その翌日も、ぼくとヨシタケは朝の街を駅まで向かった。まだ午前5時。段ボールをもった人たちが地下通路をてくてく歩いている。
改札を抜けてホームへ。それぞれの職場へ向かうわけである。では、さようなら。
「ヨシタケさん、なんだか、寂しいもんですねえ」
「ご不満?」
「何に?」
「全体的に、こう、ひっくるめて」
「いや、特に。ヨシタケさんは?」
「わたしも、別に」
それから、軽くキスをして、ちょっと気まずくなって、携帯を取り出して、メールをチェックしたりなんかする。
あ、ヨシミからメールが来てた、とヨシタケが言う。
ぼくの方にも来ている。それは、ヨシタケには言わない。
「こんど、4人で飲もうっていうメール」
「4人? ぼくとヨシタケさんとあと、誰だろう」
「あ、ほんと、4人目って誰のことなんだろ」
「『3』と『4』を押し間違えたんじゃないの?」
「そんなことは無いわよ。見りゃ分かるわよ」
誰なんだろうねと二人で、首をひねる。と言っても、ただ、その場がきまずかったので、考えてるふり。先生、まだ、考え中です。
ぼくの方に来ていたヨシミからのメールには、「あなた、私のこと、好きでしょ」と見も蓋もないメール。
ああ、好きですよ。あなたの友達といっしょに過ごしていても、好きですよ。忘れたときなんてないですよ。たまに、ちょびっと泣いたりしますよ。
「なんというか、朝日って、すごくない?」とヨシタケ。「夕日もすごいけどさ」
やっぱり、ヨシミとヨシタケのダブル・ヨシは、そこら辺を歩かせておくにはもったいない人材ではある。
改札を抜けてホームへ。それぞれの職場へ向かうわけである。では、さようなら。
「ヨシタケさん、なんだか、寂しいもんですねえ」
「ご不満?」
「何に?」
「全体的に、こう、ひっくるめて」
「いや、特に。ヨシタケさんは?」
「わたしも、別に」
それから、軽くキスをして、ちょっと気まずくなって、携帯を取り出して、メールをチェックしたりなんかする。
あ、ヨシミからメールが来てた、とヨシタケが言う。
ぼくの方にも来ている。それは、ヨシタケには言わない。
「こんど、4人で飲もうっていうメール」
「4人? ぼくとヨシタケさんとあと、誰だろう」
「あ、ほんと、4人目って誰のことなんだろ」
「『3』と『4』を押し間違えたんじゃないの?」
「そんなことは無いわよ。見りゃ分かるわよ」
誰なんだろうねと二人で、首をひねる。と言っても、ただ、その場がきまずかったので、考えてるふり。先生、まだ、考え中です。
ぼくの方に来ていたヨシミからのメールには、「あなた、私のこと、好きでしょ」と見も蓋もないメール。
ああ、好きですよ。あなたの友達といっしょに過ごしていても、好きですよ。忘れたときなんてないですよ。たまに、ちょびっと泣いたりしますよ。
「なんというか、朝日って、すごくない?」とヨシタケ。「夕日もすごいけどさ」
やっぱり、ヨシミとヨシタケのダブル・ヨシは、そこら辺を歩かせておくにはもったいない人材ではある。