【これは新しい朝の始まりだ】

【これは新しい朝の始まりだ】

夢の中で宿題になっていたさまざまな懸案が次々に解決し、お礼の電話をしたり、菓子折り手土産に報告したり、すがすがしい気分で一日を過ごす夢を見て目が覚めた。

解決した懸案はみな架空のものなのに、目が覚めたら妙にスッキリした気分なのが不思議だ。眠っている間に人は毎日不要な記憶を消去して脳のワーキングメモリーを確保しているというけれど、その嬉しいオマケなのかもしれない。

どうやら宿題となっていた懸案が現実のことか架空のことかなど問題ではなくて、ただ「解決した!」という快感があることだけが新しい朝の脳にとって必要なのかもしれない。

昨夜( 2024/04/23 )は夜の家庭内映画大会で図書館から借り出した DVD 『カサブランカ』( 1943 )マイケル・カーティス監督を観た。
「ルイ、これは新しい友情の始まりだ」
という、快感を伴うかっこいいラストシーンにスッキリして寝たせいかもしれない。

2024年4月21日 文京区本駒込6丁目

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NEW
20 音オルガニート

20 音オルガニートで小鳥の歌 Kotori no Uta
作詞/依田凖一 作曲/芥川也寸志

20 音オルガニートでぶらんこ Buranko
作詞/都築益世 作曲/芥川也寸志

20 音オルガニートでピエロのトランペット La tromba del pagliaccio
作曲/ファマウリ 日本語詞/中山知子
NHK「みんなのうた」1965年12月〜1966年1月に放送されていた。

を公開。

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2024年4月号(通巻17号)まで公開中

 

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【『季刊清水』2023 通巻56号発売】

【『季刊清水』2023 通巻56号発売中】

戸田書店発行、雑誌『季刊清水』56号が戸田書店江尻台店店頭に並びました。

◉目次

巻頭詩 井戸………佐藤光江

【特集1】

岡に佇(たたず)

はじめに………鍋倉伸子・石原雅彦
村松友視さんに聞く 「ゆれる階」とは………編集委員会
牛道について 徳川家康の駿府と清水湊を結ぶ交通政策………北村欽哉
久能街道………中田元比古
大沢川………小澤邦雄
「清水御殿」とは何か………北村欽哉
下清水八幡宮について………山本量正
堂林に暮らして………鈴木芳子 聞き手:石原雅彦
望月勝さんに、堂林自治会のお話をきく………五味響子
我が青春の清水・堂林………大垣久雄
清水市文化センター………金子洋巳
清水二中、昭和最後のころ………夕霧さとこ
共生(ともいき)………小長谷英春
田中ワイシャツ店……… 聞き手:豊田久留巳

【特集2】

太田正樹コレクション………鍋倉伸子

「天池眞佐雄と三つの歌」補遺………石原雅彦

【清水と私】

巡航船………山本智義
海の見えない清水………杉田直樹
海は、市民のものだった………太田ふじ子
巴川………寺田 学
ぶらぶら清水を歩くPartⅡ 興津清見寺………山田裕道
通学路………大庭まどか

バックナンバー紹介

【編集後記

表紙画「海」 山口育三
1937年旧清水市生まれ。伊東市在住。 少年時代、 市内の展覧会で入賞 「天才山口」と言われた。 長じて建設業などを経て、還暦後から絵の勉強を再開。 2008年から2022年まで10回日本画の個展開催。 フェルケール博物館に「東海道53次今昔図」寄贈。本年9月、山口様の訃報がご家族より伝えられました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

静岡新聞紙上にたびたび本誌の誌評を寄せていただいた詩人・小説家の三木卓様が  11 月 18 日に亡くなられました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

表紙デザイン……石原雅彦

店頭での購入は

戸田書店江尻台店

郵送でのお取り寄せは本ブログ左サイドバーのプロフィールにあるメールアドレスから
直接石原宛にメールでお問い合わせください。

バックナンバーもお求めいただけます。

55号 2022年 特集1/高部の山裾を歩く
54号 2021年 特集1/清水の食材を楽しむ
53号 2020年 特集1/清水の銅像・野外彫刻の前で立ち止まる
52号 2019年 特集1/蒲原を道なりに歩く
51号 2018年 特集1/中世鎌倉期有度を思い描く
50号 2017年 特集1/由比を体感する

バックナンバー一覧はこちら

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【スカスカでスコスコ】

【スカスカでスコスコ】

わが家では、きゅうりなどの野菜を前後または左右に押し引きして薄切りする道具をスコスコと呼び、世間一般でスライサーと呼ぶものを
「ねえスコスコどこにあるんだっけ?」
と聞いたり、
「調子にのってスコスコして指を切るなよ」
などと注意したりする。

スコスコは音韻的なオノマトペである。きゅうりをスライスするときの音が「スコスコ」と聴こえるのでそう呼んでいるのだけれど、世間でもそう言わないのだろうかと検索すると、最近の若者は凹凸のサイズが合わなくてスカスカの状態を物理的にスコスコと呼んでいるらしい。わからんでもない。

10 歳ほど年上で、ともに医学系の編集者だった友人夫婦宅を訪ねたら、彼らもスライサーのことをスコスコと呼んでいた。
「スコスコが同じ物を指して通じる人に初めて会った」
と喜んだら、
「えっ?音がスコスコいうから世間一般でもスコスコって呼ぶんじゃないの」
と意外そうに言う。

スライサー上で野菜を滑らせる滑走台と、野菜を裁断する金属製の刃が隙間なく密着しているときゅうりの薄切りはできない。裁断される厚さ分だけ隙間が開いてスカスカでないとスコスコは産まれないのである。スカスカでスコスコした塩揉みをつまみにして飲むビールがうまい季節になる。

2024年4月21日 文京区本駒込6丁目

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20 音オルガニート

20 音オルガニートで小鳥の歌 Kotori no Uta
作詞/依田凖一 作曲/芥川也寸志

20 音オルガニートでぶらんこ Buranko
作詞/都築益世 作曲/芥川也寸志

20 音オルガニートでピエロのトランペット La tromba del pagliaccio
作曲/ファマウリ 日本語詞/中山知子
NHK「みんなのうた」1965年12月〜1966年1月に放送されていた。

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【ことばと音楽】

【ことばと音楽】

月曜から金曜まで毎朝録画している NHK クラシック倶楽部を見ていたらプラコビアクという聞き慣れないポーランドの民族舞曲名が出てきた。

マズルカともポロネーズとも違うその名前を検索しても出てこないので、単語を「プラコ」とか「ビアク」とか断片に分解したり「ポーランド」や「ショパン」など関連語を検索条件に組み合わせたりし、苦労して突き止めたら、聞き間違いをしていて正しくは「クラコヴィアク」だった。

あの国におもしろい音楽形式が生まれる源泉はポーランド語と身体の関係にあるんじゃないかと妻と話していたら、今井むつみ・秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』 中公新書にこんなことが書かれていた。

作曲家で「愛の夢」などの多くの名曲を残したフランツ・リストが、同時代の、「ピアノの詩人」と評されるフレデリック・ショパンの死後、彼を追悼するために書いた本がある。この本はショパンの功績を称えることにとどまらず、ショパンという、人類の宝と言える芸術家を生み出した背景を細かく分析している素晴らしいショパン論であり、芸術論であり、熟達論である。この本の中でリストはポーランド語の音象徴について興味深い記述をしている(八隈裕樹訳)。

この八隈裕樹訳とあるのは『フレデリック・ショパン その情熱と悲哀』彩流社のことで名著らしい。

2024年4月21日 文京区千石1丁目

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20 音オルガニート

20 音オルガニートで小鳥の歌 Kotori no Uta
作詞/依田凖一 作曲/芥川也寸志

20 音オルガニートでぶらんこ Buranko
作詞/都築益世 作曲/芥川也寸志

20 音オルガニートでピエロのトランペット La tromba del pagliaccio
作曲/ファマウリ 日本語詞/中山知子
NHK「みんなのうた」1965年12月〜1966年1月に放送されていた。

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【カラス】

【カラス】

区立図書館から借り出した DVD でディズニーのアニメを『白雪姫(1937)』、『ピノキオ(1940)』、『ファンタジア(1940)』、『ダンボ(1941)』、『バンビ(1942)』の順に観た。

幼いころ雑誌のスチール写真で見ただけの名シーンを思い出しながら、日本語吹き替えではないオリジナルで観ることができた。

そうか、空飛ぶダンボが鼻で握りしめていた鳥の羽は、飛び方を教えてくれたカラスたちがお守りにくれた尾羽だったのかと改めてわかった。

サーカスのスターになって専用列車で次の興行地へと去っていくダンボを見送りながら、カラスたちが「サインぐらいもらっておけばよかったな」と言うので笑った。

子どものころカラスを見ると「権兵衛が種まきゃカラスがほじくる」と笑いながら言った。笑われるのは人間のほうなのに、カラスの所業には何とも知れん(淀川長治風)おかしみがある。
「権兵衛がゴミ出しゃカラスが散らかす」

2024年4月15日 文京区本駒込5丁目

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20 音オルガニート

20 音オルガニートで小鳥の歌 Kotori no Uta
作詞/依田凖一 作曲/芥川也寸志

20 音オルガニートでぶらんこ Buranko
作詞/都築益世 作曲/芥川也寸志

20 音オルガニートでピエロのトランペット La tromba del pagliaccio
作曲/ファマウリ 日本語詞/中山知子
NHK「みんなのうた」1965年12月〜1966年1月に放送されていた。

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【腰痛とオノマトペ】

【腰痛とオノマトペ】

妻が五年ぶりのギックリ腰になった。一週間おとなしく寝ていれば必ず快方に向かうという通説どおり、一週間が過ぎてようやく長時間起きていられるようになったが、一週間家事の代行をした夫の方はクタクタになった。

異様な集中力で終日鍵盤楽器に向かい、音を探りながら楽譜を書き、固まった姿勢を持続して 20 音の紙ロール式手回しオルゴールにポチポチ穴あけして打ち込む編曲遊びをしているので、いつか腰を痛めるだろうという気がしていた。身体に鞭打つようにして生み出す成果物なので動画撮影し毎週末イソイソと3曲ずつ YouTube(ユーチューブ)にアップして公開してやっている。

海外からコメントがついたりするので本人もそれをワクワクしながら楽しみにしており、腰痛で唸って寝ているくせに、携帯で仕事場に電話してきて「今日は全世界に向けて公開の日だからよろしくね」などとヌケヌケと言う。開いた YouTube スタジオのロゴが「腰痛部」に読めた。

今井むつみ・秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(中公新書)をアネゴ(宮脇淳子氏)が面白いと言って借してくれたので読み始めた。「ギックリ」も「クタクタ」も「ポチポチ」も「イソイソ」も「ワクワク」も「ヌケヌケ」と並べてみると流れが読める実によくできたオノマトペである。

2024年4月19日 六義園内

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20 音オルガニート

20 音オルガニートで小鳥の歌 Kotori no Uta
作詞/依田凖一 作曲/芥川也寸志

20 音オルガニートでぶらんこ Buranko
作詞/都築益世 作曲/芥川也寸志

20 音オルガニートでピエロのトランペット La tromba del pagliaccio
作曲/ファマウリ 日本語詞/中山知子
NHK「みんなのうた」1965年12月〜1966年1月に放送されていた。

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【中国語移動ラジオ局】

【中国語移動ラジオ局】

清水で過ごした高校時代は、受験勉強をしながらラジオで東京の電波を探して聴いていた。文化放送のレモンちゃんや蛍雪大学受験ラジオ講座の時代だ。ときどき遠くからの電波をとらえると女性が中国語で力強く語るのが聞こえていた。

六義園沿いの本郷通りを歩いていたら懐かしい中国語放送が聞こえてきて、ドップラー効果を起こしながら脇を通って背後へと遠ざかって行った。若い中国人女性観光客がハンズフリーイヤホンでスマホを使い、手ぶりを混えて大声で通話しながら通過したのだ。

2024年4月19日 六義園内

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20 音オルガニート

20 音オルガニートでマイ・プラチナ My Platina「プラチナ万年筆」CMソング

20 音オルガニートで「シャボン玉ホリデー」オープニング・テーマソング Shabondama holiday

20 音オルガニートで「渡辺のジュースの素」CMソング Watanabe no Juice no Moto

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2024年4月号(通巻17号)まで公開中

 

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【気にしない】

【気にしない】

高齢になった著者が書いたエッセイをまとめた本を読んでいると、同じような話が何度も繰り返し出てくる。長い人生を生きられて無意識に何度も出てきてしまうほど身についた、大切な「実用の知恵」を語られているのだろう。

これは前に聞いた話だなと思いながらしっかり拝読すると、そこに毎回微妙な修辞上の揺れがあるのがおもしろい。指紋認証につかう指を登録するため様々な角度からスキャンするみたいだ。おもしろいものだなと思いながら同じ話を辛抱強く聴けるのは、幼いころ祖父母にかまわれて過ごした時期があったからだろう。聴くだけのことに損はない。

イギリスのことわざに Care killed the cat というのがあるという。「かまう(飼う)ことが猫(の野生)を殺した」くらいの意味かなと思ったら「心配事は猫でも殺す」だそうで、心配事で気を病むことは自分の命に関わるほど恐ろしいことだから慎めと、警鐘を鳴らしているらしい。この場合のケアは I don't care(気にしない)のケアなのだろう。

気にしないことは難しい。 嫌なことは「気にしない」と自分に言い聞かせても、「気にしない」と思うことがまさに気にすることだからだ。「もう忘れよう」と思うことにも「もう忘れようと思うから忘れられない」という困難がある。

2024年4月17日 文京グリーンコート

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20 音オルガニートでマイ・プラチナ My Platina「プラチナ万年筆」CMソング

20 音オルガニートで「シャボン玉ホリデー」オープニング・テーマソング Shabondama holiday

20 音オルガニートで「渡辺のジュースの素」CMソング Watanabe no Juice no Moto

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【右肩上がりの阿弥陀籤】

【右肩上がりの阿弥陀籤】

人が誕生日に死ぬ確率は最低になるという社会学の調査結果があるらしい。

ある社会学者が、北欧でおもしろい調査をした。老人はいつ死ぬかという問題である。結果は、誕生日の一カ月くらい前から死亡率が急速に低下し、当日は最低になる。誕生日が過ぎると、また、急上昇する、というのである。誕生日を底に、V字型になる、というのである。(外山滋比古『老いの整理学』扶桑社BOOKS文庫)

ということはなんだ、自分の場合、死ぬ確率は弥生 3 月あたりがピークで、生気の方は逆にこれから右肩上がりの局面に入っていくらしい。

そういえば子どもの頃から誕生日に向かう熱暑の8・9 月は心身ともに絶好調で、3・4月はふわふわと不安で心身ともに絶不調だった。

そんなことを考えていたら読書の女神オードリーが「せれんでぃっぴてぃ!」と目を輝かせて耳元で囁くので、鈴木郁子『自律神経の科学 「身体が整う」とはどういうことか』(講談社ブルーバックス)を買って読み始めた。

2024年4月17日 六義園正門前

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20 音オルガニート

20 音オルガニートでマイ・プラチナ My Platina「プラチナ万年筆」CMソング

20 音オルガニートで「シャボン玉ホリデー」オープニング・テーマソング Shabondama holiday

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【遍歴と阿弥陀籤】

【遍歴と阿弥陀籤】

買うほどのこともないだろうから図書館で借りて読もうと思い、借りて読んだらおもしろくて返すのが嫌になり、結局書店で買って本棚に並んでしまう本がある。

セレンディピティという造語の元になった本の邦訳『セレンディップの三人の王子たち: ペルシアのおとぎ話』(偕成社文庫 3263 )を借り出して読んだら面白くて、がまんできず書店に注文した。

2024年4月16日 六義園外周

訳者の竹内慶夫によれば訳した原著は第一部と第二部に分かれていて、セレンディポ王の愛しい三人の王子の遍歴譚が第一部、七人の話し手が語る七つの物語が第二部になっているという。

この邦訳の第二部では七つの物語から童話的要素の強い最初の三話だけが採られて他は省かれている。遍歴にあたる第1章から第7章、そして選ばれた三話をまとめた第8章までが面白い。第1章から第8章までは、買った本が届いたら再読してみたいと思う。

セレンディピティの原著を読んだら、なぜかプラグマチズムを概説したわかりやすそうな本が読みたくなったので、小川仁志『アメリカを動かす思想 プラグマティズム入門』(講談社現代新書 Kindle 版)を買ってみた。

偶然に導かれるように読んでみたくなった本が、なぜか必然であったかのように面白いことがあり、それをあみだくじ式読書と自分で呼んで楽しんでいる。

2024年4月16日 六義園外周

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20 音オルガニート

20 音オルガニートでマイ・プラチナ My Platina「プラチナ万年筆」CMソング

20 音オルガニートで「シャボン玉ホリデー」オープニング・テーマソング Shabondama holiday

20 音オルガニートで「渡辺のジュースの素」CMソング Watanabe no Juice no Moto

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