カッフェー・ラーヴェン

貧弱なディレッタント

映画もそろそろ

2011-10-24 22:57:02 | アート・音楽・映画・風景

前に来たときは8月下旬だった。でも何をみたのかもう思い出せないくらいまえ。(下の記事を見たら、勝手にしやがれ、だった。)

あれから2ヶ月で、環境は色々とかわって、そろそろ仕事帰りに2本立て映画なんて生活も終わりで、きっと来年からは忙しくなるだろうし、次にここにくるのはいつだろうと思いながら。

・死刑台のエレベーター

・地下鉄のザジ

同じルイ・マル監督と思えない作品の振れっぷりにまずはびっくり。正反対。でもどちらもちょっと乗り切れなくて。

死刑台~は、ジャンヌ・モローのうろうろ歩くシーンがちょっと冗長かなぁと。あと、もうちょっとエレベーター内シーンをドラマティックにしてほしいなぁと。

ザジは、前半みたいな軽いムードで最後まで可愛らしくいくのかと思ったんだけど、後半のカオスっぷりにちょっとついていけなくて疲れちゃった。うーん。あれって後半面白いと思うのかしら、みなさん。

 


おめでとう。

2011-10-13 23:21:53 | 雑記

親友が結婚した。

 

彼女は中学のとき、私の靴箱に遺書をしのばせて、自殺をはかった。

私は文字通り腰をぬかした。腰をぬかしたのはこれまでの人生であのときだけだ。

彼女は長い間入院した。

帰ってきてほしくて、彼女に手紙をかいた。

刺激が強いから、何も今は伝えられない、としばらくのあいだ手紙は届けてもらえなかった。

でも書き続けた。手紙は誰かが預かっていた。

いてもたってもいられなくて、千羽鶴をつくった。

みんなから鶴を集めたら多くなってしまって、二千羽鶴になった。

私は鶴に糸を通して、二連の千羽鶴をつくった。病室は面会謝絶だったから、彼女に届けてもらった。

彼女がいない間、自分の鈍さと愚かさと、彼女の繊細さと、大切な人を失うことの悲しみ、そして遺書に私への感謝の言葉を綴っていた彼女の最後までの優しさをずっとひとりで考えていた。

彼女が何を考えていたのか、知りたかった。そして謝りたかった。

数箇月後、彼女は帰ってきた。私たちは何事もなかったように普通に迎え、同じ中学と高校を卒業した。

私たちの間でその話題が会話に出たことは、けっきょく一度もなかった。何も聞けなかったし話せなかった。

でも、私はずっとそのことを考え、私の人生観は大きく変わったし、人への寄り添いかたも大きく変わった。

 

 

今年2月、彼女は私に会いに来て、結婚すると教えてくれた。「結婚するって直接報告したくて」と言ってくれてとても嬉しかった。彼女はとつぜん「あのときのこと、本当に感謝してる。ありがとう。」と言った。

不意打ちで、私は涙目で「そんなことないよ」としか言えなかった。

本当は私もありがとうと言いたかった。いろんな大切なことを私に教えてくれてありがとう。

でも言えなかった。

 

 

3月に地震があった。彼女と旦那さんは東北に住んでいた。連絡がとれなくて、わたしは、「彼女がつかんだ幸せが・・・」と泣きながら思った。こんなところで途絶えないで。

無事だった。改めて、誰よりも幸せになってほしいと思った。

 

 

そして、結婚式。

ウェディングドレス姿でご両親と現れたのを見て、ご両親の気持ちも想像して、胸がいっぱいになった。

会場から出るとき、彼女に色々伝えたかったけど、「本当におめでとう」以上のことは、言葉がつまって、言えなかった。

並んだご両親に「あなたがいなければ、今の娘はなかったと思ってるんです。ありがとう。」と言われて、涙でうまく答えられなかった。本当は、「娘さんがいなければ、今の私もないです。」と伝えたかった。

 

10年たった今になっても、あのとき二人が別々に過ごして考えていたことは、いまだにお互い知らないままだ。

そして私はいちども感謝の気持ちを伝えられていないままだ。

こんな、彼女が見もしないところでつぶやいているだけ。

いつか、言わないと、きっと後悔する、と思う。

私の結婚式で、伝えられるだろうか。


あと少し

2011-08-29 21:55:42 | アート・音楽・映画・風景

箱根彫刻の森美術館。

途中でどしゃぶりになったけど、なんとかあがって、猛暑の中、彫刻はいきいきしてた。

 

オペラシティの「家の外の都市の中の家」

あんなに開放的な空間で暮らせるのかしら?

 

あと。勝手にしやがれ。を観た。

昔はよくわかんなかったけど、今回は、あぁこういうとこがみんなが惚れるとこなのかな、なんて感じられて、でもやっぱりそんなに惚れない。

 

これまで、色んなとこ行って、色んなこと話したけど、

これから、ひとりでも色んなことを探しにいくのだ。


走って

2011-07-03 20:10:21 | アート・音楽・映画・風景

さいきん、1週間がすぎるのが、とにかく、はやい。たいてい気づいたら金曜日になっている。

そのくせ、めまぐるしく環境が変わるので、1ヶ月前のことなんかが、とてつもなく昔に思える。

勢いで走って、振り返ったら、とても遠くまで来ているみたいな感覚。

こんなふうにして2年間すぎていくのかしら。

あっという間であってほしいし、でもちゃんと遠くまで走って行きたい。

息切れしないか、それが問題だ。

 

☆森と芸術@東京都庭園美術館

各時代や各分野からちょこちょこと面白いものをセレクトして、良い美術展でした。

ヨーロッパの森って、ちょっと不気味で異形の者が棲んでいるイメージ。

9月にフォンテーヌブローでピクニックをしてこようと思う!!

フォンテーヌブローって、アンドレ・モーロアの「デブの国ノッポの国」の入口があるんだよ確か。

 

☆「地下室のメロディー」アンリ・ヴェルヌイユ

ひさしぶりにアラン・ドロンをみました。

なんだか太陽がいっぱいと似たような役?楽してステップアップしようとするダメな若者に見えるのかしら笑。

最後のシーンがすごく印象的であります。


さいきんみたもの

2011-06-19 20:43:35 | アート・音楽・映画・風景

☆フランソワ・オゾン「しあわせの雨傘」

シェルブールの雨傘であんなっに細くって可愛かったカトリーヌ・ドヌーヴが、

歳をとるとこうなる、というのは、女にとってなかなか酷な現実。

ちょっと、くどいものの、まぁまぁ面白い映画なんだけど、

ドヌーヴのかつての姿が頭のなかをチラチラする。笑

 

☆ジョセフ・クーデルカ プラハ 1968 展 @写美

プラハの春のときのワルシャワ条約機構軍の侵攻を撮った写真展。

プラハにも戦争写真にも興味あるしと思って、これだけ見てきた。

ポスターになっているのは、構図バッチリで静止した、ある意味、絵画的な写真だけど、

ほとんどの写真は、侵攻を見つめる一般市民の表情と、

一部の抵抗する市民の姿を切り取った、動きのある写真だった。

プラハの人たちは、ただ道端にスクっと立って戦車を見つめていたりして、

でもその表情は冷静なのに怒りを浮かべていて、

なんというか、いかにもチェコらしい。

歴史上しょっちゅう周りの国に攻められて、そのたびに抵抗せず侵略されて、

それなのに民族意識はちゃんとあるっていうチェコ。

抵抗するとポーランドみたいに街がボロボロにされるけど、

抵抗しなかったからこそ今もプラハは中世のまま残ってる。

写真の色んな部分にプラハの精神を感じた。


2011-05-26 21:12:36 | アート・音楽・映画・風景

さいきん、
パリ20区、僕たちのクラス
を観た。映画は久しぶりだったな。
ドキュメンタリーかと思った。
観たい映画はちょこちょこあるけれど、
バタバタしてなんだか行けてない。

**

2月にシュルレアリスム展@国立新美術館

3月に彫刻家エル・アナツイのアフリカ@神奈川県立近代美術館 葉山館

に行って、次の週、鎌倉に行くつもりだったけれど、その前日に地震がきた。


地震の前の、葉山の海。



地震で色々と取り乱したけれど、
すこし落ち着いてから、鎌倉、江ノ島に行った。


江ノ島の空。



穏やかな海と空を見た。

時は前に進んでいくということに、じっくりと気づく日々。

ここ2ヶ月で、少し強くなったんじゃないかしら。


透けてみえるもの

2011-02-22 21:49:33 | アート・音楽・映画・風景
2週連続で六本木に行って

小谷元彦展 幽体の知覚@森美術館

倉俣史朗とエットレ・ソットサス展@21_21 DESIGN SIGHT

をみました。

幽体の知覚のほうは、プラネタリウムのついでだったんですけど、
死や毒をあからさまに意識した作品はあまり好きじゃないです。

倉俣史朗のほうは、小規模ですけど、椅子好きなので、満足度大です。
実際にお客さんが座れる展示が一脚もなかったのが残念だけど・・・
当時の斬新なデザインも今見ると昭和レトロっぽく見え、
でもそこが今逆によかったり。

救いようのない。

2011-02-12 23:15:51 | アート・音楽・映画・風景
社会人になってから更新してませんでした。
日々たくさんの得難い経験をしています。
他の人に伝えたい感想がたくさんあるけれど、
それらはたいてい秘密にしなきゃいけないことばかりで、
それらが書けないとなると、なんだか他の事を書く気も薄くなっちゃうのです。


今年に入って観た映画、まだ3つで、
トリュフォーの柔らかい肌、
フェデリコ・フェリーニの道、
園子温の冷たい熱帯魚、

あ、はからずも、どれも気持ちが落ち込む映画でしたね。。。

まぁ、「柔らかい肌」はある意味エンターテイメント的だけど、
「道」は、
ヒューマンドラマと見せかけてるけどこれって人身売買ですよね?
主人公ぜんぜん救われないよね?
ニーノ・ロータの音楽にだまされてるよね?
っておもって、釈然としない気持ちで終わり。

「冷たい熱帯魚」は、心理描写、不安をあおる撮り方、
役者さんたちの演技の迫力はホント素晴らしいと思うんだけど、
暴力描写やスプラッタ的なグロイ映像が私にとって度を越えてて
完全に打ちのめされてしまいました。
映像が、赤すぎます・・・笑
実在の事件をベースにしているからこそ、
あれくらい激しくやっちゃったんだろうけど、
実際あんなことが起きたと想像して余計落ち込みましたよ。

世の中には救いようのないシチュエーションがいろんな形である。
さいきんそういうのを目の当たりにする機会もあるんだけど、
けっきょく答えが出せないことばかりですね。

まだあった、みたものきいたもの。

2010-11-24 12:07:12 | アート・音楽・映画・風景
★★正倉院展@奈良国立博物館

初めて行きました。
開催期間がいつも短くて、土日は激混みなので、「その時期の平日ヒマ&奈良に行ける」っていうのが今までなかったのです。
今回は平日午前に行ったけど、15分待ちくらいで、中も十分混んでましたっ。
おばちゃんが大挙してやってくる感じです。

お目当ては   螺鈿紫檀五絃琵琶 !!!

日本史が大好き高校生だった頃、日本史の資料集でしょっちゅうこの写真を眺めて、螺鈿が美しすぎる~いつか絶対見るんだ!!って思って過ごしていたのです。ついに実現♪
そして展示は19年ぶりらしく。タイミングがラッキーっ。

大混雑だったのでゆっくり見ることができなかったのだけど、裏側の花文様の美しさは想像以上でした。
文様がとっても精密につくられている上に、光があたると上品な白い艶っぽい光を放って、遠目に見てもつい見とれてしまう華やかさ。
今みたいに宝飾品に溢れた時代でもそう見えるんだから、当時だと、この世のものとは思えなかったでしょうね!


あとは、「これが、あの!!見たかった!!」っていう宝物がなくて、「ほうほう」というくらい。
そんなにたくさん宝物の展示品はないです。

そして、金属の加工品は美しく残っているけど、布・木の宝物は痛みが激しくて、柄がよくわからないのが残念ですねぇ。説明がないと、何だかさっぱり。それでもゆっくり見たらわかるのかもしれないけれど、混みすぎなのでよくわからなくて…。そのモノ自体が美しくないとあんまりそそられないので、正倉院に関する木簡とかは、「ふ~ん」と思うだけで、素通りしてしまいました。美術品ファンであって大して歴史ファンではないのね私。

だから、今後、あの展示数・展示クオリティのために、わざわざ奈良に行って、長時間並んで人混みをかきわけるか?というと、一念発起しないとなかなか無理な気がします。
今回、たまたま奈良に泊まっていて、たまたま正倉院展の時期で、たまたま螺鈿の琵琶が展示されていたっていうのが、一生に一度のチャンスだったのかもですね。


★★バロック音楽の演奏会(ギター、バロックフルート、バロックダンス)
「癒しの音楽 フランスバロックの隠れた華・ミオン」
チケットもらって行きました。
ミオンていうバロックの作曲家を特集してギター3本で演奏しつつ、解説、ダンス、詩の朗読、バロックフルート共演なんかも織り交ぜての演奏会でした。
バロックは普段聴かないのです。
嫌いじゃなくて、むしろ聴くのは心地よいと思うのだけど、私の耳には区別がつかないのです笑。
だからギター聞いて「気持ちいいねー」と思ってたけど、もし、途中で同じ曲とか演奏しても気づかなかったと思います爆。
ジャズなんかは、さいきん「脱BGM」で、ちょっと耳で覚えられるような気がしているんだけど、バロックは私にとっていつまでたってもBGMなんだなぁ…。

雑多だけど最近の映画

2010-11-24 01:39:41 | アート・音楽・映画・風景
映画もちょこちょこ見てるんだけど、メモしないともう記憶が…

・ヒッチコック「裏窓」
→前に「鳥」をみたので、かなり構えてみたけど、怖くないですね。

・のだめカンタービレ 映画版
→だんだん展開が「おいおい」ってなってくるので去年のお正月スペシャルのほうが面白かったなぁ。なんか色々なことを重ねて合わせて観てしまい、そんな自分を客観的にみて痛いと思ってしまうので、純粋に楽しめなくなっているのかもしれません!

・ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス「リトル・ミス・サンシャイン」
→ストーリー面白いんだけど、苦笑いのまじった笑いに溢れた話で、「おぉっとそうきたか?(^^;)どうなるの?」って思いながら見てると、最後はちゃんとハートウォーミングに仕上がっていて、後味がよいです。

・ヴェンダース「パリ、テキサス」
→みるのは二回目なんだけど、今回のほうがより胸にしみました。ほんと良い映画だなぁ。大人になるほどしみる映画なんじゃないかなと思います。

・ヴェンダース「ベルリン・天使の詩」
→ファンが多い作品ってイメージだったんだけど、正直、良さがわからなかったです…。冗長だし、セリフ、歌がちょっとわざとらしいなと思って、みながら疲れてしまいました。もちょっとメリハリがほしいよぉ。

・ローラン・ティラール「プチ・ニコラ」
→予告編で予想していたけれども、ニコラの可愛さに悶絶しました。あぁぁぁ可愛すぎる。ほんと可愛すぎる。ニコラを息子にしたい!!と心の底から思いました。(←わたし年とったね)
可愛いだけでなくてちゃんと面白く仕上げてあって、フランスのコメディセンスは外さないなぁ、いつもすごいなぁと思うのでした。
楽しいフランス映画大好き。