思考する読書

とみやんの徒然読書日記

編集局からの手紙 22

2009年05月19日 | 編集局からの手紙
めだかの話 その4

 自民党が阿呆なら、民主党は頓馬である。岡田氏を党首に選んでおけば、おそらく小沢氏の悲願であった政権交代が実現したであろうに、世論の嗅覚にあまりにも鈍感すぎる民主党の代表選を見るにつけ、つくづくいまの政局を論評するのが馬鹿らしくなりました。まあ、そんなことには関係なく世間もせっかくいい時候になったことですから、性懲りもなく今回もめだかの話をお届けします。
 昨年、親めだかから採集した卵から孵り、すっかり大きくなった稚魚たちはベランダの発砲スチロール水槽で200匹は泳いでいるでしょうか。で、これは最近、新たに発見したことなのですが、早朝、餌をやる前に水槽の縁を指でトントン叩いてみると、なんと私の指の回りに群れをつくって集まってくるではありませんか。そういえば幼いころ、金魚を飼っていたことがあって、同じ体験をした覚えがあります。金魚も人間に慣れるのだと、いたく感動したものでした。
 そこでひょっとしてめだかもかと思い切ってひとさし指を水面に浸けてみたところ、あにはからんや、私の指を餌とでも勘違いしたのか、稚魚たちが猛烈な勢いでつついてくるではありませんか。警戒心ゼロ。その瞬間を撮ったのがこの写真。お隣の発砲スチロール水槽にいる親めだかなど、餌をやろうと指を近づけただけで即座に水底深く潜ってしまい、私が遠ざかったのを見計らってゆっくりと浮上して餌にありつくという塩梅ですから、いったいこれはどういうわけなのか。やはり、めだかも生育環境次第では人間に慣らすことができるということなのでしょうか。その答えは追って、このシリーズで随時、報告させていただきます。
 それはともかく、鳩山氏が党首に選ばれたのは民主党内の派閥の論理が勝ったからであって、その意味では自民党も民主党も同じ穴の狢であることを、今回の代表選がご丁寧にも国民に知らしめてくれたというわけです。だとすれば、いまの政局に求められているのは自民党でもなく民主党でもない、第3の勢力であることは言を俟ちませぬ。ところが、そんなものはどこを探したって見あたらない。言っては悪いけれど、社民党の時代など、もうすっかり終わってしまった。これを民主政治の危機といわずしてなんと言おうか。政治離れが進むのも、むべなるかな…。