カメラ関連の保険について考える。

久しぶりの投稿です。

今回のお題はカメラの保険について調べ、実際に加入までした経緯などをご紹介します。

最初にネットで検索したところ最初に下記のサイトが出てきました。

カメラにかける保険を探してみた(損害保険・動産保険・クレジットカード付帯など)(外部サイト)

概ねこちらのサイトで紹介されている保険が代表的なものだと思いますし、個人向けで探してもこのサイトで紹介されていた以上の情報は見つかりませんでした。強いて言うなら火災保険に「携行品特約」という特約が付けられる場合もあります。特に賃貸住宅にお住まいの場合、火災保険は賃貸契約時に強制加入させられると思いますので更新の際に見直すという方法もあります。

ただ、職業カメラマンにとって、10万円とか20万円の保証で足りるのか?という疑問が残ります。そもそもカメラのボディやレンズが20万円以上するなんてザラです。

●「動産保険」という保険があるらしい。

そこでいろいろとネットで調べてもこれと言った情報がなかったので「ほけんの窓口」に言って聞きました。そこで分かったのは「動産保険」というものがあるものの、一般的に情報が流通していないということ、インターネットで探しても出てこない、ということでした。そのため、こうした窓口で加入手続きをする必要があります。

●法人か個人かでいささか異なる。

まず、前述のサイトで紹介されているのはあくまで「個人向け」です。一方、法人の場合、買ったのは法人であって「事業用」という扱いになります。そうなると火災保険やそれに類する携行物保険ではカバーされないと考えるのが妥当だと思います。そのため当事務所の場合は法人なので「動産保険」に加入することにしました。

●見積をもらう。

早速、ほけんの窓口で見積をもらいます。50万円で7,500円、30万円で4,500円程度(いずれも年額)です。保険額については任意に決めることができます。保険料は保険額に適用率(私が加入したのは約15%)を保険額に掛けた金額になります。これは各保険によって違うので確認が必要です。

それで保険額をいくらに設定するか?ということになりますが、動産保険の場合、保険対象を特定する必要があります(保険契約時に証書に記載されます)。なので個人向けの携行品保険のように持ち物全般がカバーされる訳ではありません。

参考:実際の証書(部分的に抜粋)。加入したのは東京海上日動火災保険です。

 

●保険は時価で評価される。

さて、実際に破損した場合、保険が満額出るとは限りません。それは保険適用時に保険対象が「時価評価」されるからです。時価評価の方法については分かりませんが、少なくとも10年使った物が新品当時、もしくは買ったときの金額で評価されることは無い、ということです。そう考えると永遠に更新するというよりは、カメラの法定耐用年数が5年ということを踏まえると、せいぜい2、3年掛ける感じだと思います。

参考:カメラの法定耐用年数は?勘定科目は減価償却費か消耗品費です。(外部サイト)

●まとめ
保険の必要性について、人それぞれ考え方があると思います。私自身はいままで「カメラに保険」なんて考えたこと無かったんですが、つい先日、カメラを持ち歩いていたら、小さな子供がよそ見しながら走ってきて私にぶつかって来たんです。そのときとっさにカメラを守りましたが、よくよく考えると壊されたらいろいろ面倒なことになるよな、と思ったわけです。そのことがきっかけで、カメラの保険について調べ、加入したわけです。

参考になれば幸いです。




Shoot in the small restaurant

さて、前回(と言ってもかなり前ですが)ご紹介した「狭い場所での料理撮影(前編)」とその「後編」ですが、動画作ったのですが、ご紹介するのをすっかり忘れておりました<(_ _)>

私個人のFacebookページではご紹介したのですが、再生回数増えないなぁ、と思っていたらこちらで紹介するのをすっかり忘れておりました。

こちらも前編、後編というか2本立てで作りました。

英語のタイトル付けてそれっぽく見せてますが、いろいろと試してみたいことがあり、試験的な試み満載です。

たとえば今回の動画は撮影から編集まで自分でやりました。当初の予定では外部の映像系の方にお願いする予定でしたが、たまたまGoPro借りられたのでだったら自分でやってみようと思ったわけです。

ただ、ダラダラ私が解説するよりもちょっとエンターテイメント的な方向で編集した方が面白いと思ったのと、基本的にカメラ固定での撮影でしたので撮影時にざっくり構成決めてから撮りました。まあ、自分で撮っているので編集点も作りやすく、こういうやり方もありかなとも感じました。

それぞれ90秒と60秒程度なのでお手すきの時にでもご覧いただければ幸いです。

さー、ご覧あれ!




狭い場所での料理撮影 ~後編~

さて、前編では撮影機材を使った例を紹介しました。

今回はバウンスを活用した例をご紹介します(P-82、P-132参照)。

狭い場所で撮影するときに、撮影機材が設置できない、もしくは大きな光源(P-66)を使いたいと言ったときに「壁」を使います。今回撮影したスペースで大きなアンブレラやソフトボックスを設置するスペースはありません。そういうときは壁を使って光源を作ります。

●天井バウンス

まずは天井バウンスから。

写真では分かりづらいですがこちらのお店の照明は暗めです。飲食店(特にお酒出すようなお店)の場合暗いことが多いです。そりゃ写真撮るためにお店をデザインしませんので当たり前です。でも、そうした環境でも撮らないとならないわけで、しかも狭いとなると使えそうな物はなんでも使います。光源のサイズも重要ですが、とにかく明るさを確保しないとなりません。

そこでこうした天井バウンスだと大きな光源を作り易いです。それでは早速撮ってみます。

光の周り方としてはむら無く回ってます。また真上からのバウンス光なので影も真下に出ています。でも、環境光の影響で少し赤くなっています。実際のところ店内照明が暖色系なので実際の見た目に近いです(※カメラのホワイトバランスは「オート」)。

さて、どうしたものか?これでも良いという判断もあれば、料理そのものの色味を出したいという判断もあります。ただ、もうすでにご承知かと思いますが、LightroomやPhotoshopで色温度を変えるだけです。多少の色温度の違いは後で修正可能なのであれば光の周り方や影付きに集中するという撮影スタイルもありです。実際にはテザー撮影(P-140)の場合は都度パソコンで確認できるので、不安なときはその場で色温度変えて確認します。

(左が修正前、右が修正後です。)

 これまた面倒な話ですが、右の修正したものは少し寒々しい印象(個人的見解)し、これが良いという判断もあります。「前編」でも書きましたがこのあたりは写真を使う人の好みだし、何をどう表現したいかに依存する部分だなぁ、と思います。毎回撮るたびに悩ましいところです。

●壁バウンス

さて、次に「壁バウンス」です。壁バウンスするには天井が高い場合なんかに使えると思います。天井バウンス同様大きな光源を作る目的もあります。

ストロボの手前に置いてあるレフ板について説明すると、壁バウンスの場合は天井バウンスと異なり、反射してくる光の逆側の光量が落ち、影が出るのでそれを補う目的で置きました。

また、このセッティングの場合、ストロボ光の影響も受ける(ストロボ直に近い光質になる)のでレフ板を置くことで影付きを弱める目的もあります。

さて、とりあえずセッティングが決まればあとは撮ります。

今回は壁とストロボの距離が離れていたので光量を1/2(GN60)にしています。F値も4.0に変えて手前より奥側を少しぼかしています。また、大きな光源なので料理の左右や俯瞰などいろいろなアングルで撮ります。

さて、ここでいろいろな料理を撮ってきました。すると食べられることもなく料理が「待機」してまして、こうした大きな光源で撮っているときは最後に集合写真を撮ります。

こうしてみるとそれっぽいアングルですが実際の撮影テーブルはこんな感じです。

狭いながらも料理の位置や自分の撮る位置を変えながら撮ります。与えられた環境の中でベストを尽くすことだけを心がけます。

余談ですが、パエリアは乾き、アヒージョは油が固まり始めてくるのでスピード重視ですw

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さて、二回にわたり久しぶりの更新でした。いずれも拙著の内容です。お持ちの方はいまいちど読み返し、練習してみてください。




狭い場所での料理撮影 ~前編~

今年の2月に拙著が販売され、なかなかご好評頂いております<(_ _)>

それで今回は拙著の内容の延長で「狭い場所での料理撮影」について解説してみようと思います(P-138参照)。

まず、実際の撮影現場というのは撮影条件がこちらの都合にマッチするということなんてあるわけもなく、常に何かしら制限があるものでそんなのいちいち気にしてても仕方ないのでその環境でできることをやるしかないわけです。特に狭い場所の場合は機材の選定も考える必要があるのですが、今回の撮影スペースは飲食店の一角で、広さにして畳み2畳くらいのスペースでした。

ライトスタンドを立てるスペースも限られてますし、そもそもテーブルが小さいという制限があります。それで今回は33インチのボックスアンブレラを使います。

それで33インチを選んだのはむろんスペースの制約があるからで、ソフトボックスを使うスペースもなく、43インチくらいのサイズだと撮影時のワーキングスペースの確保が難しいという判断です。実のところ43インチサイズは使い勝手が良いというか、割と万能なのですがやはり物理的に大きく、今回は撮影に使うテーブルのサイズも小さいということもあり小さいサイズを選びました。

露出の設定についてはストロボ1/4(GN60)、F8.0、ISO200、シャッタースピード1/125でチェックします。アンブレラも実際にテストしてみると今回使うテーブルをカバーするくらいの光は回ります。

実際の撮影風景はこんな感じ。

それでボックスタイプのアンブレラを使った理由ですが、普通のアンブレラでも大丈夫だと思いつつ、ディフューザー無しのアンブレラで撮影した場合、光がまだらになったり、シャフトが写り込む可能性があるからです(あくまで個人の経験則なのでそこは好みです)。特に料理の場合は汁気や油分があるのでてかり易いのでね。

ライティングが決まればあとはひたすら撮るだけです。斜めからでも俯瞰でも撮りながら微調整をします。

それでディフューザー付きのアンブレラということで言うと普通のアンブレラにディフューザーを付けて使う場合もあります。

使っているディフューザーは41インチサイズですが、今回は36インチの折り畳みタイプのアンブレラに付けて使いました。

アンブレラがディフューザーより小さいので多少ぶかぶかな感じでしたがとりあえず付いたので使います。機材の使い方というか使い分けは臨機応変に。

それで撮ってみると被写体のてかりが気になり、ストロボ光を一段落としました(この辺は各自の判断です)。

ちなみに料理撮影の場合、次々に料理が出てくることが多いのでかなりテンポやスピードが必要になります。また、せっかくなので複数の料理を並べて撮ったりもします。

最初の作例よりもストロボ光を一段落としてますので露出が変わってますが、露出に関しては後から補正することも想定してどんどん撮影していきます。拙著のP-57でも書きましたが、露出(明るさ)に関して言うと人によりけりだったりします。例えば;

この3つの露出の違いの中でどれが良いかなんて各自の好みです。端的に言うならば実際にこの「写真を使う人」の好みが「正解」です。


それで撮っていてどうしてもてかりが気になる時は向きを変えたり入射角と反射角の原理(P-62)を考えながら撮ります。

このあたりに正解があるわけでは無いのでいつも悩ましいところではありますが、、、

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さて、久しぶりの更新だったのでいささかぎこちない感が否めませんが、「後編」ではバウンスを使った例をご紹介します。




Amazonで予約可能になりました。

どうやらAmazonで予約できるようになっています。

Amazonの初回の入荷量はさほど多くないというようなことを編集担当者から聞いておりますが、品切れなんてしないと思いますが(苦笑)一時的に欠品する可能性はあるかも知れません。

ちなみに表紙はこんな感じです。

書店で確認してから買う方は参考にしてください。

ひとまず、、、、

 




書籍のタイトル決まりました。

先日、ご案内しました拙著ですがタイトルが決まりました。

「クリップオンストロボ本格ライティング~オフカメラストロボ撮影を基礎から学ぶ~」

です。表紙もほぼ決まり、昨夜は色校、校正と長時間に渡る作業をしてきました。また、構成としては;

  • 序 章 なぜストロボをカメラから離すのか
  • 第1章 オフカメラストロボ撮影に必要な機材
  • 第2章 ストロボライティングのためのマニュアル撮影
  • 第3章 大きな光源・小さな光源
  • 第4章 ライティング機材の特徴と性質
  • 第5章 オフカメラストロボ撮影の実践
  • 第6章 白バック飛ばしと黒バック潰し
  • ケーススタディ

という内容です。書籍のタイトルに関しては私の権限の及ばないところですが、ワークショップの卒業生ならお気づきかと思いますが、全体の構成と言いますか流れはほぼ「ワークショップ」の流れです。また、ある意味当ブログの内容を再構成した感じなので「買いたくない!」という方は当ブログを繰り返し読むというのもアリだと思いますwそうは言っても書籍(有料)ということもあって掲載写真の99%は撮り下ろしですし、ブログとは違った気遣いというか、校正などかなりナーバスにやっています。それでやはり全体の内容を体系的にまとめてあると思いますので、分かっているけど改めて知識を整理したい方にはお勧めできるんじゃないかと思います。

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ちなみにですが、こうした技術書というのは出版社的にさほど売れる本でも無いらしく(苦笑)、詳細言えませんが初版部数はさほど多くないです。具体的な数字は言えませんが当ブログのユニークユーザー数(重複なしのユーザー数)の半分以下の部数(実際の流通量はそれよりさらに少ないそうです)なので、都内でも大型書店にしか流通しなさそうですし、東京以外の方は書店で現物確認してから買う買わないの判断をするというのがいささか難しそうな気がします。

そろそろAmazonなどで予約可能になるようですが、地方の方はAmazonなどのネット書店を利用するほうが手っ取り早い気もします。




ワークショップの内容が書籍になります。

最後の更新からすでに一年以上経過しており恐縮しております<(_ _)>

長い間何をしていたかと言いますと、私の通常業務やらでバタバタしたり、昨年の一月にスタジオを閉鎖したこともあり、ブログの更新どころではなかったわけです。また、同時進行で表題の書籍の準備にかなり手間取っておりました。

すでに原稿もほぼ完成し、あと一度(か二度)校正し、色校などを経て発売となり、もろもろスケジュールなど具体的になってきました。まだ、確定という状況ではありませんが、以下のような状況です。

●発売日:2017年2月25日

●価格:2,138円(税込)

●出版社:技術評論社

●タイトル:まだ決定していませんが、「オフカメラストロボライティングテクニック」みたいなタイトルです。

それでまだ作業している最中で、おそらく来週か再来週には脱稿予定です。

内容はワークショップと当ブログの内容を体系的に整理して解説している感じの内容です。ワークショップに興味があっても都合が合わなかったり、遠方の方などには大変お待たせしてしまい申し訳なかったです。

いずれにせよ正確な情報が入り次第こちらでご報告いたします。

これが終わるとやっとブログや動画に着手できます。

先日出版社で校正作業をしていたときの様子。あと一息!




検証:ホワイトアンブレラとトランスルーセントアンブレラ

相変わらずバタバタしております<(_ _)>

さて、そんな中、けっこう質問として多いのですが「ホワイトアンブレラとトランスルーセント(透過型)アンブレラ」の違いについてよく聞かれるので検証したので紹介します。

「検証」と言っても、最終的には好みの問題、撮影環境の問題、だと思っていますので「自分ならどうかな?」と想像しながら読んでください。

それではまずホワイトアンブレラ。これは反射面が白いのですが、特徴としては「反射」させる点にあります。これはわざわざ説明する必要ないと思いますが、シルバーでも同じ原理です。

それでトランスルーセントはどうかというと、こちらは「透過型」になりますので逆に;

こういう感じです。それで「光質」に関しても聞かれるのですが、多少はトランスルーセントのほうが柔らかいように感じますが、光質の違いに関しては被写体の材質や、人の恣意的な感覚に依存するので一概には言えないと思います。共通しているのはどちらも形状がアンブレラなのでソフトボックスのような指向性はなく、漫然と光が広がります。

それで光質以外の部分に関して両者の違いに関して言うと、「使い勝手」があると思います。これは明らかです。通常のアンブレラの場合、角度を付けるのが容易なのに対して、トランスルーセントは角度を付けるという点に関しては制約が多いです。

ただ、角度が付けやすい反面、「高さ」が必要になる。それでトランスルーセントのほうは;

ホワイトアンブレラほど高さは必要ないものの、下に向けるときの角度に制限があります。その一方、反射型のアンブレラは高さが必要で、透過型の場合は高さが反射型のアンブレラより低くても使える、というメリットがあります。

なので、最初に書きましたがあとは好みとか撮影環境次第、と言ったところです。

それで同様の質問として、「光量のロス」があります。アンブレラのほうがロスが少ないとか、トランスルーセントのほうがロスが多いとか、ね。これに関して言うとその差は僅差でしかないと思います。

どちらもストロボの光量は同じで、壁面の一点がF5.6になるようにライトスタンドの位置を調整してますが、光量のロスに関して言うと特筆すべき差を感じませんでした。

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それで割と知らない方が多いようですのでトランスルーセントタイプのアンブレラに関して、応用的な使い方をご紹介します。そもそも「ディフューザーがアンブレラになったもの」なので光りを柔らかくする効果があります。なので窓際に立てたり、晴天時に被写体(モデルさんなんかね)にかざして使う使い方もあります。

こういう使い方だと、窓にトレーシングペーパー貼るより簡単にディフューズさせることができます。この使い方に限らず、いろいろバリエーションは考えられる、というかいろいろあるのですが、ちょっと工夫すればすぐにわかる程度なので割愛します。

(まとめ)

・反射型と透過型のアンブレラでは光量の差は少ない。

・光質は被写体によっても変わるので、使い分けは好みの問題。

・光質や光量云々より、撮影環境や撮影意図で使い分けるのがスマートじゃなかろうか?

私自身もどっちがどっちと言われても、正直悩ましいところなので今回書いたように場所や意図で使い分ける、という以外に回答のしようがないのです。

ご参考まで、、、、