実験リーグ

アマレス・相撲・柔道は投げられたら終わり。プロレスは投げられてからが始まり(三沢光晴)

ラジオ「スッごい!大人の時間」イベント中継レポート

2005年03月25日 | 観戦記
ラジオ毎日放送で土曜深夜に放送中の「スッごい!大人の時間」
(出演:バッファロー吾郎・ケンドーコバヤシ・MBS中村香奈アナウンサー)の
イベント中継に行ってきました。
番組内の単発コーナーに「夢の格闘技をプロデュースしよう」というものがあったので、
そのコーナーの模様だけをここに抜き書いてみます。

※なお、発言は会場でさらっと聞きしたものをニュアンス違いにならないようおこした程度で、
一語一句忠実というわけではありません。


今回は木村さんプレゼンツ、
プロレスラーや格闘家の各団体への参戦が当たり前になっている昨今でも実現しそうにない、
けど見たい!という、ゲームのファイアープロレスリングのような「夢のカード」を
自分たちで考えてみようではないか、という企画が試みられました。
大きなボードの脇に選手名のパネルが取りそろえられており、
思いどおりの組み合わせをボードに貼り付けて掲示してゆく形式。
パネルはノゲイラ・ヒョードル・ハリトーノフなどのPRIDE参戦選手、
ミルコ・バンナ・セフォー・魔裟斗・山本KIDなどのK-1系選手、
小川・吉田などの柔道出身者、
天龍・越中・武藤・蝶野・三沢・川田などの純プロレスラー…とさまざまでした。
思う選手名がない場合は自由に名前が書き込める白いパネルも用意されている、と知るなり
喜び勇んでマジックと白パネルを手にとるコバヤシさん。
「だってMr.デンジャー松永光弘のステーキ屋と
ザ・グレート・カブキのちゃんこ屋対決とか見たいじゃないですか!」
ええ、確かに見たいです。
飲食店だけじゃなく、あんまり趣味のよくない西洋雑貨の店とか日焼けサロンとか人妻ヘ○スとか、
レスラーのサイドビジネスって多彩ですからね^^


まず第1試合は軽量級の選手がいいだろう、と。
世間の喰いつきから言って格闘技ファン以外にも名前も顔も売れている魔裟斗を出し、
(プロレス格闘技が好きじゃないコバヤシさんのお母さまも魔裟斗ファンとか)
そして「神の子」と呼ばれる山本KIDと死闘を繰り広げたのだから
次はホンモノの神様を相手に戦って欲しい、との願いをこめたらしいコバヤシさんが早速白いパネルに
「手塚治虫」と記入。
格闘家ではなくしかも故人という「こんなんもあり」みたいな企画の指標が、ここで確立されました^^

【第1試合】 魔裟斗 vs 手塚治虫


第1試合に魔裟斗が出れば第2試合はKIDでしょう、
キッドだから相手にはカット…とダジャレが出た勢いでか、
かっとび一斗→わたるがピュン!→鉄拳チンミ…と雪崩式に月刊ジャンプ漫画ばかりの名前があがり、
その果てになぜかKIDの相手はシャンプーハットてつじさんになっていたこの不思議。
「や、てつじが思いっきし殴られてるとこ見てみたいだけなんですけど…」(コバヤシ)
「てっちゃんはええ子やないですか!」(木村)
「殴られながら突っ込んでたりしてね」(竹若)

【第2試合】 山本KID徳郁 vs シャンプーハットてつじ


このへんで長州力と格闘家の対戦なんてどうか、と提案があがり、
試合の際は声出していくタイプである長州、
彼がガチンコ最強の一角・ヒョードルと対峙したら発するであろう
「ヒョードルっこのやろばかかてめえはー!」みたいな、
ふだん聞きつけないテンションのシャウトをいっぺん聞いてみたい…という話が発展。
「長州はラリアットに行くとき相手の名前を叫ぶ」というクセがあり、
それをより面白がるために、言いにくい名前の人と戦わせるのがいいんじゃないか、と意見がまとまって
以下のカードが決定しました。

【第3試合】 長州力 vs クイントン”ランペイジ”ジャクソン


休憩が入る前の中締めにふさわしいのは、メインを張れるヴァンダレイ・シウバあたりではないかと。
「木村さんが戦って最も面白いことになりそうなのはシウバでしょうね」(コバヤシ)
ああ… ヴァンダレイの「木村さんにヒザ一悶→倒れた木村さんの頭を踏む」というムーブが
目に浮かぶようです^^
シウバと体重で釣り合いそうなのはプロレスでいえばジュニアヘビー級、いうことで名前のあがったのは
NOAHの杉浦貴選手。
杉浦なら向こうっ気の強さでも張り合えそうだし、彼はPRIDEにも出ていますしね…と
杉浦で話がまとまりそうになっていたところに、コバヤシさんが白パネルに書いたのはなぜか
「ヤクルトの若松監督」(笑)
「軽量級で気ィ強いといえば若松監督ですよ!」ときっぱり語るコバヤシさん。
若松氏は現役時代、前の晩に泥酔しても「次の日打ちゃぁいいんだろ!」とタンカきって
ほんまに打つ、という実績を持っているからだと。

【第4試合】 ヴァンダレイ・シウバvsヤクルトスワローズ若松監督


次は第5試合。
ここらで女性の意見も取り入れねば、と中村アナに話がふられ。
中村さんがナマで見たことのあるプロレスラーは藤波・橋本だそう。
ということで、あえてこの2人をぶつけましょうか?と提案があがったのですが。
「夢のカードじゃなくて、むかし普通に博多スターレーンあたりで見れたカード」(木村)
「今でこそ実現難しいですけど10回以上は見てきてますもんね」(コバヤシ)
「橋本の蹴り足をとって藤波がドラゴンスクリュー、とか展開も見えてますし…」(竹若)
この「なりゆきまで予想がつく」という観点での話の盛り上がりように笑いました。
それか藤波vs天龍はどうだろう、とコバヤシさん。
かつて、このふたりのシングルマッチで
「藤波が7年ぶりぐらいに出したドラゴンロケット(リングから場外へのトペ)を天龍がパンチで迎撃し、
藤波の鼻を折った」という試合があったらしいので、その再現が見たいと。
それ、私も是非体感したい!
まぁそやって話が二転三転しましたが、
あえてありがたみのない対戦が、妄想リングで組まれることになりました。
でもいまリアルタイムなこのふたりの「ちゃんとやる対戦」って、かなり興味深いかもですね。

【第5試合】 藤波辰爾 vs 橋本真也


セミファイナルはクライマックス直前にふさわしい、総合畑とプロレス畑でそれぞれ最強の呼び声高い
ミルコと小橋、この2人をあてるしかないだろうということで3人の意見が一致。
「視聴率70%~80%は間違いないでしょう。これこそ夢のカード!」と唸る全員、
ミルコの強烈な左ハイキックを豪腕ラリアットではね返す小橋…
小橋にロープに詰められてチョップ連打を浴びるミルコ…など力のこもった語りに花が咲くのを聞くにつけ、
対戦の実現はないにせよ、情景はくっきり目に浮かびました。
コバッファさん3人とも中立的立場で喋ってはいたんだろうけど、
ミルコの強さって強すぎゆえの冷血を感じて肩入れしづらいものがあるからか、
心なしか小橋寄りに聞こえたような?
確かに、彼の熱い闘いと大怪我から何度も這い上がった不屈の精神にぐっとこないプロレスファンはいますまい。
ああ小橋のバーニングハンマーで叩きつけられるミルコ…(うっとり妄想)

【第6試合】 ミルコ・クロコップ vs 小橋建太


そしてメイン。
「木村さんは出ないんですか?」という中村アナの鶴のひと声で、木村さんが出場にのりだすことに。
まあ身体は作ってたんで…とうそぶく木村さんでしたが、それならとコバヤシさんが非情にも
「じゃぁ、木村さんには戦ってシャレにならないハリトーノフをあててみたいですね」と。
「ワシ死ぬわ!」(木村)
こないだハリトーノフと戦ったセーム・シュルトをあの試合以来見てないんですけど、
シュルトたぶん死んでます…とのコバヤシさんの分析に笑いました。
(追記・シュルトは3/19韓国でのK-1に出るみたいです。とりあえず死んでませんでした)
木村さんは今回名前のあがった中ではノゲイラとならええ勝負になるんじゃないか、と真顔で。
確かにノゲイラは寝技師なので、柔道出身の木村さんならわたりあえるスキが探せ…ないと思います正直(笑)
でも長い手足のノゲイラに木村さんが巻きつく姿を想像して、ほほえましい気持ちになったことは否めません^^
が、ここで「木村さんがボンヤスキーに蹴られているとこが見たいです♪」と
中村さんがライトに言い放ったのをきっかけに
「まあボンヤスキーはプライベートでは眼鏡かけてるので、眼鏡対決ってことでいいんじゃないですか?」(竹若)
「それか竹若さんが顔を黒く塗って出るといいのでは?」(コバヤシ)
と構想が急転直下、
そうそうたるメンツを尻目に、このメインで「バッファロー吾郎対決」が組まれることになりました。
竹若さんは髪を刈り込み、日サロに行って肌を焼いてまでボンヤスキーを模する気がまえだとかウフフ。
実際バッファローさんはガチで戦ったことがあるらしく、その時木村さんは竹若さんに3秒で足を極められたとか。
ただし柔道ルールでは何度かやって勝ったことがあると。
で、その木村さんが負けた柔道ルールのバトルの中で、
柔道ルールなのに、なぜかSTFでギブアップを奪われたものがある、との話にも笑いました。

【第7試合】 木村明浩 vs 竹若元博


「これらの対戦がワッハ上方で見れるわけですね…」(コバヤシ)
会場はワッハだったのか(笑)
「和室の楽屋でジャクソンがくつろいでたりするんですか!」との木村さんのツッコミに笑。
ちょうちんの下にあんなコワモテ達が勢ぞろいするさまとか、
あのなかなか来ないエレベータにレスラーがぎゅうぎゅう詰めに乗ったりするさまを想像すると
なおさらオカシイですね。


個人的には木村さんの相手には「ジェロム・レ・バンナの飼ってる闘犬」とかがいいと思いました^^


(ナカジマ)


vol.2~「珍事?かずかず」

2005年01月13日 | 対談
マスクマンに向かって「お前平田だろ」と中の人の正体をばらす藤波辰爾さん、
社長就任時は会社の内紛を翌日のスポーツ新聞を読むことで初めて知っていた藤波辰爾さん、
奥さんが出した料理本のタイトルが「ちょっと、ご飯食べに来ない」だった藤波辰爾さん、
(その著書での奥さんの肩書きは「キッチンナビゲーター」)
対戦の要求を呑んでもらいたいがために何をするのかと思ったら
ハサミを取り出して自分の前髪を切りだした藤波辰爾さん、
「引退を宣言をしては撤回」を、
引退カウントダウンTシャツまで作ったりしながらめまぐるしく繰り返す藤波辰爾さん、
藤原組長に試合を潰されて「こんな会社辞めてやる」と叫びながら雪の中をパンイチで駆け出し、
そのままタクシーに乗り込む藤波辰爾さん…など、
まるでロールプレイングゲームワールドの住人のような藤波辰爾さんのエピソードは
珍事としてとりあげれば枚挙に暇がないので、お互い暗黙のうちに除外しています。
(でもあの生き神様、リック・フレアーから「うまい日本人プロレスラー」として
真っ先に名前があがってくるのが、ほかならぬ藤波辰爾さんだったりするんですよね)


■北尾光司 vs ジョン・テンタ戦(1991年・SWS神戸興行)

・弟子やおかみさんへの暴力沙汰で廃業に追い込まれた元・横綱「双羽黒」こと北尾さん。
「スポーツ冒険家」を名乗ってタレント活動を始めた後プロレスラーに転向、
東スポのインタビューでは「コロンビアの麻薬王や恐竜とだって闘うぜ」とかトバしつつ
なりもの入りでメジャー団体にデビューしたものの、
力士時代同様、身体のでかさと腕力に奢って練習を怠り、
諭されると逆ギレして暴言を吐き、干される始末。
そんな四面楚歌な北尾さんでしたが、同じ関取出身である天龍源一郎のはからいで組まれたのが
伝説のマイクを生んだこの神戸での試合。
相手はこれまた同じく角界にいた元・幕下「琴天山」ことジョン・テンタでした。

わたくしは超有名動画サイトさんでこの模様を拝見したのですが、
にらみ合うばかりでお互い仕掛けない散漫な展開に会場が次第にブーイングまみれになり、
じれた北尾さんがレフリーを足払いで吹っ飛ばして反則負けをくだされることに。
(禁止行為の「目潰し」を繰り出してたのも反則裁定の対象だったよう)
これに激怒した北尾さんはマイクで
「八百長野郎この野郎!八百長ばっかりやりやがって!」
という捨てゼリフを残してリングを立ち去り、
これきっかけにSWSも解雇されちゃうんですね。

このぐだぐだマッチに会場全体から怒号の飛び交うさまを見て、
昭和(の最後の年だけど)プロレスファンはこんなに熱かったんだなぁと、
昭和にいちども会場観戦しなかった私は思いました。
このある意味史上に残る興行、
なんとhyuchanは会場に観に行っていたというから凄いではないですか。
(バッファロー吾郎の木村さんも会場にいたらしいですよ)

こうしてSWSもクビになった後の北尾さんながら、
プロレス格闘技界を完全追放されるには至らず、今度は自分の道場まで立ち上げて。
そして「ドラゴンボール」を思わせる袖なし胴着姿でUWFインターに参戦し、
高田延彦のハイキック喰らってキリキリ回りながら失神(のフリ?)したり、
その流れでか「PRIDE」の第1回目興行に出て、関節技で偶然勝ってしまって号泣したり…
消えはしないものの、「いいほうの記憶」には残らないおもしろ迷走を続けた北尾さん。
土俵・リング外でも「新弟子を虐待した理由はファミコンのメモリーを消されたから」とか、
「武術を習うにあたり『技術はいらないから型だけ教えてください』と師範に頼んでのけた」とか、
「身体のばかでかい赤ちゃん」としか思えないふるまいばかりしていたという彼こそ
「珍事王」と呼べるかもしれませんね。
(ナカジマ)


・事実は意外と淡々としていて、あとから報道によって事が大きくなったりすることも結構ある。

発祥からしてずいぶんぐだぐだだったSWSは、興行も客も、会場に流れる空気だって、
おせじにも活況とはいいがたく、選手も個性が無くて、困ったものだった。
かといって、場末感もなく、ビッグマッチでさえ音響やライティングであおっても逆効果で、
ある意味ではSWSの存在自体が「珍事」だったのかもしれない。

さて私も見に行ったこの試合。
神戸ワールドであまりいい記憶がない私、こんな歴史的大事件でさえあまり記憶が無かったりする。
そうです、全体を流れるぐだぐだは、事件をも蹴散らすほどなのだ。
なので、私自身翌日の大阪スポーツでやっと、事の重大さに気づいた。

そんなぐだぐだのSWSという団体でしたが、唯一光っていたのは、浅井嘉浩というかウルティモ・ドラゴン。
後の「闘龍門」校長。
そんな闘龍門やドラゴンゲートネタは後ほど。
(hyuchan)


■大仁田厚 vs ミスター・ポーゴ戦(1991年・FMW大阪・万博お祭り広場興行)

初の地雷爆破デスマッチ。
レンタルビデオショップなどで今でもお目にかかれる。
ここでの珍事は、地雷爆破をなんとか高い位置から見ようと学生さんがトタン屋根に座っていた。
危ないなぁ、見ていると突然屋根が壊れて落下し、鋭利なものに刺さって救急車出動!だろう。
ひとりデスマッチ。
もちろんこれはビデオ未収録。
(hyuchan)


■松永光弘 vs フレディ・クルーガー戦(1993年・W☆ING大阪・南港イベント広場興行)

デスマッチ王決定戦第一弾”プエルトリコスタイル・ファイアーデスマッチ”と銘打たれたこの試合、
残念ながら場所柄というか、火がなかなか点火せず、悲惨なものに。
たぶん私がMr.デンジャーこと松永ファンになったのはこの時ではなかったか?
相手はその名のとおり、エルム街の人なのですが、この頃のW☆INGはほんとにおもしろくて、
デスマッチもさることながら、参加外人が秀逸だった。
フレディ以外にも、ジェイソン、ブギーマン、レザーフェイスら
いわゆるプエルトリコ怪奇派がわんさか来日。
レザーフェイスは火花散らしながらチェーンソーを振り回しておっかけてくるので相当怖かった。
プエルトリコ軍の親玉であるビクター・キニョネスに"Very Cute!"とお尻を触られた私は
当時かなりスレンダーだったことは今は昔。

ここでの珍事はやはり、行きのニュートラムで同じ車両に乗っていた、
最近ではサバンナ・八木さんかミスター・ポーゴしか履かないであろうバギーパンツ姿で
うだつのあがらない大男が、あとで某マスクマンだと知ってしまったことか。
彼の欠場のあいさつで分かった。

W☆INGは、18:30試合開始予定でも、段取りの悪さが芸術的なので軽く1時間は遅れる。
なので高石にある臨海スポーツセンターでもぜんぜん間に合う。
でも、先述のSWSのようなぐだぐだ感はなく、殺伐と猥雑が混沌とした気持ちよい空間。
今こんな感覚を味わえる団体は全く無し。
(hyuchan)


■W☆ING同窓会(2001年東京・ディファ有明興行)

上記のような興業を重ねたのち空中分解状態になっていた同団体が、
出身の日本人レスラーだけでなく、常連参戦していた怪奇派マスクマンのほとんども集合したという
(当時のままの人が中に入っていたかどうかは不明)
にぎやかなメンツの興行となりましたが、肝心の団体代表者が失踪中で不在、
試合開始時間を過ぎても対戦カードすら決まっていないという段取りの悪さ。
それが通るのも許されてしまうのもW☆INGならではの人徳…ならぬ団体徳?
かつて名物だった「どこで戦ってもよいエニウェイルール」
「会場の照明を全て落として暗闇で戦う月光闇討ちルール」が導入されていた試合もあったものの、
無気力な選手やセミリタイアしている選手も加わっていただけに
ルール相応のはっちゃけた展開にならなかったところは残念でしたが、愉しかったです。

「まさか」的な復活だったので興行ぐるみで「珍事」と呼べるかもしれませんが、
休憩時間にリング上で行なわれたオークションにて、
「なんかそのへんにあったから」という適当な理由で全○本プロレスのオフィシャルジャンパーや
マスク・ド・スーパースターのサイン色紙が勝手に売られていたのが
個人的に感じたモスト・オブ・珍事でしょうか。
(ナカジマ)


■謙吾(パンクラス) vs ドスカラスJr.(メキシコ)戦(2001年・DEEP横浜文化体育館興行)

格闘技興行にて。
ラグビーの名門大学出身の猛者からなりものいりで格闘技界にデビューした謙吾と、
ドスカラスの息子Jr.の日本デビュー戦。
ドスの入場曲はもちろん伯父さんとお揃いの「スカイ・ハイ」(ここで軽くあったまる客席)
ゴング後すぐ組み合い、即コーナーに追い詰められたドスでしたが、
一見不利そうなこの状況から、ものすごくきれいなフロントスープレックスで謙吾をぶん投げ!
ぶっ飛んだ謙吾は落ちたはずみに腕を骨折試合続行不能に陥り、そのまま病院送りに(全治3ヶ月)
試合開始後わずか50秒、格闘技戦とは思えない目の覚めるようなスローイングに会場爆発でした。
(ナカジマ)


ミスター・ポーゴこと関川哲夫さんが地元群馬の市議選に出馬(2003年)

W☆ING同窓会では試合…というか、興行じたいを放棄していたかのようだったポーゴさん、
市政には意欲的なところを見せ、当選すれば二世議員誕生となったところ、
残念ながら最下位で落選。
「落選したら自殺する」
「(自分の定番凶器である)鎌を持って登庁したい」という所信もさながら、
「市内を暗黒に染める」という選挙公約がまずかったんじゃないだろうか。
(ナカジマ)


※おまけ 離脱者が相次ぐ「ドラゴンゲート」は珍事なのか?

昨年12/31、ドラゴンゲートのヒールユニット「悪冠一色(あーがんいーそー)」
5人全員が解雇された。
これで闘龍門JAPANが名称をドラゴンゲートに変えてからの離脱者は7人となった。
先の2人、まずSUWAは、
怪我による残りわずかな選手生活を他団体に打って出ることで充実させるといって退団し
(でもCIMA曰く”出た行った後に古巣に屁をこくような真似”はしてくださった)、
現在はNOAHを主戦場に、
TARUは生まれ変わるといって退団し、年明け早々全日本プロレスのマットに登場した。
しかし彼らは「退団」であり、今回は「解雇」、それも理由が素行不良並びに職務怠慢。
唯一のヒールユニットを失うことを覚悟してでも彼らを解雇するということは、
相当大きな問題だったのだろう。
これまで徹底して純血路線を貫き、成功を続けてきたこの団体は、
これからもその路線を継承しつつ、あらたなアングルで楽しませてくれるとは思うが、
他団体にドラゴンゲートの血が混ざることもまた事実。
キャラクターがレスラーの所有物となってドラゴンゲートから出てゆくリスクも覚悟の上なのか。
WWEのようにキャラクターを団体のものとして商標登録することが100%正しいとも限らないが、
結局はレスラーを、キャラクターを軽く見ているだけのような気がする。
彼らが失ってダメージが大きいに値するレスラーかどうかは団体も本人も知らないとは思うが。
それが純血路線の良し悪しなので。
さて、「悪冠一色」はどの団体に出てきますかね?
(hyuchan)


先日、映画 『お父さんのバックドロップ』をみてきました。

2004年12月24日 | レビュー
『お父さんのバックドロップ』公式サイト

(※以下ネタバレ要素含みます)


金髪&派手なメイクの悪役レスラー・下田牛之助(宇梶剛士)を父に持つカズオ(神木龍之介)は、
試合のために大好きなお母さんの死に目に会ってくれなかった父親のことが嫌い。
家族をそんな状況に追い込んだプロレスを憎み、
引っ越してきた父親のふるさと・大阪のことも好きになれずにいるのですが、
牛之助はそんなぎくしゃくした親子関係を立て直すべく、
若手の凄腕空手家との異種格闘技戦の相手に名乗りをあげ…というストーリー。
仲間レスラーがカズオに語った
「お父ちゃんはルー・テーズになりたいんやて」のことばを体現するかのごとくの、
鉄人テーズの得意技バックドロップがタイトルとして冠されているこの作品、
ほっこり泣ける、とてもいい映画でした。
原作がかなり短編なので映画独自のエピソードが足されていますが、それぞれむだもなく。
話ができすぎなところも含めてプロレス、
そしてプロレスファンでなくても感情移入できる良ドラマだと思います。
生前の中島らも氏も、チョイ役ながら強烈な存在感をもって出演してますよ。

宇梶剛士はいい役者さんですね。
ひたむき演技もさながら、ピークを過ぎかけ中年レスラー然とした体型は役づくりの成果なのでしょうか、
プロレスムーブともどもなかなかさまになっており、
何よりヒール相応にミエをきったときに漂う哀愁、宇梶だから出せる味だなぁとも感じました。
ほか、牛之助のいる弱小プロレス団体を切り盛りする社長(生瀬勝久)も、
強がりつつせつない女心をかいま見させる牛之助の幼なじみ(南果歩)もよかったですが、
役にもっともはまっていると思わせたのは、牛之助の父親役・チャンバラトリオ南方英二師匠かも。
師匠の笑わせて泣かせるたたずまいがたまりませんでした。
ロレツのまわらない、ほんとにボケてるみたいなしゃべりくちや表情もかわいらしくあたたかく。
名優だなぁと。

あと、天才子役の呼び名も高い神木龍之介くんの美少女のように完璧な目鼻だちと
一所懸命でけなげなふるまいに目じりが下がったのはもちろんですが、
この作品の子役MVPには、南果歩の息子役の田中優貴くんを推したいと思います。
ドヤ街の雑草チルドレンを演じさせたら屈指なのでは。幼いながらの天才を感じました。
映画「ぼくんち」のニ太役もなるほどのハマリ役でしたしね。

そして、プロレス格闘技ファン的には「大日本プロレス極真会館が全面協力」という、
ここだけでもじゅうぶんにしびれることのできる見どころと言えましょう。
その大日本のトップどころや極真のバリバリ現役選手&ホンモノの師範が
牛之助や牛之助の団体と対峙するという夢の共演を果たしてますよ。
ただし、大日本と極真の直接のからみはないですが…
大日本・極真以外ではAKIRAやBADBOY非道の姿も確認。
(AKIRAは「プロレス指導」としても名前がクレジットされてました)
あ、あとホステス役の女優が妙にごついなぁと思ったら引退した玉田凛映だったり。

大阪での上映は1月早々に終わってしまうのが残念。
前にも書きましたが、こういうほんのりすてきな小品の上映期間ってたいがい短いんですよ大阪は。
お客さんが継続して来場することが見込めないとロングランはできないのでしょうけど、
いっぱしの都会ヅラするなら、せめてロードショー開始を東京に遅れずスタートしてほしいものです。

(ナカジマ)

11/28 DDT大阪IMPホール大会 『GOD BLESS DDT 2004』 観戦記

2004年12月13日 | 観戦記
☆対戦カードやフィニッシュホールドはDDT公式より引用しました。

▼オープニングマッチ 20分一本勝負

○ジャイアント vs 飯伏幸太●
7:20 エビ固め
※ネックハンギングボム

身長約2mのジャイアント選手の入場曲は「全日本プロレス中継のテーマ」。
名のさすとおり、馬場さんのような股がみ深めの赤いパンツ姿で。
巨躯からあびせる串刺し状のヒザ蹴りも見るからに重たい、
そんなジャイアントと飯伏選手の体格差は、
むかし歴史の教科書で見たマッカーサー元帥と昭和○皇のツーショットを思わせるほどあったけど、
飯伏はそれをものともしないがむしゃらファイトを見せ、会場があったまりました。
彼のシューティングスタープレスはお見事のひとこと!


▼第二試合 30分一本勝負

●高梨将弘 vs 石倉正徳(REX)○
7:21 原爆固め

外部参戦の石倉選手の入場曲は浜省「モノクロームの虹」。
彼の関節技もおりまぜた、非常にきびきびした動きが印象的で
まるで初代タイガーマスクを見るようでした。
めまぐるしい攻防で、お客さんは声を出して騒ぐよりもぐっと見入る感じだったです。
高梨選手は腕を痛めてしまったみたい…
石倉選手(道場長)のブログに、この日のバックステージショットを見つけました。


▼第三試合 ミックスト6人タッグマッチ 45分一本勝負

●三和太、カブキ・キッド(CZW)、チェリー vs ポイズン澤田JUMI、猪熊裕介○、「戦闘員」子
11:17 モッシュボーイ

「昭和」子あらため「戦闘員」子は黒づくめ姿にギミックチェンジしたのでしょうか。
枝切りバサミを持ち出すなど、すいぶん凶暴化してましたよ。
ポイズンは失踪中とのことで、登場したのは技術を結集して作られたというポイズンのクローン・JUMI。
以前に見たオリジナルより動きや技がかなりあやしげだったものの、
対戦相手が動けなくなる呪文が使えるのはオリジナルと同じ。
(会場からいっせいにマラカスシェイクの援護があるのも同じ)
そのJUMIとチェリーの攻防がとくに心に残りました。
WWEトリッシュのストラタスファクションぎみ?にJUMIにDDTをきめるチェリー、
JUMIから叩きつけられそうになったところを太(160cm160kg)のクジラのようなおなかでバウンドして
逆にJUMIを丸め込むチェリー…といった感じで、
敵のJUMIにサポートされつつながらけなげなファイトを披露したチェリーちゃん。
発言も含め、なんともファニーな魅力がありますね。


▼第四試合 KO-Dタッグ選手権試合 Only 3counts Sit Down 60分一本勝負

○諸橋晴也、タノムサク鳥羽(第17代王者組) vs HERO!●、KUDO(挑戦者組)
17:35 シットダウン
※イス上からイス上への雪崩式クォーラルドライバー。17代王者が一回目の防衛に成功。

王者組が提案し、決めたルールは「パイプ椅子に座らされて3秒経過したら負け」といったデスマッチ。
挑戦者組の得意技やフィニッシュホールドを封じるための作戦らしかったのですが、
ベルトを守ったはずのチャンピオン組・諸橋選手の試合後のマイク
「やめときゃよかった…技かけたほうがいてぇんだよ!」の絶叫どおりの展開となりました。

試合前のリング上には組み立てられたもの、たたんだ状態でマットに寝かせたままのものも含め、
ざっと見積もって20脚~30脚ものパイプ椅子が用意されるという異様な光景。
椅子にDDT、椅子ごしに蹴り、椅子もろともダイブ…などなどいろいろ痛そうでしたが、
フライング技はとりわけつらかったことでしょう。
自分もろとも硬い椅子に飛び込むわけだからごまかしもきかず、痛くなくやりようがない。
また、音も響くものだから説得力も抜群。
(でもそんな飛び系の技には椅子を踏み台に利用できるぶん高さが出て、華麗さが増していました)
4段重ねに積み上げた、ちょっとしたオブジェチックな椅子のピラミッドに敵を振ろうとして、
喰らった反撃の勢いで自分が突っ込むという自爆も見せつつ、
なんとかベルトを守った王者組のぼやきもうなずけましたよ。

最後のマイクのあと、全ての椅子を真ん中に敷きつめてその山に自爆セントーンをかまし、
やっぱり痛かったようでのたうち回る鳥羽選手の自虐ムーブでオチがつきました。
もう2度と見れないデスマッチだったかも。
余談ですが、HERO!の雪崩式フランケンシュタイナーが失敗して
両者もろともリング外に転落したシーンには、先日事故があっただけにひやりとさせられました。
まっさかさまに落ちるはずみで、リングのへりに頭がぶつかりそうになってたように見えたので。


▼セミファイナル アイアンマン五十三次最終戦

アイアンマンヘビーメタル級選手権試合 無制限一本勝負
○一宮章一(第170代王者) vs 男色ディーノ(挑戦者)●
4:11 片エビ固め
※爆裂式セントーン。170代王者が何度目かの防衛に成功。
※一宮、男色ともアイアンマン五十三次走破に成功。

VTRがとりわけおもしろかったので、試合と一緒に別枠で紹介しています。
この記事のいっこ下の記事をどうぞ…


▼メインイベント 無制限一本勝負

○高木三四郎、MIKAMI、泉州力(J2K)、柿本大地 vs ディック東郷、橋本友彦、YOSHIYA、神咲翔●
16:13 片エビ固め
※スタナー・フロム・ラダー

個人的に大ファン(見た目も好みです)のディック東郷率いるヒール軍団FECことFAR EAST CONNECTIONと
正規軍の8人タッグマッチ。
悪漢らしくミエを切る東郷選手は、
試合前のサイン会でチビッコとの写真撮影に応じていたときのやさしい表情とは全然違って、また素敵。
骨折したという左手の甲をガチガチにテーピングしており、
試合でもそんな左手をかなりかばうようなしぐさを見せていましたが、
ドクターストップがかかっていたとは思えないスピーディな動きだったのはさすが。

一方、正規軍では長州力のそっくりさん「泉州力」に最も大きな声援があびせられていましたよ。
ルックスは長州似というより「神無月さんがものまねする長州」みたいでしたし、
長州おなじみ「無駄に素早いリングインの際のロープのくぐり方」も
そっくり度では長州小力さんのがまさっていると思われましたが、
聞き取りづらいしゃべりくちは本家そのもの。
観客のレスポンスもよくて、
ラリアットひとつで場内おぉー、さそり固めひとつでも場内どわー、の盛り上がりよう&泉州コール。

試合ラストはMIKAMIが持ち込んだラダー(脚立)によじのぼった神咲を追った三四郎が
ラダーのてっぺん(!)からスタナーをぶちかましてフォール。正規軍が勝利をおさめました。

試合後、マイクで東郷を挑発する三四郎。
「てめぇらFECこと”ファック”イースト・コネクションなんか…」と言いながら泉州にマイクを向けると
泉州すかさず「クソぶっかけてやる!」
出た! かつてUインターとの対抗戦の際、条件提示などで大もめした際に思わず長州力が吐いた
「あいつらが死んだらオレが墓にクソぶっかけてやる!」という捨てゼリフ!
この、はからずも歴史におお残りしてしまった迷言登場に場内爆笑。
入り乱れ殴りあう正規軍とFEC。
やっと若手やセコンドが乱闘を収拾させるも、
再び三四郎が「ファック・イースト・コネクションの新しいTシャツに…」と言いつつ泉州にマイク。
「クソぶっかけるぞ!」と呼応する泉州 → またもや大乱闘。
この繰り返しを計3回やってましたよ。
3回目の乱闘では三四郎、嬉しそうに手をばたばたさせながら客席の後ろまで駆け上がったりして。
コドモかあんたは!(笑)

これら一連の騒ぎにはMIKAMIも「…コントなげぇよ!」と突っ込む始末でしたが
まじめな話、MIKAMIはMIKAMIなりの心の葛藤があったようで、
コントの後も考え込んだような面持ちでした。
彼は「プロとして言うことでないのはわかっている」と前置きしながら、
FECとの抗争に意味が見えないことへの疑問や悪ふざけ路線にはもの申したいという本音を
公認サイトさんでもぶちまけているんですよね。
確かに、プロならスキットなどのショー的な部分にも徹底せねばいけないのでしょうが、
MIKAMIのおもはゆい気持ちに同意できる部分もおおいにあります。


そして、全試合終了後はロビーにて柿本選手を伴った三四郎代表の独演集会。
通いつめていると思しき関東方面のファンの人たちから飛んだコアな野次に
「今日はいちげんさんのピュア率が高いからそういうのは通じないぞ!」といさめるなど、
ファンとのコンビネーションも抜群で。
先日、新日本プロレスに選手を参戦させたことにひっかけて、
「あちらのスローガンはキング・オブ・スポーツらしいが、オレたちゃキング・オブ・ショーツ!だから」
とばかりに柿本のパンツの両はじをつまんで上にひきあげる三四郎。
新日では若手選手が「ヤングライオン」と称されているけど、DDTの若手は「ヤングタイツ」だそう(笑)
そして自らもパンツをお尻に喰いこませ、
「どうせ結婚して女性ファンも減ったしな! なんせきょう受付にいるのは俺の嫁だから!」と
開き直る三四郎選手でありました。
あの大向美智子似の美人は誰?と思ったら奥様だったのですね。
あー… しかしツアーにも奥さん帯同とは、地方だからといってわるさもできませんなうひひ。


DDTは来年の1/23と3/13にも来阪し、デルフィンアリーナで興行を打つそーです。
とくに3/13は「DDT大阪」という、
大阪出身や大阪にゆかりのあるレスラーを集めたブランドの旗揚げ興行とか。
デルアリでやるからには大阪プロレスもかかわってきそうですが、他には誰が参戦するのでしょうね?
興味は尽きません。
しかしおもしろかった! 次も行きますよ~。

(ナカジマ)


11/28 DDT大阪IMPホール大会~アイアンマン五十三次 一宮章一 vs 男色ディーノ

2004年12月13日 | 観戦記
ベルト保持者がふいに登場する挑戦者と戦い、押さえ込んで3カウントとったほうが勝ち。
勝者はベルトを持ったまま次の対戦地へ向かって、
指定されたスポットで襲い来る未知なる挑戦者と戦う…
おおまかに言えばそんなルールのDDT名物・アイアンマンマッチなわけですが、
挑戦するのはプロレスラーに限らず、なんなら通りすがりのチビッコでもウエルカムだとのことで、
以前なんて3才の男の子や、
無機物のラダー(脚立)がチャンプになったこともあったとか(笑)
(↑よく見ると王者に山川恵里佳ちゃんの名前もあります)

今回のアイアンマンがうたうテーマは「五十三次」。
東京・日本橋を開始地点に東海道五十三次を西へ走破、全宿場町ごとに挑戦者を待ち、
戦いながら京都・三条大橋までたどり着くのが指令。
それらを約1ヶ月前からスタートして、大阪大会(本日ですね)の会場まで間に合うよう到着せよ、
という条件が課せられておりました。
スタート時のベルト保持者は男色ディーノ。
日本橋のたもとで挑戦者を待っていると、
現れたのは橋本真也なりきり偽造「は偽本真也」スタイルの宿敵・一宮章一。
パンタロンに白ハチマキはもちろんのこと、右肩の過剰なテーピングまで、
破壊王の完璧コピー姿の一宮はディーノともみあいになるも、橋の欄干から隅田川に転落!
青くなるディーノ。
でも京都まで急がないといけないし…とばかりにあわあわしながら駆け出します。

その後は散歩中の仔犬をなでているといきなり飼い主のおばあちゃんに殴りかかられ、
仔犬にフォールされかかった(おばあちゃんがディーノの身体に仔犬をのせていた。笑)ところを
切り返したり、
公衆便所で用足し中に謎の男からスクールボーイで丸め込まれてベルトを奪われそうになったりしつつ
海岸までやってくると、そこへタイミングよく流れ着いたのはスタート時に川に落ちた一宮。
駆け寄るディーノを一宮は襲い、ベルト奪取。
ここから一宮とディーノのはぐれたりめぐりあったりの凸凹珍道中が始まります。

各土地の有名なランドマーク(名古屋では「矢場とん」のシャッター前とか)のそばで闘って
ちゃんと「現地でロケってますよ感」を出すとこも芸が細かかったですね。
とくに笑ったのは、静岡のキラメッセぬまづの前での戦い。
巨大な建物全部がフレームに入るような、カメラをひきまくっての撮影だったもんだから
シバキ合いを続けるふたりは小指大にしか映っておらずで、
その建物と人物の対比と空間の妙を見るだけでも可笑しかったのですが、
そのあと、事務局かどこかでペコペコ頭をさげるロケクルーの姿が映っていたので、
不審者として職務質問された経緯があったのだと思われます。
撮影しようとして怒られたのでこっそり隠れて撮ったのか、
こっそり隠れて撮ってたら見つかって怒られたのか、行動の時系列はわかりませんが、
カメラがヒキだった謎が少しとけた気がします。
ゲリラ撮影の臨場感ありましたわぁ。

その後も「ファンなんですぅ」と声をかけてきた女性ファンが豹変して襲いかかられる、
タクシーの運転手さんにフォールされ一瞬ベルトを奪われる、
人の通りかからない宿場町では、同行カメラマンがカメラを固定して自らチャレンジャーになる…
などを経て、へろへろ旅は続きます。

宿場町ごとの対決の決着がついたあとは、
キメ技やフィニッシュホールドがテロップで出ていたんですが、
ディーノ選手のはやはりというか
「男色エスプレッソ」「男色砂時計」「男色オンライン」「男色でいいとも!」という「男色」づくし。
これら、旅の間に編み出された単発ニュー技?の模様。
ご参考までに映像を見るに、
「男色エスプレッソ」は相手をお尻の下に敷いてエスプレッソ缶コーヒーを飲む技、
「男色オンライン」はゲーセンでのオンラインゲームで勝つ技、だったみたいです(笑)

なんだかんだで着いたのは愛知県・岡崎。
歴史に造詣が深いらしいディーノは、由緒ある城下町で感慨深げな表情。
藤波辰爾さんも武将とかお城が大好きだし、
乱世の日本史に傾倒するのはプロレスラーに多い傾向なのでしょうか?

そんなお城のふもとの公園に突然あらわれたのは「小仲ペールワン」というヨガレスラー。
動きがトリッキーなペールワンはスタミナもあるのか、
ディーノのいる逆方向に猛ダッシュで走っていったと思ったら、
はるか遠くにある公園の柵の鉄条網?をロープに見たて、はね返って戻ってきた末に蹴りを入れるなど
ロープワークを取り入れた激しい攻めも見せ。
で、このペールワンの挑戦は何とかかわしてベルトを守ったものの、
長時間のバトルで膝を負傷してしまい、足がじょじょに動かなくなってきたディーノ。

が、そんな彼を敵であるはずの一宮がなぜかおんぶ。
「大阪のお客さんが待ってるじゃないか!一緒にゴールしよう!」
泣きながら一宮の背中にディーノは身体を預け…
どうやら、肌をあわせるうちにふたりの間に友情が芽生えたらしい。

しかし怪我の悪化はいかんともしがたく、
ついに倒れこんだディーノは「あたしを置いて先に行って!」と一宮を促します。
ベルトを無事大阪に届けて欲しい、自分は遅れてでも大阪に向かうと。
その意志を汲み、一宮はディーノに「待ってるから!」と告げ、先に京都・三条大橋にゴール。

一方、残されたディーノは体力を振り絞り、這うようにして前進。
そしてようやく発見した「三条大橋 すぐそこ」という貼り紙。
(貼り紙がたったいまあつらえました、みたいなタイプ打ちされたものだったとか、
貼り紙のあったのが何のランドマークもない住宅地の駐車場の柵だったかとかはこの際問いません。笑)
「もうすぐそこだわ…」

がしかし、いきなりそこに現れたのは「U-FILE CAMP」のワゴン車。
ディーノは、11/28大阪大会の前日に東京であるU-FILE CAMPの興行に参戦が決まっていたんですね。
拉致されるように車に乗せられて、東京までトンボ返りさせられてしまったディーノ…
ああ、今までの道程が水泡に帰しました。

そしてU-FILEでタッグマッチをこなしたディーノさんだったのですが、
もといた場所まで送ってもらえるのをアテにしていたのに移動車から蹴落とされ、
「じゃ、1月もよろしくね~!」と立ち去られてしまう始末。
またゼロからのスタートであります…

VTRはそこで終了。
リングの上には先に大阪に到着していた一宮が登場します。
そこへ「ディーノはどうにか会場にたどり着けそうだ」と一報が入り、
それと同時に、VTRには悪い膝をかばうように足をひきずりながら会場入りするディーノの姿が。
画にかぶるようにフェイドインしてきた曲は案の定「サライ」(笑)

「がんばれ、あと少しだディーノ!」
リングから激をとばす一宮は観客に向かって
「サライの歌詞を知っている人は一緒に唄ってください!
そして、携帯電話をお持ちのかたは液晶にライトをつけてこちらにかざしてください!」
無数の観客が手にした携帯をペンライトとかサイリウムのように右に左に動かします。
(もちろんわしもやりました)
花道にあらわれ、ようやくたどり着いたリングで抱き合う一宮とディーノ。

健闘を称え、友情とあたためあう間もなくファジーに試合開始のゴングが鳴って。
「あたしは大阪で勝ちたいのー!」
絶叫しながらパイプ椅子を振り下ろす男色ディーノ(大阪学院大学出身)をパイプ椅子で迎撃する一宮。
破裂音と火薬の匂いがしたので、椅子に爆竹が仕込んであったのでしょうか。
ディーノの足はガチで悪いようで、試合は終始一宮が優勢。
「は偽本真也」だけにDDTを中心に攻め込み、
リングサイドの男性客を巻き込んで、
ふたりで足を1本ずつ持ってコーナーの鉄柱にディーノの股間を打ちつけたりするラフファイトまで。
ディーノの男色ナイトメア
(倒れた相手の顔の上でスクワットをする、喰らっても痛くはないけど精神的にダメージは負う技)も
「×」の描かれたついた板をあてがって封じ、そのまま勝ってしまいます。
試合の間、ずっとうすく「サライ」が流れ続けたままだったのもあり、
なんともいえない不思議なムードの試合でした(笑)

そしてベルトを守った一宮から、このアイアンマンマッチが海外に行くことが発表されまして…
「社長が行けって言うから…あたしも社蓄なのよ!」とさめざめ泣くディーノ選手は、
演技じゃなく本気でいやそうでした。
そうやってうなだれ泣きながら「…シメましょうか」とディーノ(会場笑)
この一宮に振るディーノの間合い、ほんま芸人さんなんですよね。

これ以降の一宮のシメマイクは、「口外しないでくださ~い!」という彼の要請によりナイショです。
ディーノも慌てて「あんたたち、これ記事にしちゃだめよ!」と
リングサイドのマスコミに向かって念を押していたので、会場にいた人だけのおたのしみということで。
ただ、この試合の数日前にプロレス界に走った激震を元ネタにした、
非常にタイムリーなものだった、ということだけつけ加えておきます…

(ナカジマ)


蛍光灯デスマッチの連発は馬鹿の一つ覚え

2004年12月03日 | レビュー

今週号の「週刊ゴング」より、なんと3週連続で、
「大日本プロレス・死闘(デスマッチ)10年史」が掲載されます。
今年最後のお楽しみ企画ですね。

大日本プロレスのデスマッチの歴史が、分かりやすい写真とともに紹介。

今お店に並んでいる第1回目は、「1995年~1997年」編。
伝説の「風船画ビョウ時限爆弾ストリートファイト・タッグデスマッチ」や
「サソリ&サボテン・デザートファイト・デスマッチ」、
「アマゾンリバー・ピラニア・デスマッチ」、
「月光闇討ちシャンデリアツリークラッシュ・ノーロープ有刺鉄線デスマッチ」など。

さらに失敗作というか客にいまひとつ伝わらなかった
「ファイヤーストーブ・デスマッチ」など、初期を飾るデスマッチが多数。

しかしなんといっても今回良かったのが、
私の大好きな"Mr.デンジャー"こと松永光弘のインタビュー記事。
彼こそがデスマッチのアイデアマンとして、W★INGと、この初期の大日本プロレスを支えた男。
彼だからこその現在デスマッチへの苦言に大注目!
さらにフラッシュアイデアとしていくつかのデスマッチ案を語られてますが、
他の人とはひと味もふた味も違うセンスが光っていますよ。
やっぱりこの人、大好きです。

ケンドー・ナガサキのデスマッチ後ろ向き(!)発言ともども、要チェック!


hyuchan



11/28 DDT大阪大会に行ってきました

2004年11月30日 | Weblog

先日のドラフトで阪神タイガースに指名された15歳の辻本投手

かつての新日本プロレスにおけるドン荒川さんは
ヤングライオン達の筆おろしをまとめてめんどうみたと言われていますが、
プロ野球界にはドン荒川さん的筆おろし世話係の重鎮さんはいるのかしら?と、
辻本君の初々しい表情を見てはそんなことばかり考えていた、
もしくはそんなことしか考えていなかったナカジマです。


先日の日曜日、DDTプロレスを観にIMPホールに行ってまいりまして。
非常に見ごたえのあるおもしろい興行で大満足でした。
笑いのしろうとふぜいが言うのも何ですが、ギャグ部分のネタもめちゃ繰れているんですよ。
観戦記鋭意執筆中なので、しばしご歓談を。



『実験リーグ』とは?

2004年11月24日 | 所信表明

 カト・クン・リーはピストルの弾をよけることができる
 ロードウォリアーズはドブネズミとガソリンを主食にスラム街を生きる
 ミル・マスカラスの素顔はアラン・ドロンとアル・パチーノをミックスさせたハンサム(猪木談)
 天龍はクラッシャー・バンバンビガロの事を「バンバン」と呼ぶ


ここは、hyuchan&ナカジマのユニットが拠点とする、
いつの時代においても想像と空想と妄想を最大限に生かし続けるプロレスに向けて、
愛をこめて歌い上げる、場末のステージ…
(天龍のエピソードは幻想に関係なし)


まぁ要は「プロレスに関するなんとなくでおもしろいこと」を語ったりできないかなぁと思って
はじめてみたものです。
以後、どうぞよろしくおつきあいお願いいたします。


hyuchan&ナカジマ



vol.1 闘会始~心に残るタッグチーム・ユニット

2004年11月24日 | 対談

★フットルース <サムソン冬木、川田利明>

・現在はなにやらおかしな姿になっている川田利明。
彼は全日本マットの王道路線を最後まで守り通しているかのようですが、
元はといえば天龍源一郎の「天龍同盟」に属し、正規軍とバチバチやってました。
しかし、ここでいう軍団同士の抗争には因縁やしがらみはなく、
この戦いが全日本マットにおける王道だったのでしょう。

サムソン冬木はその後SWS→WARと渡り、その間に冬木弘道と本名に戻し、
インディーマットで暴れていた、邪道&外道とのユニット「冬木軍」を結成。
FMWからIWAJAPANなどインディーを「理不尽大王」の異名の元に大暴れ。
その内容は濃すぎて書ききれませんが、2003年3月、癌の転移により生涯を終えるまで、
ある意味うらやましい人生を刻みました。

そんな2人のユニットは「フットルース」と呼ばれ、
U系や天龍のファイトスタイルに触発されたバチバチのキックと、
軽量のハンディを跳ね返す気迫が売りでした。
(hyuchan)


・ユニット名のとおり、映画「フットルース」のテーマで入場してましたね。
現在のヤングエイジにとってこのふたりがタッグを組んでいた事実は、
松田聖子と郷ひろみがつきあっていた、という過去ぐらい違和感があるでしょうか。
その上このコンビ、確かタイツが豹柄でしかもお揃いだった時期もあった、
というとこまで含めると、違和感はピークに達するかもしれません。
当時(約20年前)日本に上陸したてのエアロビクスを
トレーニングに持ち込んでいたと聞いたことがあるのですが、
どこをどのように取り入れたんだろう… 呼吸法とか?

ユニット解散し、お互い袂を分かってから冬木はエンタメ路線をつき進み、
「お前が勝ったら坊主になれ、俺が負けたら何もしない」という
変則髪切りマッチを兄貴分の天龍につきつけることなどに象徴される横暴を尽くす
「理不尽大王」としてインディーに君臨。
志なかばで癌に倒れ急逝しても、非常識な冗談を演出として昇華・浸透させた彼だけに、
自身の葬儀で「死ぬわけねぇだろバーカ!」と棺の中から三角布をつけて
白装束で現れるんじゃないかと思わせるものがあり、なお泣けたものです。

それほどプロレス界におけるエンタメのすそ野を拡げた冬木氏に対し
デンジャラスKこと川田は非エンタメの王道路線をゆくのかと思いきや、
ショーを標榜する「ハッスル」のリングにまさかの登場をしてレギュラー参戦。
黄色いトラックスーツを着てみたり、
格闘家相手にヒールホールドで勝ってみたりしてるものだから
世の中わからないとともに、時の流れを感じたりもします。
(ナカジマ)



★トンパチ・マシンガンズ <折原昌夫、小野武志>

・全日本→SWS→WAR、そして自らメビウスなる団体を作った折原昌夫。
バトラーツの小野武志との「トンパチ・マシンガンズ」は、自身の持ち味と
チームとしての存在を見事にマッチさせた名ユニットだと思います。

これをきっかけに、インディー団体間の協力関係(持ちつ持たれつ)により、
彼らはあらゆる団体で活躍しました。
その後友達(といわれている)サスケ・ザ・グレートやマスク・ド・タイガーは
SASUKE組(後述)やみちのくプロレス組で大活躍、
本人も最近まではディック東郷らとのFECなどが印象に残っています。
そのFECは先日みちプロマットから撤退、ホスト軍団のバウンサーを経て
DDTで再び登場していますが、そこには折原昌夫の名はありません。

ここでは書きませんが、二瓶組との一件も衝撃的な事件でしたね。
(hyuchan)


・前述のフットルースと折原は「天龍同盟つながり」ということはさておき、
このトンパチ・マシンガンズ、
あまたあるユニット名の中でも最も「名は体をあらわしつつセンスも感じる」
ネーミングのひとつだと思っています今でも。
なんでも、折原がリーダーで小野はキャプテンというふれこみだったらしいですが(笑)
団体と言うテイを為さないまでも、定期的なシリーズ試合を組むなど
草の根的な活動を続ける現在の各インディーマットに
この人たちのふてぶてしいつらがまえや悪辣なファイトを見ないのはなんとなく寂しい気が。

それはそうと、折原さんは「ぴーちぱにっく」という日焼けサロンをオープンしたと
かなり昔の記事で見た記憶があるのですが、
「ぴーちぱにっく」の場所を含めその後を知りたくてネットを検索してみたものの、
さっぱりヒットせずでした。
情報、知っている人がいたら是非タレコミをお願いします。
(ナカジマ)



★SASUKE組 <SASUKE、サスケ・ザ・グレート、マスク・ド・タイガーなど>

ルード時代のザ・グレート・サスケがSASUKE。
事の発端は1998年、長期欠場した際に大活躍したスペル・デルフィンに対する
一連の嫉妬からです。
復帰後、自分の居場所が無いどころか
デルフィンの「お前はもう、みちのくにいらん」発言についに堪忍袋の緒が切れて、
サスケ・ザ・グレートと先述のトンパチ・マシンガンズとでSASUKE組を結成。
その中には、もうすぐ解散するクレイジーMAX(闘龍門、現DRAGON GATE)の名も。
当時メキシコに居を構えていた彼らのもとに、SASUKEはレトルトカレーを大量に持参し、
まんまと勧誘に成功したのは有名な話。

その後、無気力試合や客への悪態、デルフィンをからかうグッズ(お面や鰯)、
新たな凶器(脚立、ちゃぶ台、サーベル、葉巻)でみちプロマットを騒然とさせ、
デルフィンが大阪プロレスを旗揚げするターニングポイントとなった私生活ネタを
客がいる試合会場で暴露。

結果的にみちプロマット分裂のきっかけとなったこの一連の顛末を詫びるべく、
新崎人生とともに八十八番札所逆打ち巡礼の旅へ。
以降は正規軍としてその役割を担うも、ルード色(もともとルード志向か)
も時折見せてくれます。
頭打って控え室に連れて行かれて、戻って来たらSASUKEマスクになってたりね。

ここで特筆すべきはSASUKEではなく、むしろユニットに名を連ねたレスラーたちです。
現在ではいわば常識化しているプロレスユニットとしての位置づけ、
新しいキャラクターの生み出し方やアピール、ストーリー展開などは
こうしたインディー的発想から生み出されたものであると思います。
プロレスに感心するのはこういう発想の柔軟なところではないででしょうか?

トンパチ・マシンガンズしかり、クレイジーMAXしかり。
SASUKEが元のザ・グレート・サスケに戻ったとき、チームメイトが一斉に反発して、
敵意をむき出しにしつつも、戻ってくるように説得していた、
あの混沌とした時期は、彼らの存在意義が最も光輝く時期でもありました。

サスケ・ザ・グレートは後にマスク・ド・タイガーII世(!)とNANIWA(愚乱浪速の偽者)、
それに女マネージャー3人でニセモノ軍団「みちのくプロレス組」を結成し、
SASUKE組亡き後のみちプロマットのルード軍団役をこなしていました。
(hyuchan)



★ストロングマシン軍団

新日本プロレスにおける通称「マシン軍団」は
星野ビッシビシ勘太郎総裁傘下の平成「魔界倶楽部」より、
将軍KYワカマツがマネージャーを務めていた昭和の頃のほうが
うさんくささや得体の知れなさから来るわくわく感がありました。
軍団員は全員おそろい風マスクをかぶっており、
むやみに増殖しては仲たがいをするなどのカオステイストも含んでいたとこなんかが
よりいっそうわくわくに拍車かけたというか。

さまざまなレスラーが「マシンの中の人」を務めた中で、
スポット参戦ながら最もインパクト強かったのが、故アンドレ・ザ・ジャイアント。
その姿、私はCSで見たのですが
おなじみワンショルダーのコスチュームにあの超巨体で登場なもんだから、
当時の古舘アナが「あれは誰なんだー」といくら煽ったところで
「お前アンドレだろ!」と突っ込むまでもなく、素性まるわかり。
「タイガーマスクに出てくるグレート・ゼブラの正体は馬場」と
1秒でわかるのと同じぐらい、バレバレだったところが可笑しかったです。

ところで、マシンは超ヒーローなどという立ち位置ではけっしてないものの、
あのマスクには「なんかかぶってみたい」という気にむずむずとかられる
魔力があると思いませんか?
プロレスファンなら一度は抱く感覚だと信じているのですがどうかしら。
(ナカジマ)



★J・Jジャックス <飯塚高史・野上彰>

かつてのバッファロー吾郎さんの
「ワイドショーの司会とコメンテーターのやりとり」のコントの中に、
コメンテーターが視聴者の女性に向けて痴漢撃退法を伝授するくだりがありまして。
コメンテーターが司会者を痴漢役に見立て、護身術を手ほどきしながら
プロレスチックな肩車に持ち込み、
「これはJJにも載ってる常識ですから!」と言い切ったのに
「ほんとにJJに載ってるんですか?
J・Jジャックスの間違いじゃないんですか?」と司会者が返す… というものなのですが、
J・Jジャックス本人よりこのコントの記憶の方が私の中でまさっているという、
それほど日の目を見なかった新日本プロレス内のユニット。
(ちなみにこのバッファロー吾郎一連の動作は、
肩車から前転→ローリングクラッチホールドに至るムーブにつながります)

なし崩しに立ち消えになったのかと思いきや、意外に3年ぐらい活動していたようですが、
なかなか思い切りよくて味のあるルックス(古いタイプの男前)のふたりだっただけに、
もう少し適切な売り出し方があったのでは、と素人ながら思ったものです。
ユニット名からしてアレでしたし、
まとわされていた紫のコスチュームも、フロントからのプロレス的なかわいがり
(新人教育のいう名のもとの苛め)を感じさせなくもなかったというか。
実はここでとりあげたのも
「かつてこんなにピンポイントでJ・Jジャックスについて語ったサイトさんもあるまい」
という空前絶後感を狙ってみたにすぎなかったりして。
(ナカジマ)


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<対談余録>

■ナカジマ篇

「ブルーザー・ブロディとジミー・スヌーカ」という組み合わせもあがってましたが、
彼らはタッグというより、それぞれにすばらしすぎる個々を
別の括りでとりあげたい気もしたので、今回は割愛。

あとは、
映画「トップガン」のテーマ(デンジャーゾーン)は
いろんな人が入場曲に使ってたねとか、
ディック東郷はほんとに素晴らしいプロレスラーだなぁとか、
団体SWSを旗揚げし、選手引き抜き悶着等でプロレス界に激震おこすも、
団体を崩壊させるのも早かったスポンサー、
「メガネスーパー」一連の騒動はなんだったんだとか、
全日本プロレス中継では現在も使われている、
文字に走ってるみたいな効果線がついてるレスラー名テロップ用のフォントは
古かっこよくてしびれるので、あったら欲しい
(パソコンにとりこんで自分の名前とかあてはめて遊びたい)とかの話題も出ました。


■hyuchan篇

(いろんな人が使ってた「デンジャーゾーン」に関して…)
テーマソングって以前はもっとこう、単純な出囃子って感じで、
「ないと出にくいから流してみました!」っていうものが多かったと思います。
だから「デンジャーゾーン」だし、いわば合図なんですよね。
かつてIWA JAPANにいたMAYAという女マネージャーが、
フレディーとか怪奇軍団のみなさんを撤収させる際に吹く笛と一緒ですよ。

SWSについてはもう一度話してみたい気もしますが、
いかんせん選手がマイナーなのと、記憶をさかのぼってもあまりネタが浮かばないので、
何かの折に話題になる程度でいいかな。
良くも悪くも革新的なものでしたし。

全日本プロレス中継のカード紹介のテロップ文字と、
MBSで昔から使われている、人を食ったような文字はなんとなく好きなので、
いつか自分の名前を書いて欲しいなー、といつも思ってました。


(対談ロケ地協力:大淀南借家 太陽 Thanks!)



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これからこんなカタチで対談やったり、
それぞれがニュースや思うことをアップしていきます。
(hyuchan)


速報性がない報道とか、「なぜ今にこれを?」という非タイムリーな話題とか、
そういうのもまま取り上げるかと思います。
個人的趣味でレスラー幻想や昔のダラ幹エピソード話ばかりに走り出したら
きっとhyuchanが軌道修正してくれるでしょう(笑)
(ナカジマ)