去った3月。思い返すと3月って寒かったんだけど、これやんなきゃあれやんきゃって目の前にお仕事ちゃんが押し寄せ、やたら精力的に活動した。翌月4月。3月に精も魂も使い果たしたのか、ふぬけつつ街をさ迷い歩き、山手線でへたりこんでいると、隣に座る新社会人が何やら熱心にファイルを読み込んでいる。真新しい鞄が膝に乗っていた。鞄のうえには企業から配られたような分厚いフォルダーある。新社会人(女性)が熱心に読んでいて、悪いと思いつつ横目で覗いてみると、なんとそこには
「話すの謙譲語→( )尊敬語→( )」
「言うの謙譲語→( )尊敬語→( )」
「待つの謙譲語→( )尊敬語→( )」
ってな問題が並んでいた。カッコのなかには恐らく彼女自身による解答が赤い文字で踊っている。
新社会人である彼女は電車でそれを読み、来るべきOJTに備えているわけだ。もし、こんな試験みたいな問題を人事やらどこかのセクションがせっせと集め、ぶ厚くファイル化し、これが社会の常識なんですよ、頑張りましょうね、とばかりに新入社員に微笑み渡したのであれば、その企業はクソである。就職難だし、就職できずにバイトばかりしてたらワーキングプアになると社会から、というかメディアから脅され続け、ようやく掴んだ内定企業でそんなファイル渡されたら、新社会人は熱心に吸収するしかない。言葉遣いってなもちろん大事だけど、それよりもっと大切なことがあるはずだ。それはたぶん働く力みたいなものだ。「内定がゴール」ではなく、働き続けるということ自体に意義を見出せるような、そんなOJTが大事なんじゃね、このクソ企業が。そんな型ハメ、すぐ辞めたくなるじゃん。いや、もちろん、彼女をすべての新社会人の象徴にするのは間違っているし、たぶんこーした研修を是とする企業は、もう少しで上場を視野におさめる新興勢力だから、東京のすべての企業がこうしたOJTを実施してるわけでわないだろう。だから俺は、彼女にこうした新人教育に疑問を持ってほしいし、こうした研修にゴーサインを出し、カネをかけた企業体質を疑うべきだし、ついにはこの企業が儲かっている日本のシステムなんてーのへ想いを馳せていただきたい。この日本でアップルやフェイスブックを産め、と別に俺が言う必要はないわけだが、少なくとも、とある人材が柔軟に企業活動する土壌は皆無なんですねっ、と、精と魂はよりいっそう尽い果たされ、ふぬけ度はさらに加速されつつ、覗き見を心から詫びた。さらに4月っちゅうのに寒いわけね。とーきょーっちゅう大都会が寒気でもって俺を攻撃している、と被害妄想にもおちいったよ。天候がこれほど人をストレスフルにさせるとは露とも思わなかったよ。島人のときはこんなんじゃないさー。台風もティーダカンカン(太陽光線が強く射し込む感じ)もLET IT BEさぁー。
しかしまぁ、「クソ企業は大っキライ」だって「天候による被害妄想」だって、それらすべては自分の内側の話しで、つきつめて言えば、4月、俺は実に内向し、空虚だった。関係各位の皆様、生返事ばかりで大変申し訳ございやせんでした。
こーして俺は黄金週間を迎えているわけね。で、ブログとか更新しちゃってるわけ。はははーっ。