本日、仕事復帰いたしました!

 

昨年の仕事納めが12月30日でしたので、トータルすると実に22日間。

これほどの期間、声の仕事をお休みしたのは、デビュー以来 初めてのことです。

 

手術、そして入院中、医師や看護師、看護助手の皆様には本当によくしていただきました。

この場からでは届かないかもしれませんが、担当して下さった医療スタッフの皆様に、心より御礼申し上げます。

 

私が罹患していたのは「耳下腺腫瘍」という病気です。

耳の前から下にかけてのあたりに位置する「耳下腺」(唾液を産生、分泌する部位)に出来る腫瘍で、10万人に1〜3人くらいの確率で発症するものとのこと。

時間経過とともに徐々に大きくなり、放置しておくと悪性(がん)化する可能性もあるので、外科手術によって摘出した方が良いと医師から助言がありました(自然治癒はせず、薬の服用など内科的なアプローチで治るものでもないので)。

 

しかし、すぐに手術を決断できない悩ましいことが。

まず、手術を受けるためには当然入院も必要で、仕事ができるコンディションに戻るまで2、3週間は休まなければならないこと。仕掛かりのレギュラー案件を多く抱えている上、スケジュールはすでに先まで埋まっており、時間を捻出することがなかなか難しい。

そしてもうひとつ。腫瘍があるあたりには顔面神経が走っています。位置や状態によっては、一時的もしくは永続的な顔面麻痺が術後に発生する可能性があるとのこと。もしも喋りに支障がある後遺症が出てしまったら…… 最悪の場合、廃業です。

 

「どうするオレ!?」

 

いつかはやらなければならない手術。後遺症の不安は完全に払拭できないけれど、もしものことになってしまった方が、より多くのご迷惑をより多くのみなさんにかけることになってしまう……

 

「やるしかない!!」

 

一年の内で最も収録が止まる現場が多い年始のタイミングに、手術を受けることを決断しました。

 

腹を決めたら話はトントン拍子。前倒しが可能な仕事は12月中にこなし、1月初頭のXデーに備えました。そしてあっという間に手術日前日となり入院。

看護師さんたちから「大丈夫ですか? 不安じゃないですか? 寝られそうですか?」など気遣いの言葉をたくさんかけていただきましたが、自分でも驚くほど怖れや不安はなく。まるで地方仕事の前乗りでホテル泊をしているくらいの平常感覚。それは手術室へ向かう時も、手術台にのった時も。

「次に目覚めた時は、不安とおさらば出来ている!」

その思いが強くあったからではないかと。そして何より、今回執刀を担当してくださった先生が、

「最善を尽くします! 任せてください!」

そう力強く言ってくださったことが、大きな心の支えとなりました。

 

手術が無事終わり、覚醒した瞬間にしたことは、ちゃんと喋れるか口周りの動きのチェック。

 

「大丈夫!ちゃんと自然に動く!問題なく喋れる!!」

 

涙が出ました。本当にうれしかったです。

全身麻酔のための気管挿管も、声帯への負荷に配慮しつつ、一番細いチューブで行って下さったとのことでした。感謝しきりです。

 

術後の回復も順調で、予定通りの日程で退院までこぎつけることが出来ました。

そして、きれいにしっかり摘出できた腫瘍の病理検査の結果も「良性」。

見立て通り、継続治療の必要なしとの診断も出ました。

 

改めて、

ご迷惑ご心配をおかけした皆様に心からお詫び申し上げます。

そして、

無事を祈ってくださっていた皆様に心から御礼申し上げます。

ふたたび真摯に仕事と向き合い、これまで以上に愛と情熱を込め、ひとつひとつ頑張っていきたいと思います。

2024年も、どうぞよろしくお願いいたします!

 

 

諏訪部順一

2024年1月22日