100円スピーカで楽しむクラシック。

100円ショップの「耳元スピーカ」と携帯CDプレイヤで、クラシック音楽を聴こう!

ヌヴー/シベリウス:ヴァイオリン協奏曲。

2005-04-13 22:35:07 | 100円スピーカ
Neveu & Barbirolli Perform Sibelius [FROM US] [IMPORT]

Neveu & Barbirolli Perform Sibelius [FROM US] [IMPORT]

前回につづいて、ジネット・ヌヴーの録音。1946年、死の3年前のもの。ジュスキント指揮、フィルハーモニア管。このようにロマンティックに描かれたシベリウスには、私個人的には些かの違和感も覚えるけれども、ヌヴーの想いのこもった熱い演奏は、そうした嗜好の別を超えて強く訴えかけてくるものがあります。丁寧にリマスタリングされており、モノラルながらヘッドフォンで聴いても、充分鑑賞に耐えるものです。もちろん、100円スピーカで聴いても味わい深い。(DUTTON)

※本題から外れるけれど(なおかつステレオ録音の話ですが)、シベリウスのヴァイオリン協奏曲の録音では、石川静の弾いた、たおやかでありながら端麗な佇まい、清楚で艶っぽいことこの上ない演奏のものが、日本コロムビアにありました。これがどうしたわけか、長らく廃盤の憂き目に遭っております。イルジ・ビエロフラーヴェク指揮、ブルノ国立フィルハーモニー管、1978年録音。日本コロムビアは、速やかにこの盤を「クレスト1000」シリーズで復活すべきであります。

ヌヴーとハッシドのヴァイオリン小品録音集。

2005-04-03 03:48:46 | 100円スピーカ
Ginette Neveu: The First Recordings/ Josef Hassid: The Complete Recordings [FROM US] [IMPORT]

Ginette Neveu: The First Recordings/ Josef Hassid: The Complete Recordings [FROM US] [IMPORT]


ともに若年で亡くなったジネット・ヌヴー(1919~1949)と、ヨゼフ・ハッシド(1923~1950)の小品録音を集めたもの。ヌヴーは1938~1939年、ハッシドは1939~1940年の収録です。ヌヴーのものはその初めての録音、ハッシドはここに収められた小品9曲が、このひとの全ての録音でもあります。いずれも、蠱惑的な音色で聴く者の心を震わせましょう。100円スピーカとの相性もすこぶるよく、中音域に芯を持ったコクのある響きを再現してくれます。

クライスラーをして、「世界的に知られたヴァイオリニスト(ハイフェッツのことか?)は、100年に1度は生まれるが、ハッシドは200年に1度だ」と言わしめた、ハッシドの夭逝は大いに惜しまれますが、これらの小品録音を聴くと、ある意味、若く亡くなるべくして亡くなった天才であったなとも思わされます。精神に異常をきたしたハッシドは、ロボトミーという脳の手術を受けたあと死去しました。「タイスの冥想曲」など、これは天上の音楽でありましょう。(TESTAMENT)

100円スピーカのステレオ化。

2005-03-30 04:49:40 | 100円スピーカ
トラックバックをくださったかたのブログを通じて、「100円スピーカのステレオ化」を試されているかたのページを発見しました。実は、私も100円スピーカのステレオ化というのは、やってみたことがあります。しかし、このページのかたのように手間のかかることはしませんでした。私の行った方法を、以下、記します。

100円スピーカは、ステレオ端子から引いてモノラルで再生するものが一般に多く売られていますが、モノラル端子用のものも売られています。これを、2台買ってくるのです。それから、ステレオ端子から左右のチャンネルに二股になるプラグっていうのですか(写真)。これはたぶん本来、ステレオ録音のために使うものなのだろうけど、ここでは出力のために用意するわけです。

●モノラル端子用の100円スピーカ 2台。
●ステレオ端子から左右のチャンネルに二股になるプラグ 1個。

ここまで書いたら、もう説明不要ですよね。音質は、それ相応です。でも、このプラグ、数百円したのですよ。その代金で、普通のステレオのスピーカが買えてしまいます。

それでも、試してみようと思われるかたは、プラグの種類を間違えないようにご注意ください。ウォークマンをふたりでヘッドフォンで、それぞれがステレオで聴けるようにするための二股プラグがありますが、あれでは駄目です。あれは、二股のそれぞれがステレオ出力端子になっています。そこにステレオ端子用の100円スピーカをつないでみても、モノラル音声がふたつできるだけです。このあたり、混乱しないように。

ただ、やはり、モノラルの古い音源を1本の100円スピーカで再生することにこそ、味わいがあると私は感じます。

ダイソーの315円のヴァイオリン。

2004-12-28 23:06:38 | 100円スピーカ


ダイソーにて315円で入手。面の広さに対する厚さの割合が若干大きくはありますが、この価格の玩具としては、かなり精巧にできていると思います。音も鳴ります。さらにケース付き。

音楽は、あらかじめ仕込まれています。「バッハのメヌエット」、「歓喜の歌」、「蛍の光」、「赤い河の谷間」、「ユー・アー・マイ・サンシャイン」、「グリーン・スリーブス」、「サンタ・ルチア」、「鱒」の8曲。ボタンで切り替わります。

弦に弓が1回触れつづける間、音がひとつ鳴ります。離して触れなおすと、次の音に進みます。つまり、アゴーギクは自分の思うままに弾けるわけです。たとえば、「サンタ・ルチア」で、「♪サンタぁ~~~」と、好きなだけ伸ばすことができる。しかし、慣れないうちは、隣りの弦に弓がふれて、勝手に音が先に進んでしまうので、あなどれません。

ダイソーの製品は、売り切れてしまえば新たに生産することのないものも多いので、店頭にあるうちに早めに購入されることをオススメします。楽しいですよ。

エルマン/チャイコフスキー&ヴィエニアフスキ:Vn協奏曲。

2004-11-19 19:59:16 | 100円スピーカ


エルマン/チャイコフスキー&ヴィエニアフスキ:Vn協奏曲。

蠱惑的な独特の甘いその音色は、エルマン・トーンと呼ばれておりました。クライスラーの風雅な香りのものと比べると、しなだれかかるふうな媚びた雰囲気もある芸風を低くみるひともいたようですが、土俗的な色のなかにも高雅な香りをふんだんに含んだものと、私は思います。バルビローリ指揮、ロンドン響との1929年の録音のチャイコフスキーは、曲自体の持ち味も相俟って、エルマンのそうした特色を深く印象づける内容を示しています。1930年の「憂鬱なセレナーデ」と1950年のヴィエニアフスキの2番の協奏曲を併せて収録。詳細は以下。(NAXOS)

http://www.naxos.co.jp/title.asp?sno=8.110912&cod=2454

ロストロポーヴィチ&ターリッヒ/ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲。

2004-09-29 03:59:21 | 100円スピーカ
Dvorak:Cello Concerto in B [FROM US] [IMPORT]

Dvorak:Cello Concerto in B [FROM US] [IMPORT]

ロストロポーヴィチはこの曲を数回録音していますが、ターリッヒ/チェコ・フィルと組んだこれはその最初のもので、1952年に録られています。モノラルながら、普通のオーディオで聴いても充分鑑賞できる音質。後の艶っぽく若干脂身を感じさせる芸風になる前のロストロポーヴィチの初々しい清新の気の漲る独奏が、ターリッヒの民俗色豊かで質朴ながらもスケールの大きなサポートを得て、爽やかに映えます。

他にボールト、セル(非正規盤)、カラヤン、ジュリーニ、小澤と組んだ演奏を聴きましたが(ハイキンとのものは未聴)、なかでは、カラヤン/ベルリン・フィルと合わせた独奏vs指揮者の丁々発止のものと、このターリッヒ/チェコ・フィルとの慈愛にあふれたものを、私は好みます。まったく好対照な色が出ていますな。ロストロポーヴィチはアクが強いと敬遠される向きにも、この最初の録音ならイケるかも。(Supraphon)

昭和を飾った名歌手たち 佐藤千夜子。

2004-09-15 20:11:33 | 100円スピーカ
昭和を飾った名歌手たち 佐藤千夜子。

昭和を飾った名歌手たち 佐藤千夜子。

昭和3年にビクターが第1号歌手として売り出した佐藤千夜子(1897-1968)は、流行歌手の元祖とでもいうべき存在でしょう。しっかりとした発声法を身につけたその歌唱はストイックながら、しっとりした愛らしい色香をただよわせます。何度聴いてもあきない味わいがありますね。

人気絶頂にあった昭和5年、佐藤千夜子は、さらに世界の通じる歌手になるべく、イタリアへと勉学の旅に出ます。しかし夢は叶わず、昭和9年に帰国するのですが、そのときには日本の歌謡界では、既に彼女は過去のひとでした。この復刻盤の南葉ニ氏の解説によると「戦後は売り食い生活から、家政婦、掃除婦までしながら。そして栄光の時から数えて40年経った昭和42年の暮れ--東京、新宿の大久保病院で治療を受けながら、もう一度スポットライトを浴びてうたいたいと、泣いて念じつつ寂しくその波乱に満ちた生涯を閉じたのでした」とあります。

今日の演歌歌手のような過剰に感情移入したコブシや、ねっとりしたリズムの崩しもありません。派手なアレンジもない簡素な伴奏であり、また、テレビのない時代ですから、踊りや衣装などのヴィジュアルな要素もない。ナツメロを聴く印象とは違う、清新な気分を覚えます。(ビクター)

ネットラジオでクラシックを聴く。

2004-09-14 21:19:17 | 100円スピーカ
私のHPの掲示板でもさきごろ話題になりましたが、無料のネットラジオでクラシックを楽しむのは、既にPCと常時接続の環境のある上では、この上、何を買い足すというわけでもないので、安上がりです。CDのように、いま何を聴きたいというこちらからの選択はできないし、いまかかっている曲が何だかわからなかったりもしますが、それぞれのサイト(局)なりの選曲のセンスが感じられて、新たな発見があったりしますね。

クラシックの局ばかりを紹介した、ポータルなサイトもあるのだろうと思いますが、きょう、「ネットラジオ おりゃ」というフリーソフトを見つけました。これが便利。クラシックに限らず様々な音楽のネットラジオの局が予め登録されていて、チューナーのような位置づけでしょうか、初心者にも扱いやすいものです。携帯電話の通話料もパケ代のように定額になれば、こうした仕様のラジオ機器もできるのでしょうね。

100円スピーカ、いろいろ。(2)

2004-09-13 02:56:42 | 100円スピーカ
これもダイソーで買ったものです。型番はCD-6256とありますが、番号が大きいほど後継機で音質が優れているというものでもありません。形状が違う印くらいの意味合いですな。この平板な円形のスピーカは、面を上に向けて入眠時の耳元に寄せられるところが便利です。

たったいま寝室から携帯電話で撮影、ブログに送ってみましたが、さて更新されるでしょうか。聴いているのは、シューリヒト/ベルリン市立管のベートーヴェンの交響曲第4番です。1942年録音。


メンゲルベルク/チャイコフスキー:「悲愴」。

2004-09-12 01:52:01 | 100円スピーカ
Tchaikovsky: Symphony No. 6 'Pathetique'; Serenade for Strings [FROM US] [IMPORT]

Tchaikovsky: Symphony No. 6 'Pathetique'; Serenade for Strings [FROM US] [IMPORT]

少しクラシックをかじったひとなら、必ずといってよいほど聴いたことのあるであろう「悲愴」交響曲の歴史的な録音。オケはCOA。全編これ情緒連綿たり、恐ろしく濃厚で仰々しい演奏ですね。第1楽章第2主題のすすり泣くふうなポルタメント、ことにその展開部での激しいアゴーギクの変化は大時代的です。ひとつの声部のテンポを一定におきながら、他の声部は落とすという、大見得を切る派手な演出をする箇所もあります。

現在にこんな演奏をすれば、直ちにキワモノ扱いですが、メンゲルベルクはこの曲をチャイコフスキーの遺族の前でも演奏したことがあり、作曲者の弟であり、この曲「悲愴」の名付け親でもあるモデストを大いに感激させて、自筆譜の献呈を受けたという逸話もあるそうです。優れた音楽というのは、完成されたときから作曲者の手を離れて、時代時代で様々な表現を受け容れていくのでしょうね。1941年TELEFUNKEN原盤(NAXOS)