ここでは、スタンダード6枚戦に限らないデッキの組み方について話を進める。
最近、十分な時間がとれず、ポケモンカードにほとんど触れられない日々が続いていたため
ほとんどデッキを作成することができなかった。
特にL3参戦によって少なからず環境は動いたため、それによって
脳内論議や机上の空論だけでデッキを作成し公開するのはいかがなものかとも思ったのである。
気が付けば、空白期間が出来てしまっていたが、それもまた一興であろう。
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今回は、特定の環境やメタ、レギュレーションに限らないデッキの組み方という話をしてみる。
強いデッキという言い方は語弊があるが、今回の主題は戦闘用のデッキの制作である。
戦闘用とは、ガチデッキとはまた違う意味合いを持つことに留意されたい。
あくまで、使いたいカード使ってみたいカードがありメタやカードパワーに拘らず
その中心となるカードの潜在能力をいかに引き出し、対戦するためのデッキに昇華するかということであり、
これによって昇華されたデッキが戦闘用となるわけである。
勝つためにポケモンを選ぶのではなく、
選んだポケモンで如何に勝つかを突き詰めていくのが今回の話の主題である。
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では、まず使いたいカードをいくつか選んでくれ。
今回は60枚スタンダードを前提にするが、別にレギュレーションには拘らないので
所々、枚数などを読み替えて欲しい。
では、まず使いたいポケモンを4枚入れてくれ。
プロキシでも構わないが、モチベーションのためは最終的に正規のカードを用意するのが望ましい。
やはり、カラーコピーの色あせたカードより本当に光っているカードを使った方が気持ちが良い。
進化後のポケモンなら、当然進化前も必要だ。
とりあえず、それを使った60枚のカードを用意して一度対戦してみよう。
カードの枚数は60枚じゃなくても55枚だったり65枚でもいい。中身も適当で良い。
今は本当の戦いではないんだから、ルールに拘るな。とりあえず使ってみたいカードを使うことから始めよう。
4枚用意するのは使う機会を最大限に増やすためだ。
まぁルールに拘らないなら6枚でも8枚でも入れても良いが、最終的に本当に戦いではルールがあるのだから
ある程度は近づける方が良いだろう。
さて、何度かプレイしてみて、いろんな意見が出てくると思う。
だが待って欲しい。大事なことは勝ち負けとか強いとか弱いとかじゃないはずだ。
自分のやりたいことが出来たかどうか。今はそれが一番大事だ。
本当の戦いに向けて練習・訓練・どんなスポーツでもそれらは必要だが
サッカーなら、シュートだけの練習やパスだけの練習をする。
カードゲームも同じだ。練習試合だけでは上手くならない。
それでは、自分のやりたいことに必要なカードは全て4枚入れてくれ。
確率を肌に馴染ませるため、そろそろデッキの枚数は60枚にしよう。
他のカードの枚数は悩む必要はない。今はシュートの練習だ。
それ以外のカードは適当で構わない。
何度かプレイしてみてくれ。
どうだい、ちゃんとシュートは打てたかい。
ゴールに決まらなくても、とりあえずシュートが打てれば良しとしよう。
では、次の段階に行こう。
今までのプレイは一人回しかもしれないし相手がいたかもしれない。
パスの練習をするのにはやはり相手が欲しい。
次からのプレイは対戦相手がいるのが望ましいぞ。
さて、使ってみたいカードと必要そうなカードは4枚ずつ入れているはずだが
今後は、ちょっと多いかなと思ったら3枚以下に減らしても良いぞ。
大事なのは、シュートが打てるかどうかだ。打てるなら枚数は関係ない。
対戦相手が用意できたら、今度は一度本当に戦ってみよう。
いわゆる練習試合だ。シュートの練習はしてきたから、練習と同じようにやってみよう。
相手のデッキにもよるが、適当な60枚では戦闘用の60枚にはまず勝てない。
今は勝てなくても良い。勝てなくても当然だ。本当の戦いは今じゃない。
さて、いろんな問題点が見えてきただろう。
だが、さらに待って欲しい。今は小手先の調整をする段階じゃない。
使えなかったカードを抜いたり、必要そうなカードを入れたりするのはまだまだ先だ。
次にすることは、
予定表を作ることだ。
まず、1ターン目から10ターン目まで、それぞれ何をするか決めておこう。
実際の試合ではそんなに上手くはいかないが、
自分が神になって何でも出来たとき
(ルールはきちんと守るんだぞ。1ターンに使えるエネルギーの枚数は1枚だしサポーターも1回だけだ)
どんなふうに進めば最善なのか、それを考えておこう。
そろそろ、例が欲しいので、
ジバコイルゲンガーグレートを例にしよう。
これは、ゲンガーグレートのカタストロフィと
ジバコイル(対戦スターターパック「ギラティナVSディアルガ」)のジャイロボールを組み合わせを使いたいためのデッキだ。
まず、ゲンガーグレートとジバコイルが必要だ。
ジバコイルにはエネルギーを3枚付けなければワザが使えない。
予定表はこうだ。
最初にバトル場にはコイルがいる状態でスタートするぞ。
1ターン目
手札からポケモンコレクターを使って、
山札からヤジロン、ミカルゲ、コイルを持ってくる。
ベンチに全て出すると、バトル場のコイルのにげるエネルギーがゼロになるので、
コイルをにがして、ミカルゲをバトル場に出す。
コイルに雷エネルギーを付けて、ミカルゲのダークグレイスでヤジロンをネンドールにしよう。
2ターン目
手札からハマナのリサーチを使う。
山札から雷エネルギーとゴースを持ってくるぞ。
エネルギーはコイルに付けてこれで2枚目だゴースはベンチに置いておこう。
ネンドールのコスモパワーを使って手札を増やしておこう。
ミカルゲのダークグレイスでコイルはレアコイルになった。
3ターン目
手札からミズキの検索を使う。これでジバコイルを探してきて、レアコイルを進化させよう。
ジバコイルに雷エネルギーを付けて準備完了。
ミカルゲはダークグレイスでゴースをゴーストにする。
4ターン目
手札からミカルゲにエネルギーを付けてにがしてジバコイルと交代だ。
コスモパワーをさらに使えば、3回分でたくさんのカードが引けているから
ゲンガーグレートかミズキの検索が引けてるので、ゴーストをゲンガーグレートに進化させる。
さらに手札からジバコイルにたつじんのおびを付けて、ジャイロボールで80ダメージだ!
5ターン目以降は割愛する。
が、とりあえず、こんだけ上手くいけば最善かそれに近い。
ではどうするか、これが実現できるデッキを作るんだ。
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この予定表で使われているカードをデッキにたくさん積むことから始めよう。
おおっと、見て貰えばわかるがミカルゲやポケモンのカード自体は
さまざまな他のカードから探してきてる予定なので、これらはそんなに多くなくても良い。
探してきてないカード、ハマナのリサーチやミズキの検索などはたくさん入れておこう。
例の先のデッキでは、最終的にポケモンコレクターやたつじんのおびが2枚だったりするが、
この時点では予定表に従って、どちらも4枚積んでおこう。
ハマナのリサーチやミズキの検索も4枚だ。
雷エネルギーはたくさん必要だからいっぱい入れておこう。
ジバコイルはグレートやレベルXは後回しにしてジャイロボールを3枚か4枚にしておこう。コイツが切り札になるんだ。
するともしかしたら60枚を越えるかも知れない。
とりあえず70枚以下なら妥協して、それでプレイしてみよう。
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どうだい?予定表通り事は運んだかい?
たぶん、上手くいくときもあるけど上手くいかないこともあるだろう。
それでいい。何度かプレイしていくと
たぶん、サポーターが多すぎて困る状況になると思う。
そりゃそうだ。ポケモンコレクターとハマナのリサーチが合計で8枚入ってるんだ。
邪魔になるに違いない。どちらかを1枚か2枚減らしてみよう。
では、これを少しずつ減らしてみよう。
たぶん、たつじんのおびも4枚だと付けるポケモンがいなくて困ると思うから3枚か2枚にしてもいい。
むしろ、予定表にあるけど、たつじんのおびが無ければ勝てないわけじゃない。
予定表にはないけど、コイルで始められなくてヤジロンで始まるときは
にげるためにエネルギーが要るから、エネルギーが間に合わないかも知れない。
じゃあ、にげるエネルギーが減って、ポケモンコレクターで引けるアンノーンQを使おう。
このように、予定表から外れたときに、元の予定になるべく近づけられるようなカードを
選択して入れておくと予定とは違うけど結果として予定通りになることもある。
雷エネルギーが手札になくて2T目に張れない場合もあるだろう。
じゃあ、W無色エネルギーを使えばいい。
ミカルゲが予想外に早く倒されてしまう場合にそなえて、ふしぎなアメで
ゴースをいきなりゲンガーにできるようにしてもよい。
さて、そろそろデッキが完成に近づいてきたと思う。
ここで一度、デッキを整理しよう。
ポケモンのカード
サポーターのカード
トレーナーのカード
エネルギーのカード
それぞれにわけてリストにしてみよう。
ポケモンのカードを見たときにたねポケモンが少なかったりしないかどうかも確認しておこう。
特にプレイ中になんどもポケモンが初手にいない場合はあきらかにポケモン不足だ。
今は本当に戦いじゃないんだ、事故なんて起こらない。
それは事故ではなくて、デッキの欠陥だ。今のうちに対処しておけば後が楽になる。
エネルギーが張れないことが何度もあったり
サポーターがなくてカードが引けなかったりするのも全てデッキの欠陥のせいだ。
今のデッキは完成系じゃないから、欠陥だらけってことを忘れてはいけない。
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リストにして、実は要らなかったカードをデッキから取り除いたり
本当は必要だったのに入ってなかったりカードを入れたりしよう。
この時点で、他の人にリストを見て貰って意見を募っても良いだろう。
しかし、他の人の意見を鵜呑みにしてはいけないよ。
あくまでデッキを作るのは自分だからね。
じゃあ、そろそろデッキを55枚にしようか。(ハーフなら28ぐらい)
60枚じゃないのか疑問に思うかもしれない。僕もそう思う。
55枚にして本格的なスパーリングやシャドウボクシングをする理由はいくつかある。
今、組んだデッキには必ず足りないものがある。
いずれそれらは必要になり、デッキに加えられるときがくる。
しかし、60枚で組んでしまうと、それらを加えなければならないときに
カードをデッキから抜かなきゃならない。
だから、今、リストを眺めた今の時点でデッキを絞っておけばいい。
ボクシングの減量みたいなものだと思えばいい。
あと、デッキ枚数が少ないと事故が起こりにくいってのはひとつあるけど、これは些細なことだ。
ここからは真剣勝負だ。
他のチームとの練習試合だったり、グローブとメットを付けた本格的なスパーリングだ。
デッキに足りないモノを見極めて、本当に予定通り進むのか確認しよう。
ここは何度もプレイするしかない。
そうすれば絶対に必要なのに入ってないモノが見つかるはずだ。
例のジバコゲンガーで、最終的にリストに加えられたのは
アンノーンQとプレミアボールとジバコイルグレートだ。
アンノーンQはHP30なので、初手に来るとすごく残念だが
例の予定表の1T目のためには必要なポケモンだった。
あとのふたつはジャイロボールが上手くいかないときに
時間とカードをくれる重要なアイテムだ。そして、最後の決め手にもなる。
例のデッキは十分にコンセプトが強いが、
たつじんのおびを付けても80という打点の低さがネックだった。
高いHPをもつポケモンだけでなくHP120くらいで高火力をもつポケモンに対しても
受けるダメージが与えるダメージより多いため、不利は免れなかった。
だからこそ、合間を埋めるのがLvXのサイバーショックの確定マヒと
ジバコグレートの一撃必殺ワザだった。
おっと話が逸れたね。
とまあ、こんな感じで気が付けばデッキは60枚になってるはずだ。
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あとは、プレイしてプレイしてプレイするしかない。
十分な基礎訓練が出来たデッキなら、
実戦で経験値を溜めれば自然とレベルアップしていく。
実戦を何度か終えたら、
役に立たないと思ったカードを抜いて
役に立ちそうなカードを入れよう。
エネルギーが足りなかったらエネルギーを入れよう。
サポーターが足りなかったらサポーターを入れよう。
そして、何度か入れ替えたら
リストにして、デッキ全体にバランスを考え直すんだ。
本当の戦い以外での事故は、デッキを調整する機会にすぎない。
事故には原因があるから、それを突き止めるんだ。
そして、本当の戦いに備えるんだ。