雨上がりの庭でマツムシソウが咲きました
「今日のハチミツあしたの私」(寺地はるな 2017年3月刊)を読む
寺地はるなの新作です( 表紙は西淑)
「ハチミツ」が片仮名で「あした」が平仮名で「私」が漢字かぁ
とつくづくと表紙を見る
「今日の蜂蜜 明日の私」
「今日のハチミツ あしたの私」
やっぱりこれでしょう
主人公の碧(みどり)は安西と暮らしている
安西は仕事の続かない男だ
ある日、安西が「実家に帰って仕事を手伝うから一緒に来て欲しい」と言い出した
碧は仕事を辞めて安西について行くことにする
ところが安西の父親は結婚を認めないという
以前の所に戻って新しい仕事を探すか(住み慣れた土地を選ぶ)
安西と一緒に住む暮らしに戻るか(住み慣れた人を選ぶ)
頼み込んで以前の仕事に戻るか(慣れた仕事を選ぶ)
碧はあっさりとどれをも振り払う
碧がたどり着いたのはクロエ蜂蜜園
妻が娘を連れて出て行ったという家の中は足の踏み場もない
でも蜂の世話はきちんとしているらしい黒江に
碧は弟子入りすることにする
拒食症だった中学生の碧が出会った女の人が
「あなたこの先もずーっとみんなに嫌われたまま生きていきそう
あなたがあなたを嫌っているから
だから周りのみんなはますますあなたを大事にしないし
こいつはそういうふうに扱ってもいいんだって思われてしまうわよ」
と言って一瓶のハチミツをくれたことを思い出したからだった
そのハチミツを食べたから拒食症が治ったというわけではないけれど
今は
食べられるようになっている
ある日
黒江の家に娘の朝花(ともか)が帰って来る
碧は黒江に頼まれて食事を作るようになる
ハチミツで甘みをつけた煮しめ
ハチミツで照りを出した鶏の黒胡椒焼き
ハチミツで煮た桃のコンポート
ハチミツを隠し味にしたちらし寿司
・・・・
あれ似ている・・・小川糸に
寺地はるなの方が少しライトですが