タイトル:「モニタに表示する血圧は平均血圧だけにしちゃえばいいのに」 by ChatGPT
以下は、なぜそう思うかについての独り言です。
血圧について良く言われていること。例えば、
・臓器血流は平均血圧が重要
・ただし心臓は拡張期血圧
・でもCABGすると収縮期血圧に依存するようになる
・低い時は平均血圧、高い時は収縮期血圧を見る
とか。僕も3番目以外はこのブログとか昔のIntnsivistとかで書いたことがある。
つい先日もこの話を聞いて、ふと、「生理学的な説明とか教科書の記載は読んだけど、そう言えばちゃんとした根拠を知らないぞ」と思い、特に三番目についてPubMedで調べ出した。そしたら深い沼が見えたので、早々に撤退した。
根拠はどうあれ、こういう生理学的な説明は面白いので、それはそれで良い。
でも、その情報を使って臨床ができるか(例えばCABG術後患者はSBPをターゲットにしようとか)、というと、別の理由で問題があると思うのですよ。
説明し始めると長くなるので、興味のある人はこちらからリンクをたどって読んでいただくとして省略します(反射波とかダンピングとかA-lineノナマリとかNIBPの測定原理とか)。これらの血圧モニタリングの問題は特にSBPとDBPが強く影響を受けるので、そんな数字を使って臨床して本当に患者さんにメリットがあるのか、疑問に思ってしまう。MAPも、橈骨で測定された値を使って臓器の灌流圧を推測しているわけで、どれだけ当てになるのかわからないけど、SBP/DBPに比べればまだマシではないか。
相当高い確率で、全ての患者さんの全ての病態において、MAPだけで臨床しても予後は悪化しない気がする(波形は一つの情報なので見るけど)。
ついでに、「血圧が60まで下がっちゃってさー」とか、「外科医が血圧120以下って言うからさー」とか、そういう「うーむ」な発言を聞かないで済むようになるし、無駄な薬剤の使用が減る分、もしかしたら患者さんにとってはプラスかもしれないし。
ま、そんなことは絶対に起こらないんだけどさ、人間が臨床をやっている限りは。