教養としての「国名の正体」2019/10/25 10:37

ラグビーのワールドカップを見ていて、あるいは先日の即位礼正殿の儀に来日する各国の方々を見ていても、
「世界にはいろんな国があるなあ」
と思いませんか? もちろん、オリンピックやサッカーのワールドカップを見ていても。
実はぼくは、以前から地図好きなのです。そして過去の自分の本から気がついたのですが、どうやらモノの名前の由来に興味がある。その二つが合体した本を書きました。

世界には、よく知っている国名もあれば、オリンピックでしか見ない国名もあります。聞いたことはあるけど、どこにあるのかわからない国もたくさんあります。しかし、その国名にはどういう意味があるのか?…となると、ほとんどを知らない自分にガクゼンとしました。
あなたはご存知でしょうか?

通常、この手の本は、「アジア、アフリカ、ヨーロッパ…」などと地域に分けて書きます。けれどこの本では違っています。「山河大地国名」「人名国名」「動植物国名」…などと、国名の意味で分けて章立てしました。
するとそこには、「どういう理由でこの国名になったのか」という歴史や国民性も含まれていて、なかなか面白いのです。
さらに「似ている国名」という一章もあります。「オーストリアとオーストラリアは何で似ているの?」というのは、日本人なら誰でも思ったでしょう。こういった似ている国名パターンは、けっこうあります。はたしてそれは「他人(他国)の空似」なのか「理由があって似ている」のか?

当然「日本」という国名もまた、その中の一つです。
これは、ぼくが最近出した「日本の伝統」や「元号」について書いた本と同じく、「ぼくたちが住むこの日本って国は何なんだろう?」というテーマの延長線にあります。
ご興味あれば、ぜひご予約下さいませ!

ちなみに、タイトルに「教養としての」とついているのは、なにもぼくが偉そうにしているのではありませんよ。
元々、ぼくの案は『「国名」の正体』というシンプルなものでした。が、「それだと書店で、地理・地図の棚に置かれ、埋もれてしまうかもしれない」という出版社の配慮でプラスされました。ぼくは「なるほど。そうかあ」と感心しましたけど。

元号って何だ?2019/01/27 13:35

元号って何だ?
「平成が終わるのか!?」
と、世間が急に元号に興味を持った頃、小学館から、
「藤井さん、元号の本を書きませんか?」
と提案された。
「元号? いいですよ」
とぼくはわりと簡単に引き受けた。2017年末のことだ。
なぜかというと、実は数年前、ぼくはすでに一回「元号」の本を書いていたからだ。

その頃はもちろん、まだ世間は元号にあまり興味はなかった。が、ぼくは注目してした。というのは、
「元号をキャラ化すると理解しやすいんじゃないか?」
というアイデアを思いついたからだ。
だからこの本は、漫画の形になっている。なので、ぼくの名前はあまり目立たない。しかしその時、世間より早く、元号に関しては一通り勉強していたのだ。

改元日は5月1日と決まっていたけど、当初はだいぶ前に新元号を発表するのではないか? と言われていた。だから、
「藤井さん、早く書いてください」
とせっつかれ、実は2018年6月には、ほぼ原稿を書き上げて渡していた。が、そのあとずーっと、出版社から音沙汰なし。
「ボツなのか?」
と不安になったが、そうではなかった。出版社は、原稿を寝かせたまま、発売のタイミングを待っていたのだ。
そして、2月1日、『元号って何だ?』という小学館新書が出ます。

待っている間に書いた『「日本の伝統」という幻想』はすでに発売され、Amazonで一時的に売り切れるほど人気になっている。そんな時にもう一冊出すというのは、タイミングとしてどうなんだろう? 売れるのか? …と不安になる。
しかし元号本を出すにはこの時期しかないだろうなあ、というのもわかる。

というわけで、ぼくにしては珍しく短い間隔で本が出ます。よろしかったらお手に取ってみてください。すでに世間には多くの「元号本」がありますが、たぶんこれが一番読みやすいと思います。

第二弾物語112018/12/07 23:01

前作同様に「成人式は戦後から」「京都のおばんざいは昭和40年代から」「先祖代々之墓は明治から」…などと事例を並べる手もあった。雑学・ウンチク自慢をしたい方はそっちの方がよかったかもしれませんねえ。でも、ゴメン、同じような本って、つまんなくない?

『~の正体』ではスルーした方がいると思うけど、各章の前後扉に、「なぜそれが伝統になったのか?」という推測と分析の短い文章がありました。『~という幻想』は、そこんとこを拡大して、さらに深く分析・考察したものです。

前作が出た直後、「国技・大相撲」が不名誉な話題を提供してくれましたが、一年経っても変わらず…。本書には「旧両国」「蔵前」「現両国」の歴代国技館の写真も並んでます。「ははあ。伝統感なるものは、こうやって増していくのか!」というのが一目でわかりますよ。

あ、もちろん、成人式・おばんざい・あぶらとり紙・先祖代々之墓・訪問着・袋帯…など、一見古くからありそうなもののことも書いてますから、雑学・ウンチク好きの方も楽しめます。つまり、そのう……言いにくいけど…、要するに……『「日本の伝統」の正体』と『「日本の伝統」という幻想』の両方を読んでね! …なのでした。

第二弾物語102018/11/30 16:48

先日FM岡山に電話ゲストで出て、今回の本の話をさせてもらった。その時、「着物警察」の話題で盛り上がった。お相手が女性DJだったからだ。彼女も着物を着て出かけた時は、ちょいちょい着物警察に「職質」されるらしい。

実は、前作『「日本の伝統」の正体』を出した時、「週刊女性」の取材を受けた。取材の雑談の中で、編集者と「着物警察」の話になった。その編集者も女性だった。
「ウチの雑誌でも話題になり、ムッとしてる読者が多いんですよ」と。

もちろん「着物警察」という言葉は前から知ってたけど、ぼくはそれにドンカンだった。男だからだ。前作の反応から、「伝統」を振りかざすものへの違和感は、実は女性の方が強いと感じていた。だから今回の本に、「着物警察」の項目を入れたのだ。
FM岡山での盛り上がりは、それを実証したことになりましたねえ。

『「日本の伝統」という幻想』という本の一つの柱「伝統マウンティング」ってのはぼくの造語だ。なんか、マチズモとかミソジニーとか呼ばれるものと、近いとこにあるものかもしれんなあ…。

第二弾物語92018/11/30 08:28

『「日本の伝統」という幻想』は27日に発売。が、その日のAmazonがいきなり「一時的に在庫切れです」の表示。つまり売り切れ! 縁起をかついで、一年前の『「日本の伝統」の正体』と同じ日に発売したのに、同じように欠品で売り損じるという失敗も踏襲。なにもそこまで同じことをやらなくてもなあ・・・・・。 面白いのは、イベントで「Amazonで売り切れです」と言うと、みんな急に欲しくなるという状況も、去年と変わっていない。ひょっとして、そういう人間心理を見越して、Amazonへの出荷をわざと少なくしてたのか? だとしたら、おそるべき深謀遠慮! ・・・・・・もっとも、ぼくは「でも楽天にはありますよ。あと、街の本屋さんにもあります」と言っちゃうんですけどね。 でも、もう再入荷したようなので、ぜひ!