朝水泳
「CUP」という月刊誌がある。2002年の創刊であるからまだ新しい雑誌といえるだろう。所謂ちょっとおしゃれな月刊誌に見られる「音楽」「映画」「ファッション」「旅」などのほかに社会時評やイマドキの人物紹介などもあって「ターゲットはおしゃれもするけどバカじゃない読者」感を漂わせている。
今月号の表紙はまさしく旬の人、オスカーを手にしようかという李安である。他にも「伊藤茂(茂は誤りで実際は「滋」)の選んだ日本の悪い景観」紹介、漫画評論など日本への感心もなかなかのものだ。更には一時流行った(のか今も流行っているのか?)「下流社会」の特集なども…。著者三浦某展開するところの「下流社会」出現の分析や現状が紹介され、香港との対比等もある。この本自体は「私は何者?」を他人に決めてもらうと安心、という日本人の喜びそうな本だ。「俺ももう下流社会入りだよ」とか「下流社会だけはヤダよなあ」とか。恥ずかしげもなく今夜もどこかで誰かが言ってそうである。
まあそれはともかく、目を引いたのはその記事の写真。キャプションは「下流社会の人々は人生をただ1日、1日といい加減に過ごす」とでも訳したらいいのだろうか。日本人と思われるっていうか、見るからに日本人ですという男性がベンチで寝こけている姿である。よく見れば左手には結婚指輪らしきものがあるし、時計も薄っぺらい安物でもなさそうだ。犬を連れて散歩の途中か?よっぽどの仕事疲れか、家ではおちおち昼寝もできないのか、それは知らないが香港の雑誌じゃ「日々をいい加減に過ごす下流社会の一員」にされちまっている。こんな記事に口開けて爆睡する写真を提供する人がいるとも思えない。 知らぬは本人ばかりなり。
「CUP」という月刊誌がある。2002年の創刊であるからまだ新しい雑誌といえるだろう。所謂ちょっとおしゃれな月刊誌に見られる「音楽」「映画」「ファッション」「旅」などのほかに社会時評やイマドキの人物紹介などもあって「ターゲットはおしゃれもするけどバカじゃない読者」感を漂わせている。
今月号の表紙はまさしく旬の人、オスカーを手にしようかという李安である。他にも「伊藤茂(茂は誤りで実際は「滋」)の選んだ日本の悪い景観」紹介、漫画評論など日本への感心もなかなかのものだ。更には一時流行った(のか今も流行っているのか?)「下流社会」の特集なども…。著者三浦某展開するところの「下流社会」出現の分析や現状が紹介され、香港との対比等もある。この本自体は「私は何者?」を他人に決めてもらうと安心、という日本人の喜びそうな本だ。「俺ももう下流社会入りだよ」とか「下流社会だけはヤダよなあ」とか。恥ずかしげもなく今夜もどこかで誰かが言ってそうである。
まあそれはともかく、目を引いたのはその記事の写真。キャプションは「下流社会の人々は人生をただ1日、1日といい加減に過ごす」とでも訳したらいいのだろうか。日本人と思われるっていうか、見るからに日本人ですという男性がベンチで寝こけている姿である。よく見れば左手には結婚指輪らしきものがあるし、時計も薄っぺらい安物でもなさそうだ。犬を連れて散歩の途中か?よっぽどの仕事疲れか、家ではおちおち昼寝もできないのか、それは知らないが香港の雑誌じゃ「日々をいい加減に過ごす下流社会の一員」にされちまっている。こんな記事に口開けて爆睡する写真を提供する人がいるとも思えない。 知らぬは本人ばかりなり。