カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

シェムリアップ州病院外科病棟完成式典 日本が支援

2024年05月01日 | 経済
 4月20日、シェムリアップ州病院において外科病棟の完成式典が開催さ入れました。式典には、フン・マネット首相、チアン・ラー保健大臣、植野篤志日本大使他多数が参加しました。日本は、2020年10月、シェムリアップ州病院改善事業に対し、21億5300万円の無償資金協力を供与していました。
 シェムリアップ州病院は、同州及び周辺 6 州から患者が集まるカンボジア北部の拠点病院ですが、1970 年代に建設された施設の老朽化や機材不足により、医療ニーズに対応できていませんでした。この課題に対応するため、日本は、シェムリアップ州病院及び同州の下位病院(4病院)の施設・機材の整備に協力してきました。この事業で整備された施設・機材により、効率的な医療サービスが提供されるとともに、多くの住民がシェムリアップ州内の病院でより多くの医療サービスを受けられるようになることが期待されます。
 更に日本は、今年3月13日、「広域病院整備事業」を対象として211億400万円を限度とする円借款を供与しています。この事業は、シェムリアップ州及びコンポンチャム州において、州病院を高度医療の提供が可能な広域病院に格上げするために必要な医療施設及び医療機材を整備することにより、地方における高度医療へのアクセス改善を図り、もって首都と地方の医療格差の是正及び地域住民の健康増進に寄与するものです。
 日本がカンボジアに対し様々な協力を行うことによって、カンボジアの経済・社会開発に貢献していくことは、両国の関係の深化にも大きな効果があるものと期待されます。
(写真は、国際協力機構のフェイスブックより)

国際協力機構のフェイスブック
https://web.facebook.com/JICACambodia/posts/pfbid0UGvjmgnjK5f1NGwsWTzKyRtJWC2PEXpWWG7o36pf1b9tRhsjjo1EuFeYAUwJCv77l


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カンボジア通貨のリエル 羽田空港で両替可能に

2024年04月30日 | 経済
 4月16日、カンボジア中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の協力により、羽田空港の両替店Travelexで、カンボジアの現地通貨リエルへの両替が可能になりました。記念式典には、カンボジア国立銀行のキムティ・コモリィ中央銀行業務総局長が参加しました。カンボジア以外の国の両替店でリエルへの両替が可能となるのは、シンガポールに次いで二か国目となるとのことです。
 カンボジアは高度にドル化された経済で、カンボジア国内では一般にドルが流通し、取引の8割以上がドルで決済されています。カンボジアリエルは、ドルとの為替レートを、最近20年ほど安定的に維持しています。一方、日本円との為替レートは、日本円とドルとの為替レートの変動にさらされることとなります。
 世界の通貨は、ドル、円、ユーロ、ポンド、スイスフラン等のように信用力が高く、世界中で交換可能なハードカレンシーと、カンボジアリエルのようなソフトカレンシーに分かれます。ソフトカレンシーの中で、カンボジアリエルの対ドル為替レートは安定的に推移しており、国際的な信用力は高まってきたものと見られます。こうした中で、日本の羽田空港でカンボジアリエルへの両替が可能となったことは、カンボジアリエルの国際的信用力を示す好事例となるものであり、大きな意義があるものと見られます。カンボジア国立銀行では、これまでの為替レート安定のための地道な努力が実り、リエルの交換可能性の向上、カンボジアへの観光客誘致等に効果を発揮することに期待を示しています。
 なお、日本からの観光客にとっては、リエルよりもドルに両替してカンボジアに持ち込むことで現時点では十分なものと考えられます。
(写真は、カンボジア国立銀行のフェイスブックより)

カンボジア国立銀行のフェイスブック(クメール語と英語)
https://www.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial/posts/pfbid0273UDkY2AhxXp3ijGUpGuvESk6nzPWNmv1p4ZCjusfgHJYB9XmsbH6cmsVgAKB18al


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カンボジア 2024年3月の物価上昇率

2024年04月29日 | 経済
 国家統計庁から発表された2024年3月の消費者物価上昇率(対前年同月比)は、0.0%でした。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しており、2018年1月以降は概ね3%未満で推移していました。2021年9月からは久しぶりの大幅上昇となっていましたが、2022年7月以降は低下傾向となっていました。2023年7月以降、若干の上昇に転じていましたが、今年に入り低下傾向にありました(2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%、9月5.9%、10月6.8%、11月7.9%、12月6.7%、2022年1月4.1%、2月6.3%、3月7.2%、4月7.3%、5月7.2%、6月7.8%、7月5.4%、8月4.9%、9月4.4%、10月3.6%、11月3.2%、12月2.9%、2023年1月3.0%、2月2.2%、3月0.7%、4月1.1%、5月0.5%、6月0.0%、7月1.9%、8月3.2%、9月3.8%、10月3.9%、11月2.7%、12月2.7%、2024年1月マイナス0.5%、2月マイナス0.3%)。なお、2月と比べると3月は0.5%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズムにより国際価格に概ね連動して動いています。2月の4374エル/リットルから、3月は4361リエル/リットルに低下しました。ディーゼルは、2月の4274リエル/リットルから、3月は4179リエル/リットルに低下しました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇し2022年3月初めに130ドル台にまで上昇した後、足元は80ドル台で推移しています。カンボジアはガソリン類を全量輸入に頼っているため、カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動しています。2023年中盤に上昇した後、最近落ち着いてきています。
 国際機関は、2024年のカンボジアの物価上昇率については安定的と予測しています。アジア開発銀行は2.0%、世界銀行は2.8%、IMFは2.3%、AMROは3.1%と予測しています。
(写真は、プノンペンのセントラルマーケット。3月17日撮影)  



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年04月29日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
 配信御希望の方は、下記のアドレス、またはブックマークから、まぐまぐのページで皆様のメールアドレスのご登録をお願いします。

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カンボジアに熱波襲来予測 気温は42度に

2024年04月28日 | 社会・風土
 カンボジア水資源気象省によりますと、カンボジアとタイは4月末から熱波に襲われ、最高気温が42度に達する可能性があるとのことです。この気温は、カンボジアでも最高気温記録を更新するものとのことです。
 熱波の影響で、隣国のタイでは、今年すでに30名が死亡しているとの情報もあります。
 高温が続きますと、室内でも熱中症となる可能性があります。カンボジアにご滞在の方は、エアコンの適切な利用と、水分補給に十分ご留意ください。
(写真は、クメールタイムズ紙より)



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夢の切符 ジャパンレイルパス 2024年4月

2024年04月27日 | 生活環境
 日本に一時帰国するのに合わせて、鉄道ファンにとって夢の切符「ジャパンレイルパス」を購入しました。このジャパンレイルパスは、日本全国のJRに乗り放題のパスです。原則として外国人しか購入できませんが、日本人でも「在留期間が 10 年以上であることを確認できる書類で、在外公館で取得したもの等」を有する方は購入することができます。今回は、在カンボジア日本国大使館で在留証明書(10年以上)を発行していただき、購入・引換することができました。
 ジャパンレイルパスはいろいろな種類がありますが、今回購入したのは、7日間有効、グリーン車も乗り放題で482ドルでした。前回は272ドルでしたが、2023年10月から大幅に値上げされています。それでも円安効果でお得な値段でした。
 プノンペンのクロマーツアーズで、まず引換券を購入しました(現時点では、プノンペンでジャパンレイルパスを購入できるのはクロマーツアーズだけとのことです)。日本に到着後、みどりの窓口でパスに交換してもらい、券売機で座席指定を取りました。
 今回は、春の四国を旅しました。カンボジアから一時帰国して日本を鉄道で旅行すると、日本の美しさに感動します。できれば、このパスでまた日本を再発見する旅に出たいと思います。
 鉄道ファンには本当にうれしい切符ですが、購入には条件がありますので、詳細はクロマーツアーズ等にご確認ください。条件が合う方は、ぜひお試しください。
(写真は、桜が満開の喜多灘駅)

追記: 4月17日に四国を中心として大きな地震がありました。ちょうど旅をしたばかりの予讃線、予土線が影響を受けました。また、宇和島等でも被害があったようです。心からお見舞い申し上げます。

Japan Rail Pass
https://japanrailpass.net/about_jrp.html

JR四国の新幹線(もどき)。正式名は、鉄道ホビートレインです。



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IMF 世界経済見通し2024春 世界経済は着実に回復

2024年04月26日 | 経済
 4月16日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)2024年4月版を発表しました。世界経済については、「経済活動は、世界的にディスインフレが見られた2022-23年を通して、予想外に底堅かった。スタグフレーションや世界的な景気後退に関する警告に反して、世界のインフレ率が2022年のピークから和らぐ中で安定的に伸びた」としています。世界全体の成長率については、2023年3.2%(2023年10月予測3.0%)、2024年3.2%(同2.9%)、2025年3.2%と予測しています。世界の物価上昇率については、「2023年の6.8%から2024年は5.9%、2025年には4.5%へと安定的に鈍化する見込みである」と指摘しています。
 中国の成長見通しが弱いことが、カンボジア等の貿易相手国の見通しに影響している中で、カンボジアの今年の成長率予測は若干引き下げられたものの、高い水準を維持すると見ています。成長率予測は、2023年5.0%(同5.6%)、2024年6.0%(同6.1%)、2025年6.1%となっています。更に、2026年以降2029年までの成長率は、5.5%~6.1%と高度成長に復帰すると予測しています。一人当たりGDPは、2011年に1000ドルを突破した後、2024年には2628ドルに達するとしています。更に、2026年には3002ドルと、ついに3000ドルの大台に乗る見込みです。物価上昇率は、2023年2.1%(同2.0%)、2024年2.3%(同3.0%)、2025年3.0%と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年31.0%、2022年19.2%にまで悪化しましたが、2023年は黒字に転換してプラス1.3%となりました。今年以降は赤字となりますが、2024年3.5%、2025年4.1%と問題ないレベルとなると見ています。
 世界的な需要減退と金融引き締めの中で、スリランカのように激しい物価上昇、為替変動、外貨危機、対外債務返済不能、政治的混乱等に直面して困難な状況にある国も出てきています。しかし、カンボジアは、途上国の中では物価も安定的、為替レートも安定、対外債務も問題ないレベルであり、マクロ経済運営は様々な外的ショックにうまく対応しているものと見られます。今後も、日本等先進各国や国際機関の協力を得つつ、経済成長と貧困削減に向けた努力を継続することが期待されます。

国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し2024年4月版(和文新聞発表)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2024/04/16/world-economic-outlook-april-2024


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引退のJR北海道の特急型ディーゼル車 キハ183系 カンボジアへ

2024年04月25日 | 経済
  2023年3月に定期運行を終えたJR北海道の特急型ディーゼル車「キハ183系」の11両が、カンボジアの鉄道会社「ロイヤル鉄道」へ売却されました。国鉄時代に製造されたキハ183系のうち、国内に残る最後の車両で、4月15日に函館港から船でカンボジア・シアヌークビル港へ向かった模様です。
 カンボジア到着後は、首都プノンペンとタイ国境とを結ぶ観光列車等として年内にもデビュー予定とのことです。キハ183系は、タイにも譲渡されており、線路で結ばれている二か国でキハ183系が運行されることとなります。
 キハ183系は1979年に開発され、特急「北斗」・「オホーツク」・「大雪」などとして運行されてきました。中古鉄道車両の輸出実績がある貿易商社ウエストコーポレーションが、JR北海道から計18両を買い取り、このうち7両は2023年9月にアフリカのコンゴへ輸出されていました。今回の輸出で全18両が海外で再活用されることになりました。
 日本の中古鉄道車両は、インドネシア、タイ、ミャンマーをはじめとする各国に輸出されてきましたが、カンボジアに輸出されるのは初めてとのことです。日本の鉄道車両が、海外で活躍することは、大きな意義があるものと見られます。
(写真は、JR北海道時代のキハ183系特急「大雪」。2023年2月筆者撮影)

ロイヤル鉄道のフェイスブック(英文です)
https://www.facebook.com/TRRCambodia/posts/pfbid0JhoitEWteuxqRoZBZZ7FLhPUcoiHbboCG7G2PYHqpBQXyUZP6Ld6kEceagXPt3YGl

函館港での船積みの様子(ロイヤル鉄道のフェイスブックより)




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AMRO 地域経済見通し2024年4月 カンボジアは堅調な成長に期待

2024年04月24日 | 経済
 4月8日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、ASEAN+3地域経済見通し2024年版を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN+3(ASEAN10か国と日本、中国、韓国)による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。
 AMROは、今回の見通しで加盟13カ国の経済が堅調に推移すると見て、GDP成長率見込みを2023年4.3%(昨年10月予測4.3%)、2024年4.5%(同4.5%)、2025年4.2%と予測しました。ASEAN10か国では、2023年4.2%(同4.4%)、2024年4.8%(同5.0%)、2025年4.9%と見ています。AMROでは、今年のASEAN+3の力強い成長は、家計所得の増加と投資活動の回復に支えられた堅調な内需が主軸となると見ています。また、世界的な半導体のアップサイクルや観光業の回復の継続などにより、輸出の好転が見込まれることも追い風となると予測しています。物価上昇率(13カ国)も、2023年の6.3%から、2024年4.3%、2025年3.7%と落ち着いてくると見ています。
 カンボジアについては、成長率を2023年5.3%(同5.3%)、2024年6.2%(同6.2%)、2025年6.4%と見ています。2023年は、世界的な需要減退による縫製業の伸び悩みがあったものの、観光の回復と内需の好調に支えられて成長率が高まったとしています。
 物価上昇については、2023年2.1%、2024年3.1%、2025年2.8%と落ち着いてくるものと予測しています。対外収支については、経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年には40.4%にまで悪化しましたが、2022年25.7%、2023年2.6%と急速に改善しました。また、外貨準備は2023年末には184億ドルと非常に安定的なレベルにあるとしています。
 カンボジア経済のリスクとしては、中国の経済減退、世界的な需要減退、国際石油価格の高騰、地政学的緊張の高まり等を挙げています。更に、不動産セクターについては、供給過剰等による弱含みが続いており、金融セクターや経済全般への波及も懸念されるとしてます。特に、中央銀行による金融監督が十分に行われていない不動産開発業者による不動産向け貸付のリスクに警鐘を鳴らしています。
 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際の国際通貨基金(IMF)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。2016年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施しています。

AMROの新聞発表(英文です)
https://amro-asia.org/asean3-policymakers-should-rebuild-policy-space-and-address-long-term-challenges-amid-positive-outlook


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アジア経済見通し2024春 カンボジア経済の回復続く

2024年04月23日 | 経済
 アジア開発銀行(ADB)は、4月11日に「アジア経済見通し2024年4月版(Asian Development Outlook April 2024)」を発表しました。ADBでは、アジア・太平洋地域の開発途上国経済は、堅調な内需、半導体輸出の改善、観光業の回復を背景に底堅い成長を続けているとしています。しかし、サプライチェーンの混乱、米国の金融政策の不確実性、異常気象の影響、中国の不動産市場のさらなる低迷といった多くのリスクに引き続き警戒する必要があると指摘しました。
 アジア開発途上国の経済成長見通しを2024年4.9%(前回2024年9月予測4.8%)、2025年4.8%と予測しています。アジア・太平洋地域のインフレ率は、国・地域によってかなりばらつきがあるものの、2022年の4.4%から、2023年3.3%、2024年3.2%、2025年3.0%と落ち着いてくると予測しています。
 カンボジアについては、2024年のGDP成長率を5.8%(前回6.0%)、2025年6.0%と予測しています。縫製品の輸出の回復、堅調な輸出が続く縫製以外の製造業等に支えられて、第二次産業の成長率は2024年8.0%、2025年8.4%に達すると予測しています。第3次産業については、観光の回復が続き、2024年5.4%、2025年5.2%の成長となると見ています。第一次産業は、農産品の輸出の伸びに支えられて、2024年1.3%、2025年1.4%成長すると予測しました。他方、建設業、不動産業については、中国の不動産不況、中国からの投資減退の影響を受けて、引き続き伸び悩むと指摘しています。
 物価上昇率予測については、ロシアのウクライナ侵攻等の影響もあり、2022年は5.3%まで高まりましたが、2023年は2.1%(前回3.0%)、2024年は2.0%(前回4.0%)、2025年2.0%に落ち着くとしています。
 国際収支については、輸出の好調にも支えられて、経常収支の赤字は、2024年8.6%、2025年7.6%と縮小傾向にあると見ています。また、外貨準備は2025年末には250億ドル(輸入の7.6か月分)に増加すると予測しました。
 リスクとしては、2029年に予定されるカンボジアの後発開発途上国(LDC)からの卒業に伴う特恵関税資格の喪失を特記しています。
(グラフは、ADBの発表より)

アジア開発銀行のサイト(和文)
https://www.adb.org/ja/news/adb-forecasts-developing-asia-economy-grow-4-9-2024


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