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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

2014年 僧職会計士の警鐘に思う

2014-01-08 | 会計・株式・財務
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

8日は昨年に続き、「組織内会計士新年会」に顔を出す予定です。リラックマのような挙動不審の中年のオッサンを見かけましたら、たぶんそれは私です。「そのネクタイ、100円ですか?」とお声かけ下さい。見事あてた方にはサイン入り名刺を差し上げます。
少し真面目な話をしますと、昨年はもっぱら多数の先生方と名刺交換をしただけでしたので、今年はもう少し前に進めるような「仕掛け」を作っていきたいと考えております。


さて、年始は旅先で神社仏閣に数カ所立ち寄ったこともあり、こういう本を神聖な気分で読みふけっておりました。

僧職会計士の経営道
 
実業之日本社


著者の谷先生はユアサ商事社長・会長を歴任された会計士・コンサルタント、かつその傍らお寺で念仏修行を積まれている物凄いキャリアの持ち主です。
会計士→上場企業の経営者→僧侶と人生3毛作。凄すぎる・・・・。
ユアサ商事では過去最高益を達成したこともあり、 「経営は経営者の人格の投影であり、経営者の人格が経営数値に反映する」という言葉は経験者ゆえの説得力があります。

仏教の教えを理解すれば現在起こっている日本経済の行き詰まりの原因は解決するとユニークな持論を展開。
詳細は現物で確認して頂くとして、私は次の箇所が特に印象に残りました。


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p.161~
現在の日本で最大の問題は「心の不況」にあると。日本人は未だに80年代のバブル期の生き方や生活様式から脱却できていなのではないか。
・消費生活では高級嗜好、グルメブーム、海外旅行、デイトレードに代表される株投機など、バブル期から基本的に変わっていない。テレビ番組は低俗化するなど社会的退廃は目に余るものがある。

・1937年、思想家・安岡正篤は当時の世相を憂えて以下のような文章を記している。
「我々日本の国民は、今なお、大戦当時の成金時代の余毒を脱しきらぬと思う。近代の唯物主義、功利主義、拝金主義、享楽主義はあの頃最後の猛焔を挙げた。
異民族の大衆が、それこそ屍山血河の裡に浮かんでいる時、うつつを抜かして太平に陶酔した多数国民は、恐ろしく徳性はもちろん、生命力を敗ってしまった。その後不況に俄然として色を失い・・・・」
要するに、第一次大戦後の日本が、既に現在の日本の状況と同じであったということ。

現在の日本も、世界中に飢え・貧困、地域紛争、戦争が蔓延しているにも拘らず、太平に陶酔してしまっている。
道徳性と生命力の回復こそ、日本再生の前提条件。大量生産・大量消費を脱して、消費最小化の経済学を目指そう!
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「バブル歓迎ムード」が盛り上がっている足元の状況からしますと、間違いなく少数派に属する意見ですしょう。しかしだからこそ、浮わついた風潮にクギを刺すべきと感じ、ここで強調した次第です。

迷ったら歴史に学べ。ひょっとしたら2014年は、戦前日本とのアナロジーがちょっとしたブームになるかも知れませんね。

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