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リサイタルから感じたこと

昨日は汐留のベヒシュタインサロンでのリサイタル。前回より数席ほど増やしましたが通常の半分以下の席数で開催。しかしながら今回も満席、本当に有難いとしか言いようがありません。
今回は生誕250年のベートーヴェンの悲愴ソナタから始め、ブラームスの6つの小品、そしてリストのソナタ。ディープ。特に今回取り上げたブラームスとリストの作品は、思索性や心情の複雑なひだなどの内面性や哲学的な要素が充実するほどに演奏のステージが上がる作品と言えます。「心を込めて」という、自らが主体となる表現とはいささか異なる、作品から受け取る心情の動きや思索的要素を表現としてどのように音に顕すかという部分がとても重要になります。とはいえ、そこに人間が普通に抱く、あるべき感情も乗せていかなければ心に響く演奏とはならない。しかも本番における自身の解放も生きた音楽を奏でるために必要…この、一見相矛盾した各々をどう上手く共存させていくか、これに尽きると感じます。



そして…
日頃から思ってはいたことではありますが…昨日改めて再確認したことは、とにかく自分が「深まっていきたい」ということ。また、そうなれるよう追求していきたいとも感じました。そのためには「人として」必要となる要素もまだまだたくさんあると思います。でも…これから先も自分自身は演奏活動を続けていく、そして今後自分が迎えていく年齢で初めて出来ること、何よりも音楽芸術として本来あるべき演奏とは何か、それらのことを考え合わせると、その答えは深淵な領域にしかないと。演奏というものがアスリートで良いならば僕らの世代から上の演奏家が存在する意味はないでしょう。けれどそうではない。若い頃には絶対得られない芸術的要素が、年齢を重ねる毎に少しずつ得られていくということを自分自身が実感している。ならばその領域を誠実に貪欲に追求し、聴き手に示していきたい。追求を諦めてしまえばそこで終わり、ただ歳を取るだけになってしまうとも感じています。そうなれば存在価値などそれこそ本当になくなってしまう。

年齢とともに少しずつ得られている実感があるとはいえ、そうした領域のほんの僅かな一端しか未だ垣間見れてはいないのだとも思います。もっともっと足を踏み入れてその世界を見てみたい。奥深い境地…複雑な襞を伴う真の本質を求め続けていきたいと、心底思いました。聴き手の皆さまにはこれからも長い目で見守っていただけたら嬉しいです。

昨日お越しくださった皆様、本当に有難うございました!!

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