『百年後芸術祭‐内房総アートフェス‐』 内房総5市

内房総5市 (市原市・木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市)
『百年後芸術祭‐内房総アートフェス‐』
2024/3/23〜5/26


梅田哲也 展示風景

千葉県内の内房総5市 (市原市・木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市)にて、『百年後芸術祭‐内房総アートフェス‐』が開かれています。

その見どころの一部についてPenオンラインに寄稿しました。

千葉県にて新たな芸術祭がスタート!『内房総アートフェス』で注目したいスポットとは|Pen Online


『里見プラントミュージアム』 展示風景

まず市原市でフェスの1つの拠点となっているのが旧里見小学校で、豊福亮が体育館のスペースを丸ごと用いた『里見プラントミュージアム』を展開していました。


『里見プラントミュージアム』 展示風景

これは市原市の臨海部に広がる工場夜景のイメージを、足場やドラム缶、踏み切りや鉄道のレールなどを素材に構築したもので、あわせて角文平、栗山斉、千田泰広、原田郁、柳建太郎といった作家の作品も公開していました。


保良雄 展示風景

君津市の無人となった団地の部屋を用いた、保良雄の『種まく人』も見ごたえのあるインスタレーションでした。


保良雄 展示風景

『Reborn-Art Festival 2021-22』などでも腐葉土や植物を用いた作品を発表した保良は、今回、古びた部屋の中に大量の土を持ち込むと、さまざまな植物を植え込んでいて、映像を交えながら未来への持続可能な農業のあり方などを問い直していました。


岩崎貴宏 展示風景

富津市の富津埋立記念館での岩崎貴宏の作品も見ておきたいのではないでしょうか。ここでは500リットル以上もの醤油を和室の空間に流し込み、海上都市を海苔で作り上げていて、東京湾のコンビナートの風景を意外な素材で立ち上がる光景を目の当たりにできました。


キム・テボン 展示風景

木更津駅周辺の小谷元彦や梅田哲也、袖ケ浦公園内の旧進藤家住宅の大貫仁美とアクアラインなるほど館のキム・テボン、君津市の旧内箕輪保育園のさわひらき、富津市の富津公民館の中﨑透の作品もそれぞれ見ごたえがありました。


クルックフィールズ

このほか、木更津市のサステナブルファーム&パーク、クルックフィールズも、立ち寄りたいスポットの一つといえそうです。


小谷元彦 展示風景

一つの芸術祭としてのエリアは想像以上に広大でした。お出かけの際は公式サイトのモデルコースなどをご参照ください。


会期も残り少なくなりました。5月26日まで開かれています。

『百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス』@100nengo_artfes
会期:2024年3月23日(土)〜5月26日(日)
 *火・水曜日定休(4月30日・5月1日は除く。一部施設は定休日が異なる)(全49日)
時間:10:00~17:00
 *作品によって公開日・公開時間が異なる場合あり
会場:内房総5市 (市原市・木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市)
料金:一般 3500円、小中高生 2000円、小学生未満無料。
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『Oita Cultural Expo! '24』 大分県内各地

『福岡・大分デスティネーションキャンペーン』の開催にあわせ、大分県内4地域にて『Oita Cultural Expo! '24』が行われています。



そのうち大分市と別府市にて展開するカルチャーイベントの見どころについて、FIGARO.jpに寄稿しました。

大分の魅力をアートで再発見!「Oita Cultural Expo! '24」の見どころ6選。:madameFIGARO_jp

まずカルチャーイベントとはアーティストらが県内の各地域に滞在し、作品を構想して制作するもので、大分市では木崎公隆と山脇弘道によるアートユニットYotta(ヨタ)、また別府市では栗林隆が作品を公開していました。



Yottaは大分の駅前にて巨大なこけしのバルーン『花子』を展示していて、中心市街地のアーケード街の中ではレトロな車を用いた『金時』と『穀』(たなつ)を並べていました。



『金時』とは実際に焼き芋を販売できる車で、もともとは2010年に行われた「六本木アートナイト」へ出品するために作られました。また『穀』とは大砲のような機械でポン菓子を生み出せる車のことで、突発的にデモンストレーションも行われました。



一方の別府市でカルチャーイベントを手がける栗林隆は、北浜公園にて「Tanker Project」を展開していて、薬草を用いたスチームサウナの『元気炉トリップ』を体験することもできました。



別府八湯のひとつである鉄輪温泉には植物を育てる『植物元気炉』を新たに公開していて、全国各地から集めた多種多様な常緑植物が植えられる光景を見ることができました。



このほかFIGAROの記事では大分県立美術館や街中に広がる「おおいたストリートアート」、また別府市でのマイケル・リンの作品、アート宿泊体験の楽しめるGALLERIA MIDOBARUなどについても紹介しました。



本イベントを企画するYamaide Art Officeの山出淳也は、現在は別々の事業として行われているさまざまな企画を横につなげ、今後は持続可能な芸術祭として、九州全体を視野に入れながら活動を展開していくそうです。



期間中に住民がガイドし、アーティストのアトリエ訪問などを行う散策ツアーや、地域の食文化を体験するバスによる旅、カルチャーツアーに参加するのも楽しいかもしれません。


『Oita Cultural Expo! '24』は6月30日まで開かれています。

「Oita Cultural Expo! '24」
会期:2024年4月1日(月)~6月30日(日)
 *イベントにより異なる
会場:大分県大分市、別府市、佐伯市、臼杵市、竹田市、国東半島(豊後高田市、国東市)
公式サイト:www.oita-cultural-expo.com
Instagram:www.instagram.com/oitacexpo24
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『テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本』 パナソニック汐留美術館

パナソニック汐留美術館
『テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本』
2024/4/6〜6/9


『カラカラ浴場 復元縮小模型』 模型制作:東京造形大学デザイン学科・室内建築専攻上田ゼミの学生

ヤマザキマリの漫画『テルマエ・ロマエ』をきっかけに、古代ローマと日本の浴場文化を紹介する展覧会が、パナソニック汐留美術館にて開かれています。

それが『テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本』で、会場にはナポリ国立考古学博物館所蔵の絵画、彫刻、考古資料をはじめ、日本の入浴文化に関する資料などが展示されていました。


『ヴィーナス』(ナポリ国立考古学博物館・50〜79年)

古代ローマの公共浴場を意味するテルマエは、4世紀になると大規模な浴場は11、小規模なものでは900を数えるほど存在すると、医療と健康と結びつきながら、ローマ市民が疲れを癒す場所として利用されてきました。


『ヘラクレスのトルソ』(個人蔵・1〜2世紀)

テルマエのルーツは古代ギリシャの運動施設の水風呂などにあったとされていて、それをローマ人は水道敷設といった高い技術力などによって、大規模な施設へと発展させました。

また単に身体を洗うために使われるだけでなく、付随する運動場や部屋などで運動や歓談をする場としても重要視されていて、大規模なテルマエには神々の像といった大理石彫刻なども飾られました。


『恥じらいのヴィーナス』(ナポリ国立考古学博物館・1世紀)

今回の展覧会では饗宴を楽しむ光景を描いた『ヘタイラ(遊女)のいる饗宴』や、温泉に祀られたというニンフを象った『アポロとニンフへの奉納浮彫』、さらに『恥じらいのヴィーナス』といった1〜2世紀の彫刻作品も少なからず出展されていて、いわば古代ローマの美術展としても捉えても見応えがありました。


三浦宏『湯屋模型』(個人蔵・1980年代)

このほか、江戸時代後期の湯屋の模型や昭和初期の花王シャンプー、そしてどこか懐かしいケロリンの桶といった日本の入浴文化に関する展示も楽しかったかもしれません。


古代ローマと日本の浴場文化を体感! パナソニック汐留美術館の『テルマエ』展の見どころ|Pen Online


ケロリンの桶などが並ぶ展示風景

GWを挟んで一部の作品が入れ替わりました。これ以降の展示替えはありません。


『テルマエ展』フォトスポット

一部エリアの撮影が可能です。6月9日まで開催されています。

『テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本』 パナソニック汐留美術館@shiodome_museum
会期:2024年4月6日(土)〜 6月9日(日)
休館:水曜日。ただし6月5日は開館。
時間:10:00~18:00 
 *入館は閉館の30分前まで。
 *5月10日(金)、6月7日(金)、6月8日(土)は20時まで開館。
料金:一般1200円、65歳以上1100円、大学生・高校生700円、中学生以下無料。
 *ウェブサイト割引あり
住所:港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
交通:JR線新橋駅銀座口より徒歩5分、東京メトロ銀座線新橋駅2番出口より徒歩3分、都営浅草線新橋駅改札より徒歩3分、都営大江戸線汐留駅3・4番出口より徒歩1分
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2024年5月に見たい展覧会【犬派?猫派?/吉田初三郎/TRIO】

4月は諸事情により一ヶ月ほどブログの更新を休ませていただきました。いかがお過ごしでしょうか。



GWも後半に入って遠出をされている方も多いかもしれません。東京から日帰り圏内で楽しめる5つの美術館についてFIGARO.jpにまとめました。お出かけの参考にしてくださると嬉しいです。

「ゴールデンウィークは、アートに触れる休日を。」madameFIGARO_jp


それでは5月に気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『ライトアップ木島櫻谷—四季連作大屏風と沁みる「生写し」』 泉屋博古館東京(3/16~5/12)
・『没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる』 東京都写真美術館(3/16~5/12)
・『歌舞音曲鑑 北斎と楽しむ江戸の芸能』 すみだ北斎美術館(3/19~5/26)
・『月岡芳年 月百姿』 太田記念美術館(4/3~5/26)
・『古染付と中国工芸』 日本民藝館(3/30~6/2)
・『遠距離現在 Universal / Remote』 国立新美術館(3/6~6/3)
・『第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで⽣きてる』 ヨコハマトリエンナーレ(3/15~6/9)
・『フランシス真悟 Exploring Color and Space─色と空間を冒険する』 茅ヶ崎市美術館(3/30~6/9)
・『青山悟 刺繍少年フォーエバー』 目黒区美術館(4/20~6/9)
・『サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品』 サントリー美術館(4/17~6/16)
・『茶の湯の美学 —利休・織部・遠州の茶道具』 三井記念美術館(4/18~6/16)
・『歸空庵コレクションによる 洋風画という風 ―近世絵画に根づいたエキゾチズム』 板橋区立美術館(5/3~6/16)
・『驚異の細密表現展—江戸・明治の工芸から現代アートまで』 横須賀美術館(4/20~6/23)
・『どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより』 東京ステーションギャラリー(4/27~6/23)
・『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』 DIC川村記念美術館(3/9~6/30)
・『マツオヒロミ展 レトロモダンファンタジア』 弥生美術館(4/6~6/30)
・『吉田克朗展―ものに、風景に、世界に触れる』 神奈川県立近代美術館 葉山館(4/20~6/30)
・『民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある』 世田谷美術館(4/24~6/30)
・『ブランクーシ 本質を象る』 アーティゾン美術館(3/30~7/7)
・『翻訳できない わたしの言葉』 東京都現代美術館(4/18~7/7)
・『石岡瑛子 I デザイン』 茨城県近代美術館(4/27~7/7)
・『犬派?猫派? —俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで—』 山種美術館(5/12~7/7)
・『Beautiful Japan 吉田初三郎の世界』 府中市美術館(5/18~7/7)
・『三島喜美代—未来への記憶』 練馬区立美術館(5/19~7/7)
・『いざなぎ流のかみ・かたち —祈りを込めたヒトガタたち—』 横浜人形の家(4/20~7/21)
・『未来のかけら: 科学とデザインの実験室』 21_21 DESIGN SIGHT(3/29~8/12)
・『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』 東京国立近代美術館(5/21~8/25)
・『デ・キリコ展』 東京都美術館(4/27~8/29)
・『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』 諸橋近代美術館(4/20~9/1)
・『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』 森美術館(4/24~9/1)
・『伊藤潤二展 誘惑』 世田谷文学館(4/27~9/1)
・『カルダー:そよぐ、感じる、日本』 麻布台ヒルズギャラリー(5/30~9/6)

ギャラリー

・『アピチャッポン・ウィーラセタクン「Solarium」』 SCAI THE BATHHOUSE(3/16~5/25)
・『第17回 shiseido art egg  岩崎宏俊展』 資生堂ギャラリー(4/23~5/26)
・『久保寛子展「鉄骨のゴッデス」』 ポーラ ミュージアム アネックス(4/26~6/9)
・『Human Baltic われら バルトに生きて』 スパイラルガーデン(5/27〜6/9)
・『開発の再開発 vol. 5 奥村雄樹』 gallery αM(4/13~6/15)
・『GOMA ひかりの世界』 GYRE GALLERY(5/4~6/29)
・『フェイイ ウェン|パン カー 二人展』 シャネルネクサスホール(5/22~7/15)
・『MARK LECKEY』 エスパス ルイ・ヴィトン 東京(2/22~8/18)

まずは山種美術館です。『犬派?猫派? ―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―』が開かれます。



『犬派?猫派? ―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―』@山種美術館(5/12~7/7)

これは江戸時代から現代までの犬と猫を描いた作品に着目するもので、俵屋宗達、伊藤若冲、円山応挙、長沢芦雪、歌川国芳といった絵師から、明治以降の竹内栖鳳、川端龍子、藤田嗣治、速水御舟、さらには山口晃などの作品が公開されます。


いずれも初公開となる『洋犬・遊女図屛風』や菱田春草『柏ニ小鳥』などの作品にも注目が集まりそうです。

続いては大正から昭和にかけて名所案内を多く描いた画家の展覧会です。府中市美術館にて『Beautiful Japan 吉田初三郎の世界』が行われます。



『Beautiful Japan の世界』@府中市美術館(5/18~7/7)

京都に生まれ、関西美術院で学んだ吉田初三郎は、鉄道沿線の名所案内などの商業美術家としての地位を獲得すると、ポスターなどのグラフィックや絵画作品などを制作しました。


展示では10点以上の大型肉筆鳥瞰図をはじめ、ポスターや絵葉書、さらには絵画作品などが公開されます。現実の景観を重ね合わせた上で生み出される、現実には存在しない風景を描いたという吉田の画業を知るまたとない機会となりそうです。

日仏を代表する3都市の美術館のコレクションが集結します。東京国立近代美術館にて『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』が開かれます。



『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』@東京国立近代美術館(5/21~8/25)

これはパリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館の3館のコレクションより、20世紀初頭から現代までのモダンアートを紹介するもので、絵画、彫刻、版画、素描、写真、デザイン、映像など150点の作品が公開されます。


「モデルたちのパワー」や「空想の庭」、「現実と非現実のあわい」など、3館の作品にて34のトリオを組むというユニークな構成にも期待ができそうです。

4月は関東以外へ出向く機会が多く、逆に東京近辺の美術館にあまり行くことができませんでした。今月は見落としていた展覧会を中心に追っていくつもりです。

しばらく不定期での更新となります。それではどうぞよろしくお願いします。
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2024年4月に見たい展覧会【板倉鼎・須美子/青山悟/ダリ】

今年は関東でも桜の開花がずれ込み、久しぶりに4月に入ってから見頃を迎えました。



4月は主に中旬から下旬にかけて多くの展覧会がスタートします。気になる展覧会をピップアップしてみました。

展覧会

・『生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真』 東京ステーションギャラリー(2/23~4/14)
・『生誕150年 池上秀畝—高精細画人—』 練馬区立美術館(3/16~4/21)
・『須藤玲子:NUNOの布づくり』 水戸芸術館(2/17~5/6)
・『花・flower・華 2024 —奥村土牛の桜・福田平八郎の牡丹・梅原龍三郎のばら』 山種美術館(3/9~5/6)
・『没後50年 福田平八郎』 大阪中之島美術館(3/9~5/6)
・『旧朝香宮邸を読み解く A to Z』 東京都庭園美術館(2/17~5/12)
・『ライトアップ木島櫻谷—四季連作大屏風と沁みる「生写し」』 泉屋博古館東京(3/16~5/12)
・『没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる』 東京都写真美術館(3/16〜5/12)
・『国宝・燕子花図屏風 デザインの日本美術』 根津美術館(4/13~5/12)
・『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024』 京都市内各所(4/13〜5/12)
・『大吉原展』 東京藝術大学大学美術館(3/26~5/19)
・『HELLO! コレクション ZOZO×千葉県立美術館』 千葉県立美術館(4/6~5/19)
・『出光美術館の軌跡 ここから、さきへⅠ 復刻 開館記念展—仙厓・古唐津・中国陶磁・オリエント』 出光美術館(4/23~5/19)
・『歌舞音曲鑑 北斎と楽しむ江戸の芸能』 すみだ北斎美術館(3/19~5/26)
・『没後100年 富岡鉄斎』 京都国立近代美術館(4/2~5/26)
・『月岡芳年 月百姿』 太田記念美術館(4/3~5/26)
・『雪舟伝説 —「画聖(カリスマ)」の誕生』 京都国立博物館(4/13~5/26)
・『古染付と中国工芸』 日本民藝館(3/30~6/2)
・『遠距離現在 Universal / Remote』 国立新美術館(3/6~6/3)
・『第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで⽣きてる』 ヨコハマトリエンナーレ(3/15~6/9)
・『フランシス真悟 Exploring Color and Space─色と空間を冒険する』 茅ヶ崎市美術館(3/30~6/9)
・『テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本』 パナソニック汐留美術館(4/6~6/9)
・『画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎 —「地獄極楽めぐり図」からリアル武四郎涅槃図まで』 静嘉堂文庫美術館(4/13~6/9)
・『空海 KŪKAI —密教のルーツとマンダラ世界』 奈良国立博物館(4/13~6/9)
・『青山悟 刺繍少年フォーエバー』目黒区美術館(4/20〜6/9)
・『板倉鼎・須美子展』 千葉市美術館(4/6~6/16)
・『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』 東京オペラシティ アートギャラリー(4/11~6/16)
・『サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品』 サントリー美術館(4/17~6/16)
・『茶の湯の美学 —利休・織部・遠州の茶道具』 三井記念美術館(4/18~6/16)
・『驚異の細密表現展—江戸・明治の工芸から現代アートまで』 横須賀美術館(4/20~6/23)
・『どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより』 東京ステーションギャラリー(4/27~6/23)
・『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』 DIC川村記念美術館(3/9~6/30)
・『マツオヒロミ展 レトロモダンファンタジア』 弥生美術館(4/6~6/30)
・『民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある』 世田谷美術館(4/24~6/30)
・『ブランクーシ 本質を象る』 アーティゾン美術館(3/30~7/7)
・『ホー・ツーニェン エージェントのA』 東京都現代美術館(4/6~7/7)
・『翻訳できない わたしの言葉』 東京都現代美術館(4/18~7/7)
・『ふたり 矢部太郎展』 PLAY! MUSEUM(4/24~7/7)
・『未来のかけら: 科学とデザインの実験室』 21_21 DESIGN SIGHT(3/29~8/12)
・『デ・キリコ展』 東京都美術館(4/27~8/29)
・『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』 諸橋近代美術館(4/20~9/1)
・『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』 森美術館(4/24~9/1)
・『伊藤潤二展 誘惑』 世田谷文学館(4/27~9/1)

ギャラリー

・『ピート・アウドルフのナチュラリスティックガーデン —いのちがめぐる庭』 ギャラリー エー クワッド(4/19~7/11)
・『大木裕之 アブストラクト権化』 ANOMALY(3/16~4/13)
・『第17回 shiseido art egg  野村在展』 資生堂ギャラリー(3/12~4/14)
・『高木由利子 写真展 カオスコスモス 弐 - 桜 -』 GYRE GALLERY(3/1~4/29)
・『TDC 2024 (TOKYO TYPE DIRECTORS CLUB EXHIBITION 2024)』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(4/1~5/15)
・『アピチャッポン・ウィーラセタクン「Solarium」』 SCAI THE BATHHOUSE(3/16~5/25)
・『第17回 shiseido art egg  岩崎宏俊展』 資生堂ギャラリー(4/23~5/26)
・『久保寛子展「鉄骨のゴッデス」』 ポーラ ミュージアム アネックス(4/26〜6/9)
・『開発の再開発 vol. 5 奥村雄樹』 gallery αM(4/13~6/15)
・『MARK LECKEY』 エスパス ルイ・ヴィトン 東京(2/22~8/18)

まずは1920年代のパリで才能を見出されものの、早世した画家夫妻を紹介する展覧会です。千葉市美術館にて『板倉鼎・須美子展』が開かれます。



『板倉鼎・須美子展』@千葉市美術館(4/6~6/16)

1901年に生まれた板倉鼎は、東京美術学校西洋画科に進んだのち、ロシア文学者である昇曙夢の長女須美子と結婚すると、ハワイを経由してパリへと留学しました。そこで夫妻とも油彩画を手がけると、サロン・ドートンヌに入選するなどして評価を得るものの、鼎はわずか28歳という若さにて客死し、さらに須美子もふたりの娘とともに亡くなってしまいました。


この板倉鼎・須美子の画業を顕彰するのが今回の展覧会で、須美子の代表作ともいえる「ベル・ホノルル」シリーズなど、実に約240点もの作品にてパリに生きた洋画家夫妻の軌跡をたどります。

続いては現代美術作家、青山悟の個展です。目黒区美術館にて『青山悟 刺繍少年フォーエバー』が行われます。



『青山悟 刺繍少年フォーエバー』@目黒区美術館(4/20〜6/9)

主に工業用ミシンを用いて作品を制作する青山は、これまで国内外の美術館での展覧会などに参加すると、人間や労働のあり方などを批評的に問いながら、刺繍の枠を超えた作品を発表してきました。

その青山の美術館での初個展が『青山悟 刺繍少年フォーエバー』で、出身地でいまも在住する目黒区内の出身校を描写した初期の作品から新作までが公開されます。

最後は日本で随一のダリ・コレクションを有する美術館からスタートするダリの展覧会です。諸橋近代美術館にて『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』が開かれます。



『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』@諸橋近代美術館(4/20~9/1)


これは1「ダリのペルソナの形成」、2「パリのシュルレアリストとダリ」、3「進化する芸術家 ダリ」の3章構成にて、ダリの生涯を初期から時間を追って紹介するもので、昨年のクラウドファンティングによって修復された『キャバレーの情景』といった2作品も公開(予定)されます。


*諸橋近代美術館(2021年11月に撮影)

また開館25周年を記念する本展は、同館史上初めて開催後に秋田、大分、神奈川、広島などの全国の美術館を巡回します。中世の馬小屋というイメージした美術館の建物をはじめ、磐梯高原の美しいロケーションを誇る同館ならではのダリ展となるかもしれません。

ブログはしばらく不定期での更新となります。それでは今月もよろしくお願いします。
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