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Sounds perfect Wahhhh, I don’t wanna

The 50 Best Albums of 2016

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『2016年ベストアルバム50選』です。

選考条件は今年リリースされたシングル以外の全てが対象。
また、blink-182、元blink-182のメンバー名義による作品のみ対象外とします。

今年はコメント控えめにしてみました。感想やご意見等ありましたらtwitterの方で聞かせて頂けると嬉しいです。記事の末尾にSpotifyで聴ける音源をアルバムごとに1曲づつ選んだプレイリストを載せてあります。もしご興味あればそちらも。

それでは50位から。

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50位 Bear’s Den 『Red Earth & Pouring Rain』

49位 Cursed Earth 『Enslaved By The Insignificant』

48位 Jagwar Ma 『Every Now & Then』

47位 D∆WN 『REDEMPTION』          

46位 Good Charlotte 『Youth Authority』

最も順位の入れ替わりが激しかったのがこのブロック。どうにかねじ込めないかと最後まで悩んだ作品がもういくつかありましたが最終的にここに落ち着きました。グッド・シャーロットは高校生の頃の自分が後押ししたような気がします。2011年の活動休止から約6年振りとなった復活作。パンク界の(仲良し版)ギャラガー兄弟こと、マデン兄弟は活動休止中、14年にThe Madden Brothersとしてカントリー志向のバンドを始めましたが、キャリアの原点にようやく帰ってきました。T.9「The Outfield」では出世作となった2nd『Young And The Hopeless』を引き合いに、“We were the young and hopeless(俺達は若くて見込みのない人間だった) We were the broken youth(出来損ないの若者だった)”と古参ファンをノスタルジックにさせつつ、「けれど俺たちゃ成功して兄弟揃って女優と結婚してやったぜ!」…とまではもちろん歌っていませんが自身のセレブアピールも欠かしません。そう感じたのは私の性格が問題かもしれませんが。

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45位 Gareth Emery 『100 Reasons To Live』

44位 The Lemon Twigs 『Do Hollywood』

43位 Denzel Curry 『Imperial』

42位 Galileo Galilei 『Sea and The Darkness』

41位 RADWIMPS 『人間開花』

“君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよ” 
ってどう考えても嘘じゃないですか。しかし嘘も方便。どんな言葉も説得力を持たせるのが曲の役割。RADWIMPSの作詞作曲を一手に担う野田洋次郎の頭の中は一体どうなっているのでしょう。映画『君の名は。』のサウンドトラックを手掛け、彼自身はエクスペリメンタルサイドのソロプロジェクトillionとしても新作を放ち、ホームであるバンドに帰ってきてもアイデアが尽きない。しかもそのアイデアは多彩で、頭の中に何人もクリエイターを雇っているかのよう。間違いなく今日本を代表する音楽作家の一人。そう君の名は野田洋次郎。 

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40位 宇多田ヒカル 『Fantôme』

39位 MONO 『Requiem For Hell』

38位 Ulrich Schnauss 『No Further Ahead Than Today』

37位 The Avalanches 『Wildflower』

36位 Amaranthe 『Maximalism』

2011年衝撃のデビュー当時からトリプルボーカルの三刀流を武器にメタルをポップかつダンサブルに昇華してきた、BABYMETALと並んでテン年代を代表する“最悪の世代”。スウェーデンの6人組メロデスバンド、アマランス。通算4作目となる今作ではAvicii、Alesso、GalantisといったEDMモンスターを生む国の血統を受け継ぎ、より一層ダンサブルな覇気を纏って帰ってきました。バンドとして正しい海賊行為で辿り着いた境地ではありますが、T.7「Fury」ではメタル界の先人達、Slayer、Slipknot(Corey Taylor)、Soilwork、Arch Enemyらに対するオマージュも忘れていません。

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35位 Frank Ocean 『Blonde』

34位 Devin Townsend Project 『Transcendence』

33位 Future & DJ Esco 『Project E.T.』

32位 PUP 『The Dream Is Over』

31位 Saba 『Bucket List Project』

新たなシーンが形成される時、そこには個性豊かな才能が運命的、かつ同時発生的に出現してくるもの。音楽シーンのシンクロニシティー。
チャンス・ザ・ラッパーの『Acid Rap』や、『Coloring Book』、またダニー・トランペット&ソーシャル・エクスペリメントの『Surf』にも参加していた22歳の新鋭ラッパー、サバによる1stアルバム。彼の他にもシカゴという街にはチャンス率いるSaveMoney クルーを筆頭に、Noname、Jamila Woods、Monte Booker、Smino、BJ The Chicago Kid、Ravyn Lanae、Mick Jenkins、theMIND…など、今年を賑わせた名が数多く見られます。これらの新鋭が今同じシカゴという一つの街に存在し、個々が輝きを放ちながら互いに共鳴し合い、その中心にはやはりチャンス・ザ・ラッパーがいる。しかし誰もそこに縛られず、誰も縛らない。今これほどワクワクさせられる自由気ままなコレクティヴは世界のどこにもない。

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30位 Green Day 『Revolution Radio』

29位 Abbath 『Abbath』

28位 Moose Blood 『Blush』

27位 The Weeknd 『Starboy』

26位 SUM 41 『13 Voices』

文字通り、死の淵を経験した男、デリック・ウィブリー率いるSUM 41の約5年振りとなる新作。これまでの期間にバンド内では様々なことがあったので、まさかこれほどの快作を届けてくれるとは正直期待していませんでした。まずは2012年、パンクスプリングでのデリック泥酔事件。これに関しては実際に目撃したわけではありませんが、アヴリルとの離婚を明らかに引きずっていた彼のアルコール依存症を思えば容易に想像がつきます。そして2013年、長らくファンでいた人間にとっては痛すぎるDr.スティーヴォの脱退。このバンドのマスコット的キャラクターであった彼が抜けたとあっていよいよ「俺たちのサム」も終了かと思いました。そんな矢先に報じられた、デリック激太り事件。写真に驚いた私は「ディズニーにいそうな蝶ネクタイ系でぶかよ!」とわかるようなわからないツッコミを入れてしまったほどです。そして遂に2014年、アルコール過剰摂取によりデリック意識不明病院送り事件。搬送後も意識不明の状態は一週間続いたそうです。ここまでくるともう可哀相で目も当てられませんでした。その後なんとか意識を取り戻し、退院するも昔の彼の姿は見る影もなく、ただのおじいちゃん…。そんなこんなあってのこの出来栄え。本当に信じられない復活劇です。オリジナルメンバー、Gt.デイヴ・バクシュの復帰も大いに貢献したと思われます。
ライム病で長く闘病生活を余儀なくされていたアヴリル・ラヴィーンが来年新作を発表するとの話もあります。こちらも非常に楽しみですね。

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25位 Fifth Harmony 『7/27』

24位 Danny Brown 『Atrocity Exhibition』

23位 BABYMETAL 『METAL RESISTANCE』

22位 Real Friends 『The Home Inside My Head』

21位 きのこ帝国 『愛のゆくえ』

毎年この場を利用して佐藤さんへの愛を独白してきましたが、もうやめにします。愛が冷めてしまった?そうも言えるかもしれません。音だけを聴けば好きだった頃のきのこ帝国が戻ってきたとも言えます。いやむしろ、彼らのらしさは更に挑戦を押し進められた形となって取り戻されています。マリンバ、ボンゴ、クラリネットを取り入れたレゲエ調楽曲「夏の影」はそんな彼らの深化を象徴するような一曲で、佐藤さんのボーカルに至っては全編に渡り優しさを携えた温かみのある新たな声まで獲得している。産み落とされる一音一音が緻密に作り込まれており、直接心を揺さぶりにくる。その真からくるアーティストっぷりは『猫とアレルギー』に感じた“あの頃とは別の人”という感覚以上に、もっとなにか遠い存在のように思われるのです。しかし、それでもなお近く寄り添ってくれているかのような錯覚までも残す包容力。凄すぎる。聖母だ。佐藤さんは今度こそ本当の聖母になられたのだ。もう愛など語ることの出来ぬ存在へと変貌を遂げられたのだ。
最近こんな漫画を読みました。『それでも僕は君が好き』。


ここから上位20枚。1位まで一気にいきます。


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20位 Touché Amoré 『Stage Four』


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19位 Posture & The Grizzly 『I Am Satan』


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18位 Shura 『Nothing’s Real』

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17位 American Football 『American Football (LP2)』


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16位 David Bowie 『★』


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15位 Simple Plan 『Taking One For The Team』


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14位 Descendents 『Hypercaffium Spazzinate』


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13位 Charlie Puth 『Nine Track Mind』


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12位 Skepta 『Konnichiwa』


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11位 Post Malone 『August 26th』


ここからベスト10!


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10位 Bon Iver 『22, A Million』


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9位 Direct Hit! 『Wasted Mind』


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8位 Fatherson 『Open Book』


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7位 Kero Kero Bonito 『Bonito Generation』


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6位 Kygo 『Cloud Nine』


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5位 Chance The Rapper 『Coloring Book』


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4位 The 1975 『I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it』


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3位 Beyoncé 『Lemonade』


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2位 Francis and the Lights 『Farewell, Starlite!』


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1位 Jeff Rosenstock 『Worry.』


この名前には見覚えがあった。しかし、どこで見たのかが思い出せない。
いつものルーティン作業となりつつあるYouTube検索窓にコピー&ペイスト。「Jeff Rosenstock」。上から何個目かの動画で手が止まった。コレだ。

「 Jeff Rosenstock - I Don’t Wanna Die (Ging Nang Boyz Cover) 」

下手くそでやかましいギターに、下手くそでヘンテコな日本語の歌。調べると過去にいくつかのバンドを経た後、今のソロへ転向し、近く3作目の新作が出るとのこと。
前身のバンド、Bomb the Music Industry! は “インターネット世代のフガジ”と呼ばれる程のDIY精神で固められた伝説的なバンドだったらしい。その中心にいたのも彼。そしてバンドは2014年1月の解散ライブをもって終幕。ジェフという男は一人身になった。

ここまで調べてハッとした。

同じく2014年1月、同じように一人身となってしまったバンドマンを知っている。銀杏BOYZの峯田和信だ。今年「生きたい」というシングルを出し、実質ワンマンバンドとなった男と、かつて「あいどんわなだい」をカバーした男が、国を隔てて同時期に同じ境遇を味わっていた。これがただの偶然だなんてことはもちろん承知の上で、それでも私は運命的なものを感じずにはいられなかった。この男に熱中するにはもう十分だった。

そして公開されたリードシングル「Wave Goodnight To Me」のMVが決定打となる。

私の心にぽっかりと空いてしまった “blink-182”という穴は、やはり未だに埋められずにいた。2015年1月に起きたオリジナルメンバー、トム・デロングの事実上解雇。その日からそれは変わることはなかった。(オリジナルメンバー3人が抜けてしまった銀杏BOYZにも同じような悲しい気持ちを抱いている。)
blink-182が1999年に発表した「What’s My Age Again?」という曲がある。 “年相応に振る舞えって言うけど、俺って今いくつだっけ?”というリリックと、町中を全裸で駆けずり回るMV。ここにポップパンクのアティチュードは詰め込まれている。

ジェフの「Wave Goodnight To Me」を観た時、これは現代の「What’s My Age Again?」だと直感的に思った。
ジェフ本人演じる町の厄介者は、厄介者扱いされていることを気にも留めず生きている。けれど本当はそれに気付いている。気付かないフリをして生きているだけ。みんなに「出ていけ!」って言われるけど、手を振って「グッナイ!」って言ってくれてるんだ。そう思い込むしかない。でないと自分が傷ついてしまうから。

あらゆる“最低なもの”をかき集め、“最高なもの”にする。それがパンクだ。

Jeff Rosenstockの『Worry.』は私の心に空いてしまった「銀杏BOYZ」という穴と、「blink-182」という穴を、ちょっとだけ気付かないように蓋をしてくれたような、そんなアルバムだった。2016年、年間ベストアルバム。

以上です。1位のアルバムはこちらからFree DLできます。