ウンブリア州でワインの生産量が最も多いDOCはオルヴィエート(Orvieto)です。州のDOCワイン生産量の約8割を占めています。
イタリア半島中央部にはエルトリア人という先住民族が住んでいました。エルトリアはローマとの戦いを繰り返しましたが、紀元前260年ころにローマによって征服されました。
オルヴィエート はエルトリア人が築いた城塞都市の一つで、町は丘の上にあります。DOCオルヴィエート はこの地域の7つの自治体で構成しています。昔からトレッビアーノ(Trebbiano)という白ぶどうを使ったワインを造ってきました。現地では、トレッビアーノの中から選んだ優れたクローンの品種だとしてプロカニコ(Procanico)と呼んでいます。
この地ではワインを低温の凝灰岩の洞窟の中で保存していたため、発酵が完全に終わらずに糖分を残した甘口ワインが造られてきました。現在は、「オルヴィエート」と「オルヴィエート・クラシコ」という名前で白ワインを造っています。
最近では赤ワインも造られています。DOCロッソ・オリヴィエターノ(Rosso Orvietano)が1998年に成立しました。アリアニコ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、 サンジョヴェーゼなどを使った赤ワインのDOCです。