齊藤夢愛オフィシャルブログ Powered by Ameba
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

キス魔マン(〜最終章〜)

逃げ切るんだ。逃げ切る。

高鳴る鼓動と、激しく乱れる呼吸を整えながら、静かに息を潜めた。



ドキドキドキ




「どっちがいい?」


顔がぴったりくっつくくらいの近い距離で、

息切れ一つせずに





その男が、いた。






ヒィイィっっ!!!






思わず声を出した。





もう、、ダメだ。





恐怖と諦めで、涙目になりながら下を向いていると、




「答えないのかぁ。

仕方ないからジュース買ってあげる。」




そう言い、男は上半身裸のまま自販機に向かった。





私「え、、いいの?」




男は小さいリンゴジュースを買うと、



私の口へと運んだ。




ゴクリ。







緊張なのか、恐怖なのか、




私の口からリンゴジュースがタラリと溢れた。





「あーぁ。こぼした。」






そう言い、私の濡れた唇に指を添えると、

男は私を見つめた。





私「あっ。。⁈」





自分夢の中というものは、なんて都合が良く出来ているのであろうか。





なんと。男がめちゃくちゃイケメンになっているのである。

(しかも金髪で王子様みたいになってた笑)




男は、ゆっくり、ゆっくり顔を近づけてきた。




((えっえっ、リンゴジュースで濡れた唇ごと、啜りながらキスする感じ?!

めっちゃエロいじゃん!めっっちゃエロいじゃん!!!))






私の心の中はもう、キスへの期待と高揚感で溢れ、恐怖なんて一ミリも無くなっていた。




渾身のトロン顔で、キスを受け入れようとした。




その時だ。



トゥルルんトゥントゥントゥントゥン♪




温泉から上がったであろう、旦那タソからの電話





電話???






グワァァアーーーーーン🌀🌀🌀

(夢から現実に引き戻される音)





夢から冷めると、ベッドの上で鳴る携帯。







そう。





仕事が終わった旦那タソからの、電話が鳴っていた。






私「…はぁい」





旦「仕事終わったよ、お風呂よろしくね」





私「はぁい、もう少し寝るね」





プツッ…





ツー、ツー、ツーー……




「…。」






「………。。。」







クソオオオォオオオオオオオオオ) ( ) ( ) ‼️‼️‼️‼️






もう少し!あと少し!あと2ミリだったのにいいいいいい!!!



死ぬほどトロけるキスしたかったぁあああ!!!



うぉおおおおおおお!!!!!!




その後、続きを見ようと目を瞑り、しばらくあがいてみるも、





キス魔マンに会えることは無かった






夢の中でも悪いことはできないということなのか





しかし、現実に引き戻されたとともに、

こんな夢を見る私の脳内も心配だった。



何よキス魔マンって。お尻ぺんぺんって笑)



今回はそんな形でこのお話は幕を閉じたわけですが。




私はまだ諦めていません。





キス魔マン、またいつか、私にあの言葉を言いにきてね。




そしたら迷わず答えるよ。





「キスでお願いします❤️」





〜完〜








*補足:うちの姉が最初にキス魔マンのキスが最高と言った訳ですが、

実際のうちの姉はそんな事を言うような人では全くなく、旦那さんと仲良しおしどり夫婦の良妻です。

姉なら間違いなくお尻ぺんぺんを選ぶでしょう。(笑)

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>