11月16日にしんかい6500第1375回潜航で,赤道付近の水深4200mくらいに潜ってきました.
今年はカリブ海に続いて2回目の潜航です.
今回は深海平原と呼ばれる,平坦な場所での調査です.
本航海の最初の潜航だったのですが,イケメン首席研究者にトップバッターとして指名されました.というのも実は1ヶ月半前にしんかいがトンガ・ケルマディックに行く途中に立ち寄って,海底にいろいろと仕掛けてきた場所なのです.イケメンはそのときに潜っていたのです.本潜航の目的は,そのときに設置したものを回収するのと,そのた目についた生物や巣穴などを採ってくるというものでした.
9時に潜航開始して,約1時間半かけて海底にたどり着きました.底質は白っぽいふわふわの泥で,すぐに巻上って視界が悪くなってしまいました.
私の初めての潜航も砂泥底だったのですが,そのときに比べ,生物はとてもすくない場所でした.赤道直下は,表層が貧栄養であるためか,深海底への有機物の沈降も少ないのでしょう.大型のナマコがちらほらいて,あとは大型の有孔虫ゼノフィオフォアやユムシの巣穴がところどころにあるだけでした.堆積速度も非常に遅そうで,かなり古そうな巣穴や這い痕がたくさんありました.
一度訪れたことがある場所ということや前回信号を出してくれるホーマーも一緒に設置しておいたということもあって,目標の設置物はすぐに見つかりました.
設置物の回収はちょっとややこしい操作が必要だったのですが,そこはさすがの腕前で回収は順調に進みました.しかし,しんかいが動くたびに泥が舞い上がってしまい,曇りが晴れるのを待つのに時間を結構取られてしましました.おそらく合計で30-45分くらいロスしたと思います.そのためもあってか,予定していた作業は9割くらいしか達成できませんでした.
研究者は基本的に状況に応じてパイロットに指示をするわけですが,別の作業を先にやっておいた方がよかったかな?ということがありました.
しんかいでの潜航は3回目で多少は慣れてきた感があったのですが,なかなか難しいものです.
潜るたびに深海底は異なる姿を見せてくれます.前回のような激しい熱水も迫力があっていいですし,今回のような静かな深海底もまた趣があります.(特にギボシムシを見つけたい私に取っては砂泥底の方が魅力的です)
本日イケメン首席が北緯12度地点に潜航し,本航海の調査は終わりです.
後は日本まで11日間かけて帰るだけです.まだ長旅が残っていますが,ひとまず海況の不安定な海域で2潜航とも予定通りに行なえたことに安心しています.
帰ってからのサンプル処理で,この海域の深海生態系に関して新しいことがわかることでしょう.
(まぁ僕のサンプルは採れなかったので,もうやることはないんですがね...あれっす.残りの1割は僕のサンプリングだったんです)
しんかいチームのレポートもよろしく!
今年はカリブ海に続いて2回目の潜航です.
今回は深海平原と呼ばれる,平坦な場所での調査です.
本航海の最初の潜航だったのですが,イケメン首席研究者にトップバッターとして指名されました.というのも実は1ヶ月半前にしんかいがトンガ・ケルマディックに行く途中に立ち寄って,海底にいろいろと仕掛けてきた場所なのです.イケメンはそのときに潜っていたのです.本潜航の目的は,そのときに設置したものを回収するのと,そのた目についた生物や巣穴などを採ってくるというものでした.
9時に潜航開始して,約1時間半かけて海底にたどり着きました.底質は白っぽいふわふわの泥で,すぐに巻上って視界が悪くなってしまいました.
私の初めての潜航も砂泥底だったのですが,そのときに比べ,生物はとてもすくない場所でした.赤道直下は,表層が貧栄養であるためか,深海底への有機物の沈降も少ないのでしょう.大型のナマコがちらほらいて,あとは大型の有孔虫ゼノフィオフォアやユムシの巣穴がところどころにあるだけでした.堆積速度も非常に遅そうで,かなり古そうな巣穴や這い痕がたくさんありました.
一度訪れたことがある場所ということや前回信号を出してくれるホーマーも一緒に設置しておいたということもあって,目標の設置物はすぐに見つかりました.
設置物の回収はちょっとややこしい操作が必要だったのですが,そこはさすがの腕前で回収は順調に進みました.しかし,しんかいが動くたびに泥が舞い上がってしまい,曇りが晴れるのを待つのに時間を結構取られてしましました.おそらく合計で30-45分くらいロスしたと思います.そのためもあってか,予定していた作業は9割くらいしか達成できませんでした.
研究者は基本的に状況に応じてパイロットに指示をするわけですが,別の作業を先にやっておいた方がよかったかな?ということがありました.
しんかいでの潜航は3回目で多少は慣れてきた感があったのですが,なかなか難しいものです.
潜るたびに深海底は異なる姿を見せてくれます.前回のような激しい熱水も迫力があっていいですし,今回のような静かな深海底もまた趣があります.(特にギボシムシを見つけたい私に取っては砂泥底の方が魅力的です)
本日イケメン首席が北緯12度地点に潜航し,本航海の調査は終わりです.
後は日本まで11日間かけて帰るだけです.まだ長旅が残っていますが,ひとまず海況の不安定な海域で2潜航とも予定通りに行なえたことに安心しています.
帰ってからのサンプル処理で,この海域の深海生態系に関して新しいことがわかることでしょう.
(まぁ僕のサンプルは採れなかったので,もうやることはないんですがね...あれっす.残りの1割は僕のサンプリングだったんです)
しんかいチームのレポートもよろしく!