音大のロビーにて ~Second Season~

自分の好きな音楽や、日々の雑感などを、気ままに書いていきます。ちなみに現役音大生です。現在更新停止中

ちょっとお知らせ

2006年03月17日 | 雑談の場
お久しぶりです。ここんとこめっきり更新が無くなってしまってすみませんでした。ここで、今後の自分と、このブログについてお知らせします。

僕ももう4月から大学3年になるので、これからどうしょうかと色々考えていました。音楽で食っていくという夢も、いよいよ現実となってプレッシャーをかけてきます。なので、いいかげん本腰いれて経験を積み、実力を上げていかなければ、卒業までにプロのレベルまで到達できません。

このブログがそれまでの暇つぶしだったということは決してありませんが、もう口だけの表現をやっている時期ではなくなったのかもしれません。それまでに考えたり学んだりしたことを、じっさいに音楽屋として社会に関わらせていく準備をするべきなのだと思います。そのために何をすべきかということも色々考えて、じょじょに実行しています。なので、今までのような文章による表現には、前ほど尽力をそそげなくなるでしょう。そのことを、ここを見て下さっている皆様にお知らせします。

ちなみに、このブログを終わりにして、新たにホームページを開設するという考えもあります。プロを目指してるアマチュア作曲家っていうのは、大抵じぶんのページを持っているものですし、そうした方が、今までできなかったネット上でのアプローチの方法が増えますから。まあいつになるかは分からないし、実行しないまま立ち消えということもあり得ますけど、一応そんなことも考えてます。




ジャニスpart2

2006年02月17日 | 雑談の場
こないだの日曜日、またジャニスに行ってきました。

今回は「借りたいCDリスト」も用意し、気合を入れていったので、いつのまにか43枚も籠に入れてました。前回の30枚をさらに上回る記録です。では、その内訳をどうぞ。

・Two Pages /4Hero
・Airdrawndagger /Sasha
・Magical Power /Magical Power MAKO
・Yanqui U.X.O./Godspeed You! Black Emperor
・Chill Out /The KLF
・Yesterday Was Dramatic Today Is OK/Múm
・Apikal Blend/Sogar
・Endless Summer/Fennesz
・Live in Japan/Fennesz
・Radio/X-Dream
・Oui /The Sea And Cake
・Indigo Rose/AOKI Takamasa
・Mezzanine/Massive Attack
・Model 3, Step 2/Microstoria
・Decksandrumsandrockandroll/Propellerheads
・Upgrade & Afterlife/Gastr Del Sol
・Power Of Seven/System 7
・In Full Color/John Beltran
・P.H.U.Q./The Wildhearts
・Gigantic Days/Ian O'Brien
・Lunatic Harness/µ-Ziq
・Farhrenheit Fair Enough/Telefon Tel Aviv
・Confield/Autechre
・Tales of the Inexpressible/Shpongle
・Lido/半野喜弘
・Narcotic Guitar/花電車
・Sail/高木正勝
・こどもと魔法/竹村延和
・Peel Session/Boards Of Canada
・More Songs About Food and Revolutionary Art/Carl Craig
・Portishead/Portishead
・1999/Cassius
・Communications/Surgeon
・Movement In Still Life/BT
・Handcream For A Generation/Cornershop
・Vision - Creation - Newsun/Boredoms
・Bad Timing/Jim O'Rourke
・TNT/Tortoise
・Psyence Fiction/UNKLE
・Double Figure/Plaid
・A Song For All Seasons/RENAISSANCE
・Scheherazade and Other Stories/RENAISSANCE
・Aunt Sally/Aunt Sally

というわけで、ほとんどがテクノ・エレクトロニカ系というセレクトになってます。まだ10枚ぐらいしか聴いてないんですけどね。データで保存しているんで、これからゆっくり聴いていくつもりです。

ところで、前回ジャニスの記事で「CD1万枚聴きたい」とか言ってしまいましたけど、さすがにそれは言いすぎかなあと今になって思ってます。いや、1万枚という数字をなめてました。無茶苦茶な数ですよね…。本当にこれを達成するとしたら、今回と同じようなことを、あと200回はやらないといけないんですよねぇ。自分がじーさんになっても、まだ今のペースで音楽を聴いてたら達成できるでしょうけど、さすがにそこまでの自信は無いなあ…。

最近、ここの更新が少なくてすみません。たぶんこいつをやり始めたせいです。

Blue Lines/Massive Attack

2006年02月04日 | アルバムレビューK~O行
のアルバムによって、テクノのいちジャンルである「トリップポップ」が確立されたと言われています。それほど偉大なマッシヴアタックの名作です。

トリップポップと言っても、僕はそんなに詳しいわけではないのですが、このアルバムに関して言えば、ブラックミュージック色が強い、夜に似合いそうな雰囲気のオシャレなヒップホップという感じでしょうか。いわゆるテクノという感じではありませんが、派手さを抑え、黒めの音色で淡々とリズムを繰り返していく曲調は、確かにテクノを感じることができます。

楽曲のひとつひとつが大変良く出来ており、純粋にクオリティの高いアルバムと言えるでしょう。洗練された一流プロの音楽といった印象があり、とにかくファッショナブルでオシャレです。部屋で真剣に聴いてもいいですが、夜間のドライブのBGMなどには最適でしょう。聴いていてとても気分が良くなります。落ち着いた音楽が聴きたいときには、是非ほしいアルバムです。


1.Safe From Harm◎
2.One Love
3.Blue Lines◎
4.Be Thankful For What You've Got
5.Five Man Army◎
6.Unfinished Sympathy
7.Daydreaming
8.Lately
9.Hymn Of The Big Wheel

Jelly Tones/Ken Ishii

2006年02月01日 | アルバムレビューK~O行
「東洋のテクノゴッド」と呼ばれている、ケンイシイの代表作です。

この人のテクノは、実験精神に溢れていてポップなわけでも、躍らせてトリップさせるわけでもなく、ただストイックに自己の内面世界を表に出したような「聴かせるテクノ」です。デトロイトテクノの影響を強く受けた、無機質な音の連なりから生まれるサウンドは、凍りついたように無表情でありながらも、どこか神々しいムードを醸しています。そこから連想されるイメージは、薄暗くて退廃的な未来都市の情景。まさに、ジャケット内のイラストのイメージとぴったり重なります。

こういう音楽は聴く人を選ぶかもしれませんが、一度ゆっくりと集中して聴けば、その深い世界観にどっぷりと浸ることができます。音楽を聴く楽しさを、さらに広げてくれるでしょう。テクノゴッドの名にふさわしいアルバムでしょう。


1.エクストラ◎
2.ココア・ムース
3.ラスティ・トランスペアレンシー
4.イーソス9◎
5.ムーヴド・バイ・エアー
6.ザ・サイン
7.ポウズ・イン・ハーブス
8.フレイム・アウト
9.ストレッチ◎
10.エンドレス・シーズン

Downward Spiral/ Nine Inch Nails

2006年01月31日 | アルバムレビューK~O行
ナインインチネイルズと言えば、まずはこれというぐらい有名な、怒涛の傑作アルバムです。

プライマルスクリームの「XTRMNTR」で、最強のオルタナティヴロックみたいなことを言ってしまいましたが、しかしこのアルバムもそれに匹敵するほど相当に凄いのです。これぞまさに狂気のサウンド!という感じの、襲いかかってくるような激しい音がリスナーを痺れさせてくれます。加えてこのアルバムでは、その攻撃的なサウンドに対比する「静寂」の部分を、間として効果的に使っています。静かでも、どこか内に秘めた狂気を感じさせる間は、さらに一層の緊張感を生み出しています。NIN流の狂気の世界を象徴する、この「静」と「動」の対比が実に素晴らしいアルバムです。ひとつひとつの音に魂が篭っていて、ビシビシと突き刺さってくるようです。必聴でしょう。


1.Mr. Self Destruct◎
2.Piggy
3.Heresy◎
4.March Of The Pigs
5.Closer◎
6.Ruiner
7.The Becoming
8.I Do Not Want This
9.Big Man With A Gun
10.A Warm Place
11.Eraser
12.Reptile
13.The Downward Spiral
14.Hurt

#4.Bottom of the sea search

2006年01月28日 | 自作曲紹介
久しぶりに新曲作りました。

なお、今度からリンク先が音楽の泉というサイトになります。ここも多くのアマチュア作曲家が集って曲を発表しているサイトで、とてもアットホームな雰囲気があります。

↓このコメントはリンク先にもあります

「自身初めて作ったアンビエント系の曲です。メロディーもリズムもコードの切り替わりも無いという異端さですが、耳に心地良く、リラックスして何気なく聴けるような音楽になったと思います。今までの曲作りとは別次元の方法で作ったので、やってて面白かったです。

一応、深海をイメージした音になっています。聴くときの参考にしてください。自分以外の人がこれを聴いて「良い」と思うのか分かりませんが、どんな感想を持たれるのか興味があります。」

↓試聴はこちら
Bottom of the sea search

キングコング

2006年01月22日 | 雑談の場
という映画を、先日映画館で観てきました。

前評判に違わず、これは本当に素晴らしい映画でした!少々ネタバレになるかもしれませんが、個人的には、キングコングがティラノサウルスを岩でぶん殴った瞬間、「やばい、これ最高に面白いわ…」と確信しました。今までのスペクタクル映画の良い所をすべて集めた極大スペクタクルという感じで、映像も音楽もドラマも最高。娯楽として本当に気持ちがいい映画でした。こないだ、「もし最高の音楽があるとしたら、それは音楽っていいなと思わせる音楽だ」と語ったばかりですけど、早くもそれを体感することができたようです。まさに「映画っていいなと思わせる映画」でしたね。

う~ん何ていうか、こういうのに遭遇すると、自分が「創る仕事」を目指そうとしていて本当に良かったなあと思っちゃいますね。こんなにも人を喜ばせることができる、なんて誇り高い仕事なんだろうと、改めて確認してしまいます。自分も早くそっち側に行きたいです。頑張らにゃなりません。



忙しいです

2006年01月16日 | 雑談の場
 なるべくちょくちょく更新するつもりでしたけど、やっぱり学校が始まると忙しくてなかなかそうもいきません。申し訳ないです。これからこの一週間は後期試験期間で、その後は作曲の課題曲をひとつ提出、その後はピアノと声楽の実技試験と、スケジュール詰まってます。それが終われば4月まで学校無いんで、いくらでも更新できると思うんですけど。

まあしかし、最近はアルバムレビューばかりでちょっと進展ないですね。ここをよく見て下さる方は飽きないでしょうか?いや、もう飽きてるのかもしれませんね…。とりあえず、こんなどうでもいい記事でも少しはインパクトになっていいもんでしょうか。まあ一応ブログですしね。

話は変わって、今日ちょっと思ったことなんですけど、もし一番ランクが上の音楽の基準があるとしたら、それは聴いた人に「音楽っていいな」と思わせる音楽かもしれませんね。僕も今までそういう音楽に幾つか出会ってますけど、やっぱそういうのは、自分が知ってる中でも間違いなくトップクラスに好きな音楽ですもんね。「テクノっていいな」とか「クラシックっていいな」っていうのより、はるかに感動が大きいでしょう。「音楽っていいなと思わせる音楽」を作るって事で、アーティストの最終目標にしていいことかもしれません。狙ってできることじゃないでしょうけど。

The Soft Bulletin/The Flaming Lips

2006年01月11日 | アルバムレビューF~J行
フレーミングリップスの最高傑作と言ったら、やはりこれしかありません。99年発表の名盤です。

このアルバムは本気で感動できるようになるまで少々時間がかかりましたが、しかし、そのときの怒涛の感動は今でも忘れられません。最初のうちは、少し音に手の込んだポップスという程度の印象でした。しかし、なぜか不思議と何度も聴きたくなるような魅力を持っており、そうして聴き込んだのち、改めてヘッドホンで集中して聴いたとき、このアルバムの素晴らしさに気付いたのです。

このアルバムは、溢れんばかりに込められた音の全てが無駄なく練られており、歌心を持っています。鋭さを持ったロックサウンド、煌びやかなクラシック楽器、サイケで実験的なサウンド、ポップス調のメロディアスな歌声と、これら様々な要素が見事に調和し、ひとつの音楽を奏でるのです。それを肌で感じたときは、まるで降りそそぐ光を身体いっぱいに浴びているような、恍惚も含んだ感動が得られました。こうなると、本当に音楽とは素晴らしいのだなと、分かりきっていながら思わず感じてしまいます。

とにかく、無駄な音は一切ありません。全曲名曲です。音数は非常に多いですが、全てを逃さずに聴きましょう。これほどサウンド全体に歌心が行きわたったアルバムは、そうは無いでしょうから。


1.Race for the Prize [Remix]◎
2.Spoonful Weighs a Ton
3.Spark That Bled
4.Spiderbite Song
5.Buggin' [Remix]◎
6.What Is the Light?
7.Observer
8.Waitin' for a Superman◎
9.Suddenly Everthing Has Changed
10.Gash
11.Feeling Yourself Disintegrate
12.Sleeping on the Roof
13.Race for the Prize
14.Waitin' for a Superman [Remix]

成人式

2006年01月09日 | 雑談の場
今日の昼間、成人式に行ってきました。

大多数の人がそうでしょうけど、式自体よりも昔の友達に会えるのが楽しみでした。で、実際会ってみると、みんな様々な時間の経過をしていて、すごく面白かったですね。いきなりビョーっと背が伸びてたり、髪が変な色になってたり。声は変わってる人とそうでない人がいました。女子なんかはみんな化粧が濃くて、パッと見じゃ誰だか分かんない人が多かったです。あと、ほんとにビックリするぐらい全然変わってない奴がいたりするんですよね。卒業アルバムからそのまま出てきたみたいでした。あと、僕はタバコは吸わないしお酒も弱いんですけど、中学までしか知らない人がタバコふかしてるのを見てると、なんか違和感がありました。みんなそういうことするようになったかって感じです。

それで、ほとんどが中学卒業以来会ってなかった人達でしたが、会ってみると大して気を使わず、気楽に話せるもんですね。ブランクなんてそんなもんでしょうか。式が終わった後は、数人で食事にいったりしたあと、帰ってきました。全然普段どおりって感じであっさり終わってしまいましたけど、でも、もうこれで大多数の人とは一生会わないかもしれないんですよね。そう思うと、なんか残念ですね。何年かに一回ぐらい成人式があればいいんですけどね。これっきりで終わりっていうのは残念です。

TAKE OFF AND LANDING/砂原良徳

2006年01月07日 | アルバムレビューあ~さ行
テクノに関しては、もう「師匠」と呼ばせてもらいたいぐらい敬愛している、砂原良徳の傑作2NDです。

しかしこのアルバムを聴いていると、「ジャンル分け不能」という言葉は、まさにこのアルバムのために用意されたのではないかと思ってしまいます。基本的にはファーストの「CROSS OVER」と同じく、レトロと近未来が同居したような不思議な世界観を主軸としていて、BGMとしても良さげなオシャレで耳心地いいムードを作っています。しかし、このアルバムではさらにサンプリングされた自然音をも大胆に組み込んで、そのうえ気違いじみた音響処理で仕上げ、形容できないカオスな世界を構築しています。オシャレで耳心地いいサウンドのはずなのに、内面は恐ろしいほど混沌としているという、相反する要素を見事にドッキングさせている、奇跡的な内容のアルバムなのです。

ほんとに、どういう経路を辿ればこういう音楽を作るに至るんでしょう。こんなアルバムを発表したのに、その後は反対に限りなく音数を絞った「LOVEBEAT」というアルバムも作ってるんですから、そのセンスの広さには脱帽させられます。次は何をやらかすのかと、ついつい期待してしまいますね。凄い人です。


1.Information of TUA
2.Cross Wind Take Off
3.Magic Sunset St.
4.SONY Romantic Electro Wave◎
5.Sun Song’80
6.2300 Hawaii
7.Count Down
8.Journey Beyond The Stars
9.Life & Space◎
10.No Sun
11.The Good Timing of World of Love Song
12.Summer
13.My Love is Like a Red,Red Rose
14.Welcome to Japan◎

native colors/川村結花

2006年01月05日 | アルバムレビューあ~さ行
本人いわく、「自分の中に流れている音楽にどこまでも素直にやってみようと思った」という、川村結花の5枚目のアルバムです。

そのコメントを踏まえて聴くと、このアルバムに込められた想いがよく分かるでしょう。このアルバムには、今までのようなサウンドやメロディーの華やかさは抑えられ、とてもシンプルで素朴な曲調を貫いています。そのため、これまで川村結花の音楽のなかにあった、心温まるような音のなかにもどこか物憂げな雰囲気というものが、より純度の高い状態で抽出されたような印象を受けます。言ってみれば「すっぴんの美しさ」のという感じでしょう。コメントどおり、とても素直で自然で、そしてピュアなアルバムです。

僕は「Lush Life」と双璧を成すほどの傑作だと思うのですが、アマゾンのレビューなんかを見ると、あまりウケがよくない人もいるみたいですね。少し意外でしたが、まあ納得はできます。と言うのも、このアルバムは曲調がシンプルなだけに、第一印象でかなり地味に感じるからでしょう。なので、このアルバムを気に入るには少しコツがいるかもしれません。確かに実際地味なアルバムですが、しかし完成度は非常に高く、隙のない曲作りをしています。上に書いたような世界を表現するために、あえて地味めに作っているということが理解できれば、このアルバムを楽しめるようになるでしょう。

その一貫した世界観と、いつでも傍らに置きたくなるような聴きやすさという点では、今までで最高と言えます。相変わらず無名なのが残念ですが、素晴らしいポップスアルバムです。


1. わたしが知ってる
2. bound
3. ひとりじゃない◎
4. 今年の恋
5. long way home◎
6. New Morning
7. ハッピー・バースデイ、僕
8. あおいかさ
9. 夏に咲く花
10. パンのみみ
11. ピアノの墓場◎

明けましておめでとうございます

2006年01月01日 | 雑談の場
ジーニアスです。このブログをご覧の皆様、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

今さらなんですけど、12月26日の時点で、この「音大のロビーにて」は1周年となってました。正直、あっという間なんてことは全然無く、やっと1年かという感じです。開設当初こそ毎日記事かいてましたけど、ここんとこはサボり気味で申し訳なかったです。ここで初心にかえって、またエネルギッシュに色々と書いていきたいです。と同時に、曲もたくさん作っていきたいです。

なんて言っても、僕の場合、こんな風になんかやろうと決意したって、結局は半分ぐらいしか達成できないんですよねえ。今年は、こういう有言不実行をなんとか直したいです。

まあ、それでも思い返してみると、去年はそれなりに色々な事があって、それなりに成長したような気はします。このブログで、自分の考えを発信するという貴重な体験もできたし、多くの素晴らしい音楽と新たに出会うこともできたし、価値観や主義主張も少しづつ変わったし、ピアノや歌も練習して上手くなったし、友達ともよく遊んだし、映画も観たし、本や漫画も読んだし、ゲームもしたし、自分のやりたい音楽の方向性も定まりつつあります。よく考えたら、これらが全て一年以内に起こったこととは思えません。日常というのは、何気なく過ぎていくようで、意外と密度は濃いものなのかもしれませんね。

それでも、まだまだやりたい事はありすぎるくらいあります。若くてエネルギーのあるうちに、それらを全部消化してしまいたいところです。今年は、去年よりさらに密度の濃いものにしたいです。そうして体験していって感じたことを、このブログで形にしていけたらいいんですけどね。まあ頑張ってみるつもりです。

そんなわけで、この「音大のロビーにて」はまだまだ続いていきますので、暇があったら覗いてみてください。重ね重ね、今年もよろしくお願いいたします。

Ambient 4: On Land/Brian Eno

2005年12月29日 | アルバムレビューA~E行
ブライアンイーノのアンビエントシリーズ4作目。そして、僕のブライアンイーノ初体験となったアルバムです。

アンビエントとはいっても、このアルバムにはヒーリングとか癒しといった要素はほとんどありません。むしろ、闇の奥に引きずり込まれるような、極めて暗いイメージに支配されたアルバム、と言った方が正しいでしょう。これを上等なオーディオ環境にて集中して聴けば、そのあまりにもディープな世界にズッポリ飲み込まれてしまいます。メロディー・ハーモニー・リズムといった、音楽の基本的な要素を超え、「音」そのものが力を持った音楽、といった感じでしょうか。その張り詰めたような緊張感と、それによる恍惚はすさまじく、まるで意識が身体を離れて、別の世界まで飛んでいってしまいそうになります。まさに「トリップ」と呼ぶに相応しい音楽でしょう。

マイブラやレイハラカミもそうですが、こういう「トリップ」の要素を持った音楽は、いま僕が最も惹かれている音楽です。この感動を、もっと多くの人に知ってもらいたいです。


1.Lizard Point◎
2.The Lost Day◎
3.Tal Coat
4.Shadow
5.Lantern Marsh
6.Unfamiliar Wind (Leeks Hills)
7.A Clearing
8.Dunwich Beach, Autumn, 1960◎

Red Curb/レイハラカミ

2005年12月28日 | アルバムレビューま~わ行
「音は時間を歩行しているものであり、まずこのことを認識しなければならない。楽音とか雑音というような分類は、音の本質とは関わりないことだ」とは、日本を代表する作曲家である、武満徹の有名な言葉です。最初にこれを聞いたとき、僕には意味がよく分からなかったんですが、このレイハラカミの音楽に触れたとき、その意味を何となく理解しました。というのも、レイハラカミの音楽も、これと同じような発想によって作られていると感じたからです。

このアルバムの音には、まるで制約というものが無いように感じます。リズムや構成を飛び越えて、自由な発想で自由に音を配置しています。そうして作られた音楽には、自然が自然のままに変化していく「時間の流れ」を感じることができます。その流れの中を漂うように、または散歩するかのように、すれ違っていく音を眺めながらゆっくりと進んでいく。そんな白昼夢をこのアルバムは見せてくれるのです。

わりと人を選ぶタイプの音楽だとは思いますが、「新しい音楽の表現形態とは?」というように、音楽を哲学的な視点で考える人には、是非とも一度手にとってほしいアルバムです。未来の新しい音楽とは、このようなものになるのではと、僕は考えています。


1.unexpected situations
2.the backstroke
3.cape◎
4.wrest
5.red curb◎
6.vapor
7.june
8.remain
9.2 creams
10.again
11.put off◎