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USSジョージ・ワシントン、南米経由で日本へ向けて出発、USSロナルド・レーガンと交代し、日本で前方配備空母となる

USNI News記事からです。USSジョージ・ワシントンが日本に向け航海を開始しました。しかし、文中にある艦内の過酷な生活環境というのが興味をそそります。 USS George Washington (CVN-73) returning from sea trials on May 25, 2023. HII Photo 空 母ジョージ・ワシントン(CVN-73)は、ヴァージニア州ノーフォーク海軍基地を出港し、新しい母港日本へ向かうと海軍が発表した。 USSジョージ・ワシントンは木曜日にノーフォークを出港し、アメリカ沿岸を航行したのち、カリブ海経由で南米南端のホーン岬から太平洋に入る。 同艦は、誘導ミサイル駆逐艦USSポーター(DDG78)、ヘンリー・J・カイザー級補給給油艦USNSジョン・レンソール(T-AO-189)とチームを組む米第4艦隊の南洋2024イベントの一部となる。大西洋海軍航空部隊は、同空母は第7空母航空団を搭載すると発表した。今月初め、サザン・シーズは、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ウルグアイの軍艦とともに出航する。ワシントンはブラジル、チリ、ペルーに寄港する予定だ。空母には、11カ国から約24名の国際スタッフが乗船する。 「この国際スタッフは、米海軍大学校教授から指導を受け、駆逐艦部隊40の乗組員とともに働く」と、米南方軍からの声明には書かれている。国際スタッフには、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、エクアドル、オランダ、パラグアイ、ペルー、トリニダード・トバゴ、英国、米国の士官が含まれる。 サザン・シーズ2024の後、「ジョージ・ワシントンは、今夏カリフォルニア州ノース・アイランド海軍航空基地で行われる歴史的な空母入れ替えの際に、前方展開海軍部隊(FDNF)空母としてUSSロナルド・レーガン(CVN-76)と交代する。ジョージ・ワシントンがFDNF空母を務めるのは2度目で、「2008年に日本に前方展開する最初の原子力空母として来日し、その後2015年にロナルド・レーガンに交代した」と、大西洋海軍航空部隊の声明に書かれている。レーガンは恒久的な母港配属の前にオーバーホールのためにワシントン州に向かう。 今週の出発に先立ち、ジョージ・ワシントンはヴァージニア州にあるHIIのニューポートニューズ造船で
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令和5年度の航空自衛隊スクランブル実績から見える日本の空の安全保障

日本のメディアより多く伝えてくれるUSNI News記事からのご紹介です。令和5年度のスクランブル回数の話題と、南西方面での中国艦艇の最新の動きについてです。 A Japanese Air Self Defense Force F-35A Lighting II Joint Strike Fighter in 2021. JSDF Photo 日本:2023年度のスクランブル回数、2022年度より減少 統 合幕僚監部JSOによると、2023年度中に航空自衛隊機が外国航空機に対してスクランブルをかけた回数は、2022年度より少なかった。  金曜日に発表された報告書によると、2023年度、つまり2023年4月1日から2024年3月31日までのスクランブル回数は合計669回だった。  2022年度の航空自衛隊のスクランブルは778回だった。  中国機は2023年度のスクランブルのうち479回、全体の72%を占めたが、2022年度の575回から96回減少した。ロシア機に対するスクランブルは174回で、全体の26%を占め、2022年度の150回から24回増加した。JSOによると、中国とロシアが関与したスクランブルの大半は、情報収集機に対するもので、正確な数は明らかにされていない。残りの16回のスクランブルには、台湾機に対するスクランブルが1回、北朝鮮機に対するスクランブルが2回含まれており、これらは第3四半期のスクランブル報告に含まれている。その他、詳細が未記載のスクランブルが13回あった。  航空自衛隊の南西航空方面隊は401回と最も多く、北部航空方面隊は112回、西部航空方面隊は110回とほぼ同数であった。中部航空方面隊は46回のスクランブルを実施した。  南西航空管区は通常、日本の南西諸島上空を管轄しているため、スクランブルを最も多く実施している。ロシアとの共同爆撃機飛行、人民解放軍海軍の空母飛行作戦、台湾の日本監視飛行、東シナ海とフィリピン海を航行する米海軍艦船などである。空域の多くは国際空域であり、中国やロシアの航空機が自由に上空を通過できる。  今年度のスクランブル回数が減少したのは、2022年度にPLAN遼寧空母打撃群(CSG)が2022年5月と12月の2回、日本の南西諸島付近での飛行作戦を実施し、多数のスクランブルを促したためとみられる。2023年度、山東CS

イランのイスラエル攻撃が同盟関係を強化した:ウクライナ含む米国の政策への影響を考える

  イランの大規模攻撃が見事なまで迎撃されたのは、西側各国も協力した防衛技術がそこまで進歩していたことを意味し、攻撃力を相殺できるまでの効果を上げました。一方でかなり抑制された形のイスラエルの攻撃にもイランは効果的な防空ができず、テヘランは冷や汗の出る思いだったはずです。(イランは情報操作に大わらわの様相ですが) 西側にとっては今回実証された防空体制を多国間安全保障の切り札として今後どう展開していくかですね。1945記事の指摘を御覧ください。 イランによる無人機とミサイル攻撃に対するイスラエルの多国間防衛は、米国だけでなく欧州やアラブ諸国も参加した。ワシントンはこの教訓を他方面にも適用すべきだ イ ランの無人機とミサイル攻撃に対するイスラエルの多国間防衛に米国だけでなく欧州やアラブ諸国も参加した。これは、ワシントンが他の複数の戦線に適用すべき教訓である。  イランと代理勢力がイスラエルに向けて発射したと推定される350発のミサイルと無人偵察機のうち、米中央軍司令部は、米欧の駆逐艦が無人偵察機80機と少なくとも6発の弾道ミサイルを撃墜したと発表した。 英国のリシ・スナック首相は、英国の戦闘機が「多数の無人機を撃墜した」と述べ、イスラエル国防軍は、フランスもイスラエルの防衛に貢献したことを確認した。  さらに印象的だったのは、アラブの主要国もイスラエルに協力したことだ。サウジアラビアとアラブ首長国連邦は、イランの攻撃計画について情報を伝え、ヨルダン軍は、イスラエルに向かうイランの無人機数十機を領空内で撃墜したと伝えられている。  こうした行動はすべて、イランの攻撃が、イスラエルを破壊し、欧米諸国をこの地域から追い出し、スンニ派アラブ諸国を不安定化させることを含む、テヘランの影響力を国境外に拡大するための広範な努力の一環であることを、ワシントン、ヨーロッパの同盟国、湾岸諸国が認識しているからである。  全体像を認識し、それに従って対応したワシントンは、ガザでイスラエルをどれだけ支援するか、ロシアとの戦争でウクライナをさらに援助するかどうかを決定する際にも、同じ教訓を生かすべきだ。  ガザに関しては、米国の政策立案者は、イランが国家であると同時にテロリストの複合体であり、イスラム革命防衛隊(IRGC)を通じ、ガザのハマスやその他のグループ、レバノンのヒズボラ、イエメンのフー

イスラエルとイランは影の戦争を再開するのか。状況はイランに取って不利だからこそ、イランの暴走が今後の心配のタネだ。

  結果としてイランがイスラエルへの初の直接攻撃で狙った効果は逆効果となり、国内統治力が低下し、外交的にも孤立感を覚え、軍事的にもイスラエルに及ばないことを世界に露呈してしまいました。面子を潰された格好のイランが暴走しないかが今後の懸念材料でしょう。1945記事からのご紹介です 。 イスラエルとイランは中東で最も強力な軍隊を保有している。公然の敵対関係にある両国は、開戦に近い緊張にエスカレートしつつある影の戦争に絡み合っている。 イスラエルとハマスの戦争を背景に、イラン・イスラム共和国は中東の代理人たちの調整と支援にさらに関与するようになった。レバノン、ガザ、ヨルダン川西岸、そして地域のさまざまな武装勢力とイランの連携を監視するイスラエルは、イランの最高司令官を攻撃する一方的な決定を下した。 進行中のイスラエル・ハマス戦争では、さまざまなイスラム過激派組織が介入した。これらのグループには、レバノンのヒズボラ、イラクの民兵、アンサール・アラー(イエメンのフーシ派)などが含まれる。 イラン対イスラエル: 2024年、イラン対イスラエルは直接対決へ イスラエルは、イラン革命防衛隊指導部の排除のチャンスと見て、4月1日にイラン大使館に隣接する施設を大胆に攻撃した。この攻撃で、イラン革命防衛隊の最高幹部3人と他の司令官4人が殺害された。 IRGC司令官の斬首攻撃への報復を望んだムラは、4月13日夜、イスラエルに大規模な自爆ドローンと弾道ミサイル攻撃を命じた。 何百機ものシャヘド136無人機とさまざまな中距離弾道ミサイルを発射し、IRGCはイスラエルに対する直接的な抑止力と恐怖の認識を維持しようとした。しかし、この攻撃はドミノ効果をもたらし、ムラはそれを想定していなかった。 イスラエルはミサイルの約99%を迎撃しただけでなく、通過した数発は民間人1人の負傷と航空機1機の損傷にとどまった。イスラエルは数日後にイスファハン市近郊のS-300用の非常に重要なレーダーを破壊して反撃することができた。 イスラエルによるイランへの直接反撃が決定的だったのは、S300複合施設がイスファハンの原子力発電所の近くにあったからである。イスラエル国防軍はわずか数発のミサイルで目標を攻撃し、イランの防空は迎撃できなかったと伝えられている。 イスラエルが現在優位に立っている レーダー砲台を直接攻撃したこ

米国の新規援助枠をウクライナはどう活用するのか。高性能だが高価な装備品に傾くとすぐ予算が底をつく。一方、ロシアは消耗戦をどうしのぐのか。ヒント北朝鮮、イラン

やっとウクライナの継戦能力確保に向けた予算手当で目処がつきましたが、まだまだ安堵できる状態ではないようです。また、米国に限界を感じ始めた欧州主要国も独自に援助策を模索しはじめました。消耗戦ではロシアとの根比べの様相となりそうですね。Defense One記事からのご紹介です 。 Getty Images  ウクライナは米国の新たな援助をどう使うのか? ロシアの優位性、米国の長期的支援に伴う不透明性、さらにキーウがめざす最終的な戦争終結構想の中で、それは危うい問題である 待 望の追加法案が下院で可決され、ウクライナの支持勢力は、ウクライナの劣勢と兵力不足の解消の可能性に少し安堵しているが、ロシアの優勢、米国の長期的支援が不確かな中でウクライナは最終的に戦争を終結につなげなければならない。   先週土曜日、下院は、ウクライナ向けに新しい武器と防衛装備の購入、およびキーウに送られた米国の武器の交換に資金を提供する追加支出法案を可決した。  法案は、新しい武器を調達するウクライナ安全保障支援構想に137億ドルを追加する。また、国務省が運営する別個の武器獲得プログラムである対外軍事資金援助プログラムにも16億ドルを提供する。  さらに134億ドルを、ウクライナに送られた米国製兵器の交換とウクライナ軍の訓練に充てられる。備蓄している米国製武器をウクライナに送ることを可能にする大統領権限(PDA)で議会が承認した120億ドルをカバーすることになる。PDAの権限には、今回の追加予算で認められた80億ドルと、以前に認められた39億ドルが含まれる。  新しい補足措置の下でウクライナに提供される兵器の第一弾は10億ドルで、155mm砲弾、対戦車・対空ミサイル、長距離ロケット弾、負傷者の避難に役立つ装甲車などの弾薬が中心となる見込みだ。  シンクタンクCSISのマーク・カンシアン上級顧問によれば、今回の援助は11月のアメリカ大統領選挙前に最後のものになる可能性が高いという。「政権は選挙直前に新たな支援物資を送ろうとはしないだろう」。  前回の対ウクライナ支援策は2022年12月に可決された。下院議員は2023年12月に新たな支援策を提案したが、議会共和党の反対でストップした。  特にドナルド・トランプがホワイトハウスに戻れば、ウクライナが新たな支援策を期待できるか不明となる。トランプは大統

ミニガンで武装したMojaveドローンが毎分6000発でターゲットを撃破、軽武装ヘリコプターの代替策として売り込みを図るジェネラルアトミクス

  プレデターからはじまった無人機の系譜がついにミニガンを発射するまでに至りました。対地攻撃をガンで行えるということは遠隔操作のスピードや精度が従来より画期的に向上しているからなのでしょうが、同時にアフガニスタン戦役のような航空優勢がいつも確保されている前提での作戦でなければこうした構想は使えないのではないかとの懸念もあります。The War Zone記事からのご紹介です。 GA-ASI このクラスのドローンでMinigunポッドが実弾発射されたのは今回が初で、 すでにこの能力を拡大する計画が進行中 ジ ェネラルアトミクス General Atomicsのモハーヴェが ディロンエアロ Dillon AeroのDAP-6 Minigunポッドで武装し今月初めに行われた世界初の実射デモンストレーションで、複数の静止標的をズタズタにした。同社はこの新しい攻撃能力をさらに高める計画を持っている。また、米陸軍が直近の武装偵察ヘリコプター計画を中止したのを受け、モハーヴェと同社のMQ-1Cグレイ・イーグルのハイブリッドを、新たな武装偵察プラットフォームとして米陸軍に売り込もうとしている。 ジェネラル・アエロノーティカル・システムズ社(GA-ASI)が本日発表したプレスリリースとビデオによると、DAP-6を搭載したモハーヴェは4月13日複数の地上目標と交戦した。ビデオのある場面では、シボレーのピックアップトラックが爆発している。ミニガンが発射する7.62x51mm弾は爆発しないが、トラックには爆発物が仕掛けられていたか、あるいは内部の燃料に引火した可能性がある。  全7行程で合計10,000発の7.62x51mm弾が発射され、1回あたり平均約1,428発が発射された。GA-ASIは、アリゾナ州にある陸軍のユマ実験場で、自社資金で実射デモを実施した。 A Dillon Aero DAP-6 gun pod on display. Joseph Trevithick ディロンによればDAP-6ポッドに搭載されたミニガンの発射速度は毎分3,000発。デモでモハーベが搭載していた2つのポッドを合わせた発射速度は毎分6,000発だった。DAP-6の最大弾倉容量も3,000発で、総発射時間は60秒。ポッドには少ない弾薬を装填して、全体の重量を減らすことができる。空の状態でのDAP-6の重量は

F-16パイロットとAI操縦機がドッグファイトしていた。勝者がどちらだったのか公表されず。次回は空軍長官がAI機に搭乗する予定。

  いよいよAIパイロットの時代が来るのか、DARPAが米空軍と有人機対AI操縦機のドッグファイトを試し、技術実証ができたことからCCA(連携型無人戦闘機)のテストに応用するとのことです。CCAは予想外に早く開発が進んでいるようです。今回の記事はDefense ScoopとDefense Oneの記事から再構成しています。 The X-62 VISTA flies in the skies over Edwards Air Force Base, California, March 23, 2023. (Air Force photo by Ethan Wagner) DARPAのAir Combat Evolutionプログラムの最新情報が発表された 国 防高等研究計画局(DARPA)と空軍が監督した飛行テストは、F-16パイロットに対する "ノーズ・トゥ・ノーズ"のドッグファイトを含め、AIで実現した自律型戦闘機の安全かつ効果的な運用を実証したと、関係者は述べている。  DARPAのAir Combat Evolutionプログラムが、X-62A VISTA(Variable In-flight Simulator Test Aircraft)として知られる改良型F-16を使用して、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地上空で機械学習エージェントの実力を試した。  2022年12月から2023年9月までの間に、合計21回の試験飛行が実施されたと、国防総省は水曜日発表のACEプログラムの最新情報で述べた。  どちらが勝ったのか?関係者は明言しなかった。ACEと呼ばれるDARPAのAir Combat Evolutionプログラムのプログラム・マネージャーであるライアン・ヘフロン中佐は言う。  「最初のテストでは、達成すべきテスト目標がたくさんあった。だから、誰が勝ったか?という質問をしても、今回達成したテストのニュアンスを必ずしも伝えられない。しかし、申し上げたいのは、テストの目的は、安全性が重要視される空戦環境において、AIエージェントを安全にテストできるか実証する道筋を確立することだったということです」と金曜日に記者団に語った。  関係者は「国家安全保障上の理由」から勝敗比率を明かさなかったが、ヘフロンは、シミュレーションと実戦のテストにはまだ