~ Literacy Bar ~

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ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

前回の記事で触れたようにリアルの仕事量がガチでヤバいことになっているので、今週は『光る君へ』の寸感も含めた大河ドラマ関連の雑語りをメインにティーをプリヴァリケートしようと思います。

 

まず、これも前回の記事で触れたカリスマスタイリストではないほうの小松江里子の代表作にして、我がJE市所縁の作品ながら存在自体を黒歴史化してしまいたいスィーツ(笑)大河ドラマ『天地人』。大事なことなので今週も書きました。BS松竹東急さんでの再放送を敢えて視聴しようと述べましたが、実際に見たら、

 

開始30分で断念しました。

 

リアタイから十数年が経過して、懐が広くなった今なら『天地人』もネタ大河として楽しめるかも知れない……そんなことを考えていた時期が先々週までの俺にもありました……もうね、第一話のアバンからして主人公ageageageageageageageの連続で、本作唯一の見どころ&大河ドラマ全史でもベスト10に入るオープニングテーマが掛かった時点で、視聴意欲の殆どが減衰したのよね。大河ドラマ暗黒期の負の要素の全てが詰まったような初回アバン。今までの私は本作を過剰に批判していた訳ではなく、逆に『第二話まではまずまず見られる』と、ある意味で高く評価していたことが立証されました。嫌な記憶を封印する&ニセの記憶で上書きする脳の自己防衛機能半端ない。スゴイね、人体 いずれにせよ、私の脳内メモリ容量よりも遥かに貴重なブルーレイのHHD容量をムダ使いする気はなくなったので、再放送の録画&視聴はやめます。お疲れさまでした、俺。

 

次に今週の『光る君へ』。基本的に毎週楽しみに視聴しているものの、作品としての売りやフレームが掴みにくい印象があった本作。平安貴族もの、政治劇、恋愛劇、源氏物語オマージュ、ホームドラマ等、よく言えば間口の広さとベタに徹した汎用性の高さ、悪く言えば他の時代の大河ドラマや歴史系少女漫画でも結構見かけるシーンの多さに、製作発表の際に期待していた平安大河のスタンダード作品としてのポジションや、本作ならではのオリジナリティは望み薄かなと思っていたところでしたが、今週の石山寺参詣で『蜉蝣日記』の作者である寧子に創作動機を聞かされるとか、子供の頃は判らなかった推し作家の文章の意味を今では理解出来るとか、クリエイターあるある的な描写に今までで一番グッと来ました。これは紫式部のようなクリエイターを題材にしなければ、描けない部分ですね。寧子が『兼家との日々を作品として公にすることで私の痛みは癒やされた』というのも、基本的にウラミツラミが多いとされる『蜉蝣日記』を考えるとロダンとの愛憎の日々を極上の彫刻作品として赤裸々に公開したカミーユみたいなもので、これもクリエイターあるあるネタといえるでしょう。前回の『一人でも多くの民に文字を教える』というまひろの考えに『そんなことやってないでアタシと共に新世界の高みを目指そう!』と口説いてくるききょう、パイロットに甘んじている(ように見える)アムロに対して『ニュータイプを導く同志になれ』と粘着するシャアみたいな印象を受けましたが、これも同じロックを志しながら、音楽性のズレで道を違えるミュージシャンあるあるネタっぽく思えます。思えない?

ともあれ、こうしたクリエイター目線の描写は本作の大きなアドバンテージになりそうで期待大。『いだてん』がスポーツ目線で日本の近現代を描いたように、クリエイター紫式部&清少納言の視点で歴史や人物を語るパートを増やして欲しいですね。『アオイホノオ』のように、未熟なクリエイターが七転八倒阿鼻叫喚の果てに一人前の作家に成長する過程を描く作品として、大河のワン&オンリーになり得るのではないでしょうか。

 

最後はこれ。

 

 

 

 

『終末トレイン』『戦隊大失格』『夜のクラゲは泳がない』と共に視聴を継続している春アニメの一作。今季はまずまずかな。NHKが『ダークサイドミステリー』で『世界の怪鳥・聖鳥伝説を追え!』というアカラサマな番宣タイアップを組むなど、局が全力でプッシュしている様子が窺えますが、一番本気度を感じたのは、

 

ナレーション:山根基世

 

という大人げなさにも程があるチョイス。エンドロールを見て腰が抜けそうになったわ。確かに聞き覚えのある声でしたけど、全く名前を思い浮かべられませんでしたよ。カレリンがリングスに上がった時の衝撃に近い。実に素晴らしいです、もっとやって下さい。出来れば、劇中でもっと世界観を語って頂けると嬉しい。ナレーションだけで大河ドラマ感ある。推しの妃候補は浜木綿。あーゆーパッと見サバサバ系のねーちゃんが、実は一番闇と野心と策謀が深いと嬉しい。原作未読なので今後の展開が気になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎年年末にアワビの密漁を期待されることに定評がある俳優・イッセー高橋。その最新作&そのアワビ回がGWに来るとは思いませんでした。まぁ、ルーヴルの円盤がリリースされたんで、今年中には或いはと期待していたのですが、7カ月近くも前倒しになるのはプチキングクリムゾン気分です、いい意味で。ルーヴルも含めて丁度10作になるので、これで一つの区切りになるんじゃあないかなぁ。イッセーさん、今度はブラックジャックになるみたいですからね。

尚、前回の記事でも述べたように仕事関係がヒジョーにキツくなっておりまして、暫くは隔週更新をやれるかやれないかという塩梅。ヘタするとBS先行放送される『ルーヴル』を見るまで、ブログをお休みする可能性が高いです。それらを含めて、フィジカル&メンタル共にギリギリチョップな状況のため、今週は軽めの雑感記事。尚、断じて仕事のストレスが原因という訳では断じてありませんが、辛目の記事も含まれております、悪しからず。大事なことなので二回断じました。

 

 

まずはこれ。

 

 

 

倫子「あの方が送ってきたのかしら……高松宮明子女王さまよ。あの御方は盛明親王の元でお育ちだから漢詩も書けるのよ。あちらとは文のやり取りがあったのね……殿、私には一通も文を下さらず、いきなり庚申待の夜に尋ねて見えたの、突然。でも、漢詩ですから、やはり殿御からということにしてきますわ」

 

まひろ(セーーーーーーフッ!)

 

寸でのところで修羅場を切り抜けたまひろさん。惚れた男が自分と別れた直後に他の女に夜這いを掛けて日数的に見事にタッチダウン(意味深)をキメていたことの屈辱感と、惚れた男が自分にしか手紙を出していないことへのマウント感、プラスマイナスどちらの感情を抱いていいのか判らなくなっていたところでしたが、最大のピンチを脱したことはシンプルに喜んでいいでしょう。彰子の生年月日から自分と三郎の最後の逢瀬の日時を逆算している時の、まひろの目の泳ぐ芝居をする吉高さん、狂おしくすこ。尤も、三郎周辺で漢詩を書ける女性はほぼ限定されている以上、倫子さんの容疑者リストからまひろが消えたと結論付けるのも早計というもの。倫子さんはどちらが文の相手か判らなかったら二人まとめてブン殴ればいいとか考えているように思います。思えない? まぁ、それはなくても、今回のまひろのすっとぼけが後日、思わぬ悲劇の伏線になる可能性はありそう。『あの時、正直に打ち明けていれば……』と後悔するまひろの曇り顔、見たない?(ゲス顔

それ以外では教科書でお馴染みの尾張国解文をベースにした朝廷パートと、のちに『枕草子』で清少納言にディスられる宣孝の御嶽詣ファッションがツボ。前者では若き日の藤原道長が実資の知己を得る重要なシーンに有名な歴史的事象を絡ませるのが巧かった。正論家ゆえに政治センスがビミョーで、思い通りにならないと家でグチグチと著作に耽って、これはと目をつけた若者にコロッと入れあげる軽忽さを鑑みると、実資は平安日本のキケロなんじゃないかと思いましたわ。ワイが好きなタイプのキャラクターやね。ただ、宣孝の御嶽詣ファッションと同じく、元ネタを知らないとビミョーに浮くシーンではありますな。そして、御嶽詣ファッションは次回で久々に登場するききょうさんが、まひろ相手に宣孝をディスる前フリよね。これ、まひろと宣孝が結婚したあとだと不俱戴天の仇になってしまいますけど、結婚前、しかも、まひろが宣孝を意識する前のディスりだからセーフ理論でイケると思います。思わない?

 

次はこれ。

 

 

 

言わずと知れたカリスマスタイリストではないほうの小松江里子の代表作にして、我がJE市所縁の作品ながら存在自体を黒歴史化してしまいたいスィーツ(笑)大河。JE市民にとって直近の御当地大河は『天と地と』。いいね? そういや、先日地上波で『ガリレオ』シリーズの映画2本が放映されましたが、よく考えたら湯川も内海も岸谷も大河ドラマの主人公を演じているんだよなぁ。何時か草薙にも主人公を演じて欲しい。『葵』のようにベテラン中心のキャスティングで上杉景勝を主人公にして欲しいンゴねぇ。

さて、そんな『天地人』をBS松竹東急さんが再放送するというブッ飛んだニュースが飛び込んで参りまして、X(旧Twitter)では『よりによってそれかよ!』とか『俺が何話まで耐えられるか予想しようず』とか、実に私のTRらしいポストが散見しましたが、私個人は敢えて視聴しようと思っています。いや、勿論、本放送時には(嫌々)大体見ましたけど、クオリティがアレ過ぎる大河ドラマは脳が自己防衛のために記憶を封印する機能を働かせるのか、10年以上も経つと結構内容を忘れているのよね。『武蔵』もそれなりにリアタイで見ていた筈なのに、昨年解禁された円盤を見直すまでほぼ完全に記憶から抜け落ちていて、新作を見るような視点で楽しめました(いい出来であったとは言っていない)ので、私の脳内メモリ容量の都合で遠山とコブ康とパパイヤの記憶の他はほぼ削除されている本作を、この辺でもう一回インストールし直すのも脳へのショック療法になるんじゃあないかと。ウィルスとかいうな。ここ最近の大河ドラマは『いだてん』以降、賛否は分かれても概ね面白い作品が続いているので、たまにはアレな作品を見直すことで贅沢病を改めると共に『意外と面白いじゃん!』と評価が逆転するかも知れません。それは210%ないと確信しているけどね。

あ、ちなみに私はこの再放送のニュースをキッカケに同局で今週の日曜日に三谷さんの『愛と哀しみのシャーロックホームズ』が放送されることを知りました。これ、友人から借りて見たことあるけど、メチャクチャ面白かったので、BS松竹東急を見られる方には是非、オススメ。この局、今まで全然ノーマークでしたけど、アニメの再放送も結構コアなのやってくれているのね。今季から『文スト』第1期からやってくれるしさ。この局を認知出来たのが『天地人』というスィーツ(笑)大河が私に残した唯一最大の功績といえるかも知れません。尚、どこまで本編を視聴し続けるかは未定。感想も書きません。当たり前だ。今度こそメンタルが壊れる。

 

次はこれ。

 

 

 

一昨年末の帝銀事件以来、久々のシリーズ最新作。今回は森山未來の抑えめの芝居を見られたのが最大の収穫かな。再来年の大河ドラマで秀吉を演じて欲しくなりました。ラスボス系の秀吉が似合いそう。主演とは『いだてん』でも接点あったからね。ドラマの内容は……うん、まぁ、最近はこんなもんじゃね?(目逸らし

結局のところ、本シリーズは『長官狙撃事件』の回を越えるモノがないんだよな。あれ、ドラマのクオリティがめちゃくちゃ高かったんだけど、今回は真相を証言しようとした記者が露骨な脅迫で口を噤んだことを批判されて『オラにも女房子供がおるから勘弁してケロ』と泣きを入れるシーンとか、あまりにもドラマとしてベタ過ぎたのよね。また、今回もJFKや赤報隊や帝銀事件の回のようにドラマパートで主張が前面に出過ぎて鼻につくんよ。折角、ドラマとドキュメンタリーを分けてあるんだから、その利点を活かせばいいのになぁ。あと、本編でGHQの恐ろしさを声高に喧伝する割に、下山総裁を物理的に排除するリスクを冒さなきゃ国鉄一つ抑えられない米帝さんの描かれ方は、世界の平和を脅かす巨大組織ショッカーが幼稚園の送迎バスをジャックする矛盾に近いものを感じました。

ただ、米帝黒幕説に代表される本作の仮説に関しちゃあ、恐らくは制作陣たちも本気で信じてはいないのではないかとも思えます。今回、前作と同じ大沢たかお演ずる松本清張がゲスト出演していましたけど、前回は主人公ということで抑えめであった胡散臭さが全面に出ていて、そのシーンには、

 

たま出版の韮澤さんが出演する超常番組

 

のような雰囲気ムンムンでこの人のいうことを真に受けちゃいけないよという裏のメッセージが潜んでいるように思えたのよね。

一方で下山事件は複数の組織の思惑が時間差で重なったせいで全体像が見えなくくなったという解釈と、プロローグとエピローグでロッキード事件を重ねることで、米帝の日本への影響力の大きさを表した構成は巧かった。先述のようにドラマパートで主張が全面に出過ぎると萎えるけど、こうしたサラッとした描き方であれば、主張の賛否は別として評価出来るのよ。放送の度に文句を垂れながらも毎回見ちゃう番組なので、次回も期待しています。

 

次はこれ。

 

 

 

昨年、最も話題になったと思われるドラマ。先日、地元深夜の再放送で全編視聴し終えました。結論から申しあげると、

 

4話以降は見なくてもよかった

 

です。第一話で主人公パーティーが全身にウコを塗りたくるシーンを筆頭に、アラフィフのおっさん二人が60年代の漫画活劇のような大冒険を大真面目にやるところがワクワクしたのに、VIVANTの正体判明以降はありきたりの諜報合戦になり、主人公のディアボロ的設定が作中で活かされることは終ぞなく、最終的にはラスボスと思しきキャラクターが実はいい人でしたというオチも含めて『あー……うん、もういいです』という結論にしかなりませんでした。後半でよかったのはスネイプ先生ネタだけだったな。まぁ、楽しんだか楽しんでないかといわれたら楽しんだほうではあるのですが、本作のように伏線の回収自体が物語の目的になってしまうのは現在の作劇の流行りなんでしょうかねぇ。

さて、本作に関しては海外で大コケしたという話題を耳にしまして、いつもの界隈から『価値観をアップデート出来ていない日本のドラマが海外で通用する筈がない』という声があがったのを覚えています。その当時は視聴中で何とも申しあげれませんでしたけど、今なら言える。それは全然違う。本作は愛国心や家族愛の全肯定を全面に押し出した作劇なのですが、それって日本の現代劇では滅多に見られないから目立つけど、海外ドラマでは珍しくも何ともない価値観なんですよ。だから、価値観をアプデ出来ていないのではなく、当たり前過ぎて差別化出来なかったというのが正しいんじゃあないかと思います。この辺は『シン・ゴジラ』や『ガメラ2』などで描かれたように日本人が使命感を抱く対象は国家や家族よりも仕事のほうが好適であるし、海外作品との差別化が図れたのではないでしょうか、知らんけど。

 

最後はこれ。

 

 

 

ルパコナの系譜に連なるであろうクロスオーバー作品第2弾。『CH新宿プライベートアイズ』で復活した来生三姉妹の活躍が見られると期待していましたが、現代風にブラッシュアップされたキャッツのコスチュームを除いて、期待外れにも程がある内容でした。ストーリー自体は手堅くまとめたのを認めるに吝かではないものの、キャラクターの扱いが雑。特にクロスオーバー作品は両作品のキャラクターの活躍の度合いが肝で、謂わば大団体同士のプロレス合同興行のように『誰にどれだけの見せ場を与えるか』繊細な匙加減が必要とされるのですが、本作は只管キャッツがルパンの足を引っ張る展開に終始していました。いや、まぁ、ルパンと比べたらキャッツなんて日本のローカル怪盗でしかないし、最年長の泪姉でさえ、年齢的に小娘に見えるのはやむを得ないとしても、あまりにも扱いに差があり過ぎた。ルパコナがTV版・劇場版共に53:47でルパンのほうが上くらいの、絶妙な配分であったのと対照的ですね。最年少で未成年の愛が足を引っ張るのは判る。瞳も俊夫絡みで取り乱すのは許そう(そんな展開はなかったけど)。しかし、司令塔の泪姉まで妹たちと同レベルで右往左往してどーするよ。次元を色仕掛けで誑かす泪姉とか見たかったんよ。俊も俊でアバンで瞳のおっぱい揉むシーンしか見せ場なかったやんけ。そして、何より、仮にこれらの欠点を全て丸呑みするとしても、一番納得がいかないのは、

 

俺の大好きな浅谷君が出なかった

 

ことでした。久しぶりに榊原さんのコメディ系ハイトーンなお芝居が見られるかと期待していたのに……。

 

 

 

 

 

 

 

毎度毎度、私がブログで『暫くは仕事で更新が滞ります』と宣言した途端にビッグニュースが舞い込んでくる現象、誰かテキトーな名前をつけてくれると嬉しいのですが、取り敢えず、善くも悪くも色々と思うところがありましたので、今週はコレで短めの記事をUPします。

 

 

 

 

一部報道では『本当は櫻井翔主演の福沢諭吉が内定していたが、昨今の事務所騒動で立ち消えになった』との噂がマコトシヤカに囁かれていた2026年の大河ドラマ。個人的には真珠湾攻撃に参戦した100歳オーバーのお爺ちゃんに『戦場でアメリカ兵を●すって、どういう気持ち?』などという手心の欠片もない質問を真顔でぶつける櫻井の空気の読めなさっぷりは、福沢を演じるに相応しいと思わないでもありませんが、数年前からスケジュールをガッツリと抑えられることに定評がある大河ドラマの題材や主演が、昨年の半ば過ぎに本格炎上した事案で容易に差し替えられるとは考えにくいので、恐らくはガセでしょう。ワイの中で福沢は日本史の嫌いな人物の十指に入りますが、同時に日本史における貢献度も十指に入ると評価しているので、いつか大河ドラマの主人公になってくれることを期待しております。

さて、肝心の2026年の題材ですが……うーん、何と評したらいいか、最初に聞いた時のワイの心境を端的に表すと、

 

食堂の日替わり定食、一昨日はカレーで今日はカレーうどんか

 

でしょうか。豊臣兄弟って『どうする家康』で結構尺を費やした(割に中身は薄かった)のに、その3年後に同じ題材をやる? シンプルに口飽き感が半端ないのよね。今回は幕末か明治の順番やろ、jk。一応、主役は小一郎らしいけど、タイトル的には秀吉とのダブル主人公になるのは確定的であり、あんだけ『どうする家康』でサイコパス風味に描いた羽柴ブラザーズを、今度は主人公として視聴者に感情移入させるようなキャラクターとして描かれても、空々しさが拭えないのではないでしょうか。それこそ、弟を主題にした大河でしたら、嘗て足利尊氏を演じた真田広之の『SHOGUN』が話題を集めている&逃げ若を中心に南北朝界隈の頭がフットーしている今こそ、

 

腹黒い弟の直義大河

 

のほうがビンビン来るのではないかと思います。

ただ、昨年の装鉄城さんの犬山ツアーで、私が直義大河を推す際につけ加えたようにナンバー2タイプの弟って兄貴を主人公にしたほうが効率的なのよね。これは小一郎だけでなく、武田典厩信繁も彼を主人公に据えるよりはフツーに信玄大河をやったほうが作り手側も受け手側もやりやすいと思うのよ。

 

それと謀臣タイプではなく、補佐役タイプのナンバー2って基本的にいい人路線になりがちなのよね。腹黒い弟の直義は紛れもない謀臣タイプだけれども、小一郎は補佐役タイプとして受け取られがちだからなぁ。大河ドラマの主人公である以上、一定のドス黒描写は避けられないのですが、小一郎の場合はサッルという大河ドラマの暴君のフリー素材みたいな兄貴がいるので、全部兄貴のせいにして主人公はキレイキレイで終わらせる危険性も充分あり得そう。そもそも、補佐役小一郎というのも堺屋太一が20世紀に提唱した史観なので新鮮味に欠けるというか、それだったら『秀吉』を再放送したほうが早いよね。ただ、この辺の不安要素は近年の研究で明らかになりつつある秀長銭ゲバ説をベースにして、兄貴の無茶振りに応えるために銭の亡者と化す小一郎という方向性で行ってくれると、史実と補佐役の印象と大河ドラマの主人公らしい暗黒面の全てをフォロー出来そうに思えなくもないので、再来年の大河ドラマは是非、

 

銭ゲバ45分的大河ドラマ

 

で進めて欲しいです。

あと、脚本は『VIVANT』の人なのか……今、遅ればせながら地元の再放送枠で途中まで見ていますが、伏線回収とどんでん返し自体が目的と化したような作劇は古沢良太氏に通じるものがありそう。その意味でもますます『どうする家康』と路線が被りそうだな。あと、松潤家康の再登板ある? それこそ、事務所の影響力の減衰が囁かれている昨今、今度は前作以上にドス黒い家康を期待したいです。

 

読み返すと結構否定的な内容になってしまいましたが、別に小一郎という人物や題材自体に含むところはありません。これは何度か明言しているように放送前からコケて欲しいと思う大河ドラマは(田渕や小松や中園が再登板した作品でも)ないのと同じですね。これも何度か言及しているように『真田丸』のように頭ハッピーセットのような事前キャッチコピーから一転、近年の大河ドラマのスタンダートとなった作品もあるので、あくまでも見たうえで判断したいと思います。期待よりも不安が大きいのも事実ですが、よく考えたら事前の期待値を上回った近年の作品って『八重の桜』第一部と『いだてん』と『鎌倉殿』くらいしかないからなぁ。

 

よし、来週こそは休む、多分。