清水研と直接関係するセミナーは、以下の3つです:

1.清水研ランチセミナー

毎週、全員でランチを一緒に食べに行って、その後でセミナーをしています。発表は、清水研のメンバーが順番に担当しています。集中講義などでセミナーができな いときも、できるだけランチだけはやるようにしています。

2.清水研セミナー

以下のように、不定期で行っています。

3.物性理論グルプーのセミナー

毎週行っています。詳しくはここをご覧下さい。

以下には、2についてのお知らせだけを記してあります。(1については内輪だけ に報せており、3についてはここをご覧下さい)



清水研セミナー

他の研究室のスタッフ・学生の方々の来聴も歓迎し ます

事前申し込みなどは一切不要です が,他に何か問い合わせした い方 は shmzアットマークas2.c.u-tokyo.ac.jpまで。

セミナー会場へのアクセスは、こ こを ご覧下さい。

Seminars hosted by Shimizu Lab.

Open to all researchers and students!
No application is necessary.

access and map

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2019/8/27 (Tue) 14:00-15:30, room 829, 8F of Building 16, Komaba I campus, The University of Tokyo.

Speaker

 仙場 浩一 氏 (情報通信研究機構 未来ICT研究所)

Title

回路QEDの物理:人工原子と共振器の結合はどこまで強くできるか

Abstract

自然な原子を用いる cavity-QED では、量子振動やエンタングルメントが観測可能となるいわゆる強結合条件を満たすために、巨大な双極子モーメントを有するRydberg原子と超高Q超伝導空洞共振器という究極的な組み合わせに行きついた。では原子の代わりに ジョセフソン接合「原子」を用いる circuit-QED では、結合の強さはどこまで強くできるのだろう? 興味深いこの問題について Devoret-Girvin-Schoelkopf 論文[1]をガイドにして再考する。また、最近、私達が実験から得た「深強結合」と呼ばれる非常に強い 物質・光 相互作用の実験的証拠についてもご紹介したい[2-4]。

参考文献
[1] M. Devoret, S. Girvin, and R. Schoelkopf, 'Circuit-QED: How strong can the coupling between a Josephson junction atom and a transmission line resonator be?', Ann. Phys. (Leipzig) 16, No. 10-11, 767-779 (2007)/ DOI 10.1002/andp.200710261
[2] F. Yoshihara, T. Fuse, S. Ashhab, K. Kakuyanagi, S. Saito and K. Semba, 'Superconducting qubit-oscillator circuit beyond the ultrastrong-coupling regime', Nature Physics 13, 44(2017)/ DOI:10.1038/NPHYS3906
[3] F. Yoshihara et al., 'Inversion of Qubit Energy Levels in Qubit-Oscillator Circuits in the Deep-Strong-Coupling Regime', Phys. Rev. Lett. 120, 183601 (2018)/ DOI:10.1103/PhysRevLett.120.183601
[4] 布施智子, 吉原文樹, 角柳孝輔, 仙場 浩一,「超伝導人工原子と電磁場の相互作用」〜強結合のその先へ〜 日本物理学会誌 Vol.73, No.1 p.21-26 (2018).


2019/4/03 (Wed) 13:30-14:30, Komaba Institute for Science,  4F of Building 10, Komaba I campus, The University of Tokyo.

Speaker

Dr. Victor Bastidas (NTT)

Title

Ergodicity and localization in periodically-driven systems

Abstract

  One of the most intriguing behavior of manybody systems is the emergence of exotic collective effects such as quantum phases of matter at low temperatures. In recent years, it has been shown that isolated systems can thermalize due to the interactions between the particles. Thermalization is intimately related to the concept of ergodicity, which is intimately related to quantum manifestations of chaos[1]. However, not all the systems are able to thermalize, because ergodicity can be broken under the effect of disorder[5–7] or an external drive[3, 4].  Recent experiments have shown breaking of ergodicity in cold atoms[8] and superconducting qubits[9].
In this talk, I will discuss the role that disorder and external driving play on localization properties of manybody systems. In particular, I will focus on the dynamics of a one-dimensional lattice of interacting bosons under the effect of driving and disorder[10]. I will discuss in detail how an external drive can destroy localization. When the system is periodically-driven, we can represent the stroboscopic evolution in terms of an effective Hamiltonian that describes the
dynamics at discrete times. By using tools of graph and percolation theory, one can interpret the dynamics of the system in terms of graphs. I will also discuss the potential applications of our results to quantum simulation and Floquet enginering[3, 4].

[1] M. Srednicki, Phys. Rev. E 50, 888 (1994).
[2] A. Lazarides, A. Das, and R. Moessner, Phys. Rev. Lett. 115, 030402 (2015).
[3] S. Restrepo, J. Cerrillo, V. M. Bastidas, D. G. Angelakis, and T. Brandes, Phys. Rev. Lett. 117, 250401 (2016).
[4] A. Eckardt, Rev. Mod. Phys. 89, 011004 (2017).
[5] D. Basko, I. Aleiner, B. Altshuler, Ann. Phys. 321, 1126 (2006).
[6] R. Nandkishore, D. A. Huse, Annu. Rev. Condens. Matter Phys. 6, 15 (2015).
[7] E. Altman, R. Vosk, Annu. Rev. Condens. Matter Phys. 6, 383 (2015).
[8] M. Schreiber, S. S. Hodgman, P. Bordia, H. P. Lschen, M. H. Fischer, R. Vosk, E. Altman, U. Schneider, I. Bloch, Science 349, 842 (2015).
[9] P. Roushan, C. Neill, J. Tangpanitanon, V. M. Bastidas, A. Megrant, R. Barends, Y. Chen, Z. Chen, B. Chiaro, A. Dunsworth, A. Fowler, B. Foxen, M. Giustina, E. Jeffrey, J. Kelly, E. Lucero, J. Mutus,1 M. Neeley, C. Quintana, D. Sank, A. Vainsencher, J. Wenner, T. White, H. Neven, D. G. Angelakis, J. Martinis, Science 358, 1175 (2017).
[10] V. M. Bastidas, B. Renoust, Kae Nemoto, W. J. Munro, Phys. Rev. B98, 224307 (2018)


清水研名物:根掘り葉 掘りセミナー (*)

2018/7/11 (Wed) 13:30-17:00, room 107, 1F of Building 16, Komaba I campus, The University of Tokyo.

Speaker

松井千尋 氏(東京大学数理科学研究科)

Title

準局所保存量と可積分量子スピン鎖の非平衡でのふるまい

Abstract

可積分系における準局所保存量が、可積分 量子スピン鎖の非平衡でのふるまいにどう影響するかについてお話しする。特に、XXZスピン鎖を例にとり、次の二つの問題に焦点を当てて 議論する。


1. 可積分系の緩和先最近、孤立量子系の熱化についての議論が盛んに行われている。熱化のメカニズムに関してeigenstate thermalization hypothesis (ETH)が提唱され、非可積分な場合は全てのエネルギー固有状態に対してETHが成立すると信じられている。一方で、可積分な場合は全 ての固有状態に対 してETHが成立するわけではなく、その緩和先はgeneralized Gibbs ensemble (GGE)で記述される。GGEはカノニカル分布を一般化して系がもつ複数の保存量を含む形に置き換えたものであるが、どの程度の保存量 がGGEに含まれ るべきかについてはいまだ多くの議論がある。XXZスピン鎖に関しては、準局所保存量を含むGGEで緩和先が記述できるという一応の証拠 が得られたので、 それについて説明する。

2. スピンカレントの弾道性一次元可積分系のカレントが有限であるかどうかの議論は、実験・理論ともに長い歴史がある。保存カレントである熱流にはじまり、非保存カレントであるスピンカレントが主な研究対象となっている。今回は、XXZスピン鎖における外部磁場ゼロ、有限温度でのスピンカレントに焦点を当てる。非保存カレントが長時間経過後に有限に残るかどうかは、系がもつ保存量とカレントの間にoverlapがあるかどうかで決定される。準局所保存量の性質の一つである奇のパリティを利用し、スピンカレントが有限であることを示す。

(*) 根 掘り葉掘りセミナーとは何か?

清水が、榊裕之先生の「榊量子波プロジェクト」のグループリーダーを務めていたときに始めたセミナーで、「清水がわかるまで、時間無制限でやる」という、ひ どく我が儘なとても先進的なセミナーのことです。今までそ の犠牲になったそれに応じて下さった先生方は、十倉好紀先生、上田正仁先生、小川哲夫先生、池田研介先生、長岡浩司先生、堀田知佐先生など です。


2018/3/15 (Th) 10:30-12:00 (Part 1), 13:30-15:00 (Part 2), room 829,  8F of Building 16, Komaba I campus, The University of Tokyo.

Speaker

堀田 昌寛 氏(東北大学)

Title

Part 1: A Brief Review of Quantum Information Aspects of Black Hole Evaporation (slide)

Part 2: Soft-Hair Enhanced Entanglement Beyond Page Curves in Black-hole Evaporation Qubit Model (slide)

Abstract

Part 1: I will provide a review of black hole evaportion, information loss paradox, Page curve, and black hole firewalls.

Part 2: We propose a model with multiple qubits that reproduces the thermal properties of 4-dimensional (4-dim) Schwarzschild black holes (BHs) by simultaneously taking account of the emission of Hawking particles and the zero-energy soft hair evaporation at horizon. The results verify that theentanglement entropy between a qubit and other subsystems, including emitted radiation, is much larger than the BH entropy analogue of the qubit, as opposed to the Page curve prediction. Our result suggests that early Hawking radiation is entangled with soft hair, and that late Hawking radiation can be highly entangled with the degrees of freedom of BH, avoiding the emergence of a firewall at the horizon.



2017/10/02 (Mo) 10:00-12:30, room 119,  1F of Building 3, Komaba I campus, The University of Tokyo.

Speaker

松崎 雄一郎 氏(NTT物性科学基礎研究所)

Title

デコヒーレンス下で標準量子限界を超える量子計測

Abstract

 近年、量子ビットの重ね合わせを用いた高感度磁場センサに関する研究が、理論と実験の双方から進められている。さらに量子絡み合いを用いることで、原理的には既存のセンサを上回る感度での磁場センサが実現可能である。しかしながら、量子絡み合いはデコヒーレンスに対して脆弱であるため、現実的な環境が存在する状況の下で本当に高感度化が達成できるかは自明でない。近年になり我々は、位相緩和の影響の下で、古典限界を超える感度を持つ量絡み合いセンサを構築する手法を理論的に提案した。本講演では、位相緩和の計算手法と、量子計測における感度の求め方について説明したのちに、量子絡み合いを用いた高感度センサの構築する手法について紹介する。
参考文献 Yuichiro Matsuzaki, Simon C. Benjamin, and Joseph Fitzsimons, Phys. Rev. A 84, 012103


清水研名物:根掘り葉掘り セミナー (*)

2017/4/25 (Tu) 10:00-15:00, room 119, Building 16, Komaba I campus, The University of Tokyo.

Speaker

濱崎 立資 氏(東京大学理学系研究科上田研)

Title

孤立量子系における熱平衡化現象 (濱崎さんのご厚意でスライドを公開いたします)

Abstract

 孤立系がどのように熱平衡状態に達するかをミクロな動力学から理解することは、統計力学の基礎づけに関する重要な問題である。近年、冷却原子系などを用いた実験技術の発展により、ほとんど孤立した量子系のダイナミクスを制御・観測できるようになった。それに触発され、孤立量子系での熱平衡化の機構や条件が理論的にも急速に理解されている。本セミナーでは、物理量の長時間後の期待値が実効的に熱平衡分布を用いて記述できるかどうかという問いを中心に、孤立量子系の熱平衡化現象の基礎的事項についてレビューする。
 まず、熱平衡状態への緩和の一般的な条件について解説する。特に、エネルギー固有状態自体が熱的に振舞うと主張するEigenstate thermalization hypothesis (ETH)による、量子系特有の緩和機構について詳述する。次に、個々の量子多体系のクエンチダイナミクスについて、系の非可積分性に着目しつつ議論する。系が非可積分的であればETHによる熱平衡状態への緩和が期待されている。一方で、可積分系においては一般化Gibbs分布と呼ばれる非熱的な状態が定常状態を記述すると考えられている。これらの結果を中心に、近年の発展も交えながら解説する予定である。

Reference
[1] J. Eisert, M. Friesdorf, and C. Gogolin, Quantum many-body systems out of equilibrium, Nat Phys 11, 124 (2015).
[2] A. Polkovnikov, K. Sengupta, A. Silva, and M. Vengalattore, Rev. Mod. Phys. 83, 863 (2011).
[3] M. Rigol, V. Dunjko, and M. Olshanii, Thermalization and its mechanism for generic isolated quantum systems, Nature 452, 854 (2008).

(*) 根 掘り葉掘りセミナーとは何か?

清水が、榊裕之先生の「榊量子波プロジェクト」のグループリーダーを務めていたときに始めたセミナーで、「清水がわかるまで、時間無制限でやる」という、ひ どく我が儘なとても先進的なセミナーのことです。今までそ の犠牲になったそれに応じて下さった先生方は、十倉好紀先生、上田正仁先生、小川哲夫先生、池田研介先生、長岡浩司先生、堀田知佐先生など です。


2017/03/28 (Th) 13:50-14:50, room 621,  6F of Building 16, Komaba I campus, The University of Tokyo.

Speaker

樋田 啓 氏(NTT物性科学基礎研究所)

Title

超伝導量子回路を用いたスピンセンシング

Abstract

 近年、種々の量子ビットの制御性、コヒーレンス特性等が向上したという背景もあり、量子計測に関する研究が盛んに行われている。固体素子を用いた量子ビットの中で、超伝導量子ビットをはじめとする超伝導量子回路は、マイクロ波による高い制御性や長いコヒーレンス時間等の特性から、高い感度を持つセンサを実現するプラットフォームとなり得る。たとえば、線幅の狭い超伝導共振器と量子限界で決まるノイズ特性を持つジョセフソンパラメトリック増幅器を用いた電子スピン共鳴の実験が行われており、10^3 spins/\sqrt{Hz}以下の高い感度が実現している。さらに、共振器への入力ノイズをスクイーズすることによる感度向上も試みられている。
 本発表では、共振器を用いた方法とは異なるアプローチである磁化検出型の電子スピン共鳴を、超伝導量子干渉素子(SQUID)ならびに超伝導磁束量子ビットを高感度の磁束計として用いて行った結果について述べる。特に、超伝導磁束量子ビットを用いた実験では、500 spins/\sqrt{Hz}程度の高い感度、50 fL程度の小さな検出体積を実現した。


2016/11/8 (Tu) 10:10-11:50, room 829,  8F of Building 16, Komaba I campus, The University of Tokyo.

Speaker

(1) 早瀬潤子 氏(慶応義塾大学理工学部)60 minutes including discussion
(2) Members of Shimizu lab. 5 minutes each including discussion

Title

(1) ダイヤモンド中電子スピンを用いた量子センシング
(2) Current studies in Shimizu lab.

Abstract

(1) 近年,半導体中2準位系の量子コヒーレンスを利用した量子情報・量子計測に関する研究が盛んに行なわれている.なかでもダイヤモンド中の窒素空孔中心(NV中心)中心に局在した電子スピン状態は,室温において長いスピンコヒーレンス時間を有すること,光やマイクロ波を用いた初期化・制御・読み出しが容易であることから,高感度・高空間分解能を有する量子センサへの応用が期待されている.NV中心を用いた量子センサを実現するためには,特性の良く制御されたNV中心の生成技術とともに,電子スピン状態を高度に量子制御しながら磁気共鳴を測定するための光検出磁気共鳴顕微鏡を開発することが重要である.本発表では,基板微細加工と化学気相成長(CVD)法を組み合わせた新しい手法による位置・配向制御されたNV中心の生成と特性制御に関する我々の研究成果を紹介するとともに,我々が開発した高感度光検出磁気共鳴顕微鏡の概要と電子スピンコヒーレンスを用いた微小交流磁場センシングに関する最近の我々の成果を紹介する.


2016/10/20 (Th) 10:00-16:00, room 121, Building 3, Komaba I campus, The University of Tokyo.

Speaker

稲葉 肇 氏(日本学術振興会特別研究員PD)

Title

古典統計力学の歴史的展開:アンサンブル理論を中心に

Abstract

 統計力学の歴史を振り返るとき,われわれは常にマクスウェルやボルツマンの名に言及する.それは決して誤りではない.彼らは物理学に確率分布を持ち込み,気体の振舞いを探究し,熱力学第二法則の導出をめぐって華々しい論争を繰り広げた.そのことについては詳しい研究も数多い.しかし,しばしば(古典)統計力学の完成者として語られるギブスについてはどうだろうか?
 このセミナーでは,まず歴史研究の手法を紹介し,通常語られる統計力学の歴史を確認する.その後,講演者の関心であるギブスのアンサンブル理論の形成と受容について,いくつかの結果を述べたい。



2015/04/09 (Th) 11:00-16:30, room 202 (Shimizu Lab. room), Building 16, Komaba I campus, The University of Tokyo.

Speaker

Prof. Tobias Brandes (Technische Universitat Berlin, Institut fur Theoretische Physik)
畠山遼子 氏(清水研M2)

Title

A Special Seminar with OHANAMI (お花見) Lunch

Program

11:00-13:00 : OHANAMI (お花見) with lunch
13:00-14:00 : Talk (incl. discussions) by Ryoko Hatakeyama: Quantum Thermodynamic Machines
14:00-14:30 : Coffee
14:30-15:30 : Talk (incl. discussions) by Prof. Brandes : Feedback Between Interacting Transport Channels
15:30-16:30 : Coffee and genearal discussions


2015/1/21 (Wed) 14:50-16:00, room 410, Advanced Research Laboratory, Komaba I campus, the University of Tokyo.

会場についての注意: ラグビー 場の近くにあるAdvanced Research Laboratoryの4階の大会議室(410号室)ですが、この建物の入り口は、エントランスカードがないと入れません。外 部からお越しの方は、清水研(16号館2階202室)に立ち寄るなどして、駒場の教員や学生と一緒にご来場下さい。

Speaker

渡辺 悠樹 氏(University of California, Berkeley)

Title

Time crystalの実現不可能性 (Absence of Quantum Time Crystals)

Abstract

空間並進対称性を自発的に破る通常の結晶とのアナロジーで、近年Frank Wilzeckは時間並進対称性を破る"time crsytal”、つまり「時間方向への結晶」という新しい状態を提案した。この理論的提案はその実現可能性に関して様々な議論を呼んだが、既存の議論においてはtime crystalの定義自体が曖昧になっているという問題がある。今回我々は、まず時間依存相関関数を用いたtime crystalの定義を提案し、そのように定義されたtime crystalがHamiltonianの局所性を要求する限り存在しないことを一般的に証明する。

In analogy with crystalline solids around us, Wilczek recently proposed the idea of "time crystals" as phases that spontaneously break the continuous time translation into a discrete subgroup. The proposal stimulated further studies and vigorous debates whether it can be realized in a physical system. However, a precise definition of the time crystal is needed to resolve the issue. Here we first present a definition of time crystals based on the time-dependent correlation functions of the order parameter. We then prove a no-go theorem that rules out the possibility of time crystals defined as such, in the ground state or in the canonical ensemble of a general Hamiltonian, which consists of not-too-long-range interactions.

渡辺さんのご厚意で、セミナーのスライドをここにおきます。


清水研名物:根掘り葉 掘りセミナー (*)

2013/6/13 (Th) 13:30-17:30, room 129, Building 16, Komaba I campus, the University of Tokyo.

(Will be extended, if necessary, to 6/14 (Fr))

Speaker

堀田 知佐 氏(京都産業大学)

Title

グ ランドカノニカル数値解析

Abstract

有限系の数値計算は、いまや、凝縮系物理の理論研究に不可欠なツールとなっているが、手法に依らずその行く手を常に阻むのが、有限サイズ効果と境界効果である。我々は、ここ数年来の研究をもとに、この二つの負の効果を有効的に除去し、数十サイトの有限格子系の量子多体問題において、バルクの物理量を擬似的に10^{-4}の精度で得る解析方法を編み出した。具体的には, 端の開いた境界条件のもと、系の中央でエネルギースケールを最大にし、端で零とするような緩やかなスケーリングを行う。スケーリング関数には、西野らが考案したsine^2関数[2]を積極的に利用し、零エネルギーの端状態を生成する。この端状態が 有効的に系の中央部分と断熱的に接続され、
端状態をバッファとして系の中央部分をバルクな状態に変分的に近づけることが可能になる。この方法論により、これまで階段状でしか得られなかった量子スピン系の磁化過程や、電子系の粒子-化学ポテンシャル曲線が滑らかな曲線として、可視レベルで厳密に再現されることが明らかになった。本講演では、Wilsonの繰り込み群の考えをもとに、この手法のメカニズムの解説を行い, 2次元への応用として得られた 三角格子などの磁化過程も紹介する[3]。
[1] C. Hotta and N. Shibata, Phys. Rev. B 86, R041108 (2012).
[2] A. Gendiar, R. Krcmar and T. Nishino, Prog. Theor. Phys. 122, 953 (2009); Prog. Theor. Phys. 123, 393 (2010).
[3] C. Hotta, S. Nishimoto and N. Shibata, Phys. Rev. B. 87, 115128(2013).

(*) 根 掘り葉掘りセミナーとは何か?

清水が、榊裕之先生の「榊量子波プロジェクト」のグループリーダーを務めていたときに始めたセミナーで、「清水がわかるまで、時間無制限でやる」という、ひ どく我が儘なとても先進的なセミナーのことです。今までそ の犠牲になったそれに応じて下さった先生方は、十倉好紀先生、上田正仁先生、小川哲夫先生、池田研介先生、長岡浩司先生などです。


2012/12/10 (Mo) 15:00-16:30, room 829, Building 16, Komaba I campus, the University of Tokyo.

Speaker

日向 理彦 氏(清水研M1)

Title

等 重率からみる長距離系の熱力学構造

Abstract

 熱力学は外部からの仕事を殆ど必要とせずに物質の分割・混合ができるという「相加性」を仮定しているが、現実世界の全ての物質がこの性質をみたす訳ではない。クーロン多体系のように粒子間の相互作用が遠くまで及ぶ「長距離系」がその代表例である。そのような系ではエントロピーなどの熱力学函数において凸性や一次同次性が崩れるといった異常な振舞いを示すことが知られており、従来の熱力学をそのまま適用することはできない。
 そこで熱力学からの帰結を一切排除し、統計力学の仮定する「等重率の原理」のみを認めたときに熱力学のどこまでが言え、どこからが破綻するのかをみる。
 すると、非相加的な系の熱力学の議論で多くみられるような Tsallis エントロピーを天下り的に導入するといったことをせずとも、従来の統計力学で用いられている Gibbs エントロピーを用いることで従来通りの熱力学構造がほぼそのまま存在することが示せる。また、すでに述べたような熱力学函数の異常な振舞いに対してもきちんと物理的な解釈をつけることができ、それらは「問題」というよりはむしろ、そのような系の特色であると捉えられることも示す。


2011/05/26 (Th) 14:40-16:10, room 410, Building 16, Komaba I campus, the University of Tokyo.

Speaker

杉浦 祥 氏(清水研M2)

Title

典 型的な状態を用いた統計力学の計算法

Abstract

  統計力学によると、ミクロカノニカル集団の中から任意に1個だけ量子状態を選べば、別にそれがenergy eigenstateでなくても、圧倒的な確率で、マクロ物理量の正しい値を与える(ここから、必要なら、等重率が導ける)。この原理を 積極的に利用して マクロ系の統計力学的性質を数値計算する新しい方法を提案する。
 磁性体(スピン系)を例にしてこの手法を説明する(M:全磁化、h:外部磁 場)。(E,N,M)で指定されるミクロカノニカル集団(や他の集団)と等価な集団である、(E,N,h)で指定される疑似ミクロカノニ カル集団を考え る。統計力学によると、ヒルベルト空間の中の、この集団の状態達が属する部分空間の中から、任意に1個だけ量子状態をとってくれば、圧倒 的な確率で、マク ロ物理量の正しい値を与える。そのような「典型的な状態」は、energy eigenstateである必要はないので、ランダムベクトルにハミルトニアンの多項式を何回かかけ算してゆくだけ、という極めて簡単か つ効率的な方法で 得ることができる。
 この方法は、次のような利点を持つ:
1.行列のかけ算をするだけなので、圧倒的に速い。
2.だから、大きな系でも計算しやすい。
3.有限温度の状態が計算できる。
4.負符号問題が出ないので、frustrationのある系にも使える。
5.典型的な波動関数が求まるので、相関関数なども計算できる。
  この方法の有効性を調べるために、厳密解が知られている、1D Heisenberg model in a magnetic field に適用し、厳密解と比較したところ、M vs. h のグラフが、Eの全ての値について、非常によく厳密解と一致した。

Ref. S. Sugiura and A. Shimizu, in preparation.




A special Shimizu-lab. seminar:

Mini Workshop at Komaba: Quantum Transport and Manipulation, Oct. 7, 2010

2010/10/7 (Th) 13:45-17:30
Room 129, ground floor, building 16, Komaba I Campus, the University of Tokyo.

New: Group photos are available : 1 2

13:45-14:45 Prof. Tobias Brandes (Technische Universitat Berlin, Institut fur Theoretische Physik)

Feedback Control of Quantum Transport

  Monitoring quantum objects  during their time evolution usually introduces extra noise, but it can also compensate backaction effects and be used for recycling information in order to control the system dynamics.  This is also of interest for various NEMS applications.
  In this talk, I will discuss electronic fluctuations which have become a major tool for probing quantum coherence, interactions, and dissipation effects in quantum transport through nanoscale structures. The random tunnelling of electrons in quantum transport is described by the full counting statistics (FCS) of transferred charges.  In analogy to equilibrium thermodynamics where, e.g., the cumulants of the particle number distribution in the grand canonical ensemble are proportional to the volume,  FCS cumulants in stationary transport linearly increase in time (exceptions are possible). All quantum transport devices thus have to deal with a stochastic element that can become a major obstacle when very regular currents are required.
  Here, I show that this situation changes by  `freezing' the cumulants in time, if one applies feedback (closed loop) control to  quantum transport. I propose a scheme where a time-dependent signal $q_n(t)$ is used to continuously adjust system parameters such as tunnel rates or energy levels.  Here, $q_n(t) \equiv I_{0}t  -n$ is  an error charge determined from  the ideal `target' current $I_{0}$ and the total charge $n$ that has been collected in  (or flown out of) a reservoir during the measurement (e.g., by a nearby quantum point contact detector) up to time $t$. The error charge determines whether to speed up or slow down the transport process -- a  form of feedback that is analogous to the centrifugal governor used, e.g., in thermo-mechanic machines like the steam engine. The  feedback scheme generates a new kind of FCS that can not be obtained via ordinary transport. This is analogous to feedback control in quantum optics, where an in-loop photocurrent was used in order to alter the photon statistics of a light beam.
(14:45-15:00 break)

15:00-16:00 Akira Shimizu (Department of Basic Science, Univ. Tokyo)

Universal properties of response functions of nonequilibrium steady states

  Nonequilibrium statistical mechanics has been attracting much attention for long years. It was established in the `linear nonequilibrium regime,' which is close to equilibrium. This regime can be described by the `linear response theory,' which treats response of equilibrium states to weak external forces. The linear response theory yields many universal properties, which form a core of statistical mechanics in the linear nonequilibrium regime. In contrast, the `nonlinear nonequilibrium regime,' which is not close to equilibrium, is only poorly understood. 
In this talk, I generalize the linear response theory to the nonlinear nonequilibrium regime [1,2]. Specifically, I discuss linear response of nonequilibrium steady states (NESSs) far from equilibrium. Among the universal properties that existed in the linear nonequilibrium regime, some are lost in the nonlinear nonequilibrium regime. However, the others survives if appropriately generalized.
I further generalize the theory to nonlinear response functions of NESSs [1,2]. Universal properties, which hold in diverse physical systems, are also found for 2nd and higher-order response functions of NESSs.
These universal properties of response functions of NESSs are illustrated for nonlinear optical materials and nonlinear electrical conductors. We have obtained remarkable results. For example, the integral of differential conductivity over frequencies is independent of the degree of nonequilibrium.

References:
[1] A. Shimizu and T. Yuge, J. Phys. Soc. Jpn. 79 (2010) 013002.
[2] A. Shimizu, to appear in J. Phys. Soc. Jpn.; arXiv:1007.4376.

(16:00-16:30 break)

16:30-17:00 Kazuki Koshino (College of Liberal Arts and Sciences, Tokyo Medical and Dental Univ.)

Deterministic photon-photon root-SWAP gate using a Lambda system

  We theoretically present a method to realize a deterministic photon-photon root-SWAP gate using a three-level Lambda system interacting with single photons in reflection geometry.  The Lambda system is used completely passively as a temporary memory for a photonic qubit; the initial state of the Lambda system may be arbitrary, and active control by auxiliary fields is unnecessary throughout the gate operations. These distinct merits make this entangling gate suitable for deterministic and scalable quantum computation.

Reference:
Phys. Rev. A 82, 010301(R) (2010)
http://physics.aps.org/synopsis-for/10.1103/PhysRevA.82.010301

17:00-17:30 Tatsuro Yuge (Institute for International Advanced Interdisciplinary Research, Tohoku Univ.)

Measurement of bath spectrum by multiple pulse sequence in NMR

  In recent years there have been some reports of NMR experiments [1] that decoherence is suppressed by applying a sequence of radio-frequency pulses. This is qualitatively explained by the dynamical decoupling [2].  In this work we analyze the spin-boson model [3] with a pulse sequence to compare the theory and the experiment quantitatively. We find that the long-time behavior of the decay curve of the coherence provides the information of the boson bath spectrum. We propose a form of the bath spectrum to fit the experimental data and analyze the results for 75As in GaAs, 29Si in silicon and 23Na in NaCl.

[1] S. Watanabe and S. Sasaki, Jpn. J. Appl. Phys. vol. 42 (2003) L1350.
[2] L. Viola and S. Lloyd, Phys. Rev. A vol. 58 (1998) 2733.
[3] A. J. Leggett et. al., Rev. Mod. Phys. vol. 59 (1987) 1.

18:00- Banquet at Shibuya or Shimo-kitazawa

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