朝晩の食事、睡眠などの毎日の生活リズムは、人類発祥以来続いてきた安全な社会生活の基盤です。しかし、現代は長時間労働、交替制勤務、テレビやゲームによる睡眠時間の減少、24時間営業のコンビニなど、不夜城と化した人工的な生活環境の変化の急速な浸透によりライフスタイルが劇的に変動し、生体リズムの異常に起因すると思われる健康障害が急増し、きわめて今日的な緊急の医療問題となっています。 以前より、高血圧と生体リズムの関係は、高血圧の罹患率が昼夜交替勤務者において高い事が免疫的には知られていましたが、実際に体内時計と高血圧を結びつける分子機序についてはこれまで全く不明でした。 そこで、京都大学薬学部の岡村均教授らの研究グループは、遺伝子改変によって生体リズムを消失させたマウス(Cry-nullマウス)を利用して、病体検索を行い、Cry-nullマウスは食塩を摂取すると高血圧になる事が分かり、それが副腎球