無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「悪は存在しない」

2024-05-22 | 2024映画評


「悪は存在しない」 濱口竜介監督 ☓☓☓

 「ドライブ・マイ・カー」の監督の作品。海外では前作同様、高い評価を受けているようです。
 長野県のとある小さな町には移住者も増え自然豊かな中で主人公たちは穏やかに暮らしていました。しかし、そこへコロナ下補助金目当てに畑違いの芸能プロダクションがグランピング施設を作る計画を持ちかけます。説明によれば水源が汚染される可能性があるのでした。

 見どころは「薪割り」主人公の男性が大変気持ちよくマキを割ります。それくらいかな。日常的にほとんどの時間を自然の中で暮らしている観客には冒頭の木々も「いつもの風景」で日々見ているし流石に音楽は流れていないけれど一般的には林の中は不穏な雰囲気はなく、もっと健康的な雰囲気です。
 個人的には共感できるのは「薪割りが気持ちよかった」というセリフくらいでなぜ海外で評価されているのか理解できません。筆者の能力を超えた作品なのでしょう。
 ただ、監督の意向でミニシアターを中心に上映されているようで、ミニシアターお助け作品にはなったようです。今日も平日の昼間なのにほぼ満席でした。

 タバコは、前作同様タバコ宣伝作品で、どちらの立場の人も度々喫煙していました。芸能プロダクションのオフィスで平気で喫煙するなんていつの時代?水源の汚染には厳しい人が何も考えず喫煙して森林を煙で汚すな!
 車内での喫煙ネタなどもあり、妙にタバコにこだわっていることのほうが映画の内容より気になってしまいました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「鬼平犯科帳 血闘」

2024-05-16 | 2024映画評


「鬼平犯科帳 血闘」 山下智彦監督 ☓
 
 池波正太郎原作の「鬼平犯科帳」シリーズ劇場版です。長谷川平蔵を松本幸四郎、若い頃を実子の市川染五郎が演じ父子競演です。
 昔平蔵が世話になった居酒屋の娘おまさ(中村ゆり)が久しぶりに現れ「犬」にしてほしいと願い出ます。断られ、平蔵が探しているという九平(柄本明)に近づきます。九平は甚五郎(北村有起哉)を頭とする盗賊一味が強盗を働く現場を目撃していたのでした。この盗賊団は現場を皆殺しにするという恐ろしい一団です。それを取り締まる鬼平とその取り巻き。結末は見てのお楽しみですがどうも続編があるようです。

 昭和の時代劇を久しぶりに見ました。チャンバラは基本が殺し合いなのであまり好きな分野ではないのですが、「テレビで会えない芸人」「憲法くん」の松元ヒロさんが出演するということなので観ることにしました。親戚でも友人でもないのですが彼が登場するとなんだかハラハラしてしまいました。
 次回作でも、松元さんまた出るかな?

タバコは、池波正太郎原作ですから平蔵が何回かキセルをふかしていました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「戦雲いくさふむ」

2024-05-14 | 2024映画評


「戦雲いくさふむ」 三上智恵監督 ◯ ☆☆

 「標的の村」「沖縄スパイ戦史」など沖縄と戦争、基地問題をテーマにドキュメンタリー映画を取り続けている監督が、本島だけでなく石垣島、宮古島、与那国島など琉球弧に市民の声とは裏腹に着々と大軍事基地化を進めている姿を追いました。一方、各島に今も継承されている力強い民俗的な文化や芸能、重い人頭税、強制移転によるマラリヤ被害の歴史なども伝えています。

 平和国家だったはずが仮想有事の名の下、数の勢いで軍事予算が増やされいつのまにか軍事大国になっているこの国の姿を琉球弧を舞台に描いています。
 決して遠い離島の話ではなく自分に問われている事を認識するためにも多くの人に見てほしい作品です。
 「私たちは決して島民を見捨てません。」と言い切った自衛隊員がいましたが、彼には是非早期退職して島に移住し住民の一人としてハーリーに参加してほしいものです。

 タバコは、なし。無煙です。

*現在、茨城県・あまや座で上映中。5月17日まで。15日はお休み。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「青春18✕2 君へと続く道」

2024-05-13 | 2024映画評


「青春18✕2 君へと続く道」 藤井道人監督 台湾日本合作 ☓☓

 ジミー ライの紀行エッセイを実写映画化しました。
 高校生のジミー(シェー グアンファン)は、バイト先のカラオケ店で日本人バックパッカーのアミ(清原果耶)と出会い恋をします。天真爛漫ながらどこか陰があるアミでしたが打ち解けてしばらくすると突然帰国してしまいました。意気消沈したジミーでしたが、大学にもなんとか合格しゲーム開発で成功と挫折を経験し、18年後にアミの故郷只見を訪れるのでした。

 ネタバレ厳禁作品なので詳しくは書けませんが、主役のシェー グアンファンが18歳と36歳をうまく演じ分けていました。また、ネットカフェの店員役黒木華がとてもいい雰囲気を醸し出していました。どんな役もうまい俳優です。
 後半部分ではJRの鉄道映像が美しく「鉄ちゃん」必見の作品です。
 台湾と日本のランタン祭りが幻想的でしたが、飛んでいった先でどうなるのか、環境的にいかがなものでしょうね。

 タバコは、カラオケ店の日本語が上手な店長が一人だけみんなの前で喫煙していました。パワハラのスモハラですね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」

2024-04-24 | 2024映画評


「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」 川内有緒、三好大輔監督 ◯

 川内有緒のノンフィクション「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」を原案に同時進行で撮影されたドキュメンタリー映画です。
 白鳥健二さんは全盲ですが、恋人と初めて出かけた美術館で「全盲でもアートを楽しめるかもしれない。」とさまざまな美術館を訪れるようになりました。「自由な会話を使ったアート鑑賞」という独自の方法で学芸員や友人たちと新たな鑑賞法を楽しんでいる20年を振り返ります。

 白鳥さんに説明をすることでそれまで目に入らなかった部分まで丁寧に鑑賞できるようになり、また周囲の人びとの感じ方などが会話となって耳に入ると自分とは違う見方なども知ることができより楽しめるようです。
 実は筆者は昨年予告編で本作を見たあと、山梨の美術館で「種を蒔く人」を見たとき白鳥さんに説明するとしたらどうするだろうかを頭の中で言葉にしてみました。おかげでより細部まで鑑賞でき感動もひとしおでした。
 今回は舞台の一つになっている水戸に近いミニシアターで再上映されやっと本編を見ることができました。

 タバコは、なし。無煙です。ただ、お酒の好きな白鳥さんはよく居酒屋に入りますが、その一箇所に昭和のアルミの灰皿がテーブルに有り禁煙ではないのだな、とちょっとがっかりでした。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「四月になれば彼女は」

2024-04-20 | 2024映画評


「四月になれば彼女は」 山田智和監督 ☓

 川村元気の小説を実写映画化しました。
 医師の藤代(佐藤健)は恋人の弥生(長澤まさみ)と結婚が決まり具体的な準備をしていました。そんな折、10年前の恋人春(森七菜)から二人で行こうと言っていた海外から手紙が届きます。そして、なぜか弥生が失踪してしまうのでした。

 ウユニ塩湖やプラハ、アイスランドの景色がすばらしいですが、残念ながらそれだけの作品になってしまいました。お金はずいぶんかけたようですので景色を楽しむということでいいかな。

 タバコは、藤代が弥生を探して妹が働くパチンコ店を訪ねたらその妹が喫煙者で話しをしながら喫煙していました。姉の長澤とイメージが違いすぎでした。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「変な家」

2024-04-19 | 2024映画評


「変な家」 石川淳一監督 ◯東宝

 ユウチューブ動画で話題を集めた作品を加筆して小説にしてそれを映画化しました。
 オカルト系動画発信クリエイターの雨宮(間宮祥太朗)はマネージャーからおかしな間取りの家があると情報を得ます。オカルトネタ提供者で不動産業者でもあるミステリー愛好家の栗原(佐藤二朗)に間取りを見てもらいその謎を解き明かしていきます。するとその家の近くで死体遺棄事件が発生するのでした。

 間取り図という日常的ななんでもないものからミステリーを紡ぎ出すという手法は新鮮ですが後半のおどろおどろしさは、「八つ墓村」世代には既視感が強く慣れてしまったので演じているあの人たちがどんな気持ちで演じているのか推察するとちょっと笑えてしまいました。本人たちも楽しかったかも・・・。

 タバコは、なし。無煙でした。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」 

2024-04-15 | 2024映画評


「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」 井上淳一監督 ☓☓☓

 1980年代若松孝二監督が名古屋にオープンした「シネマスコーレ」を巡る青春を映画にジャックされた若者たちを描いた作品のパート2です。
 ビデオが一般に発売され映画界にも多大な影響が予想される頃、映画の魅力を伝えるため若松監督(井浦新)はミニシアターを計画し、その支配人にビデオのセールスをしていた木全(東出昌大)を抜擢します。映画館の営業成績は厳しくピンク映画を上映したり、名画座風のラインアップにしたり木全と若松はぶつかり合いながらもなんとか続けていきます。そんな映画館には映画に関わりたいと思っている若者が集まってくるのでした。

 井上監督の青春時代を杉田雷麟(すぎたらいる)が演じています。当時の関係者には胸がときめく内容かもしれませんが一般的にはいかがなものでしょうか。井浦新は若松の表情などかなり研究したのでしょうが、知らない観客が理解できるよう若松監督の作品をタイトルだけでなくさわり程度は見せてくれても良かったのではないかと思いました。
 ジェンダーや在日の問題に対する掘り下げかたも中途半端で、今この作品を世に問う意味が今ひとつわかりませんでした。

 タバコは、モクモク系で確かに若松監督は喫煙者だったのでしょうが、だからといって健康被害者を増やすことは必要性なし。井上監督はもう少し社会性のある監督かと期待していましたがタバコの幟をバックに写し込む、また、映画館内に門脇麦がタバコを持っているポスターが貼ってあるなどかなり宣伝していました。タバコ会社は大喜びですね。「いくつになっても学ばないと」って映画の中では言っていたような気がするけど・・・。学べよ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風よ あらしよ 劇場版」

2024-03-27 | 2024映画評


「風よ あらしよ 劇場版」 柳川強演出 ✗✗

 2022年NHKで放映されたテレビドラマの劇場版です。原作は村山由佳の同名評伝小説です。
 福岡の貧しい家に生まれた伊藤野枝(吉高由里子)は押し付けられた結婚から強引に逃げ出し上京、学生となり「原始 女性は実に太陽だった」という青鞜社の平塚らいてうの言葉を教えてくれた教師辻(稲垣吾郎)と暮らし始めます。辻は田舎の男と対して変わらず、青鞜社で働くようになって出会った大杉栄(永山瑛太)に惹かれ愛人のひとりになります。そして関東大震災が起きそのどさくさで中で憲兵大尉甘粕に殺されるのでした。

 女性解放の歴史に興味が多少でもあれば有名な話です。辻という平凡な男役の稲垣が「口だけ男」を好演していました。
 大逆事件とか大杉伊藤虐殺とか不当に殺された人々の名誉の回復と殺した側の贖罪は公になっているのでしょうか。過去を現在に活かすためにも「福田村事件」同様価値のある作品です。
 ただ、セリフが他の波の音などの効果音と重なり聞き取れないという映画としては致命的欠陥があることが大変残念です。
 何も知らない第三者に試写をしてもらって確認する作業くらいしてほしいものです。

 タバコは、大杉が喫煙者でした。また張り込みの刑事たちが喫煙したような吸い殻が映っていました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「落下の解剖学」

2024-03-08 | 2024映画評


「落下の解剖学」 ジュスティーヌ ドリエ監督 仏 ✗✗✗

 2023年第76回カンヌ映画祭パルム・ドール受賞作です。
雪深い山荘で父親が転落事故にあいます。すぐに駆けつけたのは視覚障害がある息子と愛犬でした。自殺か事故かそれとも殺人かと検証されます。そして同じ山荘の別の部屋にいた妻サンドラ(サンドラ ヒューラー)が疑われます。サンドラは古い友人に弁護を依頼します。裁判の過程で夫婦の関係が徐々に明らかにされるのでした。

 弁護士と検事との丁々発止のやりとりとその時の関係者の表情の微妙な変化が見どころです。タイトルのとおりどのように落下したのか詳しく「解剖」されていきます。それとともに息子が体験した数年前の事故をきっかけとした夫婦の心のすれ違いや仕事で成功している妻と仕事に不満を持つ夫との諍いが「解剖」されていくのでした。奇妙なタイトルでしたが観てみれば納得です。
 登場人物が競演していますが、もっとも名演していたのは犬でした。パルムドッグ賞ものです。ちょっとかわいそうな場面もありましたが動物愛護協会から苦情はなかったのかな。

 タバコは、喫煙者が多い作品でした。ただ、どの場面でも屋外で喫煙し、室内の場合は窓からタバコを持つ手だけ出して煙を外に吐き出していました。そこまで配慮するなら吸わなきゃいいのに、ですね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする