[ラ・ドボク]空想ドボク軽小説~ライト・ドボク・ジュブナイル~

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第二章 その4

2010-06-06 | 日記
なぁデビットソン、あいつらコンディショナーって何物なんだろう?

いつになく、真剣な表情で呟く僕に笑顔で返す部員たち。
なぜなら、夏合宿の企画に盛り上がってるからだ。

「ねぇ、ハマカちゃん水着買いに行こうか!」
「えぇ、マリナさん。スクール水着じゃダメなんですかぁ?」
「僕の父の別荘にはプライベートビーチとプールもあるのでお二人の水着姿で華を添えていただきたいですね」

なんか先日の第一回全日本高校生ドボク部言論発表会での騒動を再検証するのがバカバカしくなってきた。
そこで僕は気を取り直して水着セレクトの付き添いを立候補しました。

「何でカレシでも無いのにあんたが買い物に付き合うのよ!それも水着の」

ケンもほろろだ。

「別荘は寝泊まり出来ればいいんです。幼い頃に行っていたのを思い出しましてね。地図を見ていたら廻りが非常に香ばしいんですよ」

香ばしい?どういう意味だデビットソン

「海の直接放流可能なダム、とか、戦跡も海沿いにかなりありますし、かなり大規模なセメント工場もあります。変電所も。。。」

わかった、わかったよ。いわゆる観光ガイドには載ってないけど、ドボク部・部員なら大好物って奴だよな。

「そうです、ドボク的構造物の鑑賞とその感動の共有。ドボク部活動の基本であり全てですよ」

デビットソンは、ほのかに蒼い瞳で部員たちに語りかける。
なぁ、君の兄さんも幼い頃その別荘で遊んだんだろ?ほらコンディショナーとやらのリーダーのさ。

ちょっと捻くれてるのかな?と、そのときは軽く思っていれたんだその時は。

第二章 その3

2010-05-30 | 日記
えーとややこしいので簡潔に説明させていただく。
我が級友デビットソン(弟)と瓜二つの
デビットソン(兄)が従えた、イケメン男子高校生の群れは
コンディショナーと呼ばれる団体であると。
世界中の高校生から組織されいると。

第一回全日本高校生ドボク部言論発表会に
突如、現れた、過激派「超革命的ロハス高校生集団」を
鮮やかに鎮圧、検挙、警察への連絡も見事なタイミングでおこなわれ
華麗に捕り物帳は終了した。
全国ドボク部・部員たちの尊敬の目を集めながら。

そして、こう言い放ったのだ。
「僕らはコンディショナー、世界を調節する力だ」
そして、こうも付け加えた。
「同士諸君、この国のドボクの新たなる価値観を共有したく存じ上げた」

ご挨拶が後になったと謙遜する彼らは過激派の攻撃から自分達を守ってくれた
救世主のごときであった。

級友デビットソン(弟)や愛するヒロイン、ハマカ部員が「早すぎる」と呟いていたが
彼らコンディショナーの登場がもう少し遅れていたら
第一回全日本高校生ドボク部言論発表会は阿鼻叫喚の大パニックになっていたんでは
と思ってしまうのだが、どうだろう。

その場とその時間軸でしか物事を判断できない
いたって健全な高校生だったんだ
まだその時の僕ことペスはね。


第二章 その2

2009-12-20 | 日記
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

現れた謎のメンバーを震えながら指差すマリナの
叫び声が響き渡る。どうした!?

「みんな、めっちゃ、男前、、、」

なぁ、マリナ、おまえそんな面食いだっけ?
だがしかし、確かに美形揃いでおでましだ。
そうこの感じ、似てる、
特に真ん中に立つリーダーっぺい奴
僕のクラスメートであり、ドボクの仮部員、そして恋敵
西岬ディヴィットソン(仮&♂)に瓜二つなんだ。

西岬がややブルーの瞳だが、そのリーダーっぺい奴は赤味を帯びた瞳。
実にわかりやすいキャラ設定だ。
まさか「兄さん・・・」とかの台詞を言うなよ。

目をハートマークにしているマリナをほっておいて
僕はハマカを探す。そしてイケメン集団と見つめ合うハマカを見つける。
あぁ、なんてこった、ハマカ部員、君も美形にゃ弱いのか?

「あなたたちが現れるのは、まだ・・・早すぎる。」

あれ?何?ハマカ部員、口調が違くないか?え、震えてる?
なんだ、何かされたのか?こいつらに?
ゆるさないぞ、ディヴィットソン!行くぞブッとばす!
おい、ディヴィットソン!

「そうだ、焦り過ぎだよ、兄さん」

ちょっと待て。ベタすぎるだろうこの展開。
ってまだこの時は自分に自分がツッコミ入れる余裕があったんだ。



第二章 その1

2009-10-18 | 日記
スイスからの帰国子女、舞早紀が
ダム鑑賞についての素晴らしいプレゼンテーションをキメた、その時だった。

「おまえたちはぁ~、どうかしてるぅ~。」

第一回全日本高校生ドボク部言論発表会・会場に鳴り響くシュプレコール

ヘルメットを目深に被り、顔には薄手のタオルを巻き付けた集団は
音の割れた拡声器を唯一の武器としてなだれ込んできた。

「我々はぁ~、高校という組織の枠を超えた超革命的ロハス高校生集団であるぅ~」

このやたら語尾を延ばす口調、萌え女子が言ってくれればこの会場も和むってもんなんだが、

「お前達、ドボク部は政府または国家の傀儡団体であり、その純粋な対象物への愛情を利用されているにすぎなぁ~ぃ!」

おやおや、学校組織の根本を覆しかねない台詞だなぁ。

「超ロ高こそが貴様達を覚醒させる、唯一の希望であり、一筋の光である。」

あぁ、こいつら酔ってる、自分の言葉に酔いしれてる。

「この場を調節するチカラ、僕らがお貸ししようか?」
会場の2階に現れた太陽の光を背負った
またもや団体さんがやってきて僕は目を丸くした
その中心のリーダーらしき人物が
あまりに身近なあまりなアイツだったからだ。

第一章その13

2009-08-23 | 日記
「なぁテツ、あの浮かれているだけのドボクミーハー達に工場鑑賞のなんたるかを教えてやろうか?」

加賀コンビナートにスクッと立ち上がる展望台に二人の男子高校生が
一眼レフカメラを抱え立っていた。黒い学ランを風にたなびかせながら…。

その一人「テツ」と呼ばれるその巨漢は
頭に黒いバンダナをキツく巻き、2m、いや3mを超えるであろう身長であった。

そしてもう一人その肩に腰掛ける様に佇む小柄の少年の名は「ケン」
トンチの効いたデザインの眼鏡の奥には真っ直ぐに工場を見つめる瞳が輝いていた。

この二人の所属する県立高校ドボク部は
この国にある数多くのドボク部の中でも
工場鑑賞では右に出るものがいないと言われる強豪校のひとつである。

その揺らぎない実績は独特のドボク撮影方法に支えらている。

ただでさえ高いビューポイントでの撮影を可能にしていた「テツ」の長身に
「ケン」はとんでもない提案をしたのだ。

「テツ!俺を大空に投げ放て!そして俺たちは鳥の目線を手に入れるのだ!」

テツは燃える瞳でそう叫ぶ、ケンの想いを無視することが出来なかった。

「テツ、工場を。コンビナートを魅力的に納められば俺は死んだって構わない。
誰も見た事のないドボクの魅力をカメラに残せればそれで良いんだ」

テツはケンの胴体を強く掴んで振りかぶった

「いけ!テツ。俺に翼をくれ!!」


実現する妄想をヒトは奇跡と呼ぶ。

その「ケン」の飛んで行く軌跡を眺めながら「テツ」はそう思うのだった。

そして、全国のドボク部の度肝を抜く工場写真と
熱いプレゼンテーションで
瞬く間に優勝候補に踊り出た二人は
ほんの、ほんの少しだけ思うのであった。

「共学のドボク部っていいな、ウチのドボク部にも女子部員がいたら…」

無口なテツは口に出さずそっとそう思うだけだった。

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第一章その12

2009-08-09 | 日記
「うわぁ」

巨大な碍子の塔が僕らを監視するかの様に出迎える。
最後の鉄塔から電線が地面に引き込まれる。
そして、そしてとても視野の収まりきらない
コンビナートの全貌が見えている。

「赤白煙突がカワィィですぅ、経年変化で色褪せたのもグッとくるですぅ」

無数の煙突が、本当に無数の煙突が並んでる
大小の寸法があるのか?それとも前後に並んでるので
身長差があるのかわからない。本当にわからない。

「凄いですね、コレほどとは」

「うん、デヴィットソン、好きかも、私の中の男子回路、スイッチ入っちゃうな」

ドボク部、全部員が口を開けて眺めていた。唖然としてた。

「私も車窓から口を開けて眺めていたいんだが、
引率者として事故る訳にもいかんのでね。」

そういう白浜先生の脇見運転っぷりはかなりのモノだった。
こんなゴッツい
フェンスに突っ込んだら何処のテロリストですか?って感じなので
お気をつけくださいね。
いやマジで、真っ直ぐ走って無いし。

このコンビナートをぐるぐる廻っていると
この世界は銀色とサビ色だけで形成されてるのではと思ってしまう。
人はこんなモノを作り上げてしまうんだなぁ。凄いよ。

「この辺は製鉄の工場ですね、しかしどれだけ広いんでしょう」

「そうね、まだ化学コンビナート、火力発電所、薬品工場、石油貯油タンク…」

少し地図を開く余裕が出て来た部員一同が指で施設名を追っていく。

まるで、いたってマジメな部活動の様だった、僕ことペスも含め。




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第一章その11

2009-07-28 | 日記
「白浜先生、おクルマ出していただきありがとうございます」

ディヴィットソン(仮&♂)が
礼儀正しく先生にお礼申し上げてている
非常に正しいと思うよ。
だって駅前のロータリーからスタートした
僕らのドライヴはいつしか人里を離れ
ローサイドに数件のファミリーレストランを後にしてからは
只の本当にただの空き地と道が続く
基本、コンビナートは観光地では無いので交通手段がない。
時折走ってるバスは工場で働く皆さん専用だし、
気の遠くなりそうな直線道路を眺めていると
あぁ、この道を歩いて、歩いて、歩きつくしてまで
工場鑑賞に行く輩はいないと思う・・・
この時はそう思っていたんだ。ってこの言い廻しも飽きてきたな。

「多分、きっと近いうちに観光地になりますよぅ。
だってコンビナートに近づくにつれ密集してくる鉄塔の群れを見てみてくださいっ!
胸がキュン!ってなります、ですぅ」

「ハマカさん、その多分は、そう2年、いえもっと近くに実現しますね」

「おやディヴィットソンくん、随分と根拠のありそうな数字と意見を出すじゃないか」

「いえね、白浜先生。全国のドボク部が一斉に活躍すればそれも夢ではナイかなと想いましてね」

「夢と希望で、って奴!?マジな顔で言わないでよ」

「マリナさん、そう、そうですよドボク部は全国一斉に今年発足したばかり。
僕ら高校生が真意に観光と地域活性化を考えドボク鑑賞をメジャー化する!
それがドボク部のドボクシップに則り正々堂々と闘うコトを誓いますでしょう?」

「競技人口が少ないスポーツでオリンピックを狙う理屈!?
大体、闘うって何よ?あと日本語、変。」

「まぁまぁマリナもディヴィットソンも二人とも熱くならないで
というか議論する高校生ってさ。
ドボク部ってそんなマジな部活じゃないんじゃね?」

「ペス!あんたは黙ってなさい」

「いや僕が悪いのです、正規部員に認めていただきたくって語りすぎてしまいました
あと日本語が変なのは帰国子女だからです。男ですが」

「みなさーん。みなさーん。見てくださいぃ、パイプさんが、パイプさんがどんどん増えて行きます、素敵です。クネクネですぅ」

いいか、ハマカ部員の様に愛くるしい笑顔とつぶらな瞳で
インダストリアルな景観を愛でる、それでいいじゃないか。
とハマカ部員の反応っぷりを鑑賞していた僕は思うのだった。

正確には・・・思っていたんだ。その時には、まだ。ってこの言い廻(ry

第一章その10

2009-07-23 | 日記
「ベンツだ、メルセデスだ。」

お嬢だったのですね、白浜アン先生。とかそーゆー事ではなく
あまり公の道では見かけないお車だった。デカく、ゴツい。
先生、そのおクルマは何という?

「「多目的動力装置/Universal-Motor-Gerät」略して「ウニモグ」だよ」

「おいしそうですぅ、寿司の名で聞いたコトありますぅ。ごちそうになるときはまずリクエストしちゃう奴って聞いてますっ!うにウニもぐモグ・・・」

ってハマカ部員、それは誰から受けた教育なのかな?

「頑丈そうですね、大勢乗れそうですし、いざとなれば線路も走れますし」

って詳しいなディビットソン(仮&♂)部員。
こらこらハマカ部員は尊敬の眼差しで見ちゃいかん。

ただのひとつ言えるのは、とてもドボク部に似合う車両だってコト。
そしてこんなクルマじゃなきゃこれからの僕たちの活躍を
支えきれなかったというコト、この時はそんなコト思いもしないで
上から目線でコンビナートに向かっていたんだ。

「加賀コンビナート」

我が加賀県が大日本合衆共和国に誇るメガ工業地帯、
そういえば小学校の時に「我が栄光の加賀県」って
教科書に載ってたなぁ。

「コンビナートですぅ。ソビエト語なんですよぅ!カッコイイですぅ」

各自、どうでもいい知識と情熱を車内にふりまきながら
うにウニもぐモグ号は海に向かっていたんだ。

若き恋する男女が海へ、正しい姿ですね。正しい姿ですよ。

第一章その9

2009-07-12 | 日記
「ドボク部決起集会」

そう書かれた紙を持って駅前に誰よりも早く突っ立っていたのは、補欠部員のディビィトソン(♂)そのヒトであった。
随分とおこないが宜しいではないかディビィトソン(♂)よ。
しかし本部員に道は遠いのだ、ドボク部活動の活性化と規律の為にも部長である僕の厳しい部員のセレクトは必然なんだ。

そのディビィトソン(♂)が言う
「マリナさん、素敵なグラディエーターサンダルですね、お似合いですよ」

「ん、なんだそれ、アミアミサンダルか?女戦士には、おぉー似合ってる!似合ってるともさ。槍と楯も一緒に持たせて、ハマカ部員を守ってほしいね!(ディビィトソン(♂)の魔の手から)」

「あのね、ペス、もちろんアンタの魔の手からハマカちゃんは守り通しますとも、ただね、このサンダルはオシャレなの、女戦士のコスプレでは断じてありませんから。こーゆーの疎いからねペスくんは、、、ねぇハマカちゃん」

その守られるヒロイン。ハマカ姫は休日だと言うのに・・・・
「外出時は標準服を着用のこと。って生徒手帳に書いてあったんでぇ、、、なんで皆さん私服なんですか?も、も、も、もしかして不良さんなのでしょうかぁ???」

あぁ、イチバン私服姿を見たかったハマカ部員は今日も制服姿なのだ。まぁ学園一、カワイイからいいけどさ。

気になるのは、制服姿でカッコいい奴は私服姿でもカッコいい。という事実だ。
なぁディビィトソン(♂)ほんの少しだけどな。

そして、僕の、いや僕らの予想を遥かに凌駕する愛車で現れたのは、白浜ドボク部顧問であった。

第一章その8

2009-06-28 | 日記
こいつは絶対ハマカ部員狙いだ。入部なんて、ゆるさない、ダメ、ゼッタイ。

何がゆるさないかって、それは、まず、僕より。
少しだけ長身で、
少しだけハンサムで、
少しだけ外人の血が入っていて
少しだけ笑顔が爽やかで、
少しだけ小テストで満点を取り、
少しだけサッカー部のレギュラーからボールを奪いとり、
少しだけ、少しだけハマカ部員にアイコンタクトした。

その転校生(♂)
西岬ディビィトソンは
こともあろうか、我がドボク部に入部希望してきたのだ。
その入部届けは僕にとって決闘書か宣戦布告に等しかった。のだ。
かなり偏見と私情が16乗くらいになってはいるのだが。

だが、こいつはしたたかだ、まずはターゲットである
ハマカ部員にはアプローチせず、女戦士マリナからご挨拶だ。

「背が高い事はドボク鑑賞にとっても有利な事です。」

何、知った事を。

その鑑賞物を愛でるのに、高い目線が得られるのは得策だ。
フェンスに囲まれてる施設も時にあるしな。
だからといって、ソレが絶対じゃない。
ベストのビューポイント見つけられるのは愛情と情熱と長年のカンだ
そして同じ場所でも時間によってその表情を変える。
だからドボク鑑賞は止められないんだ、コレが。
わかってるかな?ディビィトソン(♂)

しかし、僕はまだこの時点でドボク鑑賞という経験したことが無かったのだ。
いま気づいた。全て、ハマカ部員から伝承されたドボク道心得だった事を。
そして、ディビィトソン(♂)はハマカ部員とそのドボク鑑賞について
楽しく語らっているではないか。
いま決定した。今週末に我がドボク部は大日本海沿いのコンビナート見学に行く。

もちろんディビィトソン(♂)の入部テストを兼ねてだ。


ファウンデーションNo1

2009-06-21 | 日記
「この星から生まれ得た、全てのモノは全ての人々に平等に」

大義名分はどんな時にも必要だからね。
平等に分けるにはまずは集めなきゃならないんだ。
それがあの人達の調節。そうコンディショニングだ。
大変だよね。
全てのモノを集め尽くさなきゃいけないだからね。

それよりさ、ならしちちゃえば楽なのにね。
何をならすかって?そんなぁ、わかってるよね。
きめ細やかに、美しく、下地が綺麗だと全てはうまくいくんだよ。

すでに、生まれ得たモノを調節しつくすなんて無理無理。
ご苦労さま。

影ながら応援しております。コンディショナー殿

きっと私たちの見る未来は一緒だからね。

でも、そこに立っているのはファウンデーション。

そう、僕らさ。

コンディショナーNo1

2009-06-15 | 日記
「紙と木で建物をつくるあの国にいくんだろう?」

彼は得意のジョークを決めた、
得意げな笑みを浮かべている。
しかしその表情の中に浮かぶのは
人への蔑みなのか幸せの共感なのかも判らない。
そもそも感情がなんたるか麻痺している。のか。
感情で動き働けるほど
短いスパンで物事は動いていない事は
わかっている。

「いえいえ、どうもその様な建築物では無い様ですよ?
鉄やコンクリートの構造物にこそ我々の得る価値があるらしい
その種を蒔き行くのですよ」

「おや?芽を摘みに行くのでは?」

「そうですね、種は本来、人が埋めるモノでは無く
自然と地面に降り立つものですからね、
そういった物言いも正しいかも知れません」

「久々に得たティーンエイジャーの身体から発せられるには
少々生意気な口調の様だよ?」

「そうですね、歳相応な会話が出来る。そんな回路も埋め込んで置いてほしいモノですよ」

(僕)は頭を軽く自分でつつきながらその部屋から出ていった。

脇に抱えていたtopsecretと書かれた封筒に2通の手紙が。

その手紙には日本語でこう書かれていた

「転校届」と「入部届」と。

日出ずる国でのハイスクールライフが始まる。



第一章その7

2009-06-07 | 日記
「こぶ」

ハマカ部員はその様に診断された様だ。
そして僕に降り掛かってる疑惑を
払ってくれる事も無くドボク部への勧誘を続けている

百歩譲ってマリナは我が学園の生徒であるからして
部員になる可能性はあるとして
その白衣の方は先生なので無理っぽいと思うよ?

「まぁ私はドボク部の顧問だからな、熱心な部員さんが入部した様だし
重い胸、いや腰をあげるとするよ」

って、保険の先生って、部活の顧問するもんなんですか?
というか、ドボク部の顧問っていたんですね。
今、知りました。保健室に来て良かったです。

「どうだ、佐島さんも入部しないか?」

ちょっと待て、幼い頃から知っている。
こいつ佐島さんちのマリナさんは
けっしてドボク好きなんかじゃない。
僕が公園の砂場に作った、それはそれは芸術的な
ダムに水門に隧道にジャンクションand more・・・を
巨大怪獣の様に叩きつぶしていたのは
誰でもないこの大きなクラスメイトだ。

「じゃ(仮)入部という事で」

「うれしいぃですぅ、お仲間ですぅ」

だからちょっと待て、僕抜きで、女子だけで話が進行してないか?

「ペスがまた、いつハマカちゃんに暴行を加えるかもしれないので
近くにいる事にするわ」

僕の疑惑はまったく晴らされるコトなく
ドボク部は活発に活動中だ。今日も、そして明日も。
そんでもって永遠に続くかと思っていたんだ。


第一章その6

2009-06-01 | 日記
これはシリアスにならなければいけない展開だ。

ここでは優等生も不良もポツりと本音をこぼす
学園内の永久中立国
保健室の白衣ご意見番

白浜アン

確かに美形。聞き上手。歯に衣きせぬ口調。さばけた性格と相まって
男子、女子問わず人気モノだ。
ただ僕は知っている
男子生徒のかなりの数が
白衣下の深いUネックTシャツに引き寄せられてるコトを。

そしてもう幼くもなくなじんでもいない幼なじみと
白衣のアン先生にはさまれ
眠るハマカ姫の目覚めを待つはめになった。

「聞こうか?」

いやだから、ダム年鑑が・・・といいかけてアン先生は意見する

「それは、聞いた。
問題はどう騙してこの浜芽さんをドボク部に入れたか?ってコト」

あなたはいつもこの保健室にいますから、知らないかもしれませんが
自己紹介でそれはそれはドボクラブっぷりを披露してくれたんですよ
なぁ、マリナ?

「あれあんたがカンペでも出して読ませたんじゃない?」

ダメだ、この密室に味方はいない、
物語の核心を知るヒロインは夢の中。
主人公危うし。だ。

「だいたいさ、誰も入らないドボク部だからって
何も知らない転校生の弱みを握って誘い込むって
カルトでもやらないわよ、そんなわかりやすいコト」

「ペスはそんな卑劣な男子、いや漢(おとこ)だったのか
もうオマエには胸元見せん」

いや、それは誤解、そう勧誘も胸元もどっちもです。

その時、我がハマカ部員が突破口を開こうとしていた

「う~ん」

目覚めよ、姫。そしてこのか弱きナイトの疑惑をはらしたまえ。


第一章その5

2009-05-24 | 日記
誰だ、僕の道を塞ぐのは!?

「あんたにお姫様だっこは12年くらい早いわよ」

なんだそのリアルだか何だかわかんない数字は。
僕と同じくらいの背丈のその女はのたまうのだ。

佐島鞠菜

腐れ縁、お隣さん、できれば使いたくないが「幼なじみ」って奴だ
だいたい、なじんで無いと思う、犬猿の仲だ。
俺が犬で、あいつ、マリナが猿だ、昔から木登り旨いしな。

「ペス!待ちなさい。」

マリナは僕のあだ名を叫ぶと同時に素早くローキックを繰り出す
バランスを崩した、当然、腕の中の美少女ハマカ部員は宙に舞う。
何かスローモーションの様に出来事が進む。

マリナ、おまえ何で部室の前にいるんだよ?
その疑問は一瞬で吹っ飛んだ。上空で軽やかに舞う
ハマカ部員のスカートも軽やかに舞っていたのだ。

しかし、もう少しで・・・という
重要なシーンを前に目の前は真っ暗になった
正確に言うと廊下のリノリウムの柄になった
後頭部にはマリナの脚がのっている
仁王像の様に誇らしげに僕を虐げるマリナ
クヤシいがこれが僕らの素敵な関係だ。

「なんでついてくんのよ?」

じゃ聞くよ、我がドボク部の女子部員を
なぜおまえがお姫様だっこして保健室に運んでるんだよ?
いやなんとなく、様になってるけどさ。
お姫様をお守りする戦士のようだよ。

まぁいいや、ハマカ部員が気がつけば
ドボク巡りの計画を二人で楽しく立てるのだ。
保健室のベットで。
なかなか胸おどるシュチュエーションじゃないか。

その時はまだそんな呑気な妄想をしていたんだ。まだ。