May 29th 2009
ちょっと前の号にも載ってたアメリカの州財政と刑務所にまつわる話。
Prison costs and budget cuts
No more room, no more money
ウィスコンシン州の刑務所が大混雑。州の財政に余裕がないので何とかしなければという記事。2000年から2007年で囚人数は14%増、一方で犯罪率は23%増。州の矯正システムは爆発状態。Pew Centerによると、100人に一人のアメリカ人はincarcerated(投獄。イコール収監という意味?)で、刑務所にいる31位人中1人は執行猶予もしくは保護観察という状態。で、このひどい状態は主に犯罪のせいというよりは新しい法律によるもの。
three-strike(重大な犯罪を3回以上犯した犯罪者の刑罰を重くするために刑期を延ばすやり方)や、
truth in sentencing(執行猶予や保護観察をなくして収監してしまう考え方)で刑務所に入る人が増えてしまう。そんなわけで2007年時、ウィスコンシン州では刑務所にいる囚人の55%が執行猶予もしくは保護観察という有様。収監者を減らすためにDoyle知事はtruth in sentencingを終了させる提案をしている。
California's budget crisis
No gold in state
シュワちゃんのカリフォルニア州は財政破綻まっただ中。知事は少しでも財政負担を減らそうと囚人の釈放を考えている。現在カリフォルニア州には33の刑務所があり168000人が収監されている。そのうちほとんどは硬直した法律によって収監されている人で、まずは38000人を釈放しようとしている。そのうちの半分は不法入国者。
財政負担を軽減するために刑務所から囚人を解放しよう、という考えになるところがすごい(いいか悪いかはおいといて)。もとより社会が犯罪とみなす行為が少なければ裁判費用も収監費用も矯正のために費用もかからなくて済むわけで。社会がギスギスして互いを傷つけあい、安全のために他人を隔離し閉じ込めておくことを望めば望むほど自分たちにコストとして跳ね返ってくるというのもなんだかねえ。