478回目の限定焙煎はペルー アンデスブルーと「若葉の頃」です。
最近、私の食卓から縁遠くなった食べ物ひとつに鯨肉がある。
ゲイニクって書くと何だかゲテモノ感が強いけど、昔は普通に食べていたのである。
ポピュラーなのは給食の立田揚げ、私はこれが苦手だった。
堅いしまずい、赤肉は小学生低学年では噛み切るのが大変だった。
それから正月料理に出るオバは触るのも嫌だった。
塩浸けにされていて脂肪でぬるぬる、触ると手が臭くなる。
実家が魚屋で、たまたま一人で留守番してる時に尾羽を買い求める人が来ると最悪だった。
ぬるぬるは取れないし、手は臭くなる。
だから今まで一度もオバを口にした事はない。
僕が鯨を食べれるようになったのは酒が飲める年頃になってからだった。
時々オノミを半解凍した刺身が食卓に出ていて、
或る日恐る恐る食べてみるとこれがうまい。
酒にも合うし、半解凍のシャキシャキ感も残り、意外とあっさりしている。
溶けて来るとドリップが出て来てちょっと引くけど、
それよりも食い意地の方が勝つのである。
あの肉は今では最高級とされるナガスクジラだったかも、
なんて思ったりしている。
今頃こんな事を書くのは、デパ地下でオノミを見つけたからだった。
それはショーケースの中で小さく、申し訳なさそうに座っていたのだった。
ペルーアンデスブルーと若葉の頃です。
ペルーは久し振りです。今回は北部のカハマルカ、カピージャの豆です。
北部の豆はコクがあります。
思いのほかしっかりしたボディで
キャラメルのような風味を感じます。
前回の中国のような強烈な個性はないですが
柔らかくまとまった、破綻のない安定感抜群のコーヒー豆です。