4-M2

p4-m3

 

 

例えばこれをメロディの素にして
曲を考えてみよう・・・

 

 

p4 M2の音程にリズムを加える・・・

 

リズムを使ってモチーフを作ります。

 

 

p4 M2の音程は必ずキープしています。


音程をチェックしてみてください。

 

 

AとBは同じメロディでコードを変えてサビを作りました。

 

 

音源はクラス内で視聴します。

 

と、言うわけで今回の授業はメロディの素を紹介しました。

 

モチーフについてはもう一つ「モチーフの作り方」というページがありますのでそちらも参考にしてください。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

作曲と言うものは面白いもので、ある意味、秘密事が多い「いやらしい行為」なのです。

 

作品をたのしんで頂いている皆さんにとっては裏に隠された、秘密の、いやらしい?事はなんの関係もありません。

 

ただ、気持ちいい〜だけです。

 

が、しかし、作曲家達は自分だけの秘事をこっそりと曲に忍ばせて「ふむふむ、聴いとる聴いとる〜何も知らんと…いひひひ〜」

 

と、今日も何処かでほくそ笑んでおるのです…

 

最後の課題は自由曲です。
どんなフォームでも構いません。
どんなスタイルでも構いません。
ただし、2小節の曲とかはやめてね!
ある程度の常識ある課題をお待ちしております。

ラスト課題の事は又いずれ詳しくお話し致します。

それでは、又ね〜

 

 

 

 

 

 

 

みなさ〜〜ん

課題発表、いかがでしたか〜?

 

このクラスの履修者の皆さんが楽しく作曲ができるきっかけになれば幸いです。

 

2小節しか、4小節しか、はたまた4.5小節しか出来なかったいままでの自分から、とにかく32小節まではたどり着いつくとこまではできるようになった^_^

 

そこからがスタートですね。

 

私達の大先輩、ジェローム何とかさんやコール何とかさんやポール何とかレノンさんも、その道を通って高い高い山に辿り着いたのです。

 

ルンルンルンルンルンルン

 

曲は出来た時が一番うれしいです。

やった〜出来た!ほな寝よ!

 

…次の日

 

チーンん?なんか違うな…

酔っ払いこっちの方がいいかな?

滝汗う〜ん、困ったぞ〜

 

と、なるのも想定内、自分の思う形が出来るまで、何回でもトライ&エラーを繰り返して下さい。

 

 

人間は想像(頭の中)を創造(具現化)するのが大好き

 

真顔このクラスに限らず、作編曲に関する勉強、例えば、ジャズ・ハーモニー、アレンジ、和声法、対位法、等、少しでもかじった人は分かると思いますが「あれはやってはいけない」「これはいい」「それはなるべくやらないほうがいい」とか…いちいちうるせ〜なームキー…と思いませんか?

 

実は、曲を作るという事と、作曲の勉強は全く別の物なんです…作曲法を学んだら曲がじゃんじゃん書ける!と思った方には申し訳ありませんが、それは違いますと言わざるを得ません。

 

作曲法はあくまで道具です。「金槌買ったから家作ろう!」では順番が逆です。作曲法の為に曲を作るのは本末転倒。究極、道具なんて無くても家は作れる訳ですから…勉強しなくても曲は作れるのです。

 

酔っ払い「じゃあどうすりゃあいいンダヨ〜」

 

洞窟の中で絵の具も何も無いのに壁画を書いた人はどうやって想像を創造したのか?思いを馳せて下さい。その人達と私達は同じなんです。

 

やりたい事と、その方法が見つかればそれで良いのです。

 

バッハにはバッハの

ディランにはディランの

モーツァルトにはモーツァルトの

レノンにはジョンの…

B.Bにはキングの…

あなたにはあなたの…

 

オリジナルがあるのです。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

How to が元々あったから今の世の中があるわけではありません。How to は必ず後追いです。

 

それに、How to は個人的な物ですし、一人一人が全然違うHow to を持っているのです。

 

色んな人が発信しているHow to はその一例にしかすぎず、他人のHow to をそのまま再現出来る人はいません。

 

何回もHow to 言ってすいません…

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

How to と言う情報

 

今の世の中は「情報」と言う得体の知れない物で満ち溢れています。

 

テレビ、新聞、SNS…

 

人間には想像力があるので、見た事も無い、触った事も無い物でも、それに価値観を見いだしてしまいます。

 

私達は情報にすこぶる弱い「情報ゴロニャーン星人」なんです。

 

確かに情報は人間にとって大切でした。

「この川にワニがいる」

と言う情報を知っている人は川に近づかないです。情報を知らない人は食べられます。

 

情報によって助かった人の子孫である我々は情報ゴロニャン遺伝子を受け継いだのです。

 

しかし情報ゴロニャンは騙されたり、時間を無駄にしたり、情報を集める事が目的になったり、本末転倒になる危険もあるのです。

 

またたびを…いや、旅行のパンフレットをいくら見つめても、その場所の事はわかりません。パンフレットを読んでる時間が旅行時間から引かれるだけです。

 

YouTubeもTwitterもこのブログもただの情報です。

 

情報の接種時間があなたの創作時間を奪っているだけなのです。

 

もやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもや

  

ぶっちゃけ、やった方が早いんですよね

 

セッションやっちゃう、作曲しちゃう、バンドやっちゃう、打ち込みしちゃう、録音しちゃう、YouTube/Instagram に上げちゃう!!!!!

 

数打って、当たらなくても、情報集めよりはるかに意義のある時間です(すくなくとも練習になってます)

 

頭の中にあるものをどんどん形にしましょう〜!作るとスッキリします!

 

音楽の実態

 

結局、あなたの邪魔をしてるのは余計な情報と言う事なんですが・・・

 

それでも意味のある?「情報」が欲しい〜と言う方の為に・・・

 

わたしが思う大切な情報とは・・・

 

第一に、あなたが大好きな音楽。

 

それは他人に何と言われようが、My Favorite Musicというあなただけのジャンルです。

 

そして、あなたのオリジナル曲はそれらのフィルターを通ったミクスチャーなんです。

 

こんな曲が書きたい!の「こんな」をしっかり、どっぷり、じっくりと味わって、研究してください。そこにはあなただけの栄養がたっぷりと詰まってます

 

好きな物を食べるのが一番幸せなんです・・・健康のため・・・なんじゃそれ!!!

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

そして・・・

 

もうひとつ意味のある情報があるとしたら

 

「スタンダード」そして「クラシック」と言われる曲達を聴いて、読譜して、研究してみてください。

 

ムキー古いものを聞け!と言うおじさんマウント!」と、言わないで、ちょいと聞いてくださいな…

 

 ヘビヘビヘビヘビ

 

少し寄り道を…

 

音楽という芸術の歴史を遡った場合・・・

 

解読可能な音楽は9〜11世紀頃中世のネウマ譜になるそうです。

 

それ以前の民族音楽やネアンデルタール人の Top40はわかりません。

 

(紀元前20世紀頃の楽譜らしき断片はあるそうですが・・・)

 

ネウマ譜

11世紀頃の教会音楽を記録したこの譜面を解読して、再現可能な物として今も演奏されています。

 

でもね・・・ホンマはどうやったかわからんとです(トホ・・・)

 

バッハも・・・ホンマはどうやったかわからんとです(トホホ・・・)

 

それどころかモーツァルトもベートーベンもホンマはどうやったかわからんとです(トホホホホホ・・・)

 

CD無かったんです(いやレコードもカセットも、iPhoneも・・・)

 

誰も実物を聴いた事が無いのです。

 

どんな音だったか、テンポも、タッチも、テクニックも、ホンマはどうやったか、わかりまへん。

 

プンプン「そんなん当たり前や〜ん」

ムキー「お前に言われんでも知ってるわ〜〜」

えー「だから譜面が残っとんねん!」

グラサン「本人の直筆も残っとるぞ〜〜〜」

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番第1楽章の「自筆譜」

 

はいはい・・・

 

そのとおり、でもね、音は残ってないでしょ?

 

音楽の実態は「音」です…よね?

 

それと比べて美術はどうでしょう?

 

ガーン「・・・」

 

メソポタミア文明、シュメール文明等、我々は紀元前3500年前の作品を実物で見る事が出来ます。

それどころか、2万年前のクロマニヨン人の「誰か」が描いた絵もそのまま見る事が出来ます。

ラスコー壁画

 

何が言いたいか判りますか?

 

羨ましいんです、美術家が・・・

 

美術を学ぶ人たちはヒエロニムス・ボス(1450~1516)が描いた実物を今もプラド美術館で見る事が出来ます。ダ・ヴィンチ(1452~1519)もミケランジェロ(1475~1564)もブリューゲル(1525~1569)もルーベンス(1577~1640)もフェルメール(1632~1675)も・・・実物から情報を得て、研究できるのです。

 

それに対して音楽を学ぶ人たちは、どっかのおっさん(失礼)が弾いたバッハやスカルラッティを聴いて、その作品を知るしかなかったのです。(バッハ本人のやつ聴いてみたかった…)

 

我ら音楽家が音を残せる様になるのは、1887年のエジソンおじさんまで待たなくてはなりません(トホホ・・・)

 

直筆譜→印刷譜→どっかのおっさん→実演(コンサート等)

 

すなわち、トリプル間接キッスです(嫌やわ〜!)

 

音楽の情報はかなりの不純物?(解釈)が混じって伝わって来たのです。一人一人の手を渡ってるうちに、オリジナルがどうだったかはもはや解りません。

(グレン・グールドなんかはかなり特殊なおっさんだと思います)

 

だから音楽の先生は、人によって全然違う事を言うのです。

 

しょうがないのです!

 

即ち音楽は全てその人の解釈で出来ているのです拍手

 

風雪に耐える芸術

 

現在、インターネット(YouTube)がある世の中に生きている我々は、楽譜だけが伝達方法だった頃と全く違う状況で音楽に接しているのがお分かりだと思います。

 

音楽(特に西洋音楽)は人間が残した文化の中で、かなり特殊な物の一つです。

 

記録媒体(楽譜)を再現装置(人)によってやっとこさ、人々に伝える事が出来る、と言うめんどくさい芸術なんです。しかも再現装置達は長年かかって再現能力を訓練しなくてはならない。おまけに再現装置によって違う?って言う…

 

よくまぁ根気よく続けて来たもんですわ〜

 

よっぽど、人々が望んだ物が残ってきたのでは?…と思いませんか?

 

ゲロー「どっかのおっさっんでもイイ〜」

ゲッソリ「聴きたいのだ〜」

ちゅー「それでいいのだ〜」

 

と、いうわけで「古典」なんです。

 

これは音楽に限ったことではありません。

 

哲学者ショーペン・ハウエルの「読書について」と言う本に「古典から学べ」と言うお言葉があります。彼の言う古典とはギリシャ哲学の事です。ソクラテスなんて紀元前300年頃の人ですから、イエス・キリストよりも前の書物が、今も読み継がれているのですね…

 

もしバッハやモーツァルトやベートーベンの作品にになんのパワーも無ければ、誰が苦労してやると思いますか?

 

故に「古典」は意味の有る情報なのです。

 

もし何をやったら良いかわからない〜なんて言う現象に見舞われたとき、一度騙されたと思って風雪に耐えて来た作品をマジで聴いてみてください。

 

クラシック音楽の歴史は・・・中世、ルネッサンス、バロック、古典、ロマン、印象、近現代・・・等いろんなジャンル?又は時代にまとめられていますが、クラシックの本当の意味は「古典」ですから、その頃がホンマのクラシックか?といえばそうではありません。

 

なにから聴いていいからわからないという人は、とりあえずロマン派と言われている作曲家の誰か?を押してみればいいのでは?と思います(クラス内でもう少し詳しく話します)

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

ポピュラー(大衆音楽)界では古典の事を「スタンダード」と言います。

 

スタンダード・ナンバーの殆どは1920〜50年頃のミュージカルや映画の挿入歌です。

 

ロマン派、印象派の和声はスタンダード曲に受け継がれていきます。

 

録音物は残っていますので聞けます(ご安心を)

 

スタンダードを知りたかったらとりあえずこれを見ろ!!!

 

 

 

 

 

それらの作品は数多のミュージシャンの手によってカヴァーされてきました。

 

一体どのくらいのカヴァーがあるのか?検討もつきません。

 

古典落語もカヴァー?がたくさんあります(だから古典なのです)演者に寄って様々な解釈があって色々楽しめますよね。

 

作曲の勉強をする為の「良質な情報」があるとしたら、それらの風雪に耐えた大衆音楽(スタンダード)風雪に耐えた芸術音楽(クラシック)の、「風雪に耐え具合?」を研究するのも、How to のひとつです。

 

とにかく先ずは触れるとこから始めてください。

 

あなたに与えられた時間を意味のある物に使えれば、人生の残り時間も、いろんな味わいがあるかもしれませんよ…?

 

音符ルンルン音符ルンルン

 

少し長くなりましたが、今回は音楽を勉強する方達への私が思うアドバイスをさせていただきました・・・

 

古典に触れる機会が少なくなると物事の表面しか見れなくなりがちです。それは今の世の中を見ればよくわかるのでは?

 

「インフォ禍」に惑わされないように・・・

 

心健やかにお過ごしください。

 

スタンダードナンバーを残してくれた作家達

 

George Gershwin

1898年9月26日 - 1937年7月11

 

Jerome Kern

1885年1月27日 - 1945年11月11日

 

Irving Berlin

1888年5月11日 - 1989年9月22日

 

Richard Rodgers

1902年6月28日 - 1979年12月30日

 

Harold Arlen

1905年2月15日 - 1986年4月23日

 

Cole Porter

1891年6月9日 - 1964年10月15日
 

Jimmy Van Heusen

1913年1月26日 - 1990年2月6日

 

Sigmund Romberg

1887年7月29日 - 1951年11月9日

 

Kurt Weill

1900年3月2日 - 1950年4月3日

 

Jule Styne

1905年12月31日 - 1994年9月20日

 

Sammy Fain

1902年6月17日 - 1989年12月6日

 

Frank Loesser

1910年6月29日 - 1969年7月28

 

Arthur Schwartz 

1900年11月25日~1984年9月3日

 

Vernon Duke

1903年10月10日 - 1969年1月16日

 

Victor Young

1899年8月8日 - 1956年11月10日

 

Henry Mancini

1924年4月16日 - 1994年6月14日

 

Burt Bacharach

1928年5月12日

 

Michel Legrand

1932年2月24日 - 2019年1月26日

 

Ennio Morricone

1928年11月10日 - 2020年7月6日

 

Duke Ellington

1899年4月29日 - 1974年5月24日

 

Billy Strayhorn

1915年11月29日 - 1967年5月31日

 

Glenn Miller

1904年3月1日 - 1944年12月15日?

 

Thelonious Monk

1917年10月10日 - 1982年2月17日

 

etc...

 

 

私の本もよろしく〜

 

 

 

 

 

 

 

 

「モチーフの作り方がわからない・・・」

 

How To Compose 履修の学生さんからの「悩みの相談」です

 

非常にダイレクトなGood Questionグッarigatone!

 

キラキラキラキラキラキラキラキラ

 

モチーフとはリズムと音程で出来ているメロディの最小単位のことです。

 

通常2小節で出来ています。

 

曲の性格を決定付けるほどにモチーフは重要な要素ですが、モチーフがあなたの作曲を邪魔する時も有るかもしれません。(自分ルールに縛られて動けなくなる中2病・・・)

 

私がいろんな学生の課題を見ていて目に付く問題は、音程よりもリズムのモチーフの扱い方で迷走しているパターンが以外にも多いということです。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

リズムだけでモチーフを作ってみる

 

楽曲は小さい単位から

モチーフ(2小節)

小楽節(4小節)

大楽節(8小節)

 

という風に成長していくわけですが、8小節できれば一応曲として成立するので、大楽節をまとめるつもりで先ずは作ればいいと思います。

 

上差し問題は大楽節(8小節)の中にどうやってモチーフを配置するか?ですが・・・

 

モチーフが2小節で出来ているというところに注目してみましょう。

これらは有名なスタンダードナンバーのモチーフ(2小節)です。

 

1小節目と2小節目は違うリズムで出来ています。モチーフとは2つの異なったリズムで出来ている(ほうが望ましい)のです。

 

2小節を構成するそれぞれの小節はスモール・モチーフ(小動機)と言います。

 

上差しじつはこれが、今後の展開を作る為にとても大切な要素になります。

 

 

音符例えば、Satin Dallのスモール・モチーフはこんな風に並んでいます。(リズムのみ)

ABC3つの要素です。

 

音符Softly~も見てみましょう。

これも3つ(ABC)ですね。

 

音符Over the~も見てみましょう。

これも3つ(ABC)です。

 

他にも似通った構成を持った曲はたくさんあります(探してみよう〜)

 

3つのキャラを使おう〜

 

3つのスモール・モチーフは、大楽節(8小節)を作る時に便利な数なのです。

 

多くのスタンダードナンバーが3つのスモール・モチーフを上手く使って配置されてますので是非自分でもそのベクトルでメロディをアナライズしてみてください。

 

作曲のアドバイスとしては・・・

 

*既成曲の3つのスモール・モチーフ(リズム)を使ってオリジナル・メロディを作ってみる。

 

*既成曲の3つのスモール・モチーフ(リズム)の順番を変えてオリジナルメロディを作ってみる。

 

*とりあえず自作の3つのスモール・モチーフ(リズム)を作ってみて並べる・・・

 

 

ABCの3つのスモール・モチーフを並べるにはいろんな順番がつくれます。

 

例えばSatin Dallのスモール・モチーフ順番を変えてこんな風にならべてもいいんです。

 

そして音をあてはめて大楽節の出来上がりです。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

モチーフは曲のきっかけです。

 

ところがきっかけで転けると先になかなか進まなくなってしまいがちですね。

 

「モチーフをなんとかキープしなきゃ〜先生にしかられる〜」と、中2病もありがちです。

 

しっかりと手綱を握ってモチーフが勝手な事をしない様に、あなたの手札も用意しなくてはなりません。

 

その意味ではいろんな方向にモチーフを導けるよう、逃げ道を探しておくのですね。

 

逃げ道を用意するのは生き抜く為の知恵です(人生的にも・・・)

 

「逃げるは恥だが役に立つ・・・」

 

お後がよろしいようで?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した話題が主な内容ですので、御理解の上お楽しみください。

 

11/20 月曜日 は課題発表です。

 

提出はPDF楽譜、音源はmp3でお願い致します。

 

今回は

 

ABAC形式の説明

作曲アイデア

実際例

課題の説明

 

のお話をしたいと思います。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

ABAC形式の説明

 

ABAC形式はAABAと違う点があります。

 

譜例1

 

譜例2

 

大楽節が1つ多いですね・・・

 

各大楽節も、終止の部分で違いが見られます。

 

例えばAABAのこの曲

 

音符譜例3I Got Rhythm  George Gershwin 

各楽節が独立した形になっています。別の大楽節が2つ(AとB)といったかんじですね。

 

それに対してみなさんご存知ABACのこの曲

 

音符譜例4

この曲はモチーフ的にもAとBはリズムに共通点があります。

AとBは継続した1つの楽節といった感じです。

 

それに対してCはAともBとも似てない、新しいモチーフで出来ています。

 

典型的なABACフォームです。

 

右差しABACは、ジャズの即興演奏において頻繁に使用される形式です。

 

演奏者は8小節を感じながら演奏しているので完結した8小節が繰り返されるAABAよりも複雑なABACは、ぼーっとしてると、ロスト(どこやってるかわからない)してしまいます。

 

ジャズの即興演奏はコード進行を追っかけてるだけではなく、楽曲の形式にも影響を受けて進んでいるので、ABとACをしっかりと捉え無くては輪郭がぼやけたソロになりがちです。

 

ABACは複雑が故に「ドラマチック」ともいえますので、世にある名作たちをお手本に、作曲の案を練ってくださいね。

 

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

 

ABACのアドバイスですが、AからBに行く時、完全終始にならないようにすると、スムーズにABAまで作れます。最後のCセクションのコツさえわかれば以外とすんなり作れると思います。

 

 

AABAは8小節ずつ区切りがあるというイメージに対して、

ABACはず〜っと続く曲・・・というイメージです。

 

 図で見るとわかりますが、最後のCがクライマックスです。1番盛り上がると言うか、メロディの1番高い音が出てくると言うか…先程のAll of meもそうですが、ヘンリーマンシーニの酒バラ=The day of wine and roses は典型的なハイポイントの例です。

 

ハイポイント=1番の盛り上がり

 

既成の曲を研究してそれらの構造的な要素を「パクる」というのが勉強になると思います。

 

(クラス内では実際のABAC形式のスタンダード・ナンバーをいくつか紹介します)

 

 

作曲のアイデア

 

モチーフについてもう一度吟味しましょう〜

 

モチーフは曲を作る為に大変重要な要素です。

言い換えれば曲に聞こえるようにする為にモチーフがある、ともいえるでしょう。

 

モチーフの二大要素は「リズム」と「音程」です。

 

音符譜例5

たった2つの音(短3度)が動き出したら止まらない〜。

 

ものの見事にクライマックスまで走り続けます。

 

あなたが作った小さなモチーフ、それをじーっと見つめてください。

 

どうですか?動き出しましたか?

 

次の展開が、見えて来ましたか?

 

モチーフの持つ「個性=リズム&音程」を如何に使って物語を作るか?

 

ワクワクがドキドキするでしょう〜〜?

 

実際例その1

 

それではコード進行を基にどうやってモチーフを創るか?

 

先ずは卵(ターゲット・ノート)を用意します

(各コードに対して1音選ぶだけ)

 

音符譜例7

 

コード進行のルートモーションは6度4度で動きます。

 

2度進行(CMaj7 Dm7 Em7 〜)にセカンダリー・ドミナントを加えたもの、とも言えますね。

 

あなた自身の解釈でコード進行を用意してください。

 

この卵(譜例7)を使ってまずはモチーフを作りましょう〜〜

 

一つだけではなく複数創りましょう。

 

音符譜例8

自分でも色々と作ってくださいね〜

 

モチーフは物語のきっかけです

モチーフが持つリズムと音程という個性を生かしながら次の小節(小楽節)を作っていくのです。

 

音符譜例9

 

赤数字はコードに対する卵の音程です


それらをキープしながらリズムやその他の音程を作っていく・・・

 

卵(ターゲット・ノート)に解決すれば良いわけです・・・

 

簡単でしょ?

 

モチーフ1を使って作ったABAC形式

音符譜例10

注)BとCは似たメロディ(同じモチーフのバリエーション)の例
 

 

モチーフ2を使って作ったABAC形式

音符譜例11

 注)BとCは全く違うモチーフの例

注)CはAのモチーフを使用

 

モチーフ3を使って作ったABAC形式

音符譜例12

 注)BとCが似たメロディの例

注)ABAB'とも言える

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

上記の3例は同じ卵から2小節のモチーフ作りそれらを発展させて出来ています。

 

どのように発展させているかそれぞれの曲の類似点、相違点等を観察してみてください。

 

1.2.3共、卵になるべく忠実に作りましたが、そんなもんは途中で無視して、突拍子もないアイデアが出て来るかもしれません。その時は自分の道を進んでください・・・

 

何回も繰り返していくと作曲があなたにとって日常の行いになっていくのでしょう・・・

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

実際例その2(音程のマトリクスを使う)

 

前回取り上げた、音程のマトリクスを使ってコード進行と卵を作ってみましょう〜

 

音符譜例13

黒数字はコード進行のルートモーション
赤数字はコードとメロディ卵の関係

 

上記の(譜例13)を使って作ったABAC形式

 

音符譜例14

 

形式はあらかじめABACに決めていますので…

 

1.形式

2.コード進行(マトリクスを使ってみる)

3.メロディの卵(各コードのターゲット音)

4.卵を基にしてモチーフ(リズムと音程)を作る

5.発展させて大楽節を作っていく

 

という順番で作つくりました。

 

慣れという物は恐ろしい物で、何回も「作曲の練習」をする事によって、モチーフを頭に描くと共に、形式に当てはめた場合のだいたいの曲の輪郭が見えてくる様になると思います。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

課題説明

 

さて!

 

来週(11月14日)課題発表ですが、ABAC形式を作ってください。

 

提出は紙の楽譜、音源の場合はmp3でお願い致します。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

サービスに・・・作曲法を一つだけ紹介します。

どうしても困った時はこれを参考にして乗り切ってください。

 

名付けて

 

実際例その3「Like a Bird」

 

皆さんご存知、チャーリー・パーカー=Bird 「パクリの天才」です(失礼)

 

彼の曲(と、言われている)

 

Anthropology

Confirmation

Moose the Mooch

Ornithology

Scrapple from the Apple

Dewey Squar

Dexterity

Donna Lee

Ko Ko

etc・・・

(ブルースもあるでよ〜)

 

等の曲のコード進行は他の曲からパクリンコ(失礼)なんです。

 

びっくり「え〜〜〜!?そんなことやっていいの〜?」

滝汗 はい!いいです。(ハキハキ)

コード進行に著作権はありません

あなたはこれから一生、曲の半分(コード進行)は作らなくても作曲が出来るという事が判明致しました。

 

晴れおめでとうございます晴れ

ビバップという音楽の時代背景がチャーリーさんのオリジナルを生んだ原因の一つなのですが、その話は又今度・・・

 

コード進行をパクってオリジナルを作ってみましょう〜〜〜

 

前述の譜例4"All of Me"のコード進行を使ってやってみます。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

音符譜例15)先ずはコードを書き出します。

 

卵(ターゲット・ノート)を作ります

 

音符譜例16)1つのコードに対して2個の卵(ターゲット・ノート)を設定

 

 

 

音符譜例17)ワルツにして、装飾音を加えて仕上げます。

 

This is a tune made bay canges from[all of me] ,Like a Bird! ってこと・・・

 

「Like a Bird」はグレーゾーンを狙うインチキ詐欺師みたいですが(失礼)

 

上差し実はとても勉強になるのです。

 

既成曲のコード進行を使って新たなメロディを作る作業は、曲の構造のどの部分を使うか、曲をしっかり観察しなくてはならないので、数々の新たな発見があり、しかもアドリブの練習にもなる!

 

面白いリフォームを考えて下さいね♪

 

 

・・・と、いうわけで、もう一度念押しで〜

 

課題はABAC形式を使って曲を書いてください。

提出は紙の楽譜、音源の場合はmp3でお願い致します。

 

提出日は11月20日(月曜日)
 

*名前&学籍番号
*タイトル
*テンポ&フィール
も忘れずに書いてください。

 

これをプリントアウトして使ってもいいです

 

ジャーに〜バイバイ