山下貴成+カン ヨンア / 山下貴成建築設計事務所が設計した、静岡・御殿場市の「高嶺の森のレセプション」です。
宿泊施設のレセプション棟の計画です。建築家は、環境に加えて宿泊棟の集まりも“ひとつの風景”として捉え、全体が調和して“群”となる設計を志向しました。そして、家型のコテージとも呼応する“緩やかなカーブを描く”屋根を持つ建築を造りました。宿泊施設の公式サイトはこちら。
静岡県御殿場市にたつ、宿泊施設のレセプション棟の計画である。
敷地は広大な森の中の丘陵地で、富士山への眺望や小川がせせらぐ自然豊かな土地である。
レセプション棟は点在する宿泊コテージの受付に加え、カフェやショップを有し、宿泊者だけでなく地域の人々にも開かれた交流の場としての機能が求められた。
地形に沿って配置される切妻屋根のコテージは平側が富士山を向き、通りから見ると妻側が一律に並ぶ特徴的な景観が生まれる。
私たちは自然と共にコテージの集まりをひとつの風景と捉え、敷地に対するたち方を共有することで調和のある群としての宿泊施設を考えた。レセプション棟ではコテージと呼応する家型のプリミティブな立面と富士山を縁取る四角い窓を直交して配置し、平面的にも断面的にも緩やかなカーブを描く屋根で繋いだ。
壁は屋根のカーブに内接するように雁行させ、梁を一方向に同ピッチで架け渡すことにより、内部では断続的なシークエンスを形成し、外部ではグラデーショナルな形状の変化が表情になって現れている。