「小さくても善いものを」近代日本文学館 夏の文学教室で振り返る文化学院

文化学院在籍時に、20年くらい前に講義を受講していた荒川洋治先生が講演をなさるので、近代日本文学館 夏の文学教室へ行きました。

1コマ目の赤坂真理先生は、今の文化学院の先生で、文化学院という視点から、西村伊作の生い立ちから大正という時代に迫るお話。

2コマ目の荒川洋治先生は室生犀星を中心に、現代詩という文学の成り立ちや、書評から読む、室生犀星という作家の視点のお話。

3コマ目の阿刀田高先生は、自身が幼い頃に触れた蕗谷虹児の本から、竹久夢二のお話や、夏目漱石芥川龍之介といった文豪のお話。

どのお話もふふっと笑えて、ときにシニカルで、とても楽しかったです。

赤坂真理先生「物語に人がついていくという視点から見れば、政治も経済もすべてが物語。だから人文学が必要」

荒川洋治先生「小説は経緯の説明、詩は行間の空想。だから良い詩には1行に崖があって読者をうまく突き放す」

阿刀田高先生「夏目漱石なんて小説はうまくないです。あんなものが教科書にあるからつまらない」

など、名言珍言だらけの文学教室。

入場者のほとんどが高齢層だけれど、中高生こそ連れて行ってあげたいなと。
あなたの学校の先生が言えないこと、言わないこと、教えることもできないこと、たくさん教えてくれる。

それは必ず「小さくても善いもの」を選ぶ大切な財産になるよ。

断言できるのは、わたしが荒川洋治先生を始めとした"文化学院だからこそ"いらっしゃった個性豊かな、

ときには自分のいる世界に喧嘩も売るような先生方に囲まれていたからです。

贅沢な学生時代だったと、過去を振り返り、久しぶりに時間を巻き戻したくなった。あの中庭のある学校で、また先生方の不思議な、素敵なお話を聞きたいな。

荒川洋治先生は、文化学院に復帰したそうです。

学長に頼み込んで聴講生として荒川洋治先生だけ、お話を聞きに行こうかしら?(笑)

マキコ先生、佐竹先生にお会いできました。午後をまるっと使うのでフリーランスなりの勇気が必要でしたが、まるっと使い切ってお釣りがあるくらい、素敵な時間を過ごせた!

来年、また荒川洋治先生に会いに行きたいです。今度は、お年頃な女の子でも連れて……(・∀・)

趣味で、明日は裏方業だよ!

昔は音楽の世界に足の小指の先っちょを浸していました。

就活なんてしたことなくて、趣味とバンドの裏方不足を兼ねて手伝っていたら

打ち上げで事務所に来ないか?と誘われたからです。

拾ってくださった上司も昔の方だから

「やってみろ、責任は俺が取る」と、全部がぶっつけ本番で染み込ませていく教育でした。

その代わり、THE 師弟関係という形なので、首を掛けて守っていただいていました。

とても、あったかい師匠でした。

身体を壊して音楽の世界は引退した今も、理由はよくわかんないけど(笑)師匠が呼んでくださることがあります。

一周して、わたしもお父ちゃんと呼んでいるし、敬語が抜けるくらいに仲良しです。

そんなお父ちゃんから手伝って!と素敵なお誘いメールが届きました。だから、バンド側の裏方さんを一年ぶりくらいにやります。

「猫の手 貸します」

 

師匠には、師匠の人生を賭けて守ってもらったからこそ、本気を出したいのです。

物販に立つなら、やはり売らねばなりますまい。

とはいえ、バンドにいいライブをしてもらわない限り、売れるものも売れないですよ。

しょせん、物販スタッフがやれることなんて限られすぎている。

バンドはその重圧も、ファンの愛も全部背負ってがんばっているんですから、気合が入りますね!

たとえ、2度と会わないかもしれないお客様でも、全力で対応できる瞬間が来た!って気がします。

 

物販は、どうアプローチしたら目の前のお客様は笑ってくれるかな?楽しかった!と心から家に帰って、もう一度思い出してくれるかな?と

コミュニケーションを考えさせられる場所です。

昔は物販、大嫌いだったのに……。

師匠のところを出て、別のバンドさんと直接、ギャラをいただいてやった頃のお客様たちが、かわいくてかわいくて!

もう、みんなお客様が素敵な女の子たちで、それから気づいてしまいました。

物販、超楽しい(笑)

みんながライブ楽しかったー!って私に、真っ先に、キラキラの笑顔で伝えてくれるんですよ。

「実は不登校だったのだけれど、どうしてもライブに来たかったから親と話し合った」とか、すごくがんばってライブに来てくれたことを打ち明けてもらえたことも……。

目の前でかわいいお客様に伝えられて、ありがとうなんて言われたら、がんばっちゃう(笑)

そこを家庭の都合で抜けたときには、ラストの現場で、お手紙をくださったお客様もいました。

「あんころさんは、物販スタッフは誰でも変わらないと言っていたけど、違いますよ。あんころさん、いつもニコニコ笑っててくれた。だから気持ちよく帰れたんです」と書いてあって、涙が止まらなくなったことも覚えています。

伝わってたんだな、ニコニコしてあの子達を迎え、送りたかった気持ちが……。

そのお手紙たちは、今も大切にしています。

 

久しぶりの興奮と、少しの懐かしさに寝付けないまま書いてしまった。

明日、いいライブをしてくれると信じてーー。

私も、ベストを尽くします。待ってろよ、お父ちゃん!

文化学院というネバーランド

わたしの母校は、文化学院という小さな小さな専修学校
自由な校風、という学校は多々あるけれど、文化学院の自由な校風は
もう、ド級の自由である。

たぶん今は変わってしまっているから、10年以上前にこんなネバーランドな場所があったことだけを書く。
きっと真面目な学生さんは、真面目な方は、怒るかもしれない。

ごめんなさい。

文化の場合、校歌はない。昔、叔父の代で誰かが作ったらしいが、却下された。
作った人たちは、今テレビで歌ったり演奏したり、しているそうだ。
この頃、屋根が腐っているから屋根で昼寝をしない!というルールができた。
古いのだ。学校が。

わたしの頃も、新校舎とは名ばかりの新校舎が、震度2で
怪奇現象かという程度に、ガッタガタと鳴った。
卒業した後、その校舎は全て取り壊されたから、
もうあの音は聴けない。

ド級の自由に戻ると、

まず、GW前に生徒がしれっと消える。
長めのGWで…
夏休みが明けると、ただでさえ少ない生徒が半分になる。
なんだろう?海外にでも行ったのかしら?

先生は特に気にしない。

一度だけ

「もう夏休みは終わりました。単位が取れませんよ、学校においで」

という内容ハガキが全生徒宛に届いたことがあるくらい、生徒がいなくなる。
ちなみに、このハガキは学長先生が知らないところで発送されたようで、
その事実を知った学長先生は、とても怒った。

「今、自分のやりたいことを見つけた子がいて、それを一生懸命頑張っていたらどうするの?無理に来させるの?それは教育じゃないよ」

こんな先生が学長先生だった。

女の子が大好きで、いつもにこにこしていて、素敵なおじいちゃまだった。

だから在籍する先生もフリーーーーーダムだ。
世間の常識はあまり存在しない。
だけど、存在しないから私は救われた。

「なにもないよ、特技なんて。私にはなにもない」

とメンタルがダークサイドだった私が特技を聞いた先生に返したら、
その先生はすごく嬉しそうに微笑んで

「そうかー!じゃあ、お前はないがあるんだ」

と、返してくれた。
そんなことはないだとか、誰でもいいところがあるだとか、綺麗事は言わなかった。
ただ笑って、ないがあるんだな!って返してくれる。
そんなことばが、ジワリと沁みる。

まるで詭弁のようだけど、綺麗事よりよほど美しく感じた。

生徒と目も合わせられない人見知りの先生もいた。
現代詩では高名な先生だけど、もう講義は先生が語る。
ちょっとした一人舞台のようで、見入ってしまった。

その先生のゼミで、小間使いをしていた。

シャイで人とうまく話せない父がいたので、先生がかわいくなっちゃったです。

目も合わせてくれないけれど、

「先生、体調は?」
「うん、悪くないよッ」(だいたい語気が荒い)
「コピー終わったよ」
「ああ、もう置いてあんたはあっち行って!」

一年中、こんな感じなのだけど、
一度だけ、先生は勇気を出してコーヒーをすすめてくれた。

「ちょっと!あんた!コーヒー!コーヒー飲む?」

怒鳴ってたし、顔はそっぽを向いていた。
嬉しかったので、いただいた。

オカルトなお話もある。

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手作りガトーショコラ

今週のお題「バレンタインデー」


ずーっとずーっと昔のこと

バレンタインデーに

その頃お付き合いしていた男性が

バレンタインだからと


ガトーショコラを手作りしてくれました。


大変、美味しゅうございました。


めでたしめでたし

弥生美術館さん、とうらぶタグに乗っかって伊藤彦造を推してください

この日記はそれだけをチンタラ書いてあります。

とうらぶタグに乗っかって~
ことの起こりは弥生美術館の高畠華宵Tweet
#とうらぶ  表記があったことです。

ビックリした!
弥生美術館がこの10年で知名度にょきにょきアップを成功させていて、ウキウキしている昨今。
徐々にきている中原淳一からの、高畠華宵にとうらぶタグ。
そこかー!!!
それあったかー!!!
私はゲームやらないし、日本刀の知識皆無なので
そちらのことはサッパリです…

でも美少年画から、弥生美術館はそこにきたかー!!!ってなったわけです。

しかも先日の特別ドラマ『デート』では、女性のモチーフに竹久夢二が使われていたし
宵待草も流れていました。

ならば!

そろそろあるかな、華宵の再燃…
と密かにワクワクと見守っています。
そしてできれば、もう一度、
美少年画家、伊藤彦造を生で拝見したい。

私は弥生美術館で、伊藤彦造展を観たい。

伊藤彦造氏は、伊藤一刀斎という剣豪の家系で幼い頃から日本刀で、剣の稽古をしていた挿絵画家です。
彦造本人の作品も、ほとんどが剣豪や、武士にちなんだ作品です。
ペン画の巨匠と呼ばれています。
画集再販してます!!!

だったら
とうらぶタグに乗っかりまくって、
伊藤彦造展もいけるんじゃない?!!って思ったわけです。

伊藤彦造展は、10年前に見てからそれっきり…
たぶん弥生美術館ではやっていないと思います。

写実的な水彩画も破壊力が抜群。


天皇の絵を血液で描くという色々と突き抜けた方ではありますが
とんでもない威力の作品で、絵を観て吐きそうになるのは久しぶりでした。
再販版よりも、絶版の過去の画集が欲しくて欲しくて
ひたすら神保町練り歩き、ちまちまと貯金して
絶版の画集をどうにか手に入れました。
家宝です。
私が死んだら、一緒に燃やしてほしい。

あまりにもったいないので
必ずや、美術館に寄贈したいです。

と言え、私設美術館を守る財力もない私が
華宵のツムラストラップ飾って、彦造の画集抱えて、
華宵がね、彦造がね、中原淳一がね、と語るよりも

みんな知ってるあのゲーム!!!

で、知名度を爆上げしていただくほうがありがたいわけです。
展示は客が来なければ成り立ちません。
私ができるのは、ちまちまとグッズ集めて
ちまちまと河出書房の変形A5版の本を買い集める程度です。

ゲームでもアニメでもなんでも、

乗っかれるもん全部乗ってがんがんいこうぜ!派なので
弥生美術館さんがやってくれた!!!と喜ばしい限り。


だって興味が持たれなくなれば、美術館が消えます。
管理にもお金がかかるから、作家もいつか消えてしまいます。

それは一番悲しいから、なんでも乗っかってくれ!と鼻息荒め。

ならば、そこにもう少し乗っかって伊藤彦造もいけませんか?!!となりました。

 

 

伊藤彦造イラストレーション 〔新装版〕

伊藤彦造イラストレーション 〔新装版〕

 

 


何かにかこつけて、できれば石原豪人展も待っています。
隔離していいので、ぜひ、林月光名義の作品も多めにお願いします。

華宵展は、数少ないけどお友達を連れて行くんだ。