小倉大+柳原まどか / コマド意匠設計室が設計した、秋田・北秋田市の「10tトラックと並存する家」です。
トラックの運転を仕事とする施主の為に計画されました。建築家は、土地を“有意義に”活用する為、敷地を“斜めに横断するように”細長い建築を配置する構成を考案しました。そして、住宅とトラックの間に“三角の中庭の様な余白の空間”を作り出しました。
秋田県北部、北秋田市に建つ住宅の新築計画である。
50代の夫婦が母屋の隣の敷地を購入し、4人家族のための住宅を建てたいという依頼だった。お施主さんは大型トラックの運転手。敷地内に10tトラックを置けるようにすることが課題であった。
10tトラックの大きさは幅3m×長さ12m×高さ4mほど。また普通自動車2台も置けることと、雪国であるため落雪の余裕と雪を寄せて溜めておくスペースが必要となる。住宅の規模は予算上、30坪程度が望ましいと判断した。
各車のスペースをまとめて確保し、残りのスペースに住宅を配置する方向性も検討したが、窮屈な印象であった。角地であり、花畑に面していて日当たりも良いこの土地を無理なく有意義に利用できる方法はないかと考えた。
検討の結果、幅2間×長さ7.5間の細長い住宅を、四角い敷地に対して斜めに切るように配置することにした。
北側は普通車2台分の駐車スペースとし、南側はトラックを駐車するスペースとした。トラックが置かれていない時や、旦那さんが普通車で帰宅した際は南側が開けた土地となり、トラックが置かれた時は小さな三角の中庭のような余白のスペースが生まれる。リビングを東側の先端に配置することで、南側からは明るい日差しを取り入れ、東側の窓からは開けた空と花畑が見ることができる。