ほん!ほん!ほん!

推理小説から手作り関係の本までなんでもござれ!まだまだ読書量が足りないなあと思う今日この頃

ブログ移転しました

2014-07-06 01:03:04 | 小説
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名前探しの放課後(下)

2014-03-23 22:46:12 | 小説
名前探しの放課後(下) (講談社文庫)』 辻村深月

この作品が辻村深月・初だった方には賛否両論のようですが、この作者の作品はある意味”シリーズ物”なんだと思えばよいのではないかと思います。途中から読んでも何となくはわかるけど、やっぱり最初から続けて読んだ方がわかりやすいし、細かいところで「これはなに?」と思わずにすむという点で。

私は、ストーリー展開はもちろんなのだけど、この人の魅力はキャラクターの描き方にあると思います。とても生き生きしている反面、痛々しい部分や毒を含んだ部分もあり、人生きれいごとだけではいかないけれど、それでも生きていかなくてはいけない大変さのようなものを感じさせてくれます。

そう、生きるって、とてもパワーを必要とすることなんですよね。当たり前すぎて忘れがちなことを思いださせてくれる。

いつもそうだけど、辻村作品の上下巻ものって、下巻はものすごいスピード感なのね。この厚みでもあっという間に読み終わってしまう。というより、先が気になってぐんぐん読まされてしまう、という感じ。

主人公の依田いつかもいいキャラクターだけど、秀人と椿ちゃんのコンビがやはりいい。またこの2人に会いたいな。

名前探しの放課後(上)

2014-02-10 22:48:13 | 小説
名前探しの放課後(上) (講談社文庫)』 辻村深月


辻村深月さんの作品で、上下巻に分かれているものは、だいたいスロースターターというか、ものすごーく長い前置き的な要素があるので、今回もこれでもか!と魅力あるキャラクターたちをいきいきと描くのが上巻なのかな、と思っています。

チャラ男にしか見えない依田いつかがタイムスリップしたところから物語は始まります。3ヶ月後に自殺する”誰か”を探し出し、それをくい止めることにしたいつかたち。なかなかいい案が浮かばずにいるときにふと知った”いじめ”の情報。そこから”捜査”は進みだしますが・・・

次第に明らかになる過去も気になる。

どうやら下巻は、過去の作品とリンクしているようです。
私はほとんど読んでいるので問題はないですが、Amazonのレビューなどを見ると、それを読んでいないと(「ぼくのメジャースプーン」?)リンクがわからない部分があるようで、リンクしているのは面白いし(けっこう毎度のこと)、知ってる登場人物が出てくると嬉しかったりするけれど、それを読んでいないと内容がわからなくなってしまうのでは確かに面白さ半減かもしれませんね。

なにはともあれ、さて、下巻だ!




わたしのとくべつな場所

2013-11-03 23:01:02 | 絵本
わたしのとくべつな場所』パトリシア・マキサック


これは昔の話?
いやいや、これほどあからさまではないかもしれないけれど、
まだまだ世界中にある、差別の話。

肌の色が違うだけで差別するなんて
全く理解が出来ないけれど、これが現実。

パトリシアはお気に入りのワンピースをおばあちゃんに着せてもらい
ある”とくべつな場所”へ行こうとします。
その間、立ち寄った公園のベンチには「白人専用」と書いてあり
ホテルの入り口では白人お断りと文句を言われ
レストランでも白人と黒人が同じ席で食事が出来ない現実にぶつかります。

途中で心が折れそうになりながらも、
なんとかたどり着いたその場所は・・・。

そうだったんですね。
公共図書館というところは、誰もが自由に入ることが出来る
唯一の場所だったんですね。
どこへ行くんだろう、気になって仕方がなかった。
私の中では「まさか」という感じでした。
いかに、差別の事実を知らないか、ですね。

図書館で、まだ2歳の子に読んでいたのですが
私の方がなんだかぐっときてしまいました。
小学生の上の子たちに読ませたいと思いました。





ぺろぺろキャンディー

2013-10-21 23:28:45 | 絵本
ぺろぺろキャンディー』ルクサナ・カーン

お母さんはインドの人なのかと思ったらパキスタンだったんですね。
民族衣装を着ているのですが、絵がとても素敵です。

お誕生会に妹を連れて行くことがいいことなのかどうか、
よほど仲が良くない限り、連れて行かないかな、普通は。
だって、小さい子を連れて行ったら場違いだし、面倒見切れないし。
それでもお母さんが連れてくように言ったから、お姉ちゃんはちゃんと連れて行った。
けっきょくそれで悲しい思いをすることに・・・

端から見るとよくあるきょうだい喧嘩だけど
当人にしてみればものすごく大きな問題。
だって、だれからも誕生パーティーに呼ばれなくなるなんて・・・

それでもその”方針”を変えないお母さん、すごい。
同じことを、妹にも要求します。

自分が同じ目にあって、初めてお姉ちゃんの気持ちがわかる・・・
けんかを乗り越えて、ほんとに仲良くなった姉妹を見て
自分と妹の子どもの頃を思いだしました。




ゆんでめて

2013-10-18 00:02:22 | 時代小説
ゆんでめて (新潮文庫)』 畠中恵

一応、最初から読んでいなくてもわかるようになっているので、この作品から読んでも主人公・一太郎と妖たちとの関係は理解できますが、やはりシリーズ最初から読んだ方がおもしろいでしょう。

今回は前作同様、連作短編なのかと思いきや・・・・少しいつもと趣向が違いましたね。
作者の新たな挑戦なのだと思いました。
もしかしたら、読みにくいと感じた方もいるかもしれませんね。

最初の章から屏風のぞきがいないし、なんだか不穏な雰囲気・・・
いつものおだやかな話じゃなくて、一太郎が悲しい思いでもするのかしら・・・
とちょっと心配になる。

そして話がだんだん進む(?)
いや、遡ってる?

結局どうなるんだろう・・・
そう思いながらたどり着いたラスト。

これをハッピーエンドととるかどうかは読み手次第でしょう。

しかし、いつもながら一太郎第一の兄や達が微笑ましかったです。
一太郎が第一で二はない。
その徹底ぶりが面白いのです。
ずっと読み続けたいシリーズ。









スタイルズ荘の怪事件

2013-10-12 00:06:25 | 推理小説
スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)』アガサ・クリスティー


改めてポアロシリーズをしっかり読んでみようと思い、この作品を購入。
ポアロが探偵として活躍する記念すべき第1作です。

本格ミステリですから、丁寧に伏線を拾っていけば答えにたどり着くはず・・・なわけないですね。一流のミステリですから。

この人が犯人??と思う人が二転三転、読みながら翻弄されるのが楽しかったです。
特に裁判の場面が面白かったですね。
逮捕、起訴までされたのだから、本当に犯人なのか?
いや、真犯人が別にいることをポアロが突き止めるのか?
とはいえ、この時点ではポアロの真意すらわからない・・・

まだ再会したばかりなので、ポアロとヘイスティングズのやりとりは
”やわらかい”感じですが、今後はどんどん”小憎たらしい”名探偵になっていくんでしょうね。

謎だらけの展開は、最後まで飽きさせず
一気読み必至の名作です。






ころころろ

2013-09-27 23:38:27 | 時代小説
ころころろ (新潮文庫)』 畠中恵

光を失った若旦那の目を元に戻すべく、妖たちが奔走する連作短編集。
シリーズのはじめから読んでいる人はもちろん、ここから読んでも違和感はないでしょう。

若旦那の素直さはいつものことながら、兄やたちの”甘やかしぶり”がおもしろい。
特に、目が見えなくなった手がかりを追っていた仁吉が妖怪たちとのトラブルに巻き込まれる表題作『ころころろ』が一番気に入っています。
一にも二にも、若旦那のことしか考えていない仁吉が思うようにことが進まず若旦那の元に帰れない。鳴家たちが持ってきた若旦那の文を食い入るように読んで、大事に懐にしまうシーンがとても好き。仁吉の、若旦那に対する深い思いが伝わって来るシーンです。

子どもの頃の若旦那の初恋話や佐助に女房!?という話もあり、今回もバラエティに富んでいて面白かったです。
それでいて、若旦那の目の光を取り戻す、というテーマがあるのでバラバラ感がなく長編を読んでいる感覚で読みすすめられました。

早く次作が読みたいです。



 


ポアロ登場

2013-09-11 10:37:48 | 短編集
ポアロ登場 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)


ポアロって、ほんとに鼻持ちならないおやじなんだけど(時々ヘイスティングズがかわいそうになります)、どこか憎めないというか、愛嬌すら感じてしまう憎らしさ。

しかも「灰色の脳細胞」だけで事件を解決していく、というやり方が好き。

ひとつひとつはすごく短い短編なのに、よくもこれだけの要素を詰め込んだな、と思うくらい、バラエティに富んだ作品。しかも、しっかりとそこかしこに伏線が張られている本格ミステリ。私の脳細胞は「灰色」とはいかなかったようで、ちっとも犯人は当たらなかったけれど。

何度読んでも面白い作品。
これが大正末期に書かれている、というのが驚きだ。
これだけ時間が経っても少しも色褪せていない。これから20年、30年先に読んでもきっと面白いだろうと思う。

クリスティファンにはもちろん、少しでも興味がある方はぜひ手に取ってほしい作品集である。








ちくわのわーさん

2013-07-24 00:30:15 | たのしい本
ちくわのわーさん』 岡田よしたか

 ちくわのわーさんが関西弁でしゃべりながら散歩。さて、どこへ行くのやら。道すがら、犬に入られたり、ドーナツの真似をしてみようと思ったり、巻寿司さんの服(海苔)を来てみたいとねだってみたり。そして最後は・・・。

 マツコデラックスさんがテレビで紹介していたのを見て、子どもたちが喜びそう♪と思って買ってみたら大当たり!!大好きな一冊になりました。

 大人も子どもも楽しめる絵本だと思いますよ。

 第2弾『うどんのうーやん』、第3弾『こんぶのぶーさん』もオススメです!