雨に踊れば

イギリス、シェフィールド大学での大学院生活。2009年秋から都市計画学専攻。

修士論文執筆中

2010-08-11 | 日記
ずいぶん更新が滞っていましたが、生きております。
7月の初めに日本から再びイギリスに戻ってはや1ヶ月あまり。
ワールドカップも終わり、そろそろ修士論文の執筆のみに集中という時期。しかし、リサーチ後に少し論文の方向性を変えることになって、思うように執筆が進まなかったこの1ヶ月。そろそろ締め切りが迫ってきて、フラストレーションがたまっています。どうしよう!

今はただひたすら、リテラチャーとリサーチ結果とのにらめっこ。
さっと書き始めるのではなくて慎重に構成を練っているので、実際に文章にしているワード数はそこまで多くないです。ただ、メモ書きに書いてあるネタは1万ワードを超えてますが。。これをどうちゃんとした文章にするかっていうのが今やっていることなんですよね。議論の発展のしかたや結論までのスムーズな流れを毎晩考えて、寝ています。。

ただ、こんな苦しい生活にも少し支えになることがあって。
春先に、大学内のBarで偶然知り合った日本人の方と、今はお付き合いさせて頂いてます。相手はこれから大学院へ入学するので、今は準備のために英語の勉強中で、最後のプロジェクトに取り組んでいてお互いになかなか忙しい。

それでも食事や勉強の時間、、というよりもう1日のほとんどを一緒にすごすパートナーですが、ストレスがたまりやすいこの時期に心が和むことが多くて助かります。

これが全て終わったら旅行にいこう!とも話していますが、今は論文のことしか考えられず。早く終わらせたいですが、大事な卒業論文。手抜きだけはしたくない。余計に、頭がぐるぐるしちゃいます。課題のエッセイを書くのとは訳が違う。

さて、夏とはいえど気温は日本よりもぐっと低い20度前後のイギリス。夜はときどき寒くて暖房をいれるくらい。
体調管理には気をつけて、もうひとふんばり。

無事に卒業が決まったら、就職活動を頑張らねばです。あと、1月の卒業式には是非出たい!最後の最後なので、心を込めた文章、書きます。笑

忙しいので更新は頻繁にはできませんが、気が向いたらときどきまたここへ戻ってきます。

ではではっ

一時帰国中です

2010-06-23 | 日記
日本時間21日の朝8時くらいから、一時帰国中。
成田空港からNEXで東京駅、その後新幹線のチケットを購入し、グランスタでさば塩焼き弁当を買って、八戸行きの「はやて」に乗る。特急に乗り換えて、午後3時過ぎに青森駅到着。11ヶ月ぶりに母と再会。変わらぬ笑顔で迎えてくれた。

久々に帰宅した我が家。夜には父と兄も帰宅し、近所の焼き肉屋で夕食。時差ぼけのときは油っこい物はやめたほうがいいとかいう噂を最近聞いたけど、実は自分、時差ぼけというものを感じたことがない。普通に暗くなれば眠り、明るくなれば目が覚める。この身体、意外とうまくできてるのかな。

今日から土曜まで、毎日都市計画に関わる方々にインタビュー。今日は2名、明日から毎日1名ずつ。楽しみだ。
ただ、政策は読めるが自分自身、日本の都市計画制度はあまり分からない。イギリスの制度ばかり知ってて、逆に変な気分。ただ、イギリスの制度は、わかりやすくできている。だから説明しやすい。日本のはどうかな。大学で教鞭を取っている方にもお会いする予定。詳しく聞いてこようと思う。


それにしても

日本の食事ってやっぱりいいな。野菜もそのままでも本当においしい。料理する腕もいい。やはり、外に出てみなければこれも分かりづらいことかもしれない。イギリス人の友人の食事をみていて、将来の彼らの健康が心配になることがあるよ。だからって、日本人が健康かと言われればそうでもないのかもしれないけど。それにしたって、栄養の取り方が違いすぎる。
旬なお野菜や料理があるのもまたいい。イギリスだって四季はあるのになぁ。

ところで、青森もずいぶん店が少なくなった。昨今の経済状況が如実に現れているのか、それともそれ以外の要因があるのか。いずれにしても中心市街地が活性化しているとは到底思いがたい状況だ。ただ、その一方で新しい施設もできている。欧州を旅して、ある意味「変わらない」町並みの大切さを知った。

一方では何かが無くなり、ある一方では新しい物がどんどんできていく日本。価値観の違いかもしれないが、古い物に愛着を持たない考え方が広まるのは賛成できない。規制のやりかたを変えていくべきだなと思う。都市の価値はいきなり上下しないと思っている。古くから大切にされてきたことや物が長く残されていくこと、それでいていろいろな方面からの需要に耐えられること。この2点が実現されればかなり都市としての能力が高いと感じる。

ただ、こういうことは実行するのは簡単なことではないが、理念として政策に取り入れていくことは、実は簡単だ。それをどう形にするか。それは市民の態度でずいぶん変わってくる。自分たちの需要を、声を行政に届ける「しくみ」さえあれば、影響力を持てるだろう。イギリスはそういった「しくみ」づくりがうまいなと感じる。そういうしくみを維持/改善するための都市計画士としての倫理問題を授業で必ず扱うという姿勢もいい。これは日本が学ぶべき点かな。

さて、では、いろいろな思いを胸に、いってきます。

修論インタビュー Cambridge

2010-06-18 | 日記
今週に入って、ケンブリッジへ滞在していた。
6月上旬にも2日だけ滞在したけれど、今回は修士論文インタビューの第二弾。

前回はケンブリッジシャーの県庁のような存在のCambridgeshire County Councilのとある政策決定及びコミュニティ開発担当者にインタビューしたけれど、今回もメンツはすごい。

1. South Cambridgeshire District Councilに籍を置くもcity council、county council及びCambridge Horizonという団体でも活躍していたP.S氏
2.Cambridge City Councilの政策担当者D.R氏、そして
3.Cambridge大学の建築学部教授で世界中の都市開発に関わってきたCambridge Futures主宰のM.E氏

のお三方。

これもこの国の大学院で都市計画を学ぶ学生だからこそアポが取れたというものだ(と信じている)。やっぱりお役人なだけあってちょっとお固い方もいらっしゃったけど、概して私のような外国人にもフレンドリーで、熱心に持論を展開してくださった。ありがたい。

ケンブリッジは人口約11万人、都市部は直径5マイル(8km)のかなりコンパクトな街。サイズ的にまずコンパクトシティと言えるけれど、high densityでmixed land useといった、コンセプトも取り入れられている。修士論文の内容なので詳しくはかけませんが、論文では否定的に書かれているケンブリッジのコンパクトシティ政策。国の政策に則っているだけなのですが、地価の高騰等が問題になっており、その維持可能性が問われています。それでも、今までインタビューした5人中4人はこの政策をポジティブに考えており、今後も同様の政策で都市計画がなされるだろうと考えているようでした。

来週の月曜には、日本へ一時帰国します。まずは実家のある青森市へ。青森市もコンパクトシティ政策を推し進めている自治体の一。5人の方にインタビュー予定です。そのあとは少し東京にも行って、旧友に会う予定。とっても楽しみです。

其の前に、今日はワールドカップ、イングランド戦。明日は日本戦。帰国前に、大学のバーで観戦予定です。応援できる国が多いっていいな。どちらにも頑張ってほしいです!

修士論文を書く。2010年、夏。

2010-06-11 | 日記
早いもので前の日記から3週間ほど。
その間に1つのプロジェクトが終わり、6月に入って、修士論文の執筆に集中することになりました。これが最後の仕事だ・・・。

プロジェクトをやっている間はあまり他のことに時間が割けませんでしたが、6月中に修士論文のリサーチであるインタビューを終わらせるという目標のあまり、アポイントメントを取るメールだけはしっかり送っており、嬉しいことに、10人の方とインタビューできる運びとなりました。一応この10人の方とは6月中にお会いする予定ですが、もしかしたら7月にまた2人くらいにお会いするかも。いずれにせよ、楽しみです。

修士論文はケンブリッジ市と青森市の比較研究です。ケンブリッジは人口約10万人、青森市は約30万人と、人口の規模は異なりますが、どちらもコンパクトシティ・アーバンフォームを都市計画の構想としています。ただ、コンパクトシティはもともと欧米で発達してきた概念なので、アジアの都市となると少し解釈が異なります。
私の論文は、この解釈の違いがその都市の特徴やニーズ、文化に深く関係しているという仮定の元、それぞれの都市で約5、6人の都市計画政策に関わる方々に、コンパクトシティに対する考え方や導入の背景などを伺うという研究内容になっています。はっきり言って、同じコンパクトシティでも、ケンブリッジと青森は大きな違いがあります。それを、論文で書いていきます。まだ執筆途中なので詳しくは書けませんが、もし読みたい方は(英文になってしまいますが)、ご連絡いただければ9月以降にお渡しできるかもしれません。まぁ、一応卒業に値するだけのものが書ければの話ですが・・・。


さてさて、そんなわけで、プロジェクト終了後にすぐケンブリッジへ飛んだわけですが。課題に追われてインタビューの準備をする時間があまり多く取れなかったので、前日は少しばたばたしながら準備、当日もちょっと緊張してしまいました。が、なんとかなりました。ただ、質問内容を大きく超えた回答が返ってきたりしたので、もしかしたらもう一度インタビューする必要があるかも。。これは私のインタビューテクニックの問題かもしれませんが。。やっぱりアカデミックな立場の人にインタビューするのとでは訳が違う。現場にいる人は自分の立場に一所懸命なので、それ以外の可能性を広く捉えることは難しいようです。

・・・というとなんのことだか分からないかもしれませんが、都市計画を学問として学ぶと、ある一つの考え方に対してのメリット及びデメリット、そしてそれ以外に応用できそうな理論の可能性などを考える必要があります。ただ、実際にローカルなレベルで都市計画すると、そのローカリティの基準での考え方が大きくその政策に反映されることになります。これはとっても重要なことですが、私自身はケンブリッジの研究をしているわけでなくコンパクトシティの研究をしているわけですから、そのメリットとデメリットを認識してはいますが、ケンブリッジでそれがどう考えられているかは現地の人にしか分かりません。コンパクトシティという都市の形がその都市に合っているか否かに関わらず、何らかの政治的、社会的な圧力があるのかもしれません。いずれにせよ、それは私がこれから探っていくことです。

というわけで、やっぱり机上の空論では通らないことが多々あり、実際に現場の人の声を聞くことはかなり重要だと考えています。インタビューを受けた方は私の研究に大変興味を持ってくださっており、論文ができたら見せてくださいとおっしゃってくださいました。・・・かなりのプレッシャーです。ちゃんとしたものを書かねば。9月までは沢山本を読み、いろんな人のお話に耳を傾けねば。大変そうですが、よい経験になりそうです。


***


お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、青森市でのインタビューをするため、日本にちょっとだけ帰ります!6/20にマンチェスター空港を発って、フランクフルト経由で成田に6/21に到着予定。その足ですぐ青森市へ。一週間滞在し、東京へ行くつもりです。といっても青森市は実家があるので、里帰り気分なのですが。。東京も4年半住んだ街だし、旧友に会うのが楽しみです。


7月の頭にはイギリスに帰ってきますが、またロンドンやバーミンガムにも出かける予定。残り少ない留学生活を存分に有効活用したいと思います。
就職活動は論文が終わってから本格的に始める予定。自分のなかでは焦って中途半端なことはしたくないので、自信を持って人にお披露目出来る論文を以て社会に出る準備をしたいと思います。それまでは、一生懸命学生します!

ということで、あと9日で日本!信じられない。もう1年くらい帰ってない。楽しみだけど、不安要素もあったりして(暑そう。。誘惑多そう。。)・・・

とにかく、この夏は忙しくなりそう!体調万全で臨みます。

ブログも再開していきますよー

選挙と、ドイツと、課題と。

2010-05-18 | 日記
思えば前のポストはイギリス総選挙日前だったんですね。時が流れるのは本当にあっという間ですね。。

さてさて、先週の水曜から土曜はドイツへ旅行して参りました。デュッセルドルフでインターンをしている大学時代の友人を訪ねにいったのですが、実はドイツに行くのは初めてでした。大学1、2年で履修したドイツ語もすっかり忘れてしまい、復習する暇もないままの渡独でしたが、なかなかたのしい旅でした。

出発日の水曜日の英国内の新聞の一面は、保守・自由民主の連立政権によるキャメロン首相の誕生を知らせるものばかりでした。出発するガトウィック空港へ向かう電車に乗る前に、ヴィクトリア駅で自分も(記念に?)ガーディアン紙とインディペンデント紙を買ってみました。

※ヴィクトリア駅からガトウィックまでは普通電車で約30分ですが、レイルカードを持っているので電車賃も予約した分で往復約£6とお安めでした。英国内滞在者でレイルカードを持っている方は、無理にガトウィックエクスプレスを使ったり、長々コーチに揺られていかなくても、Southern社の電車で安くいけますよ。

ガトウィック空港はヒースローに次いで"busy"なロンドンの空港で、ルトン空港やスタンステッド空港とは違って大きく、国際空港として賑わっている印象でした。

今回利用したのはEasyjet。おなじみの格安航空ですが、スーツケースを預けるのは別途料金が必要で(予約時に申請すれば往復£18)、結局税込みで£70くらいになりましたが、それでも前回のTAPポルトガル航空(税込£160)の半分以下です。安い。やっぱりヒースローは空港利用税がちょっとお高めだからかもしれません。

ガトウィックからデュッセルドルフまでの飛行時間はなんと、1時間。シェフィールドからロンドンまでの電車が2時間・・・もうどっちが近いのか分からなくなってきました。
到着した空港での入国審査は、ポルトガルでもイギリスでもあるような「EUパスポート保持者/それ以外」の区別がなく、周りにアジア人は私一人でしたが、そのままドイツ人に混じって列に並び、パスポートチェックを受けました。

が、、私のイギリスでの学生ビザが珍しいらしく、予想以上に時間がかかりました。「これは、イングランドでの滞在許可証?でも日本人だよね?何をやっているの?ドイツにはどのくらいいるのか?観光か?(カタコトの英語)」などなど。。普通に答えられる質問なので淡々と返しましたが、どこかに電話して確認までしている。。ドイツ語なのでさっぱりわからず。
とりあえず電話の相手が「問題ないだろう」みたいなことを言ったようで、その後すぐ通されたのですが。・・・なんだったのだろう。

デュッセルドルフ国際空港もなかなか大きい空港で、地下にSバーンという電車が乗り入れており、片道€2.30で中央駅まで行くことが可能です。

友人とは駅のマクドナルド前で笑、約1年ぶりに会う事が出来ました。仕事帰りでちょっとお疲れのようでしたが。
その後4日間を友人と過ごし、近郊のケルンへ行ったりとなんとも楽しい滞在でした。ビールもたくさん飲んだし、名物のソーセージやシュパーゲルなども堪能してきました。

ただ、、若干トラブルがあったことは残念でしたが。。

1. 途中、クレジットカードが使えなくなり、不審に思ってカード明細をネットで確認すると、iTunesで何者かが私のカードを不正使用して2万円の買い物をしていることが分かり、すぐカードを止めなければならなくなったり。。これはまだ解決していないので、これからも悩まされそう。

2. ポルトガル旅行後の体調不良が再発。旅行後って体調崩しやすいですよね。自分はポルトガルから帰った後しばらく体調が優れず、課題もやってられない日々が1、2週間続いたことがあり、同じような症状が滞在中に出てしまいました。だから最終日は食事ができず。。そして帰りの飛行機の中でもめまいがして、CAの皆さんにお世話になったり。EasyjetのCAの皆さんは頼もしい方々ばかりでした。

3. 帰国後ガトウィック空港で預けていた荷物を受け取る際、スーツケースの足が1つ折れていた。。これから電車を乗り継いでシェフィールドまで戻らなきゃ行けないのに。。と気分が沈む。とりあえず被害届を出して、後日修理のため引き取りにきてもらうことに。

とまぁ波乱続きであったのですが、デュッセルドルフの都市計画についてすこし学べたのと、街の写真をたーくさん撮れたのがなによりの収穫でした。あと、この友人とはいつもいろいろな議論が交わせるので、夜な夜な読みながら話せたのがよかったなと。

残りの課題は来週提出。一番苦手なデザイン課題なのですが、なんとか乗り切って、修士論文に取り組みたいと思います。

今週は、スウェーデンからやってくる高校の同期をロンドンで迎える予定です。飛行機ちゃんと飛びますように~。