ポエ活

村田活彦 a.k.a.MC長老のブログ。ポエトリー・スラム・ジャパン代表。ラップスクール2期生。

もみあおう日本

2017年11月10日 17時26分18秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読

アジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤正文(Gotch)さんのコラム。

なんだか共感。特に特に最後の一文。「社会や文化を強張らせている『男社会』」があって、自分もその一部だっていうところ。ああ、ねえ…はい。

「社会や文化の強張り」をほぐしていきたいなあ、なんて。大それたことを考えてしまいました。…鍼灸院の待合室で。


ずっと前、佐野元春氏がインタビューに答えて「僕の歌はメッセージじゃない、マッサージなんだ」って言ってたっけ。

メディア・イズ・マッサージ(笑)

それで、マッサージつながりで思い出したんだけど

6年前、メディアがやたらと「がんばろう日本」って言ってたころ、朗読ライブをやったんですけど。そのMCで「もみあおう日本」って言ったんですよね。頑張れば頑張るほど、きっと身体も心もこわばる。だから揉みほぐすことが必要だって、なんだか直感的に思った。

その気持ちは今も変わってない。
血行よくしていきたいよね。身体も心も。

まずは、自分の肩と膝のコリをほぐすところからはじめます…。

フランスのポエトリースラムチャンピオン、JYBのこと。

2017年11月10日 17時22分28秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読

フランスのスラム詩人、JYB(Jean-Yves Bertogal)。彼は2016年のポエトリースラムW杯フランス代表です。

先月末から来日して、ポエトリースラムジャパン2017秋 全国大会にもゲスト出演してくれました。日本を発ったあと、今週はブラジル・リオデジャネイロの国際ポエトリースラムに参加しています。


PSJ全国大会以外にも、何日か彼とご一緒して、ひと晩はうちに泊まっていきました。



JYBを囲んで、何人かで居酒屋に行ったときのこと。

彼は、自分の子供に対して

「食わず嫌いはするな。なんでも食べてみたらいい。もし口に合わなかったらしょうがない。でも、君が苦手なそれを、好きな人もいるんだ」

そう教えてるんだ、と言っていました。
JYBに好き嫌いはないの? 聞くと、なんだってチャレンジだ、と。

そこで、僕らはイカ納豆だの、タコのから揚げだの、シメサバだの、およそ彼が食べたことないだろうメニューを注文してはチャレンジしてもらったのですが

まあ、躊躇なく食べること食べること!
そして、食べながら詩について語ること語ること!

最終的に、シメサバにタバスコかけて食べてた時は、やられたー! と思いましたけどね。



JYB、また会いましょう。
東京でも大阪でも名古屋でも、パリでも、リオデジャネイロでも、この星の上、どこででも。


PSJ2017秋 全国大会を終えて

2017年11月07日 22時32分23秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読
ポエトリースラムジャパン2017秋 全国大会にたくさんのご来場、誠にありがとうございました。

そして、審査員をお願いした皆様には、あらためてお礼を申し上げます。当日その場で依頼をしたにもかかわらず、快く引き受けていただきました。ポエトリースラムジャパンは、出演者だけでなくオーディエンス、そしてその中からランダムに選ばれる客席審査員、それぞれが参加者となって作り上げるイベントです。ご来場いただく皆様のご協力なしにはできません。本当にありがとうございました。

優勝した三木悠莉さんには、いま一度感謝と拍手を送ります。おめでとうございます! 東京C大会の時にも、客席の目と耳をくぎづけにする強烈な引力を感じていましたが、全国大会のステージはそれがさらに増幅されていたと思います。思えば第一回大会から参加していただいている、つまりPSJと共に走っていただいている参加者のひとり。その三木さんが優勝され、日本代表として世界大会に送り出せることが、主催としても本当に嬉しい! W杯のステージでもパリの観客を沸かせてくれることと思います。また各国代表とのいい出会い、いい交流があることを祈っています。

ほかの11人のパフォーマンスも、いずれもクオリティの高いものでした。もともと108人の出場者のなかから勝ち上がったファイナリストの皆さんです。その方々が、いつも以上のパフォーマンスを、準決勝戦そして決勝戦で見せてくれました。ただ、残念ながらスコアには低い点数が多く出る展開になりました。

これまで3年の大会でも低い点が出ることはありましたが、それがここまで続く結果になることはほぼありませんでした。しかし、起こりうることでした。大会としては「何をどう表現するかは出場者の自由。それをどう判断するかは審査員の自由」と言い続けてきています。それは基本的にこれからも変わりません。10点満点のなかで各出場者の評価に差をつけようとした結果、低い点数が続くことだってあるでしょう。それは、審査員の方にとってみれば、そのひと自身の基準に従って真面目に審査した結果です。

そもそも、ポエトリースラムという、日本ではまだ知名度の低いジャンルの大会に興味を持って来ていただいている方です。ポエトリーリーディング、詩、ラップ、あるいは舞台表現というものに、その人なりの思い入れがあって、その表れと言えるかもしれません。

ただ、実際に低い点が並んだのを見て、私は、これは望ましいことではない、と感じてしまいました。それは審査員の方々のせいではありません。ルールや仕組みのせいであり、それについての説明が足りなかったせいです。

なぜ、望ましくないと思ったか。それは、ポエトリースラムは「自分とは違ういろんな表現に出会う場所」「いろんな表現が敬意をもって認め合う場所」だと考えていて、そういう場所にふさわしくないと感じたからです。

こういう仕組みを採用している側が言うことではないのですが、点数には気持ちが込めにくいものです。高い得点の場合は良いのです。表現者へのリスペクトはあるが、残念ながら自分の基準では低い点だ、というような場合、その「リスペクト」の部分は表に出て来ない。なぜあまり点をつけられなかったかも伝わらない。ただ「良くなかった」という数値だけが発表されてしまう。そしてそれが続いてしまった時、出場者も審査員もお客さんも、楽しくない感覚だけが残ってしまいます。

ヨーロッパやアメリカのポエトリースラムで、6点や7点以下を見ることは滅多にありません。出たとしても誰かが「点数が低いぞー(笑)」とブーイングしたりします。もちろんそれはルールではなく、馴れ合いでもありません。みんなでスラムを盛り上げようという気持ちや出演者へのリスペクトの表れが、習慣としてそうなっているのでしょう。そのやり方が全てだとは言いません。ただ、私がそういう「いろんな表現が競い合い、それでいていろんな表現に寛容な場所」というのに憧れて、このポエトリースラムを始めたのは確かです。

しかし憧れるあまり先を急ぎすぎて、その理想をきちんと説明したり、そのための環境をそろえるということがまだまだできていませんでした。その点を反省しています。

全国大会のゲストに出てくれたフランス代表のJYBに、「ポエトリースラムってなんだろう」と聞きました。戦いの場所なのか、そうじゃないのか。JYBは「ある面ではイエス、ある面ではノーだ」と答えてくれました。真剣勝負で競い合うからこそ、素晴らしいパフォーマンスが生まれる。お客さんも見に来る。 一方で、点数に関係なく素晴らしい詩は素晴らしい。そういういろんな詩に出会えるのがスラムだ、と。それは、PSJが公式サイトに掲げている「THE POINT IS NOT POINTS, THE POINT IS POETRY」という言葉と同じです。

私はこの大会を、来てくれたひと、参加してくれたひとそれぞれが楽しめる声と言葉のフェスにしたい。それまで知らなかったような表現とも出会って、その魅力を味わってもらう場所にしたい。逆に言えば、もしPSJに来て楽しくない、納得いかないと思われた方がいたら、それを改善していくのが主催の責任です。

これから来年の大会に向けて、大会の主旨がちゃんとお伝えできているか、ジャッジの方法はこのままでいいか、心地いい会場にするための工夫はないか、やるべきことをひとつずつ重ねていきます。ご意見があれば、いつでもお寄せください。

そして何より直近のこととして、優勝した三木悠莉さんのパリW杯出場に向けて準備を進めます。万全の体制で三木さんを世界大会に送り込みたいと思います。きっとW杯でも大旋風を巻き起こしてくれると信じています!!


繰り返しになりますが、ポエトリースラムジャパンは皆さんの力がないと作り上げることができません。どうかこれからもご協力、応援よろしくお願いいたします。



2017年11月7日 ポエトリースラムジャパン代表・村田活彦

私にとってポエトリースラムは多様性の象徴。

2017年02月18日 22時26分18秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読

ポエトリースラムっていうのは、ポエトリーリーディング(詩の朗読)を競うゲームのこと。私が初めてポエトリースラムに参加したのは2000年、場所はニューヨーク…って言うとちょっとカッコつけすぎですね。その前に一度、仲間内の「詩の朗読バトル」イベントに参加したことがあった。その頃は「ポエトリースラム」という言葉も知らなかったけど。

ともかく。そのころ私はリーディングを初めて1年半くらいで、NYにニューヨリカン・ポエッツ・カフェ(Nuyorican Poets Café)というポエトリースラムの殿堂みたいなクラブがある、ということは知っていた。カオリンタウミという日本の詩人がそこで優勝した、という話も。そんな折、リーディング仲間の何人かで「本場」に行ってみようという話になった。

ニューヨリカン・ポエッツ・カフェがあるのはNYのロウアー・イーストサイド。初めてのNYで、クラブに出かけるというだけでガチガチに緊張していたのをおぼえている。そして、ステージに現れた司会のナイスガイのスーツと身のこなしがえらくカッコよかったことも。

その日のスラムは1回戦につき3回朗読できる、つまり初戦だけでも3回朗読するチャンスがあったんだけど、私たちは3人でひとり分というエントリーを許してもらった。3回の出番を、各自が1回ずつ朗読したというわけ。今思うとヘタレ極まりない。

ポエトリースラムではたいていの場合、客席から審査員が選ばれる。そもそも英語のテキストも用意しておらず、日本語で朗読した私たちは、あっさり初戦敗退した。ほぼ意味もわからないだろう日本語のリーディングに対して、5人の審査員はそれでも「努力賞」くらいの点数はくれたように思う。

そんな情けないデビュー戦だったけど、自分たちに火をつけるには十分だった。なにより、これが本場か!という興奮に包まれていた。スラムが終わったあと、同じようにポエトリーリーディングをやっているという青年たちが「詩集を交換しないか」だの「CD聴いてくれ」だのと声をかけてきた。詩集も作ってないし、自分のCDという発想すらなかった私は「わー、やっぱNYすげえ」と思いつつ、中学生レベルの英語とスマイルとでなんとかコミュニケーションを図っていた。

次に海外のポエトリースラムを経験したのは2004年。その時は同じNYのバワリー・ポエトリー・クラブのスラムにエントリーした。ニューヨリカン・ポエッツ・カフェと比べると少しカジュアルな印象の店だ。旅の道中で感じたことをもとに英語の作品を作って、一回戦に臨んだ。ウケた。勝ち抜いた。残念ながらそれ以上は英語のテキストがなく、二回戦で日本語作品を朗読したら、敗退。ただ、この時も終わったあとに何人も声をかけてもらって、やっぱり片言で詩の話をした。その楽しさだけが残っている。

それからさらに10年(!)後。留学中のパリで、ポエトリースラムW杯に出会った。大会が開催されているのはパリ20区のベルヴィル。そこはアジア系をはじめとして移民が多く、多文化を感じるエリア。その町のホールにヨーロッパはもちろん、アフリカ、ロシア、南北アメリカ…20か国の代表が集まって、それぞれの言語でリーディングを披露していた。

衝撃だった。10年以上ポエトリーリーディングを続けていたけど、まさか世界大会があるなんて知らなかった。そして、全く知らない外国の言葉の、意味がわからないはずのリーディングに心が震えることがあるなんて! スウェーデン代表の女性がセンテンスごとに噛みしめるようにリーディングしたとき、気がつけば涙が流れていた。

5日間にわたって行われるポエトリースラムW杯に毎日通い、各国代表と仲良くなった。なぜかカリブラージュ(審査員への予行演習として、試合前に行うパフォーマンス)としてステージにも立った。出会う景色すべてがまぶしかった。

決勝戦が終わった夜、各国代表たちと一緒に会場近くのオープンカフェで飲んだ。誰かがギターを弾きだして、各国スラマーのサイファーが始まった。英語、フランス語、ノルウェー語、ポルトガル語、ロシア語、スウェーデン語、デンマーク語…それぞれの言語で続いていく即興リーディング。私も日本語で加わった。それぞれの言葉が、それぞれの声で音になり、夜の空気のなかで混じり合っていた。「言葉の壁」なんていうけど、リーディングがその壁を越える瞬間だった。

私にとって、ポエトリースラムは多様性の象徴。NYでもパリでも、ポエトリースラムは熱くて暖かい場所だった。その空気につながっていたいと思わせてくれた。だから、それを、日本でも始めようと思ったんだ。

ポエトリースラムジャパン2017春 全国大会、2月19日(日)14:30スタートです。

ポエトリーリーディングCD「無題/小夜」

2016年07月09日 00時31分54秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読
6月の土曜日、白山のJAZZ喫茶「映画館」にて、小夜(さや)さんによるこのCDのリリースライブを聴きました。BGMや楽器演奏がなく、ソロの朗読ライブというのもめずらしいのではないでしょうか。

こんなことを言うのも失礼なんだけど、無駄に緊張したり、あるいは退屈したりということが全くなくて、朗読の声をただ音楽のように楽しんでいるうちに1時間ちょっとが過ぎていったという感じ。って、簡単に書いちゃいましたけど、これがどんなにすごいことか!

音楽が鳴ってなくても、ビートがなくても、音楽的な朗読。それはまさに私の好みだし、憧れでもあります。(自分自身のパフォーマンスとしては楽器やトラックと一緒にやる方を選んじゃうんですけどね)

ひとつひとつの作品中に細かな朗読の技術があって、それが確信を持って発声されていると感じます。あえて音楽にたとえるなら、ただ楽譜を追うんじゃなくて、リズムやメロディの細部が体に馴染んだうえで自由に楽器を弾いている、というような。ライブのあと、本人とメールでそんな話をしていたら「何かを伝えることより、言葉の本来持つリズムと、何かしらの風景をつたえること、それを共有することを楽しんでるのかも」という返事が返ってきて、とても腑に落ちたのでした。

人の耳は、人の声を好むものだと思います。そして、文字をただ音声化するだけじゃない「声を聴く喜び」をより深めてくれるようなものこそポエトリーリーディングと呼びたい、と思うわけです。

で、このCD。

7作品の朗読が収録されています。音楽はありません。ただしフィールドレコーディングなので、いろんな「場所の音」が入っています。葛西臨海公園、小石川植物園、都営豊洲四丁目住宅7号棟などなど。そこで聞こえるのはかすかにゴーッという空気音、上空の飛行機の音、水の音、カラスの鳴き声…。その時、その場所の空気を閉じ込めた、とも言えそうです。声のトーンや響き方も、場所によって変わります。その切り替わりが楽しい。

そして、そんな「場所の音」を背景にした小夜さんのリーディングはやっぱり音楽的。歌詞カードを見ながら聞くと、けして変わったことをやっているわけではなく、改行や句読点にかなり忠実に朗読してるのだけど、それが流れるような心地よさ。もっとも明確なのはおそらく5編目の『さめざらま』で、リフレインやブレイク、言葉遊びといった明らかに音楽的(あるいは演劇的)な要素がテキストの中に織り込まれてる。リーディングすることでそれらがほどかれて、聞き手の耳に飛び込んでくる。

ぜひヘッドホンで、大きめの音量で聴くことをお勧めします。


『無題/小夜』はカワグチタケシさん主宰のPricilla Labelより発売中。7月10日(日)TOKYOポエケットのPricilla Labelブースで買えるほか、日暮里・古書信天翁千駄木・古書ほうろうでも販売中です。




個の声(2016年7月 参院選前に)

2016年07月08日 20時59分26秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読

ラップにしろポエトリーリーディングにしろ、個人が個人として声を出すこと、それが何より大事だと思ってやってます。

ポエトリー・スラム・ジャパン2016を開催するときには、目標のひとつとして「世の中の言葉や表現がより自由で活発に、尊重しあいながら発せられること」を掲げました。だから名古屋大会優勝の自縛ポエトリー/うい さんが 「大きな声を出すやつは信用しない。だってオレらはそれぞれ小さな声の代表としてここに立ってるんだろ」(細部は違ってるかもしれませんが)とパフォーマンスしたとき、胸を突かれる思いがしたし、その場では言えなかったけど本当に開催してよかったと感じました。

個人が個人として思いや考えを表明すること。そしてそのことが互いに尊重されること。

それはひとことで言えば「表現の自由」ということだし、「表現の自由」は「基本的人権」に含まれる大事な自由権のひとつです。

公開されている自民党の憲法改正草案では、第十三条の1行目が「全て国民は、人として尊重される」となっています。現行憲法では「全て国民は、個人として尊重される」です。わざわざ「個人」を「人」と言いかえてるわけです。「個人」といった場合、それはひとりひとりの違い、個性といったものを意識して大切にする、と理解できるのだけど、その「個」をわざわざ削除してる。(ましてや自民党草案に新設されている「緊急事態」条項は、基本的人権を制限する可能性がある)

そのことを、詩人の宮尾節子さんは円周率3.14...を「3」にしてしまうことだ、と言われました。3.14…のあとに続くたくさんの数字を切り捨てて「3」にすると、それによって描かれる形は円じゃなく、六角形になってしまう。小数点以下に延々と続く数字こそが、ひとりひとり「個」の姿ではないか、と。(先日の前橋ポエトリー・フェスで、円周率の数字がズラーっと書かれた長い紙を手に熱弁された、その講演を聞けて本当によかった)

今回の参議院選挙の結果、与党が参議院議席の3分の2以上を獲得してしまうと、改憲発議がされる。そのときこの自民党草案がベースになる。これは「個」の危機なんです。もちろん、戦争放棄が否定されているのも、国民主権が歪められているのも認められるものじゃない。憲法が憲法じゃなくなってしまう。

ポエトリーリーディングを17年(そしてラップを半年)。詩ってなんなのか未だにわからないけど、ただ、自分が自分として言葉を声にする、ということを続けてきました。だからこれだけは言いたい。こんな風に個をないがしろにし、言葉をないがしろにする政権を、これ以上のさばらせちゃいけない。

個の声を、まだ信じてるからね。






******
<追記>
2016年7月10日(日)20:15


上の記事中で、自縛ポエトリー/ういさんの作品を、ご本人の許可なく一部引用していました。そのことについてご本人からご連絡をいただき、引用するなら配慮してほしかったという指摘をいただきました。注意が至らず申し訳ありません。
ご連絡をきっかけに以下のようなメッセージのやりとりをしました。そしてその結果、やりとり全文を公開することで一致しましたので、以下に掲載します。



うい
:村田さんに少しお話ししたいことがあるのでメッセージを送ります。
昨日発見して意見するか悩んでいたのですが、村田さんの選挙についてのブログでの導入部に私の詩のワードが使われていたことがすごく不愉快でした。
と、言うのも個々で考えるべき政治について村田さんの「個人」として意見を述べる場所で私のワードは必ずしも必要でないと思ったのです。
言葉は口から飛び出た瞬間にどうとでも捉えられてしかるべきモノとは思っていますが、村田さんのアクションで私の言葉が少しねじ曲げられてしまったように感じました。
記事を消してくださいとか、そういったことは思いませんが、私は、なんか不愉快だったと言うことをお伝えしたくこうしてメッセージした次第です。
蛇足ですが、宮尾さんの部分は、必要である言葉であったと思うので「良い例えだなぁ」と素直に思えました。











村田:そうでしたか。
不愉快にさせたことを謝ります。本当にごめんなさい。ほかの人の作品、表現を引用するにあたっての慎重さが足りていませんでした。
記事の内容が選挙に関連したメッセージであり、そこで誰かの作品を引用することは自分の意見のために「利用」することにならないか、という事。個人アカウントではあっても、大会代表という立場を明らかにした上での記事だった事。そもそも作者の意図とはずれた解釈をしているかもしれない事。
慎重になるべき要素はいくつもあったのに、それを怠っていたのだと思います。申し訳ないです。











うい:そうですね。
表現と政治を繋げることは批判しませんが、他者の作品が関わってくると「利用」とか、もっとひどい言い方をすれば「都合の良い解釈」と思ってしまいます。今後もっとデリケートな方の作品を引用してしまって村田さんが大変な事になったら嫌だなぁというのもあって今回こうしておもいきって言いました。


基本は村田さんのブログの内容に関しては賛成なのですよ。
でも、大きな声の人(PSJ主催者)が、それいっちゃダメよーってやつです。











村田:指摘してくれたこと自体が有り難いです。胸に刻みます。

うい:いえ。
Twitterとかでエアリプはカッコ悪いので。言っちゃいました。
できればブログに注釈をいれていただくか、このやり取りを公開していただけるとうれしいです。
これからもよろしくお願いします。

以上

   

スポークンワード・ミュージックのオススメをリストにしてみた(海外編)

2016年02月21日 19時48分45秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読

さて、スポークンワード・ミュージック傑作選、海外編。先日のポエトリー・スラム・ジャパン2016東京大会の会場のBGMとして流していたものです。

なかでも一押しは2曲目のMelvin Van Peebles Ft Earth, Wind & Fireかなあ。ブラックムービーの元祖にして怪作の誉れ高い映画『スウィート・スウィートバック』(メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ監督)の劇中曲。主人公がひたすら逃げるシーンに、無名時代のアース・ウィンド・アンド・ファイアーのグルーヴ、そして叫ぶような語りが乗っかるというエモーショナルな逸品。

映画つながりでは、キップ・ハンランの渋いジャズも映画『ピニェロ』のサントラから。ポエトリーリーディングの殿堂、ニューヨリカン・ポエツ・カフェの創設者でもある詩人、ミゲル・ピニェロの物語。

2010年代にもカッコイイのありまっせ。フランスの新鋭、FAUVEも超オススメ。歌ともラップとも違う、でも流れるようなリーディングは、フランス語ならではって感じがします。

チェックしてみて!!!

The Revolution Will Not Be Televised / Gil Scott-Heron
Come On Feet, Do Your Thing / Melvin Van Peebles Ft Earth, Wind & Fire
When The Revolution Comes / The Last Poets
We Have Also Come To This Hallowed Spot... / Martin Luther King Jr.
Voyous / Fauve Feat. Georgio
Formidable / Stromae
Gibraltar / Abd Al Malik
Je Viens De Là / Grand Corps Malade
Des silences / Les Têtes Raides
I Still Have A Dream.. / Martin Luther King Jr.
Je T'aime... Moi Non Plus / Jane Birkin
Talulah / Fauve
La Neige / Les Têtes Raides
Funambule / Grand Corps Malade
Les Hautes Lumières / Fauve
So Let Freedom Ring / Martin Luther King Jr.
Paris Mais... / Abd Al Malik
Lettre A Zoe / Fauve
Emily / Les Têtes Raides
Conte Alsacien / Abd Al Malik
When We Let Freedom Ring... / Martin Luther King Jr.
Related To What / The Last Poets
Small Talk At 125th & Lenox / Gil Scott-Heron
La La La / Saul Williams
This Is Madness / The Last Poets
Shahrazade And The Opening Of The Firtst Shadow Night
- Funeral Poem Celebration Scattering THE Ashes / Kip Hanrahan
Requin-Tigre / Fauve
Le Faqir / Abd Al Malik
Midi 20 / Grand Corps Malade
Bermudes / Fauve
Ginette(Remix 2008) / Les Têtes Raides

ポエトリー・スラム・ジャパン2016開幕です!

2016年01月31日 08時01分57秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読

2016年1月31日、ポエトリー・スラム・ジャパン(PSJ)2016名古屋大会当日の朝です。ということで名古屋・栄のマクドナルドにいます。夜行バスで来たのでちょっと眠い。



ポエトリー・スラム・ジャパンはポエトリーリーディング(詩の朗読)の日本選手権大会です。優勝者は、5月末にパリで行なわれるポエトリースラムW杯に日本代表として出場します。

昨年第一回大会を開催し、出場者、観客あわせて100名以上の方にご来場いただきました。今年は東京、大阪、名古屋の3都市で地区予選を開催。そこから勝ち上がった9名が3月6日、日本代表の座をかけて全国大会に結集する、というわけ。

採点をするのは客席から選ばれた審査員。各パフォーマンスの制限時間は3分。音楽、衣装、小道具は使わない。単純といえば単純、ムチャといえばムチャなルールですね。でも、だからこそ「なんでもあり」なところがポエトリースラムの魅力ではないかな、と思うんです。



ポエトリー・スラム・ジャパンはコンテストではありません。専門家やオーソリティーがジャッジをするわけじゃないし。優勝したところで詩集が出せるとか、CDデビューできるとかでもないし(フランスには行けるけど)。言ってみれば賞品は栄誉だけ、なんです。順位も勝敗もつくけど、だからといって優劣を決めたいわけじゃない。順位より勝敗より大事なことがあると思ってます。キレイごとに聞こえますかね。でも、まあ、本心なんですよ。

もちろん、出場者は優勝を目指してエントリーしてくれるでしょう。ただ、たとえばスポーツなら、負けたときでも大切な経験になったりする。自分自身に正面から向き合い、120%のエネルギーで挑んだとき、初めて掴めるものがある。ポエトリー・スラム・ジャパンも、まっすぐな意味でスポーツでありたい。


採点基準は特にありません。ちょっとやりにくい? でもそれがいいところだと思ってます。審査員に選ばれたひとは、どうか自分の感じ方考え方で、自由に点数をつけてください。審査員に選ばれなくても、いいと思ったパフォーマンスにはぜひ盛大な拍手を。優勝じゃなくても準優勝じゃなくても、「私にとってはこの人がチャンピオンだ」と思えるパフォーマンスに出会うかもしれません。そのときは、直接その出場者に思いを伝えてもらえると嬉しいです。いや、スタッフにこそっと耳打ちでもいいですけど。はい。



そして何より大事なこと。ポエトリー・スラム・ジャパンでは、出場者も審査員も客席も、みんなが大事な参加者です。この大会をつくるのは会場に来たあなた、なんです。それぞれ「来て良かった」と思えるような、なにかを感じ取って帰れるような、そんな時間と空間を一緒につくりましょう。スタッフはそのための環境作りに精一杯、力を注ぎます。



ポエトリースラムジャパンは大会を通じて、世の中の言葉や表現がより自由で活発に、互いを尊重しあって発せられることを目指します。


お、もうこんな時間ですね。ぼちぼち参りますか。みなさん、楽しんでいきましょう!


櫻井あすみ展「ここからの世界」谷中・さんさき坂カフェ

2015年10月24日 23時55分45秒 | 美術
よく晴れた土曜日、午前中に谷中まで行ってきました。地下鉄・千駄木駅で降りて、町歩きのご年配たちとすれ違い、ゆるやかな坂の途中にあるさんさき坂カフェまで。櫻井あすみ展「ここからの世界」。岩絵具で描かれた作品が10点、明るい店内に飾られています。

実は先日、友人からもらったフライヤーの絵にハッとさせられるものがあって、思い立ったように出かけたのでした。

日本画ってほとんど馴染みがないのだけど、「平面的な感じ」という先入観がありました。ところが、まず惹きつけられたのは尾道の町並みを描いた一点透視の作品。かと思えばキュビズム?と思うような作品もあったり。あるいは画面の中にいくつかのイメージが共存しているものもあって、同じフィルムに違う景色を焼き付けたみたいだと思ったり。

そしてなにより、岩絵具のキラキラとした質感。見ているだけなのに「手触り」を感じる。一枚ごとにいろんなイメージが広がって、その刺激が心地よかったです。

突然行ったのだけどご本人にもちゃんとご挨拶できたし。コーヒーも美味しかったし。天気の良い日は早く出かけるに限る。

芸工展2015の一環として、明日10月25日まで。



本日のスポークンワード:ボカロ meets ポエトリーリーディング『夜の散歩』 byキャプテンミライ

2015年09月28日 23時26分34秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読
今宵はスーパームーン。ということでこんな作品をどうぞ。


   “見上げると大きな月が 
   大きな顔で笑っていた
   あんまり大きいので
   手が届きそうで
   あ、届いた”



ボーカロイドによるポエトリーリーディングって珍しいかもしれません。ちょっと不安定な可愛さとダブの心地よさとが相まって、ずっと聴いていたくなります。