超級龍熱

香港功夫映画と共に

龍熱の昭和プロレス放談83 史上初のNWA世界☓WWWF統一2冠戦が実現!

2024-03-28 11:55:56 | 龍熱の昭和プロレス放談

今から40年以上前の全米のプロレス界にはNWA、WWWF(現在のWWE)、AWAと3つの世界王座が存在していました。当然、日本の馬場さんや猪木もこれらの3大王座奪取を目標としていたわけですが、そんな1978年1月25日にフロリダ州マイアミで、何と時のNWA世界ヘビー級王者ハーリー・レイスとWWWFヘビー級王者スーパースター・ビリー・グラハムがお互いのタイトルを懸けて初となる世紀の統一戦を行う事が決定!
私も当時はこの世紀の統一戦を「別冊ゴング」や「月刊プロレス」で知り、「こりゃ凄いな!勝った方が本当の世界一だな!」と興奮していたんですが、最近このレイスvsグラハムの試合映像(調印式、試合前の2人揃っての舌戦インタビュー、本番の試合(ダイジェスト))を観る事が出来ました!
特に2人がスタジオで名アナウンサーのゴードン・ソリーを間に激しく舌戦を展開する様子は、まさに古き良き70年代アメリカン・プロレスを堪能できて最高でした(^_^)。

ソリー「今日は決戦を前に2人の世界チャンピオンをお招きしました!」
グラハム「いいか?俺のパワーでこの隣の男を必ず倒すぜ!俺は契約書なんかにサインはしねえ!何故なら俺はこのレイスを倒して必ずNWA王者になる事を、いまこのテレビの前で俺のハートと魂に誓うぜ!」
レイス「俺はレスラーになって18年だ。世界王者にも2度君臨している。それに俺はこのグラハムに過去勝っている。おい、グラハム!言っておくが、これまでみてえなお前のショボいファイトじゃ俺には勝てねえぞ!?」
ソリー「な、なるほど(汗)。それでは・・・」
グラハム「(遮って)ちょっと待て!これを見ろ!(と突如シャツを脱ぎ出しトレードマークのド迫力の筋肉美を披露!)レイス、これだ!お前にこれがあるか!どうだ!お前にこれがあるのかよぉぉぉ!?」
レイス「俺にそんなモンは要らねえ。何故なら俺は既にトップだからな!」
グラハム「フン!(と憮然としながら、その場から退場)」

このレイスvsグラハムの世紀の統一戦は野外スタジアムの「オレンジ・ボウル」で60分3本勝負で行われ、1本目はグラハムがベアハッグで、2本目はレイスがブレーンバスターで返し、3本目は額から流血しグロッキー状態のグラハムをレイスがスリーパーホールドで後一歩まで追い込みますが、60分時間切れで引き分けとなりました。
その後、WWWFはグラハムからボブ・バックランドに王者が交代し、バックランドは再びNWA世界王者のレイスやAWA世界王者のニック・ボックウィンクルと統一戦を行いましたが、これまた引き分けが続きました。
日本でもリック・フレアーとリック・マーテルの間でNWA&AWAの統一戦が東京は両国国技館で行われ大きな話題となりましたが、この全米3大王者の統一戦シリーズはファンも決して王座が統一されない事を十分に知りつつも、豪華でスケールの大きいアメリカンプロレスを象徴するイベントとして強い印象を残した試合でした。

NWA Champ Harley Race vs WWWF champ Super star Billy Graham double title match on Jan 25th 1978 at Florida USA.


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邵氏兄弟公司機関誌で『死亡遊戯』の丸太男解元を発見!

2024-03-26 10:34:37 | その他

1969年発行の邵氏兄弟公司機関誌に邵氏演員時代の『死亡遊戯』の“丸太男”解元を発見♫。
短い紹介文ながら解元の本名や誕生日が記載されていて貴重な資料でしょう。
1969年ならまだ李小龍がアメリカから香港に帰国以前。解元自身もまさかこの4年後に邵氏のライバル会社嘉禾影業のスタジオで丸太を振り回す事になるとは想像もしていなかったでしょうね。

Found Game of Death log fighter Gai Yuen at Shaw bros magazine 1969.


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龍熱チャンネル更新!豪華4大武打星集結!『怒れるドラゴン不死身の四天王』

2024-03-25 13:00:31 | 作品レビュー

「龍熱チャンネル」更新です。今回は王羽監督&主演兼任作にして日本劇場公開作品『怒れるドラゴン不死身の四天王』(74)の登場です。

王羽、陳星、金剛、張翼と当時の香港&台湾のトップ武打星4人が勢揃いした本作ですが、その4人の様々な経歴は勿論、劇中で王羽たちの強敵にして悪役を迫力満点に演じ切った日本人武打星鹿村泰洋さんについてもジックリと語っています。

特に私と鹿村さんが2000年にキングレコードから発売された『〜不死身の四天王』DVDのオーディオコメンタリーを担当した際の鹿村さんとの数々の貴重な思い出を私自身がこうした動画の形でお話するのは本邦初となります。是非ご覧下さい!!

「龍熱チャンネル」リンクです→https://youtu.be/vQi326HDBQw


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李小龍的最佳電影〜精武門⑨ 短くも殺気漲る闘い!陳眞vs鈴木寛警護人!

2024-03-16 17:12:40 | 闘神伝説~李小龍

勝村「待て!貴様・・誰だ!」
陳眞「俺は陳眞!館主の鈴木に会いに来た!」
勝村「お前が陳眞か!?」

虹口道場に単身乗り込み、道場で師範代の吉田(馮毅)を倒した陳眞(李小龍)は、道場からさらに奥の渡り廊下を門弟たちを蹴散らしながら突き進み、虹口道場館主鈴木寛(橋本力)の書斎がある日本庭園に到達します。そこで恩師の復讐に燃える精武英雄の前に立ち塞がるは鈴木寛の警護人こと勝村淳。
この日本庭園の庭先で展開される陳眞vs鈴木館長警護人の一騎討ちでは、短いながらも本作の武術指導を担当した韓英傑(されどこのクライマックスのファイトシーンの殆どは李小龍が殺陣を構築した可能性高し)が勝村演じる警護人にかなりの“見せ場”を与えている事が分かります。
何故なら本作『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)最大のクライマックスである陳眞の虹口道場殴り込みシーンでは、道場に乗り込んで来た陳眞と闘った殆どの門弟たちが陳眞の一撃のみで瞬殺されています。
ところがこの陳眞vs勝村淳戦では、まず勝村の右の正拳突きが陳眞の顔面にヒット!さらに勝村は陳眞を柔道の荒技一本背負いで日本庭園の地面に叩き着ける激しい攻防に注目です。
本作『〜怒りの鉄拳』において、主人公陳眞が日本人にここまで攻め込まれる場面は1度もなく、これは李小龍をはじめ嘉禾影業サイドが日本の勝プロから香港に派遣された橋本力と勝村淳に対してそれだけ厚い敬意と共に接していた事の証しでしょう。
だからこそ勝村の強烈な一本背負いを浴びた李小龍が背中や腰を痛め数日撮影がストップしても、その後も何事もなく撮影が進行したわけです。
そしてこの陳眞vs虹口道場一門の闘いのために日本から橋本力と勝村淳が参加した事で、それまでの香港映画に登場した中国人俳優による妙な日本語とヘンテコなチョンマゲ、そして花魁袴を穿いた偽日本人ではなく、真剣に日本武道を学び、羽織袴を正しく身に纏い、凄味溢れる佇まいを全身で体現する本物の日本人vs精武英雄の、まさに異様な殺気と緊張感に満ちた死闘の幕が切って落とされます!

Chen Jen against Suzuki's bodyguard Jun Katsumura from Fist of Fury.


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侵略と青春と女子高生!『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章』今月公開!

2024-03-09 11:34:53 | 作品レビュー

さて、昨日は都内某所で浅井いにお原作、黒川智之アニメーション監督『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章』(24)を試写で観て来ました。

ある日の8月31日。東京に飛来した謎の巨大宇宙船“母艦”。その日から人類と謎の生命体との闘いが始まる中、女子高生の小山門出とおんたんこと中川鳳蘭は彼女たちなりの女子高生ライフを満喫していました。自分たちの日常に宇宙船☓軍隊の戦闘が絶えず隣り合わせの生活に内心では不安と恐れを感じながらも、門出とおんたんは恋をして、喧嘩して、ゲームをして、そして受験勉強に没頭するのでした。

しかしそんな門出とおんたんの奇妙な、それでいて愛らしい生活も上空に浮かぶ“母艦”から派遣された“使者”との出合いで壊れていきます。ある日突然自分たちの前からいなくなる学友。それを悲しむ間もなく、門出とおんたんの2人は避けようのない破滅に向かってその身を投じていく・・・!!

門出とおんたんを取り巻く温かく深みのある登場キャラクターたち、2人の女子高生が暮らす東京の街中のリアルで何処か懐かしい風景が2時間という上映時間を決して長く感じさせません。やや門出の揺れ動く感情と妄想の描き方のバランスが悪い印象ですが、それも映画のラストの後章へと続く衝撃のエンディングで掻き消されてしまいます。嗚呼、早く後章が観たい!!

この『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章』は今月22日より全国ロードショー公開との事ですので是非!


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李小龍的最佳電影〜精武門⑧ 虹口道場師範代吉田こと馮毅、その意外な真実!

2024-03-09 10:55:44 | 闘神伝説~李小龍

長らく連載して来ました「李小龍的最佳電影〜精武門」ですが、第8回を迎える今回から、いよいよ“精武英雄”陳眞(李小龍)が敵地である虹口道場に単身乗り込んでのクライマックス、つまり“史上最大の復讐劇”が幕を開けます。
道場の広い練武場にいた門弟たちを片っ端から蹴散らした陳眞に日本刀を手に襲いかかったのが陳眞が先の道場破りで乗り込んだ虹口道場で、陳眞に完膚なきまでに叩きのめされた師範代の吉田(馮毅)でした。

この吉田を憎々しげに演じたのが香港映画の名優馮毅でした。馮毅は北京の裕福な家に育ち、1935年に日本の明治大学に留学生として入学し生物学を学びました。この馮毅の明治大学留学は、一説には馮毅の母親が日本人で日中ハーフだった事が理由かも知れません。戦争中は馮毅も中国人留学生として辛い時期もあったようですが、留学時代の馮毅は本人が流暢な日本語を話す事が馮毅を大いに助けたそうです。
終戦後、帰国した馮毅は南京中央警察学校で柔道の教官、さらには香港に渡り「天聲日報」で編集業に携わるなど異色のキャリアを経て、やがては香港映画界に参入する事となります。

今回何故に馮毅の経歴を長々と書いて来たかと言うと『ドラゴン怒りの鉄拳』出演のために日本から香港を訪れた橋本力と勝村淳は、慣れない香港映画の現場で自分たちを何これと助けてくれる日本語が上手い明治大学出身の俳優さんの親切が本当にありがたかった!と語っています。
そしてその明治大学に留学経験がある日本語がペラペラな香港俳優こそが馮毅だったのです。そう、まさに日本という国が生んだ異国における数奇にして心温まる縁でした。

馮毅は香港映画の名監督胡金銓とプライベートでもとても親しく、馮毅はその胡金銓作品をはじめ多くの作品で主に悪役として活躍しました。
そして馮毅は本作『〜怒りの鉄拳』でもその日本留学経験を生かした如何にも日本人然とした眼鏡姿と憎々しげな佇まい共に、映画のクライマックスの陳眞との闘いでは胴体を日本刀で串刺しにされ、陳眞必殺の鉄拳を喰らいその場で朽ち果てる!という、文字通り吉田師範代の壮絶なる最後として観客に強烈な印象を残しました。
余談ですが、私が本作『ドラゴン怒りの鉄拳』と共に馮毅のベストパフォーマンスと確信するのが邵氏兄弟公司で張徹が撮った『洪家拳vs詠春拳』(74)で戚冠軍に詠春拳を伝授する師匠を演じた馮毅です。
この『洪家拳vs詠春拳』の馮毅扮する詠春拳の師匠は劇中で一言も言葉を発しません。ただ無言で淡々と戚冠軍に厳しくも的確に詠春拳の基本訓練をひたすら強い続けます。
この寡黙な中にも確固たる信念、そして弟子に対する厚き責任感を一切台詞無しで貫禄十分に演じ切った馮毅の姿こそ『ドラゴン怒りの鉄拳』の吉田師範代と並ぶ、俳優馮毅のベストパフォーマンスだと言い切りたい龍熱なのでした。

*本稿における馮毅の情報はK.Aさんにご協力頂きました。ありがとうございました😊。

Chen Jen against Yoshida from Fist of Fury.Fung Ngai actually half Japanese was studyed in Japan's Meiji university.That's why he speaks good Japanese.


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龍熱チャンネル更新!最後の未公開映像!『死亡遊戯』フォトセッションの真実!

2024-03-07 13:02:13 | 闘神伝説~李小龍

「龍熱チャンネル」更新です!今回はいよいよ『死亡遊戯』の登場です。昨年丸太戦や新界野外ロケ映像が公開され『死亡遊戯』の未公開映像はこれで終わりだと思われていました。しかしまだ『死亡遊戯』の未公開映像が存在していた!

それが1972年9月に五重塔内セットで李小龍、カリーム・アブドゥル・ジャバール、田俊が揃い、マスコミ向けに行ったフォトセッション(撮影会)の様子を李小龍の実弟であるロバート・リーこと李振輝が撮影したモノクロ音声入り映像なのです!

私こと龍熱が来日したロバート・リーさん本人を直撃し聞き出した『死亡遊戯』フォトセッションの真実がいま明かされる時が来た!そう、私たちの『死亡遊戯』探しの旅はまだ終わってはいないのだ!BRUCE IS BACK AGAIN!!

高評価&チャンネル登録よろしくお願いします♫→https://youtu.be/9SnDNLG1YBM


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緊急告知!次回「龍熱チャンネル」はいよいよ『死亡遊戯』登場!

2024-03-05 20:08:31 | 闘神伝説~李小龍

緊急告知!お陰様で前回「龍熱チャンネル」でお届けしました『帰って来たドラゴン』大変好評で私と担当さんも嬉しく思っています♫。改めましてありがとうございます(^^)。

さて、次回の「龍熱チャンネル」ですが、いよいよ『死亡遊戯』登場となります。香港功夫映画評論家こと龍熱と言えば『死亡遊戯』、『死亡遊戯』と言えば龍熱!と言うわけで「龍熱チャンネル」初のデスゲームトークで、果たして龍熱はどんなテーマを熱く濃く語るのか?今週更新を予定しております「龍熱チャンネル」どうぞご期待下さい。BRUCE IS BACK!!

高評価&チャンネル登録もよろしくお願いします♫→https://m.youtube.com/watch?v=sQUL6NEuaQQ


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龍熱チャンネル更新!倉田保昭、日本凱旋帰国作品!『帰って来たドラゴン』

2024-03-01 13:01:21 | その他

「龍熱チャンネル」更新です。今回は“和製ドラゴン”倉田保昭の記念すべき日本凱旋帰国作品『帰って来たドラゴン』(73)登場です!

70年代香港クンフー映画の大傑作として知られる本作を日本公開当時に映画館でリアルタイムで観た思い出に始まり、倉田☓梁小龍が披露するド迫力のハイスパートクンフーバトルの真髄、そして倉田さんのブルース・リーこと李小龍に対する親愛なる感謝の想いを龍熱が熱く熱く語ります。是非ご覧下さい!

リンクはこちらです→ https://youtu.be/sQUL6NEuaQQ

高評価&チャンネル登録もよろしくお願いします♫


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李小龍的最佳電影〜精武門⑦ 日本悪客来港!橋本力&勝村淳、その本物の凄味

2024-02-25 10:47:43 | 闘神伝説~李小龍

香港クンフー映画における重要な要素が主人公と憎々しげに敵対し、最後には壮絶な闘いを繰り広げる悪役の存在です。
特に香港クンフー映画の悪役の場合は、その殆どが主人公と同等かそれ以上の優れた格闘スキルを併せ持つ事が要求されます。
ただ李小龍主演『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)が製作された当時の香港&台湾映画の日本人の悪役描写、それは酷いものでした。
殆どの作品に登場する日本人(実際は中国人が演じる)が軍人か侍で、珍妙な丁髷を付け、羽織袴を逆に穿き、何かあると「バッキャロ!」とヘンテコな日本語を叫ぶという、それこそ我々日本人が見たらまさに国辱的な日本人描写が平然とまかり通っていました。
当時の香港映画にそのような侮辱的な日本人悪役描写が定着していた背景には、日本と香港を初めとするアジア各国の過去の歴史や、日本人=悪役の設定が当時のアジアの観客に強い刺激を与え、それが作品自体に強烈なインパクトをもたらし作品のヒットに繋がる、との目論見が各映画会社にあったからでした。
しかしそのような我々日本人から見て残念かつ恥辱的な日本人悪役像が打破される時が来ます。
そう、日本から香港の邵氏兄弟公司に後の“和製ドラゴン”倉田保昭が招聘された時から香港映画界における日本人悪役像が著しく改善される事となります。

ただその頃、ライバル会社嘉禾影業でも邵氏公司と同じ動きが起きていました。嘉禾は『〜怒りの鉄拳』における重要な登場人物である日本人にして怨敵である虹口道場館主鈴木寛、そして鈴木の警護人を演じる2人の日本人俳優派遣を日本の勝プロダクションに依頼します。
こうして日本から香港の嘉禾影業に派遣されて来たのが元プロレスラーにして柔道2段、そして映画『座頭市』シリーズで座頭市のスタンドダブルを演じた勝村淳。そして元プロ野球選手から俳優に転身し、大映特撮映画『大魔神』シリーズで大魔神のスーツアクターを務めた橋本力でした。
香港に到着した橋本と勝村は、撮影前に嘉禾の衣装係から自分たちが劇中で穿く袴を逆に穿くよう執拗に迫られ激しく戸惑います。その理由は以前から香港人には日本人=花魁の誤ったイメージが強く残っていたからでした。
衣装係の執拗な逆袴の求めに遂に怒りを爆発させた橋本は「馬鹿野郎!俺たち日本男児がこんな袴の穿き方するか!袴は自分たちで正しく穿く。なあ?勝村!」「そうよ!それより主役の李小龍ってどんな男だい?」

ここに香港映画の撮影スタジオに陳腐な「バッキャロ!」ではなく、初めて本物の日本語の「馬鹿野郎!」が鳴り響き、屈辱的な花魁袴ではなく、日本男児らしい正しく堂々とした袴姿の日本人が登場する事となります。こうしていよいよ本作『ドラゴン怒りの鉄拳』のクライマックスで中国武術の名手陳眞vs柔道有段者の警護人、そして日本刀を手にした示現流の達人鈴木寛、文字通り中国人対日本人の息詰まる対決の時がやって来ます!

Two great Japanese villains Riki Hashimoto and Jun Katsumura from Fist of Fury.


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