2024年3月10日

リップ(♀ 25歳)が永眠しました。

ここ数年、高齢になるにつれて腎機能の低下が認められるようになり、出来る限りの対処療法を行ってきました。今年の冬になり体調を崩すことが多くなり、その度に処置を行い回復していましたが、3月10日3時46分に息を引き取りました。

 死因は現在究明中です。

 


リップはとても食いしん坊で、ショーでは白刃取りや元気いっぱいな行進!得意のバランス芸と何にでも全力でした。丸鯖やイカが大好き!お魚を見れば目と口を大きく開き、キラキラな瞳で魚を見つめ、本当に美味しそうに食べる姿が印象的でした。魚の次に大好きなのはホース遊び!いつも脇にホースを抱え仰向けになり、ホースから出てくる水を口に入れて遊んでいました。口に入る水が一定だとつまらないのか、時折もう片方の前肢でホースを軽く叩き出てくる水を揺らしては器用に口に入れていました。スタッフとのホース遊びも大好きで、遊びたい時は待っていたり、水が出ているホースを口にくわえて持ってきて、スタッフがびしょ濡れになることもありました。

温厚な性格でスタッフにはフレンドリーなのに、後輩アシカとコミュニケーションを取るのは苦手だったリップ。

好き嫌いもはっきりしていて、

嫌なことがあると目を細めたりと、

表情豊かなリップは私たちスタッフの癒しであり、かけがえのない存在でした。








アシカファミリーの中では、どのアシカよりもスタッフとの距離が近く、絆が深かったのもリップです。

言葉が通じない動物と、どのように信頼関係を築けばよいのかを、最も間近に教えてくれました。

心に残るショーをテーマにお届けした『 らんらんホールの水中ショー』では、その作成ヒントをリップからもらい、それを見事に体現してくれました。

お客様との『 ふれあい体験』や『 特別公演』『 イベント』も、リップだからこそ、多くの人とふれあい、皆さんにアシカの生態やその魅力を知ってもらい、コミュニケーションの取り方を体験してもらうことができました。





経験を積むにつれて、新人トレーナーの教育係的存在だったリップ。

基本の接し方から高齢アシカの健康管理まで、その全てをリップから学びました。


リップ、沢山のことを教えてくれて、トレーナー・飼育員として成長させてくれてありがとう。

 リップから教えてもらったことを、しっかりと今後の飼育に活かしていきます。


今までリップのことを応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

 

今後ともリップの後輩アシカたちを応援してくださると嬉しいです。