コキーユ店主の独り言

こんばんは！
報告から約１週間、１２月１５日（水）の閉店まで
ほんとうに沢山のお客様に足を運んで頂きました。
懐かしいひと、悲しがってくださるひと、
名残惜しそうに笑っているひと・・
そして最後まで残ってくれたもとスタッフ、
午前３時半に「松屋」の牛丼を差し入れしてくれて最後のひと時を過ごしました。
普段は座ることのない位置から見る光景、
ここでお客様は店主と長い時間、キャッチボウルをしていてくれたんですね。

最後にひとつ、お客様に伝えたかったことがあります。
それは・・・「Coquille」

こんなに覚えにくい名前を憶えてくれてありがとう。
大人のお客様が多いカフェだったのに、いつの間にかちゃんと
「コキーユ」の名前を呼んでくれたことが何よりも嬉しかった。
温かい気持ちでいっぱいです。

そして、本日１２月２０日（月）の夜、お店の引き渡しを済ませ、鍵を返しました。
店主の店番も終わりました。
いつか、また何処かで「濃厚チーズケーキ」焼きあがり時間を知らせる日が来るといいな。
さよなら、Coquille。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コキ店主

　
＜都立大学駅　高架下商店街の一室＞

急なお知らせではございますが、
２００６年９月１５日に灯りともった「Coquille（コキーユ）」は
駅高架下工事に伴う契約を終え、
２０１０年１２月１５日（水）を以て閉店する運びとなりました。


このカフェを通じて沢山のお客さまとの出会いがありました。
毎日がおなじようでも、なにか違う。
晴れの日も雨の日も雪の日もただおなじ場所で店番をしているだけ。
そんな「ただ居るだけ」の時間のなかで
毎日、珈琲を淹れるたびに、手で交わす「もてなし」に感謝を感じた４年３ヶ月でした。

都合により、報告できると決まった時には、もう残すところ１週間。
１５日（水）は本来定休日ですが通常営業致します。
もう一度、皆様とお会いできること心より愉しみにしております。
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　店主

１２月４日（土）「もやし」ような菊は美しすぎて

静かな金曜日。
偶然にも予期していなかった月に一度の
八王子のおばあちゃんがみえた。
抹茶豆乳をのんで、冬限定の紅茶のギフトを注文。
とても気に入って下さってお友達にもプレゼントするそう。
カフェで提供しているフランスの紅茶をご自宅で、
お気に入りの時間に、
お気に入りの器で、
お気に入りの椅子に腰かけて愉しむ。
そんな贅沢を味わっていただけたらいいと始まったギフト。
週末には北海道からの注文が入っている。
ショコラはすでにSoldout。
アールグレイは残りわずか、受け付けております＾＾
先週ショージさんがいらした時、
千葉の障害者の方が作っている商品として
売れなくなった菊をもらってきてくれたものが
まだ元気でご本人もびっくり！
放射線状に垂れる美しい菊。水に挿したら息を吹き返した。
「しあわせな菊だなあ。」そう、沢山のひとに褒められていましたよ＾＾

１２月５日（日）ほっぺた落ちる焼き芋

夕方みえたツッチーさんから焼き芋の差し入れ。
サレジオ教会のそばの焼き芋屋さんだそうで、
口に入れた瞬間に「きゃ～」と顔がほころびそうなねっとり感。
いまは少し焼き芋の値段が下がったみたいだけど、
すきなひとは買ってまで食べるというのがよくわかった。
こうして誰かと一緒においもをほおばる、って最高にうれしい。
ツッチーさん、ごちそうさまでした。

　

１２月６日（月）Haruとパパはレモネード

ニノさんが最近お気に入りの「キャラメルミルク」。
体調がすぐれない時、カフェインを摂りたくない時、
ほんのり甘いこのミルクはおすすめ。
バラの紅茶の女性も注文。
途中でムー氏もみえてホットレモネード。
ケーコさんの今晩の夕ご飯は「鯵の煮付け」だそう。

最後にみえたHaruちゃんはさっきまでの光景に
「いいなぁ。」といつも通りにレモネード。
２２時半まで積もる話で長話。
擦れていなくて真っさらな子、かわいがられるね、きっと。

＊自家製デザート「カスタードプリン」が始まります。

１２月３日（金）

今夜１件のカフェがこの街からなくなる、と聞いた。
そこはオールドビーンズの珈琲を出して、
煙草のけむりに包まれながらTomをながしてくれる店。
唯一、都立大でひとりでのんでいた店。

この数日間、きみ以上に悲しみにくれているひとをみて、
しあわせなお店だなぁ、と思っていたよ。
パーティに向かう直前まで、
「コキで現実逃避したい。」と言っているひとがいた。
「餃子を作るんだ！」と腕まくりしている女の子がいた。
「終わったら参加します？」なんて声をかけてくれたひとだっていた。

きっと今日までと言っても
朝が来るまでみんな帰らないね。
きっと泣いている暇なんてないよ。
わすれられない愉しい夜になりますように・・



数日後。
結局なぁんにもできなかったCoqui.は、
お風呂に入りながらこの唄だけが浮かんだ。

いつまでも絶えることなく
友だちでいよう
明日の日を夢みて希望の道を

空を飛ぶ鳥のように
自由に生きる
今日の日はさようなら
また会う日まで

信じあう喜びを
大切にしよう
今日の日はさようなら
また逢う日まで

シンプルだけどこの距離感、ちょうどいいでしょ。
いつもちょうどいいカフェオレありがとう。
淋しいというよりは仕事の後、誰かの淹れてくれるコーヒーと
猫みたいに「のび～」ができる場所がなくなって困ったね＾＾
あらためて・・・「malle」での６年半、お疲れさまでした！

１２月２日（木）

一人目のお客さま、空兄から差し入れを頂いた。
空兄「お昼、食べた？」タッパのなかにはゆらゆらと液体が揺れている。
店主「豚汁？」
空兄「豚に髭が生えたやつ。」
店主「・・・！？（ひげ・・・好みだけど？」
意味のわからない動物を想像しながらぼんやりしていると、
空兄「いのしし汁。」と答えが出た。

どこに髭よ！

お客様が帰られた後、４時頃に頂いた。
堅いのかと思っていたら歯ごたえはしっかりしていて味も濃い。
においは全くなかった。
根菜たっぷりのお汁はたまらなく、気持ちが温まる。
自分でも作るけれど、ひとの作ってくれたものはさらに優しい。
昨日もおかわりしちゃったもんね＾＾大根おいしかったよ！

１２月１日（水）

定休日。
今日は午後から友人宅のお招きがあった。
とは言ってもメールのやり取りで確認したのは今朝８時。
なんせ彼女はお母さんになったばかり。

自由が丘のパン屋さんでキャラメルアーモンドのパイを調達。
すっかり街はクリスマスの商品で溢れていた。自転車で向かった。
秋色に染まった緑道をみながら、ふと蘇る。ここに来たのは１年以上前。
冷やし中華を食べて、ドレスを着て、自転車に空気をいれたよね＾＾
あれから月日が経ち、彼女もお母さんになった。
手作りのお昼御飯を頂いてから、しばらく赤ちゃんを抱っこする。
まだ首が完全に座っていないので優しくあたまを支える。
笑い、泣いて、指をしゃぶった。
つぼみのような手は強く、一生懸命息をしている。

抱いている間、お母さんの彼女はとても楽だと言った。
それが嬉しかった。
ほんとうは長居するつもりじゃなかったのに３時間も経っていた。
お茶をのんで、甘いものをつまんで・・
今までは外でしていたことを今度は家のなかで。これもいいよね。
長く思えるけれど、振り返れば人生でたった一瞬の子育て。
「アジフライ」が「アジ焼き」になってもいいじゃない＾＾
今日はほんの一瞬お母さんの気持ちにさせてくれて、ありがとう。

１１月３０日（火）

午後いらしたかもめパリさん。
前回は自由が丘で降りてから再び電車に乗ってきてくださったけれど、
「今回は直接よ。」と変わらない凛とした佇まい。
ニット氏やツッチーさんと話し、林画伯と知り合った。素晴らしい記憶力。

今日は自由が丘の教室の発表会。
こうして助け合い、お互いを尊重する生徒さん達がすきだった。
「音楽上の伴侶」そして、「やわらかい約束」。印象的な言葉が残った。
押しつけがましくなく、その状況に応じた付き合い。
シャンソンはいろんな人生を積み重ねることで味がでるように、
ひとの生き方も背負ってきたものが多ければ多いほど比例すると思う。
栗の甘露煮が上手なＯさん、がんばっているかな。
Ｆｕｋｕさんは１２月１４日ですね＾＾

夜、半月ぶりくらいのモカママ来店。
「モカ！！」感動の再会。出産を控えていたお嬢さん、
無事に生まれ毎日ぱたぱたの日々を過ごされていたそう。
女の子でとてもかわいらしい名前だった。
普段はクールなモカママもおばあちゃん、煙草はここで吸ってくださいね。
モカ、新しい家族との対面楽しみだね！

１１月２９日（月）

コキーユでは、通常の紅茶以外に３種類のスペシャルティを用意しています。
こちらはフランス紅茶でバラの香り、スウィートアールグレイ、
ショコラの香りが楽しむことができます。
以前からお客様に茶葉売りの問い合わせがあり、
今回はじめてそのリクエストに応えて冬限定で紅茶の茶葉売りをはじめました。
パッケージ包装致します。おみやげ、プレゼントにどうぞ！（グラム数変更可能）

★クリスマス限定セット★
＜クルールパッセ＞　　　　スウィートアールグレイ　　　　　　５０グラム　８５０ｙｅｎ　　
＜プールトゥジュール＞　　　　ショコラ　　　　　　　　　　　５０グラム　８５０ｙｅｎ


午後、ギフトを取りに来た女の子からカモミールティのティーバックを一つ頂いた。
おいしいよね、ほっとするカモミール。
鈴木のおばあちゃん、カフェの友達、ケ―コさん。
最後にいらした横パパたちは食後のホットワインとコーヒー。
寒い夜にぴったりなふたり。

１１月２８日（日）

仕事が日曜休みのモッチー来店。
短パン生足にくるくるの巻き髪でやってきた。
　店主　「和製クリスティーナリッチ。」
モッチー「今日のテーマはお人形なの。」
はじめてのつけまつげとベビードール風の香水も合っている。
白ワインにプリンなんて粋な組み合わせ。
休日、満喫してね＾＾

午後２時、濃厚チーズケーキ焼きあがり。
夕方、久しぶりにイタリア人のピノ教授ご夫妻がいらっしゃった。
しばらくローマに帰っていたそうで以前約束していたコーヒーカップの話。
カフェに並んでいるイリ―の５脚のコレクションカップ。
本当は６個セットだった。
これが欲しくてイタリアに買いに行った時、傷や破損の確認をしているうちに
バラで買ったので１脚買い忘れてきた。どんな柄火かもわすれた。
日本に戻ってから問い合わせたけれど、手に入らなかった。
今回、イタリアに行ったピノ教授がこの５脚の写真を撮って「これ以外のものを。」と
イリ―を訪れてくれたそうだけど、もう取り扱いはなかったそう。
出会いってこんなものよね。
諦めることよりもピノ先生がそこまで気に掛けてくれたことが嬉しく、
いつかどこかの国のマーケットで会える、そんな気がする。
カップの代わりにとコキーユにちなんだ貝のお土産をくれた。
ひとが手を広げたようなオブジェ、
指のようなしなりのあるめずらしい貝でお店のカードを乗せたらぴったりだった。
先生、ありがとうございます！

１１月２７日（土）

午後２時前にいらしたのは月に一度の八王子のKuroさん。
いつもは火曜日の３時半以降が多いのだけど、今日は病院の都合で早めに来店。
前回いらっしゃった時に「お腹すかせてくるからお昼お願い。」と
注文を受けていた。
ホットサンドを平らげてから、「ゆずのレアチーズ」を注文。
しっかりとした重みのあるケーキが好きなKuroさんのお口に
合ったようで嬉しそうに食べていた。抹茶豆乳も３杯おかわり。
料理に関すること、共通したお客様のこと、ケアセンターの話など
しばらく二人きりで話をした。
もうKuroさんに出会ってから８年以上が過ぎる。
あまり身近に付き合いを多く持たない店主にとって
古きお客様は「遠い親戚よりも近くの他人」のようなもの。
たとえだけど、妙に必要とさせてくれるときがある。

ここ最近特にひととの距離にいろんな思いを感じていた。
先日も書いたけれど、今年は多くの出産話を聞いた。
こんな不景気を叫ばれている世の中に、たくさんの産声があがった。
子供の名前を沢山おぼえた。
１１月２２日に高輪の珈琲屋さんが３周年を、
１１月２３日に徳島のゆっこのカフェが２周年を、
１０月には「久光珈琲」が生まれ、９月１５日で５年目を迎えた「Ｃｏｑｕｉｌｌｅ」。
時は砂時計のように流れ落ちていく。そしてまた繰り返される。

夜のカフェでKiraさんやツッチーさんとおしゃべり。
『もう誰もみえないかな・・』
オープニングパーティと伺っていた古書店店主さんが来てくださった時は
仕込みを終え、片づけものをしていた店主。
久しぶりにゆっくり話ができた。こういう夜っていいな。


＊自家製デザート「濃厚チーズケーキ」は明日の午後２時半頃焼きあがり予定です＾＾