yokomizoの覚え書き

切手とSFと本が好きなおっさんのひとりごと。

機動警察パトレイバー

2008-06-25 | SF
 8月22日(金)に発行予定のアニメ・ヒーロー・ヒロイン・シリーズ第8集は「機動警察パトレイバー」でしたね。おそらく、切手収集家の多くの方は“???”だと思います。それもそのはずで、作品自体の評価は高いものの、一般メディアで大きく報じられるほど、人気はなかったと記憶しています。
 もともとはアニメ・ファンだった漫画家・ゆうきまさみが、友人とでっち上げた与太話をもとにして作られたのですが、ストーリーはいわゆる子供向けロボット・アニメではなく、登場人物の人間ドラマ、“レイバー”というロボットが実用化された際の社会事情、そのメーカーにおける倫理など、かなり大人向けのものでした。人気がなかったというのは当たり前で、ロボットやキャラクターを全面に押し出した明るい作品ではなく、あくまでもストーリー中心だったので、社会現象化はハナから難しかったでしょう。
 ただ、アニメ・ファンやSFファンの間では、結構人気がありました。私もテレビ・アニメや漫画をリアルタイムで見ていましたが、そのハードな内容に面食らったのを覚えています。当時の社会事情の中に“レイバー”を放り込んだらどうなるか、という設定が綿密に練られており、未来世界を描くSFというよりは、現代を舞台にしたシュミレーション・ストーリーと感じていました。主人公をはじめとする登場人物も、現代社会に翻弄される実在する人物のようで、かなり異色な作品だったと思います。

 作品自体が発表年の10年後、つまり2000年前後を舞台としており、今見ると設定自体に違和感を感じるところもありますが、面白いことは請け合いですので、ご興味あればご覧になってみてください。ちなみにアニメは最初に登場したオリジナル・ビデオ・アニメ(OVA)版、劇場版、テレビ・アニメ版、テレビ・アニメが打ち切られたため、それを補完するためにリリースされた第2期OVA版などがありますが、オススメはテレビ・アニメ版でしょうか。
 ちなみに原作者の「ヘッドギア」というのは、この作品を作るために結成された制作グループで、メンバーはゆうきまさみ(原案・漫画担当)、出渕裕(メカニック・デザイン)、高田明美(キャラクター・デザイン)、伊藤和典(脚本担当)、押井守(監督)の5人。いずれも当時からこの世界では有名な方々ばかりですが、詳しくはWikiなどに譲ります。