Asian Railway Plaza

アジア各国の鉄道やJR南武線の話題などをお届けします

鉄道雑誌や書籍で紹介されている東南アジア各国で活躍する日本の中古鉄道車両の記事について

2024年04月29日 20時30分53秒 | フィリピン
以前、2020年6月1日でも述べていますが、ここ20年ぐらいでしょうか、東南アジア各国で活躍する日本の中古鉄道車両の記事が鉄道雑誌に出ていますが、記事の内容には多くのミスがあり、出版の仕事を行っている私からみると、以前からまったく校正されていないことが伺えます。
資料的価値の高いものを必要としている方からただ読み物としている方も居りますが、それらをある程度満足できる内容かと思うと常に疑問を感じております。
また、現地で会話能力に問題があるからと言って、通訳を同行させたとしても、その鉄道に詳しい通訳はほとんど居りませんので、通訳の言ったことを再度間違いがないか確認するか、もしくはご自分で長い間時間をかけて現地の言葉を習得する必要がありますが、そのようなこともしないで書かれておりますので、自然と記事の内容にボロが目立ちます。
今まで私は読者の皆さまのために記事の校正、撮影許可証の取得などに私はそのライターに協力してきたつもりですが、このような読者に対して正しい情報を伝える努力もせず、ご自分の名声だけを世の中に知らしめたい人に協力するのは私はゴメンですので、私はひたすらFacebookやXなども含めて皆さまにはそのようなミスなどがあれば随時指摘したいと思っています。

続いて、私のブログ上で書いたフィリピン国鉄(PNR)の件で、テキストが勝手にそのライターに引用されているということなのですが、これが確たる証拠となります。
私のブログで、2011年12月20日に述べたものが以下の画像のものになりますが、指摘したいのは203系のMGの容量は160kVAではなく190kVAであること。もう1つはPNRの冷房電源供給はMGからではないということです。
鉄道ピクトリアル2012年3月号(No.860)で、そのライターが「フィリピン国鉄南方線はいま」というタイトルで書かれていますが、P.79、左列上段に引用されたということがわかる一文があり、明らかに私のブログで書いた記事を加工して記載しております。

下の画像は私のブログで記述したものです。



確かに参考文献として私のブログ名については掲載のお願いをご本人からいただいていたものの、引用については許可しておりませんし、私はこの冷房電源の供給については、以後、発電機からの直接供給であることをブログ上で述べておりますが、その後のこの方のフィリピン国鉄の記事において、訂正や正誤表としてのお知らせが一切ありません。
また、鉄道ピクトリアル2006年12月号(No.783)において、この方がジャカルタで活躍する日本の中古車輛について記事を出されていますが、P.109左側上段に都営6000形のことを現地では「Hiban Seri 6000」(Hibanとはインドネシア語で”頂きもの”の意)と呼称されと記述されていますが、正しくはHibanではなくHibahということでご本人には知らせて、その後の鉄道ピクトリアル2008年10月号(No.809)P.109の正誤表で「Hiban Seri 6000」は「Hibah Seri 6000」の誤りと記述されているものの、さらにその後の鉄道ピクトリアル2010年12月号(No.842)P.67の一覧表において、HIBAN SERI 6000等の間違った記載がされており、紙媒体の執筆者としての資質に大きな問題があるのではないかと思っています。
要するにこの方が記事を書く上で、過去のテキストの使い回しが常態化しており、私に記事の校正の依頼をいただいても最新の情報になっておらず、私がなぜテキストが最新のものではなく古いままなのか尋ねると、細かいところが直っておらず、ただ申し訳ないとはぐらかす始末ですが、このような古いテキストを使い回し、知らないHibahなどの特殊なインドネシア語に対して気をつけていなければ、自ずからミスは防げないのではないかと思います。
この他、以前、この方が出された書籍においても多くの誤字脱字や事実とは異なる表現がなされており、同じくその後の書籍においても同様で、ご本人と出版社側には数回に分けてミスと思われるリストをお送りしましたが、ご本人からは私の趣旨等については到底受け入れ難いとのメッセージをいただき、出版に携わる私としてもこのような読者に対して正しい情報を提供できない方には、今後においても記事を執筆できる能力や資質に問題があるのではないかと思っています。

おそらく、今後においても読者に対して正しい情報を提供をできないこのライターの記事は来月号以降の鉄道雑誌の中でも必ず記事を出されるはずかと思いますが、資料的価値の高いものを求めている読者にとっては非常に残念なものですので、どうかご承知のほどいただきたく思います。
また、記事の内容も車輛の細部に特化し記述されていますが、日本のある鉄道であればおおよそのことは読者にわかっても海外のある鉄道のことはほとんどの方にとっては知らないのではないでしょうか。
ある程度のその鉄道の概要(路線延長、営業区間、列車本数など)、歴史や社会、今後の計画なども含めて多くの読者にわかってもらえるような記事を必要としているのではないかと思いますが、以前から車輛ばかりにスポットを当てているため、確かにつまらない記事と感じている方もいらっしゃるのではないかと思っています。

最後に先程も申し上げましたが、鉄道雑誌を出版する会社では第三者校正もできない状況であり、ほとんどがライター任せという状況で、このライターの記事が来月以降も必ず出るはずであり、校正をまともにできない方の記事には今後も多くのミスがあるものと予想され、資料的価値の高いものを求めている私としても黙っていないで、ミスがあればこのブログ上でも公開していきたいと思いますし、出版社に対してもミスと思われる箇所をお知らせするとともに、FacebookやX等のSNSでもお知らせするつもりです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フィリピン国鉄(PNR)、乗務員室に添乗-その3

2024年04月28日 16時20分35秒 | フィリピン
フィリピン国鉄(PNR)の乗務員室に添乗の記事が途中でしたので、本日はその続きということで進めていきたいと思いますが、マニラ首都圏における先月28日運休後から現在までの動きを簡単に説明しますと以下のとおりとなります。

先月3月27日を最後にPNRはマニラ首都圏の運行を続けてきましたが、28日から運行が休止され、休止後の最初の2、3日は運休準備や南北通勤鉄道(NSCR)の建設に伴う資材等を運ぶ列車が回送されたものの、南方線のTutuban〜Alabang間は4月あたま頃から列車の運行は不可能になり、鉄道敷地界にはフェンスの設置とレールや枕木の撤去作業が徐々に実施されています。
一方、北方線のTutuban〜Gov.Pascual間については、NSCRの建設に伴う動きがない模様で、時々、回送列車が通過するのが目撃されており、Caloocan WorkshopとTutuban Yardの行き来も確保することから、こちらのほうは南方線のような措置は実施されていないようです。


乗務員室に添乗ということで前回はSta.Mesaまで来ましたのでその続きですが、Sta.Mesaからは複線になり、マニラの母なる川であるPasig川を渡ります。ここにはSta.Mesa地区とPandacan地区を結ぶ多くのスケーターがPNRの線路を使って以前から営業しており、時々、列車と接触等の事故が発生していました。スケーターを営むのは沿線周辺の住民で、竹や木工で作成した手作りのスケーターを元に簡単に営業できるのかもしれませんが、特にこのPasig川ではスケーターが多く行き交う姿が見られます。南方線は先程も説明しましたようにNSCR等の整備によりレールや枕木の撤去作業が実施されていますので、いつまで営業できるのか、また、スケーターで生活の糧を得ていた人達の生活はどうなるのでしょうか。


Pasig川を渡るとPandacanに到着です。Pandacanから進行方向右側にSkywayと言われる高速道路がAlabangまで並走するのですが、このSkywayはマニラ北方のNLEXとマニラ南方のSLEXの2本の高速道路を結ぶ道路であり、マニラ首都圏では重要な道路でもあります。
また、Gov.PascualからPNRに沿って位置する高速道路であるNLEX Connector Rd.もPandacanまで近い将来延びることになり、マニラ首都圏を南北に移動する上では2つのルートで利用が可能となります。
下の写真は2010年1月にPandacan付近で撮影したもので、この頃は韓国輸出入銀行の融資により、フェーズ1としてTutuban〜Alabang間の軌道補修、駅舎修繕及びホームの整備、韓国ROTEMから新型気動車18両の導入などが実施された直後でした。
ROTEMの新型DMR1型はTutuban〜Bicutan間で8往復が運行され、一部単線区間が残る中で運行されていましたが、翌月には2倍近い増発とSucatまで延長運転が実施されました。


続いてPacoに停車しますが、Pacoには立派な旧駅舎があり、その隣には新駅舎の建設が途中で長期間ストップしてしまったのか、廃虚化した駅舎が現在も残されていますが、Skywayを挟んで駅舎の反対側にある日本のキリシタン大名である高山右近の銅像もきっと嘆いているのかもしれません。


Pacoを出発し最初の踏切があるPedro Gil St.を過ぎると、列車は左に大きくカーブしますが、それを過ぎるとBicutanまで約10kmの長い直線区間となります。
San Andres、Vito Cruzを過ぎて、以前の駅名はBuendia(Gil Puyat)、現在はDela Rosaに停車します。
駅名で言ったら主要な道路名でもあるBuendia(Gil Puyat)のほうが、小さな通り名であるDela Rosaよりも有名なのですが、以前、ホームがあったBuendia駅はホームの有効長が3両分しかなく、203系等の列車はホーム直近の踏切に停車してしまうことになりますので、新たに旧ホームの南側にホームを整備し、駅名も直近の踏切の道路名からDela Rosaとして、2017年9月より使用されています。
下の写真は手前がBuendia駅のホームで、Buendia(Gil Puyat) Ave.とDela Rosa St.の各踏切に挟まれた位置にあり、向こうに見えるのはDela Rosa駅のホームです。

下の写真は2008年3月に撮影したBuendia駅で、Rotemから新型DMUの導入により、ホームの嵩上工事が実施されていました。
この当時から私は列車が長編成化された場合はこの位置にホームがあるとどちらかの踏切の閉鎖時間を長くするので、Buendia Ave.の北側かDela Rosa St.の南側にホームを整備すべきと思っていたのですが、あとになってからDela Rosa St.の南側に新たにホームを設置するとはフィリピンの人々は深く考えていないのかもしれません。
NSCRのゲージも当初は1067mmゲージで計画されていたものの標準軌の1435mmを採用し、また、Monumento〜North Ave.間の運行をなぜMRT3号線にせず、LRT1号線にしてしまったのか、本当に不可解なところが多くあり、我々日本人には理解に苦しむところがあります。


今日はこのへんで失礼しますが、次回はもう少し乗務員室での運転士さんや助手さんの仕事の様子についてご報告したいと思います。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フィリピン国鉄(PNR)の現状について

2024年04月22日 11時42分07秒 | フィリピン
フィリピン国鉄(PNR)の現在の状況について簡単ながら述べていきたいと思います。
マニラ首都圏の運行は3月27日で終了し、翌日から完全に運行を中止しています。
現在の運行区間は、Calamba-Lucena間、Sipocot-Naga間及びNaga-Legazpi間の3区間で、マニラ首都圏で使用されていた車輛は現在運行休止中のLucena-Sipocot間や現在運行中の区間で使用される予定です。

現在の運行区間における列車時刻は大雑把に以下の通りです。
Calamba-San Pablo-Lucena(使用車輛はDMU INKA 8001編成)
IPC500 Lucena5:00→San Pablo6:32 6:33→Calamba7:33
IPC1745 Calamba17:45→San Pablo18:45 18:46→Lucena20:18

Sipocot-Naga(使用車輛はDMU INKA 8002編成)
BCT-02 Naga5:20→Sipocot6:32
BCT-01 Sipocot6:40→Naga7:52
BCT-04 Naga10:40→Sipocot11:52
BCT-03 Sipocot12:00→Naga13:12
BCT-06 Naga15:30→Sipocot16:42
BCT-05 Sipocot16:50→Naga18:02

Naga-Ligao-Legazpi(使用車輛はDHL9000+PC8300の3両)
BCT-538 Naga5:38→Ligao7:44 7:45→Legazpi8:42
BCT-545 Legazpi5:45→Ligao6:42 6:43→Naga8:49
BCT-1730 Naga17:30→Ligao19:36 19:37→Legazpi20:42
BCT-1747 Legazpi17:47→Ligao18:44 18:45→Naga20:51
朝夕ともに列車の交換はPolanguiである模様?

ちなみに1日でこの3区間の全列車を乗車することは無理ですね。


現在、マニラ首都圏では南北通勤鉄道(NSCR)の整備促進、高速道路のNLEX Connector Rd.の整備により、PNRの南方線では鉄道敷地界にフェンスの設置、レールや枕木の撤去作業が着々に実施されています。
PNRは5年間の運行休止と報道などでは伝えていますが、将来の予定については詳細に伝えておらず、NSCRがある程度整備されたあとはPNRがNSCRの下や脇を通ることになる予定ですが、およそ10年後の街づくりを考慮すると危険要素や阻害要素が多く、おそらくその計画の実現は困難を要するのではないかと個人的には思っています。
また、5年で全区間の整備は困難かと予測され、現在、建設が実施されているTutuban〜Malolos間の南部区間は基礎工事も実施されていませんので、完成には大幅な遅れが見込まれます。
下の写真はTambay Ng Daang Bakal氏から許可をいただき、掲載させていただきましたが、Alabang駅の様子で、フェンスの設置とレールや枕木の撤去が徐々に実施されており、Blumentritt駅周辺や他の区間でも同様な作業が実施されています。


続いて使用可能な車輛で、今後、Calamba以東でのCalabarzon及びBicol地方で活躍できる車輛の一覧表と編成表をまとめてみました。
DLは一部のみの車輛の掲載であり、報道等によるとDHLを含めて13両程度が使用可能なこと、使用されているPC8300はNaga〜Legazpi間において現在3両編成で使用されていること、組成についても定かではありませんので、その点ご注意いただけたらと思います。
また、Calambaに留置されているKoganeのキハ59は長年稼働しておらず、状態は不調ということを聞いておりますので、この編成表には入れておりません。
この他、DMU ROTEM DMR1の06編成は昨年夏頃から使用されておらず、05編成も昨年末頃から不調のようで、DHL9001もコンプレッサー等に異常があるとのことで長い間使用されていません。


先日も述べましたように、PNR運行部長兼スポークスマンのJoseline氏は7月中にマニラ首都圏で使用された10〜12編成をCalabarzon及びBicol地方で使用予定と述べており、今後はこれらの車輛の移送が実施されるものと思われるものの、それだけの需要があるのかどうかと言うと不安要素が多いところもありますが、203系やDHL9000+PC8300にしても、DMUにおいても編成を短くすることは可能ですので、これらの車輛がCalamba以東で活躍できることを願いたいものです。

次回は、鉄道雑誌に海外で活躍する日本の中古車輛について記事を20年程掲載されている方のことについて述べることを予定しておりますが、現在もその方が書かれた記事がフィリピンも含まれて掲載されており、過去のミスと思われる記述に対してのちの正誤表等でお知らせすることもなく、新たな記事が掲載されていることに資料的価値を求めている読者の方々にとっては甚だ憤りを感じているのではないでしょうか。
一言でご説明しますと校正能力に問題がある、また、過去の記事を見てミスがあった場合には真摯に読者に正誤表でお伝えする努力もしないライターが現在も書き続けていることに大きな問題があると思いますが、私が過去に経験してきたことを元にこの件について、まとまり次第述べていきたいと思っています。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フィリピン国鉄(PNR)、Calabarzon及びBicol地方での今後の予定について

2024年04月16日 11時14分39秒 | フィリピン
4月3日、フィリピンInquirerによりますと、フィリピン国鉄(PNR)の今後のCalabarzon及びBicol地方での車輛計画について報道されています。
取材に応じたのは度々テレビのニュース番組にも出演されるPNRの運行部長兼スポークスマンであるJoseline A. Geronimo氏ですが、マニラ首都圏で使用されていた10から12編成を上記の地方へ7月中までに移送する計画であることを述べています。


ここでマニラ首都圏で使用されていた車輛を移送し、上記の地方で使用される予定の車輛について考えてみたいと思いますが、現在、既に使用されているCalabarzonとBicol地方の車輛も含めると下記の車輛が考えられます。

DL13両(DHL9000、3両も含む)
7編成の客車セット、203系4編成ないし5編成、PC8300系3編成
8編成のDMU、8100系4編成、8000系2編成、DMR1の2編成

今年1月中旬のPNR車輛課部長に対しての取材においては、マニラ首都圏で使用された車輛の移送は5月中までに、その後の調整や整備については8月中の予定で、9月からLucena〜Gumaca間77.55kmで運行を開始し、Gumaca〜Ragay間101.82kmについては12月を目処に運行開始が計画され、最後に残るRagay〜Sipocot間28.09kmの運行開始予定は来年頃のようで、Ragay〜Sipocot間はSipocot〜Naga間に運行されている列車がRagayまで延長されるのかどうかは不明です。

Lucena〜Gumaca間、Gumaca〜Ragay間についてもそれぞれの区間で単独運行とするのか、またはLucena〜Ragay間の列車として運行されるのか、こちらも不明ですが、Gumacaは大きな街ではなく2区間に分ける必要性もないかと感じますので、Lucena〜Ragay間で運行されるのかもしれません。
なお、Lucena〜Ragay間の運行に際して使用される形式は計画上203系4本程度(予備編成も含めて)となっていますが、マニラ首都圏のような需要はないことから編成両数も5両ではなく3両程度、列車本数は1往復程度が予想されます。


この他、区間によっては列車増発の計画もあり、かつ不測の事態に備えて予備車輛の確保もありますので、基本的にはマニラ首都圏で使用されていたほとんどの車輛がこれらの地域に移送され今後も活躍するのではないかと予想されますが、私個人的には203系がのどかな田舎を走る姿を見たいものです。

報道は以下参照
https://newsinfo.inquirer.net/1925343/pnr-trains-on-halted-metro-line-moving-to-s-luzon-bicol-routes?fbclid=IwAR3NRmGliWIBigZNWYdepSr6eZFIlnmVrefBvNrQkV_zKr6iR56N-SWkxBk

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フィリピン国鉄(PNR)、マニラ首都圏の状況の続報について

2024年04月12日 11時15分27秒 | フィリピン
前回、このブログでもお知らせしましたとおり、南北通勤鉄道(NSCR)の整備を促進すべく、フィリピン国鉄(PNR)のマニラ首都圏の運行休止は3月27日が最終日となり、翌28日より完全に運行を休止しました。

運行休止直後はNSCRの整備、PNRの施設資材を運搬する目的なのか、ほんの数日のみDL+203系が回送列車として運行されましたが、ホリーウィーク後の4月に入ってから各所でフェンスの設置、レールや枕木の軌道の撤去などが実施されているようで、Tutuban〜Alabang間については列車の走行は完全に無理なようです。
また、北方線の途中にあるCaloocan workshop(Caloocan工場)とTutubanの間については軌道の撤去が現在も実施されていないようで、時々、この区間を行き来する列車が目撃されているようです。

マニラ首都圏で活躍を続けてきた203系やINKA製のDMU8100系、同じくINKA製のDHL9000+PC8300の1編成、ROTEMのDMUであるDMRの使用可能な05と06編成はTutuban yardに集結し、下の写真のとおり留置されていますが、PNRの修繕担当の方々が時折、車輛の整備や清掃活動を実施しているようです。
下の写真2枚はRailway Pilipinas 8104様から許可をいただき、掲載させていただきました。


上の写真の姿は4月上旬に撮影されたものですが、203系はTutuban駅の各番線に留置され、2015年の脱線事故後の運休以来見られない姿を見せているようです。
また、Tutuban yardの北方にある最初の踏切は下の写真のとおり、ゲートで閉ざされ、警備員がゲート入口に現在も常駐し、PNR関係者以外の入出場は規制されているようです。


なお、列車の運行休止に伴いHM Transportがバスの運行を2月中旬から運行されているようです。
4月1日改正によるバスの運行時刻はTutuban発の始発が5:00、最終が21:30、一方、Alabang発の始発が5:00、最終が20:00で、バス運行間隔は30分毎で運行され、基本的にはPNRの各駅の最寄に停車しているようですが、駅によっては利用が困難なところもあるようです。

最後にBlumentritt駅やSta.Mesa駅付近では既にレールや枕木の撤去、鉄道敷地界においては高いフェンスの設置が沿線全体で実施されているようで、列車の運行の合間に沿線住民のために違法ながら運行されていたスケーターも、これらの工事により徐々にできなくなるのかもしれません。
下の写真は今年の1月にSan Pedro駅で撮影したものです。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする